平成2473日目

平成7年10月16日(月)

1995/10/16

【ドジャース・野茂英雄投手】凱旋帰国

米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手(27)が16日、ロサンゼルスからの全日空機で成田空港に到着した。3月2日の出発から7カ月半ぶり、大きな成果を手に日本に凱旋した。

空港ロビーは大勢の報道陣と出迎えのファンが待ち構えていた。ブレザー姿で、バッグ一つを手にした野茂が現れると、居合わせた人たちからも拍手が沸き起こった。暗いニュースの続いた日本で数少ない明るい話題を提供したヒーローに、歓声が上がった。無表情だった野茂の顔がやや緩んだ。

大リーグで初勝利、初完封、球宴先発と夢を次々と実現した野茂は独特な投法と三振奪取で全米の野球ファンを魅了。ロサンゼルスでは野茂グッズが爆発的に売れ、ストライキの後遺症に悩む大リーグの救世主とまで評価された。

今季の成績は13勝6敗。236奪三振はリーグ最多、防御率2.54は同2位だった。11月9日(日本時間10日)に発表の新人王の有力候補になっている。

野茂英雄投手

最初はマイナーからのスタートだったからとにかく必死だった。メジャーで初めて投げたときが一番うれしかった。野球をやっていて楽しかったし、やりがいがあった。日本では、とにかくゆっくり休みたい。来季は今年より、もっといいボールを投げられるようにしたい。《共同通信》



【プロ野球・横浜】新監督に大矢明彦氏

横浜は16日、横浜市中区のホテルで大矢明彦バッテリーコーチの新監督就任と来季のコーチ陣を発表した。

大矢新監督は1970年、駒大からヤクルトに入団。リーグを代表する捕手として、ダイヤモンドクラブ賞を6度受賞。78年にはヤクルト初の日本一にも貢献し、ベストナインにも選出された。引退後は野球解説者として活躍。93年から近藤前監督の下でコーチを務めていた。契約期間は2年。

コーチ陣では球団OBで野球解説者の斉藤明夫氏を投手コーチに招き、弘田澄男外野守備・走塁コーチがヘッドコーチに就任した。《共同通信》

【体操・小菅麻里選手】現役引退を表明

日本女子体操界をリードした小菅麻里選手(20)が16日、記者会見し現役引退を表明した。「自分自身で引退を決意しました」としっかりした口調で切り出した。日本女子体操界の顔として活躍してきたが、度重なる故障で来年のアトランタ五輪まで競技生活を続けることができなかった。「五輪に未練は?」と尋ねられると「ありません」ときっぱり言い切った。《共同通信》

【韓国】学生が与党本部へ乱入

韓国大学総学生会連合(韓総連)所属の大学生十数人が16日朝、ソウル市内の与党・民自党本部6階に乱入、光州事件に関連して全斗煥元大統領、盧泰愚前大統領らの処罰を要求して立てこもったが、約1時間後に、機動隊によって全員連行された。

学生たちは「光州事件の虐殺者たちを処罰せよ」「虐殺者たちをかばう金泳三(大統領)は退陣せよ」などのスローガンを叫び、「光州事件の完全な解決のために国民に訴える」というビラをまいた。《共同通信》

【衛藤征士郎防衛庁長官】全国に基地を分散

衛藤征士郎防衛庁長官は16日午後の参院予算委員会で、沖縄の米軍基地の整理統合問題について「政府の努力不足があったことを否めない」と認めた上で、「全国の(米軍)基地の75%が沖縄にあることを踏まえ、北海道から九州まで全国でシェアを分担するという基本的立場で考えるベきだ」と述べ、沖縄の米軍基地の国内の他地域への移転に積極的に取り組む姿勢を強調した。

村山富市首相も「苦難を背負っている沖縄県民の心情を国民全体が共有することが大事だ」と指摘した。また衛藤長官は、沖縄の普天間飛行場の扱いについて「できるだけ早く返還されるようにしたい」と述べ、米側に返還を働き掛ける。意向を表明した。社会党の照屋寛徳氏の質問に答一えた。

島村宜伸文相は、宗教法人法の改正案に盛り込まれる予定の所轄庁による「質問権」について「(宗教法人の運営に)問題があると判断される場合でも現行は確認する手段はない。しかし(改正により)今後は応分の報告が受けられる。極端に疑義があれば審議会に諮り、報告を求めるなり賞問権が行使でき、かなり改善される」と述べ、法改正により、宗教法人の運営状況の把握が進むとの認識を示した。

また「現行では収益事業の停止や認証取り消し、解散命令請求の根拠となる事実を知るすべがない」と、現行法の欠陥を指摘した。自民党の斎藤文夫氏の質問に答えた。《共同通信》

【村山富市首相】代理指名拒否「日米会談までに解決」

村山富市
https://www.kantei.go.jp/

村山富市首相は16日昼、大田昌秀沖縄県知事が米軍用地強制使用の代理署名を拒否している問題について「何とか11月の日米首脳会談までに解決したい。そういう気持ちで取り組みたい」と述べ、11月下旬に東京で予定されているクリントン米大統領との会談までに決着を図りたいとの強い意欲を示した。国会内で記者団の質問に答えた。

首相はこの後の政府与党首脳連絡会議で、沖縄の米軍基地をめぐる問題について「日米安保体制の基本的在り方などに踏み込んで議論することが必要で、はれものに触るような扱いではいけない」と述べ、安保体制の必要性を前提としながらも、沖縄の米軍基地縮小にこれまで以上に取り組む姿勢を示した。これを受け、政府与党一体で問題解決に当たることを確認した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・16日昼、首相官邸で2週間ぶりの政府与党首脳連絡会議が開かれた。冒頭、野坂浩賢官房長官は平成7年度第二次補正予算案が衆院を通過したことに触れ、「総理に成り代わって感謝したい」と、与党側に謝意を表明した。すると、同席の村山富市首相が「本人がここにいる。成り代わらずに私自身があらためて感謝する」と発言し、出席者も大笑い。日ごろから「首相と一心同体」が口癖の野坂氏だが、補佐役として今回ばかりは出過ぎたよう。それとも、首相の存在感がそれほど希薄な証拠?

