平成2861日目

1996/11/07

この日のできごと(何の日)

【第二次橋本内閣】発足

第138特別国会が7日召集され、橋本龍太郎自民党総裁が第83代首相に再選された。首相は直ちに組閣作業を終え、皇居での任命・認証式を経て同日夜、第二次橋本内閣が発足した。自民、社民、さきがけ3党が連立した第一次内閣と違い、社さ両党が閣外協力に転じて政権基盤が弱体化したため、首相は再選後に社さ両党党首と会談、引き続き連携する方針を確認した。

11月7日のできごと(何の日)【第二次橋本内閣】発足
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首相は組閣に際して「行財政改革」の推進を重視、行革担当の総務庁長官に武藤嘉文元総務会長、大蔵省改革を推進するため蔵相に三塚博前幹事長、公的介護制度導入など福祉・厚生行政改革を担当する厚相に経験者の小泉純一郎氏をそれぞれ起用した。

沖縄米軍基地問題の解決にも力点を置き、継続性の観点から梶山静六官房長官、池田行彦外相を再任、梶山氏を新たに沖縄問題担当とした。また、佐藤信二元運輸相を日米通商問題を所管する通産相に充てるなど緊急課題処理を優先し、旧派閥実力者らを配置した実務型内閣となった。同時に派閥均衡型でもあり、小泉厚相以外は旧派閥内の順送り人事となった。

衆院本会議の首相指名選挙で、橋本首相は自民のほか、社民、衆院会派「21世紀」、さきがけ、無所属の262票を獲得、第一回投票で過半数を制し再選を果たした。

閣僚のうち藤本孝雄農水相、堀之内久男郵政相、亀井静香建設相は再入閣。亀井氏は組織広報本部長として自社さ連携、選挙戦での活躍などを評価された。女性閣僚は石井道子環境庁長官一人だった。

新入閣は石井氏と松浦功法相、小杉隆文相、古賀誠運輸相、岡野裕労相、白川勝彦自治相、稲垣実男北海道、沖縄開発庁長官、久間章生防衛庁長官、麻生太郎経企庁長官、近岡理一郎科技庁長官、伊藤公介国土庁長官の計11氏。また懸案を抱える大蔵、外務、農水の各政務次官には初めて閣僚経験者を充て行革に向けた政治主導の姿勢を鮮明にした。《共同通信》

「自民党の単独政権に戻るのは残念。非力だった」。3年3カ月の連立政権時代の最後となった7日の閣議。総選挙で大敗した社民、さきがけ両党の閣僚は無念さをにじませて表舞台から去った。

午前9時から始まった総一辞職のための閣議は約10分で終了。社民党の岩垂寿喜男環境庁長官は秋の青空を指して「きょうの空のような心境だ」と言いながらも複雑な表情。「連立政権が強みを発揮したのは確かだった」と自分に言い聞かせるように話した。

「連立への取り組みは間違っていなかった」と語気を強めたのは久保亘蔵相。「連立に取り組むことによる成果が理解されなかった。反省もあるが、この経験をどう生かすかが大事だ」と語った。新党さきがけの田中秀征経企庁長官は「連立の中で全力を尽くしたが、われわれの努力が(国民に)伝わらなかった」と反省の弁。自民党単独内閣に逆戻りすることについては「そうだね」と苦笑い。

菅直人厚相は「橋本内閣は雰囲気がよく仕事をしやすかった。やるべきことはやれた」と満足そう。「民主党を設立しながら、最後まで閣僚の仕事を全うできた。理解してくれた首相にお礼を申し上げた」と橋本龍太郎首相に気を使っていた。《共同通信》

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【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は7日朝、予定より10分以上早く公邸から官邸へ。「捨て子にされちゃったよ。二男の子の7カ月検診で奥さんがおれを残して行ったから。一人で公邸にいても仕方がないんで、出てきたんだ」と苦笑い。9時からの臨時閣議後には「無事、くび(総辞職)になりました」と軽口を飛ばし、初登院で胸に議員バッジをつけてもらうと「何回つけても重いものだ」と感想を語った。記者団が組閣人事を聞き出そうとすると、途端に「(めどが)つくかつかないか分からん」「んーん」とだんまり戦術。

○・・・衆院副議長に就任した新進党の渡部恒三氏はこの日昼、衆院議員総会で「26年間代議士を勤め、組閣の度にもくろんだが、(副議長就任は)一秒も考えたことがなく青天のへきれきだ」とあいさつ。住宅金融専門会社問題でのピケ戦術にも触れ「もし与党が理不尽なことをすれば、体を張って阻止する」と決意表明した。ただ「新進党は今、一番苦しい時にあり、党を離れるのは後ろ髪を引かれる思いだ。帰る家がなくならないようにしてもらいたい」と笑わせたが、党分裂の火種を抱えたままだけに、行く末に心配は尽きない。《共同通信》

