平成2944日目

1997/01/29

この日のできごと(何の日)

【オレンジ共済詐欺事件】友部達夫参院議員を逮捕

オレンジ共済組合による詐欺事件で警視庁と広島県警、北海道警の捜査本部は29日、高金利をうたった金融商品「オレンジスーパー定期」で顧客から計約1億4500万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、共済組合の実質的な主宰者の参院議員友部達夫容疑者(68)=新進党離党、無所属=の逮捕状を取った。捜査員が入院先の東京都内の病院に出向き同行を求め、警視庁で令状を執行する方針。

捜査本部は友部容疑者が「スーパー定期の募集を主導したとみて、27日逮捕した組合幹部5人と合わせて追及。二千数百人から集めた約80億円の流れや「新進党に転じ、比例代表で初当選した平成7年の参院選で10億円使った」との指摘もある政界工作の実態解明に全力を挙げる。

これに先立ち参院は議院運営委員会(秘密会)で内閣の逮捕許諾請求を採決し本会議でも全会一致で議決。内閣の通知を受け東京地裁が逮捕状を発付した。国会議員が逮捕許諾の議決を経て逮捕されるのは7年12月の前衆院議員山口敏夫被告以来で戦後14人目。

オレンジ共済組合の詐欺事件で警視庁と広島県警、北海道警の捜査本部は29日午後、高金利をうたい文句にした金融商品「オレンジスーパー定期」で顧客から計約1億4500万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、組合の実質的主宰者の参院議員友部達夫容疑者(68)=新進党離党、無所属=を逮捕、参院議員会館の同容疑者の事務所など2カ所を家宅捜索した。

捜査本部は27日に逮捕した妻で理事長のA子容疑者(61)ら幹部5人と合わせて追及。東京地検特捜部と協力して「新進党から比例代表で初当選した平成7年の参院選で10億円使った」との指摘もある友部容疑者らの政界工作の実態解明に全力を挙げる。共済組合の集金総額は約91億円に上る。

友部容疑者は入院先の病院から同行を求められ、警視庁本部で逮捕された。定期で金を預かった事実は認めたが「欺くなどとは考えていない」と犯意を否認しているという。

捜査本部は「脳梗塞などの症状があるが、薬を飲んでいれば日常生活に支障はない」との入院当初の診断結果を明らかにした。29日朝も診察を受け、異常はなかったという。

調べによると、友部容疑者はA子容疑者ら幹部5人と共謀。払い戻す資金もその意思もないのに、6年6月から昨年10月にかけて顧客12人に「3年定期で年7.02%と銀行や郵便局より有利。間違いなく利息を付けて払い戻す」と持ち掛け、計約1億4500万円をだまし取り、選挙による負債返済や家族の遊興費などに充てた疑い。《共同通信》

新進党、工作資金を否定

新進党は29日、友部達夫参院議員逮捕に伴い、参院選比例代表名簿順位決定をめぐり党幹部に工作資金が提供されたとの自民党などの指摘を重ねて否定する一方、今後もプロジェクトチームで調査を続け「自ら真相を明らかにする」(神崎武法総務会長)方針だ。党基本問題調査会(海部俊樹会長)でも候補者選考基準の見直しを始めた。

友部議員をめぐっては当時の選対関係者が反対したにもかかわらず、順位が正式決定直前に当選圏内に繰り上がった不透明さはぬぐえず、こうした疑問点を解明できるかどうかは同党の今後の消長にもかかわってくる。

西岡武夫幹事長によると、平成7年の参院選では旧党派の国政選挙での得票実績に応じ、ドント方式で比例代表候補者数と順位を決定。友部議員は新進党の候補者公募コンテストに合格し、旧日本新党枠の三番手として選対本部に推薦されしたが、二番手の候補者が病気で立候補を辞退。その結果、当選が確実視された名簿13位に繰り上がった。

ただ友部議員は4年参院選で自民党からの出馬を模索しながら「変な金集めをしているという情報がある」として断られた経緯がある。このため新進党内にも公認決定や名簿上位への登載に反対論があったが、「細川護煕元首相の推薦もあり、押し切られた」(選対関係者)という。

これに対し細川氏は「初村謙一郎前衆院議員経由で話があった。年金問題に精通しており、党全体の票の上積みになるのではという話で、党内にも特別の異論はなかった」と説明している。

