平成3245日目

1997/11/26

この日のできごと(何の日)

【徳陽シティ銀行】経営破綻

多額の不良債権を抱え経営難に陥っていた第二地方銀行の徳陽シティ銀行(本店仙台市、新井田時男社長)は26日、自主再建を断念、預金や貸し出しを宮城県内外の金融機関に引き継いだ上で、同じ第二地銀の仙台銀行(仙台市、日下睦男頭取)に営業譲渡する、と正式発表した。日銀は、山一証券破たんで実施した前日を上回る大量の資金を短期金融市場に供給して、不安鎮静に努めている。

徳陽は営業譲渡完了までは通常の営業を継続、預金は全額保護される。日銀は預金払い戻しに備え、日銀法25条に基づく無担保・無制限の特別融資(日銀特融)を発動した。預金保険機構も不良債権買い取りなどで資金援助する。早坂啓会長と新井田社長は経営責任を取り辞任する。

徳陽はこれまでの大蔵省検査などでは債務超過状態が確認できず、平成9年9月中間決算の発表でも自主再建路線を強調したばかり。だが、その後の相次ぐ大型金融破たんの影響で預金流出が加速、資金調達で行き詰まった。

大蔵省は「整理を前提に不良債権を一挙に償却すれば債務超過の可能性もある」(山口公生銀行局長)としている。預金保険機構の負担額や営業譲渡のメドなど今後の処理策も未確定の面が多い。大蔵省は同日、資産の内容悪化を防ぐため、徳陽に銀行法26条に基づく業務改善命令を出した。資産チェックのため早急に検査に入る。

同行の公表不良債権は今年9月末で約588億円。早坂会長ら創業者一族による不動産関連事業への放漫融資をきっかけに経営が悪化。最近は株価が50円の額面を以下に落ち込み、市場からの資金調達も困難となっていた。《共同通信》

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【大曲工高・後松重栄投手】メッツ入り

米大リーグ、メッツが秋田・大曲工高の後松重栄投手(18)を獲得した。メッツの大慈弥功極東地区担当スカウトは26日、大曲市の同校で記者会見し、同投手とマイナーリーグ選手契約交わしたことを発表。後松投手は「大リーグに自分の力を認めてもらったということでうれしく思う」と緊張しながら喜びを語った。

後松投手は今夏の高校野球秋田大会では3回戦で敗退したが、140キロを超す速球に加え2種類のカーブを持つ本格派の左腕。来年3月の卒業後、メッツ傘下のルーキーリーグ球団に合流することになっている。大リーグの独自のスカウト網で発掘されて、米球界入りするのは極めて珍しいケースになる。《共同通信》

【新進党】党首選選挙人は423人

新進党の党首選挙準備委員会(平井卓志委員長)は26日午前の会合で、12月の党首選の選挙人について協議し①国会議員177人②国会議員と次期衆院選公認候補69人を抱える総支部(計246)の代表−の総計423人とすることを決めた。

党選対は未公認の衆院選立候補予定者十数人に選挙権を与えるよう求めていたが、準備委は「個別の資格認定が難しい」として選挙権の付与を見送った。また、同日夕の臨時五役会で、党首選日程や選挙規程を28日の臨時総務会で最終決定する方針を確認した。

執行部は党首選日程について12月18日を軸に調整しているが、準備委は「国会終了後に一週間は選挙運動期間が必要だ」(幹部)との考えで、このため運動期間と投票日をめぐってさらに調整が必要となりそうだ。

2年前の前回党首選は参加料1000円を払えば一般人も参加できる公開選挙制度だったが、今回は国会議員らによる大会での投票方式となる。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】財政軸に公的資金

橋本龍太郎首相は26日夜(日本時間27日午前)、オタワ市内のホテルで同行記者団と懇談し、金融システム安定化に向けた金融機関の破たん処理について「あらゆる手段を講じるのは当然のことだ。財政構造改革に矛盾しないぎりぎりの政策を考える」と述べた。これは、財政投融資の活用などを軸に公的資金投入の具体策を検討していく考えを表明したものだ。

中央省庁再編で積み残しになっている大蔵省の財政・金融分離問題については、行革会議が最終報告をまとめる12月3日までに「与党3党間で結論を出してほしい」と要望。さきがけが完全分離でなければ与一党離脱も辞さないとして。いることに対して「与党3党の枠組みを崩さないようにしてきたし、これからも変わりはない」と述べた。

防衛庁の「省」昇格問題に関連し、首相はカナダから自民党の加藤紘一幹事長に電話で、3日までに最終決着させるよう指示したことを明らかにした。同時に「(この問題を)政局と絡めること自体おかしい」と指摘、党内の路線対立と絡めた一部の動きに不快感を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の菅直人代表は26日、都内で講演し、橋本行革の1府12省庁再編案について「霞が関に刺激を与えたが、やってもやらなくても変わりなかった」と批判。その上で、同党が掲げる「市民主義」に中曽根康弘、宮澤喜一両元首相が「ポピュリズム(大衆迎合主義)だ」と批判したことを挙げて「(行革に抵抗した)族議員こそポピュリズムだ。票のためには何でもやる。ポピュリズムというのは自民党のことだ」と一刀両断。実は民主党も「おれは族議員だ」と言ってはばからない農林、郵政関係議員を抱えているが、これには一切触れずじまいだった。《共同通信》



11月26日 その日のできごと(何の日)