平成3204日目

平成9年10月16日(木)

1997/10/16

【臓器移植法】施行

脳死移植への道を開く臓器移植法とその施行規則が16日、施行された。札幌医大の和田心臓移植から29年。欧米での日常医療の一つとして定着している脳死移植が、日本でもようやく実現に向けて一歩を踏み出した。

同法は臓器提供に限り「脳死は人の死」としたほか、運用指針(ガイドライン)で当面の移植実施を心臓で3、肝臓で2施設に限定、厳しい条件を課した。《共同通信》

脳死移植を認めた臓器移植法が施行された16日、臓器の配分を行う唯一のあっせん機関である日本臓器移植ネットワーク(東京都港区)が発足。肺、膵臓などの移植実施施設の検討など、移植実現に向けた条件整備の作業が進められた。《共同通信》

橋本龍太郎首相は16日、臓器移植法が同日施行されたことについて「(札幌医大で行われた)心臓手術から多くの論議を経て今日に至った。生体肝移植などの手法が増えている中、新たに脳死移植が行われる。今は医の倫理が一層求められる」との認識を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》



【北朝鮮による日本人拉致疑惑】家族が小渕外相に直訴

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いのある中学一年生、横田めぐみさん=当時(13)=の父親、滋さん(66)ら7家族13人が外務省を訪れ小渕恵三外相と面会、早期救出と真相解明を訴えた。小浜市内で行方不明になった地村保志さん=当時(23)=の家族も出席した。

めぐみさんは1977年に新潟市内で行方不明になった。滋さんらは「一日でも早く娘に会いたい」と要請。小渕外相は「今の時点ではよい返事をできないが、できるだけ努力したい」と語った。《福井新聞》

【政府、自民党】景気対策で補正予算

自民党の加藤紘一幹事長、山崎拓政調会長ら党五役と三塚博蔵相は16日夕、国会内で会談し、当面の景気対策として本年度補正予算を編成し、来年の通常国会冒頭で処理することを確認した。

補正予算には災害対策費とウルグアイ・ラウンド農業対策費を盛り込むほか①来年度の公共事業を前倒しで発注、支払いは来年度に回す「ゼロ国債」(国庫債務負担行為)で事業量を確保する②財政構造改革の観点から所得税の特別減税は見送る−ことで一致した。

政策減税については、山崎氏らは「景気対策として福祉、教育、住宅分野などで実施すべきだ」と強く求めたが、三塚蔵相は「毎年平均1兆2500億円の赤字国債減額が必要。財源がない」と消極的対応に終始。自民党は今後、党税制調査会の議論もにらみながら、自民、社民、さきがけ3党で政策減税の規模、内容を引き続き協議することになった。

このため党の景気対策にはラウンド農業対策費、政策減税などは盛り込まず、地価税凍結など王地流動化のための規制緩和などを中心に取りまとめ、21日に発表することになった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は16日午後、首相官邸を訪れた北海道稚内市の石岡由貴江さんら「流氷娘」から、重さ7キロもの特大タラバガニをプレゼントされ「申し訳ない。美女にカニか」と思わずにっこり。記者団の前でも「わが家では食べ切れないから、息子夫婦も招集しないと」とうれしい悲鳴を上げた。最近、支持率低下と合わせるかのように体調不良を口にする首相。カニを平らげて気力、体力を回復したいところだが、周囲からは「(オホーツクの)本当に厳しい冬はこれからだ」と橋本政権の行方と重ね合わせたつぶやきも。

○・・・小里貞利総務庁長官は、この日朝、北海道選出の石崎岳氏ら十数人の自民党一年生衆院議員に大臣室まで押し掛けられた。省庁再編案で北海道、沖縄開発庁が廃止の方向となっているためで「北海道、沖縄の存在感を分かっているのか」などと詰め寄られた。小里長官は「沖縄には、首相も関心を持っている。私は皆さんの主張に共感するところもある」と、ひとまず座を収めた。行革会議の最終報告とりまとめに向け、与党回りなどに追われている小里長官は「猫の手でも借りたいぐらいの忙しさだ。あの人たちが味方になってくれればなあ」と、行革応援団の登場を待望。《共同通信》



10月16日のできごと