各党各会派は29日、友部参院議員の逮捕を受けて、議員辞職を求める声明などを一斉に発表した。だが各党の強硬な姿勢とは裏腹に、辞職させる手段がなく自主的な辞職を待つしかないのが実情だ。 そればかりか、禁固より重い刑が確定して議員の身分を失わない限り、友部議員には歳費など年に約3600万円も支給され、納税者にとって腹に据えかねる状況が続くことになる。

友部議員に対する逮捕許諾が参院で議決されたのを受けて、同議員が昨年11月まで所属していた新進党を含め、各党各会派は声明などであらためて議員辞職を要求した。仮に辞職すれば新進党比例名簿19位の松崎俊久氏が繰り上がる。しかし、「議員の不逮捕特権」に象徴されるように、自主的に辞めない議員を辞職に追い込むことは不可能に近い。

一部で検討されている「議員辞職勧告決議」は可決されても拘束力がないため、本人が応じなければ国会の権威にも響きかねない。過去、衆参の各3議員に対して決議案が出されたが、すべて審議未了か否決に終わっている。

一方、逮捕されたとはいえ、友部議員には毎月約130万円の歳費と、文書通信交通滞在費100万円、年3回のボーナス計約780万円が支払われる。ボーナス支給が問題にされた厚生省前事務次官とは格段の差だ。《共同通信》



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【スピッツ】シングル「スカーレット」発売

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は29日、首相公邸で愛用している「24時間ぶろ」には、肺炎を起こすレジオネラ菌などが繁殖する可能性があり、通産省が同日に専門家による対策会議を開いたことを記者団に質問されたが、「記事は(以前に)読んだけど、あまり気にしていなかったな」とそっけない返事をした。先週は風邪気味だった首相だが、世間を騒がせている細菌繁殖は気にならない様子。「家内がちゃんと掃除しているんじゃないか」と付け加え、ちゃっかりと久美子夫人の内助の功をPR。

○・・・民主党の赤松広隆国対委員長はこの日の記者会見で、民主党など3党が欠席のまま行われた衆院予算委員会での補正予算案採決を「一分一秒も決めたスケジュールは変えられないと、自民党が数を頼んで暴挙にでた」と厳しい言葉で批判した。衆院本会議での対応についても「このままでは出られない」と一時は欠席戦術までにおわせた。ところがその後間もなくして開かれた与野党の国対委員長会談では、野党の組み替え要求に対し自民党などが出してきた回答であっさりと妥協し、本会議開会にも応じた。威勢よく振り上げたはずのこぶしの行方は?《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

「5人委」を新設

ペルーの日本大使公邸人質事件で、保証員会メンバーとされる赤十字国際委員会、カトリック教会、カナダ、ペルー両政府の代表に日本代表も加えた「5人委員会」が新たに設置されたことが29日、分かった。

ペルー政府とトゥパク・アマル(MRTA)との交渉方針などを協議するのが狙い。保証いでの交渉をめぐる事実上の意思決定機関で、日本も実質的に交渉に参加することになる。リマの複数の外交筋が明らかにした。《共同通信》

1日に首脳会談

ペルーの日本大使公邸人質事件でパレルモ教育相は29日午後、フジモリ大統領が2月1日午前10時(日本時間2日午前0時)から、カナダのトロントで、橋本龍太郎首相と首脳会談を行う、と正式に発表した。

ペルー外務省筋は同日、保証委員会のメンバーとなるシプリアニ司教、カナダのビンセント駐ペルー大使、ミニグ赤十字国際委員会ペルー事務所代表の3人がフジモリ大統領に同行すると述べた。大統領府は3人と、パレルモ教育相が同行するかどうかについて確認を控えている。

教育相の発表によると、両首脳は会談で、パレルモ教育相、シプリアニ司教、ビンセント大使の三者の直接的な見解に基づいて「解決のための戦略的方針について評価、分析する」。

フジモリ大統領はこの日、これまでも事件について協議してきたパンドルフィ首相、パレルモ教育相、ブリオネス内相に加えホルヘ・ボト外務次官を加えて首脳会談の詳細について詰めた。

シプリアニ司教が公邸を訪れ、赤十字国際委員会の職員ら計4人が、段ボール箱3個に詰めた救急医療器具や担架を運び込んだ。また厚生次官ら政府当局者が公邸正門のほぼ正面にある民家を訪れた。政府側が提案した医師チームを結成する準備とみられる。《共同通信》



1月29日 その日のできごと(何の日)