平成2862日目

平成8年11月8日(金)

1996/11/08

【橋本龍太郎首相】「2001年までに省庁再編」

橋本龍太郎首相は8日午後、第二次内閣発足に当たって首相官邸で記者会見し、行政改革について自ら責任者となる首相直属の審議機関を月内に発足させる方針を公式に明らかにした。中央省庁の半減構想に関しては「平成13(2001)年1月1日までに新体制に移行できれば素晴らしい。努力したい」と21世紀初頭を目標に設定した。日銀法改正などによる大蔵省改革は「先行実施するのが当然だ」と述べた。

「霞が関改革は強い政治的意思がなければ実行でいない」と決意を表明。「失敗すればそれだけの責任が生じるのは当たり前だ」と言明したが、同時に「一人の政治家の進退で済む程度の話ではない」とも述べた。

首相は中央省庁再編について①審議会の発足から1年で成案を得る②10年の通常国会に法案を提出③法律制定から5年以内に実現–との手順を示しながら「これをやらなければ日本の明日がなくなる」と訴えた。

首相は武藤嘉文総務庁長官を行革審議機関の責任者代理に起用、武藤氏と週明けに具体的な詰めに入る意向を示した。委員は官僚0Bを除外して憲法や行政法学者、民間人で構成。既存の行政改革委員会や地方分権推進委員会の意見書を踏まえて「国家的な見地でオープンに議論したい」と述べた。《共同通信》



【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は8日の記者会見で、旧西ドイツ以来15年間首相を務めるドイツのコール首相に長期政権の秘けつを、1日の夕食会で尋ねたことを紹介。コール首相は「なるべく記者会見を減らすこと。新聞は絶対に読まないこと」と忠告、橋本首相は「僕は新聞、テレビに目を通す。そうすると短命かな」と答え、その場は爆笑になったとか。第二次内閣発足に当たっての会見だけにまずいと思ったか、「コールさんが言っていたことですからお間違いなく」と念押しするなど、弁明しつつも長期政権にはあやかりたい?

○・・・社民党の前島秀行総務局長は、この日の代議士会で、党議に反し3人の衆院議員が首相指名選挙で土井たか子党首に投票したことを取り上げ「心を一つにしてやってきたのに何だったのか」とチクリ。さらに「予算や首相指名といった基本部分の党議拘束がなければ、政党として形を成さない」と皮肉った。土井氏が「15人しかいないのに、しこりになってはいけない。あらためて議論したい」とその場は収めたが、違反者はいずれも土井氏周辺の市民派グループだけに、小所帯の中での党内対立の根深さが浮き彫りに。《共同通信》

【厚生省】新旧厚相が引き継ぎ

薬害エイズや病原性大腸菌O-157など菅直人前厚相の下で約300日にわたる激動の日々を送り、小泉純一郎厚相を迎えた厚生省で8日午後、新旧厚相の引き継ぎが行われた。

菅氏は「いい議論、仕事をさせてもらった」と終始笑顔。これに対し3度目の就任となる小泉厚相は「気心が知れている大臣がきて、ほっとしているかもしれないが、やってみなければ分からない」と早くも職員を引き締めた。

午後3時半から新旧厚相は、厚生省2階の講堂で職員を前にあいさつ。菅氏は「もう少し厚生省のことも考えてほしいという人もいるかもしれないが、私は省のことも国民のことも考えてやってきた」と振り返った。

小泉厚相は「厚生省の職員はなぜ国民が菅さんの指導力にあれほど拍手を送ったのかよく認識する必要がある」とした上で「郵政大臣の時、郵政省の方向に真っ向から反する姿勢を取った。職員はやりにくかっただろう。辞めた時にはほっとした空気が流れたのをひしひしと感じた」と経験談を披露、官僚への厳しい姿勢をのぞかせた。《共同通信》

【米・モンデール駐日大使】12月に辞任

モンデール駐日米大使は8日午前、橋本龍太郎首相を官邸に訪ね、12月15日に辞任し帰国することを伝えた。また大使館を通じて声明を発表し、その中で「大統領選挙を終えたことにより辞任に適切な時期が来たことを国務省に伝えた」と述べ、クリントン政権が2期目に入ることに伴い国務長官をほじめ大幅な閣僚交代が行われることを辞任の理由に挙げた。また日米関係の現状が緊密であることを強調、日米協力が世界の繁栄と平和に貢献することを指摘した。

モンデール大使は1993年8月に就任。カーター政権で副大統領を務めた大物大使として安保条約再定義など日米関係の強化に貢献、今年4月には橋本首相との直接交渉で沖縄の米軍普天間基地の返還を決めた。大使辞任後は、故郷ミネソタ州で弁護士に戻ることを声明の中で明らかにしている。《共同通信》

【米・クリントン大統領】再選後初の会見

クリントン米大統領は8日、再選後初めて記者会見し、2002年を期限とする財政均衡計画をめぐる共和党との早期合意達成を当面の最優先課題とすることを明らかにするとともに、教育改革を重視していくことなどを強調、「国民は中道を選択した」として共和党との協力で中道路線を推進する2期目の基本方針を打ち出した。

また、大統領は政権新人事の第一弾として、退任するパネッタ首席大統領補佐官の後任に前次席大統領補佐官である実業家のアースキン・ボウルズ氏を起用する、と発表した。

しかし、約1時間の記者会見では、政策問題以上に、インドネシア財閥、リッポー社関係者からの献金など、大統領・民主党への献金問題に質問が集中して大統領は釈明に終始。大統領にとって多難な2期目を予感させる滑り出しとなった。

大統領は、大学教育の一般化など「教育に最重点を置く」と述べ、“教育大統領”として教育改革に力を入れる考えを強調。財政均衡問題では、来週、共和・民主両党の議会指導部をホワイトハウスに招いて協議すると語った。

また大統領は、「共和党も含めて」新政権の人事を幅広く検討していく、と述べ、共和党政治家の入閣により議会多数派である共和党との妥協を模索していく可能性を示唆した。リッポー社献金問題で大統領は、対インドネシア政策への「影響はなかった」と述べて、外国企業の献金で外交がゆがめられた、との批判を否定した。

外交面では、大統領は2期目の課題として、北大西洋条約機構(NATO)拡大による欧州の分断克服や、中東、ボスニア和平の推進、大量破壊兵器の拡散防止などを挙げたが、対日政策については言及しなかった。《共同通信》

【オウム真理教・松本智津夫被告】第15回公判

オウム真理教松本智津夫被告(41)は8日、東京地裁で開かれた第15回公判で、元幹部井上嘉浩被告(26)への弁護側反対尋問を遮り「尋問が事件全体に及んでいるので、事件についてわたしの立場を明確にしたい」と述べ、初めて起訴事実について意見陳述する意向を示した。さらに被告人質問も求めたが阿部文洋裁判長は「次回冒頭に認否としてやっていい」として、反対尋問を続行させた。《共同通信》



11月8日のできごと