○・・・社会党の久保亘書記長はこの日、都内で開いた同党東京・南北関東ブロック会議で、社会党主軸の新党に期待している人は27%、期待しない人は73%というある報道機関の世論調査の結果を紹介した。「27%が期待していることは自信を持って受け止めてよい。同じ調査の自民党支持率より高い」と妙な自慢。さらに、社会党の支持率が5%にすぎなかったことを逆手に、新党結成に向けてはっぱをかけたが、横路孝弘・前北海道知事や新党さきがけなどとの幅広い結集のめどが立たない現状に、半ば開き直りの境地に達したのかも。《共同通信》

【米・ワシントン】「100万人大行進」

米プロ・フットボールの元スターで殺人罪に問われたシンプソン氏への無罪評決、パウエル前統合参謀本部議長の大統領選挙出馬の動きなど、黒人をめぐる人種問題が注目される中、黒人男性が団結して存在を誇示する集会「100万人大行進」が16日、首都ワシントン市内で行われた。

黒人イスラム組織「ネーション・オブ・イスラム」の指導者ルイス・ファラカン氏の呼び掛けで実現した。集会のヤマ場ではジェシー・ジャクソン師など黒人運動の有力指導者が演説。集会の模様は主なテレビ・ネットワークが特別中継した。一方、クリントン大統領もテキサス州で人種問題に関して演説、全米国民の視線が人種問題に注がれる一日となった。

集会参加者は、全米から車や貸し切りバスを連ねて集まっているが、好天に恵まれたこともあり、総数は最終的に50万から100万人の規模になるとみられている。

ファラカン氏に対しては、ユダヤ人を「吸血鬼」と呼ぶなど、過去の反ユダヤ、女性差別の過激な発言や思想から反発が出ている。集会開催で黒人への影響力を高める意図が同氏にあるとの批判的な見方もあり、ホワイトハウスは集会が人種間の対立をあおる結果になりかねないと懸念を表明している。

ファラカン氏は、集会に参加できない人も、この日に職場を休んだり、買い物を控えるなどの行動をとることで、黒人が社会に占める重要さを示すよう呼び掛けている。

ワシントン中心部は終日、大幅に交通規制され、地下鉄は繰り上げ運行と増発で、参加者や通勤客を運ぶ態勢をとった。《共同通信》

米首都ワシントンで16日開かれた黒人男性による「100万人大行進」は、警察当局の推計で約40万人が参加し、大きな混乱もなく終わった。1963年に故キング牧師が行った公民権運動ワシントン大行進の25万人を上回り、黒人問題での集会としては史上最大規模。O・J・シンプソン氏の無罪評決に象徴される人種間の対立が、集会を盛り上げる結果につながった。

主催者であるイスラム黒人組織「ネーション・オブ・イスラム」の指導者で「憎悪と分裂を訴えている」とクリントン大統領から批判されたルイス・ファラカン氏は「私は悪意がある人間ではない」と反論。「米国は黒人と白人に分かれ、不平等が残っている」と述べ、同日午前の演説で「協調」を求めたグリントン大統領の見解を批判した。

ファラカン氏は「われわれ黒人は組織化され、モラルを高める必要がある」と述べ「集会から帰ったら、何らかの団体に所属し、役に立つ努力を行え」と呼び掛けた。《共同通信》

【韓国国会】村山発言に抗議

韓国国会は16日開いた本会議で、村山富市首相の参院本会議での「日韓併合条約は法的に有効」との発言に抗議し、日本政府に日韓併合条約が「そもそも無効であることを認め、必要な措置を取ること」を求める決議を採択した。日本の首相発言への抗議決議採択は異例。

韓国政府としては、既に孔魯明外相らが日本政府に「適切な対応を求めていることから「尽くすべき手は尽くした。後は日本政府がどうこたえるか」(孔外相)との立場だが、マスコミや世論で「政府の対応は手ぬるい」との批判が強いため、国会外務統委員会が政府の対応とは別途に決議を提案した。

5日の村山首相発言を朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の労働新聞が非難したことをきっかけに、韓国のマスコミや国会議員らは強く反発。金泳三大統領が米紙ニューヨーク・タイムズとの会見で日本の歴史認識を非難したことも加わり、反日世論が高まっている。

決議は、日韓両国が国交正常化のため1965年に結んだ日韓基本条約第2条で「日韓併合条約」など植民地化に至る諸条約の無効を宣言しているとし、日本政府は「1910年8月22日および、それ以前に大韓帝国と日本帝国間で作成された条約」が締結時点で無効であることを認めるよう要求。

韓国政府にも「日本の歴史認識が正しく確立されるよう全力を傾け、国際社会でも正確に理解されるよう多角的に努力」することを求めている。

韓国外務省は第2条について、日本側は「締結当時は有効だったが今は無効」と解釈、韓国側は「締結時点で既に無効」と解釈するなど当時から解釈に差があった、としている。《共同通信》



10月16日のできごと