【日米野球】第6戦

日米野球第6戦は7日、甲子園球場で行われ、全米が乱打戦の末、11−8で全日本を下し、通算成績を4勝1分け1敗とした。この結果、全米の今シリーズの勝ち越しが決まった。

全米の先発、野茂(ドジャース)は三回、和田(阪神)に走者一掃の三塁打を打たれるなど集中打を浴び、4点を取られた。しかし、全米はその裏のガララーガ(ロッキーズ)のソロ、四回のシェフィールド(マーリンズ)の3点本塁打で追いついた。全米はその後も全日本に二度先行を許しながら、すぐに反撃。6−8の六回、斎藤雅(巨人)からヤング(ロッキーズ)、フィンリー(パドレス)の連続適時打で4点を奪い逆転した。

第7戦は9日、横浜球場で行われ、先発は野村(横浜)とレイノルズ(アストロズ)が務める。《共同通信》

【オウム・松本智津夫被告】第14回公判

オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第14回公判が7日、東京地裁で開かれ、精神的に不安定な状態と伝えられていた松本被告は地下鉄サリン事件の実行犯とされる元幹部広瀬健一被告(32)への弁護側反対尋問を遮り「わたしは殺されるんだ」「ここから出していただきたい。ここは裁判所ではない」などと、いらだった態度で発言を繰り返した。

阿部文洋裁判長は「静かにしなさい」と何度も制止したが、松本被告は「発言を取り消さないと、即刻死刑ですか」と言い返し、公判は国選弁護団の請求で昼の休廷となった。「事件を背負う」などと陳述した前回公判に続き、混乱の法廷が続いた。

この日の公判は午前10時に開廷。松本被告は特に変わった様子は見せなかったが、広瀬被告の反対尋問が始まって約20分後、着席したままで「前回と同じことを聞いている」と発言を始めた。数分後には突然立ち上がり「裁判所ではない」などと述べ「わたしはあなた方を裁けない。あなた方は権力で裁くでしょう」「わたしも自白してないし、証人が証言したこともわたしは分かりません」などと続けた。

さらに「地下鉄サリンの裁判なのに、どうして自動小銃の話になるのか」と弁護団の尋問も批判。何度も「ばかげた裁判はやめてください」と言葉を荒らげた。阿部裁判長も「あまりそういう発言をしていると、退廷させますよ」と語気を強めた。

松本被告は元幹部井上嘉浩被告(26)が弁護側反対尋問に証言した10月18日の前回公判でも「事件を背負う」「全面無実」などと発言。井上被告の証言中は体を激しく震わせ、体の変調を訴えた。前

回公判後は東京拘置所の独居房で大声を出したり、壁をたたいたりして、2度にわたって保護房に収容され、国選弁護団との接見も拒否。保護房を出た後は看守の呼び掛けに答えない無反応状態になっていた。《共同通信》

オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=が「ばかげた裁判はやめろ」などと発言を続け、休廷となった第14回公判は7日午後、東京地裁で再開されたが、松本被告は元幹部広瀬健一被告(32)への反対尋問を休廷前と同様に遮り「死刑場に連れて行け」「わたしを精神病院に入れるためにやっている」などと繰り返した。

阿部文洋裁判長は発言を禁止したが、話し続けたため、松本被告に退廷を命じた。一連のオウム裁判で被告が退廷させられたのは初めて。

退廷後も反対尋問は続き、広瀬被告は10月3日の検察側主尋問に詳述した地下鉄事件の共謀の経緯などをあらためて証言したが、反対尋問は終わらず、持ち越された。《共同通信》

【マーズ・グローバル・サーベイヤー】打ち上げ

21世紀に向けた国際火星探査計画の第一弾として、火星上空から大気や地表を観測する米航空宇宙局(NASA)の探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」が米東部時間7日正午(日本時間8日午前2時)すぎ、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地からデルタ2ロケットで打ち上げられた。

飛来したいん石から生命体の痕跡とみられる物質が見つかるなど、火星への関心は急上昇中。NASAは来月初めには火星着陸を目指す探査機も打ち上げる予定で、有人探査を最終目標とする一連の探査計画で生命存在の確認につながるデータが得られるかどうか注目される。

サーベイヤーは縦横が各1.5メートル、高さ3メートルで、重さは約1トン。

1997年9月11日に火星上空に到達。最初は火星を大きく回るだ円軌道に乗り、徐々に円軌道に修正する。98年3月からカメラや熱放射センサーなど8つの搭載機器を使って観測を開始。火星表面の高解像度画像や地形図データを送ってくるほか、生命をはぐくむ水が存在するか、などについて2000年初めまで観測を続ける予定だ。

NASAは12月2日には、着陸機と小型探査車(ローバー)で構成される「マーズ・パスファインダー」を打ち上げる。《共同通信》



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