平成1966日目
1994/05/27
この日のできごと(何の日)
【経団連】新会長に豊田章一郎氏
経団連は27日、東京の経団連会館で開いた定時総会で、平岩外四会長(東京電力相談役)が退任、豊田章一郎副会長(トヨタ自動車会長)=(69)=を第8代会長に正式に選んだ。
あいさつで、豊田新会長は「規制緩和や社会資本の充実、地球環境問題などの課題の解決に貢献し、正しいと信ずる道を信念と気概を持って歩みたい」と決意を表明した。豊田副会長の会長昇格に伴い、平岩会長は名誉会長に就任した。
副会長には新たに那須翔東京電力会長、末松謙一さくら銀行頭取、青井舒一東芝会長、伊藤助成日本生命保険社長の4氏を選出。河合良一コマツ会長、飯田庸太郎三菱重工業会長、斎藤裕新日本製鉄会長の3副会長は退任した。
経団連の会長に就任した豊田章一郎トヨタ自動車会長には、政、官界との関係の再構築や景気対策、海外との経済摩擦の解消など「財界総理」として多難な船出となった。特に、政治とのかかわりについては、財界が長年政権党だった自民党への影響力を行使する力の源泉となってきた政治献金問題も含めて早急に指針づくりが求められている。
経団連は昨年九月に「苦渋に満ちた選択」(平岩前会長)の末、企業献金のあっせんの廃止を決めたが、個別企業の献金については独自の判断にゆだねており「かえって献金は不透明になった」との声も根強い。企業献金は政治改革法では認められたものの、財界として廃止に向けたリーダーシップを求める声も強まっている。
また、平岩前会長は自民の一党支持方針を転換、細川前連立政権の改革路線への支持を鮮明にした。しかし、羽田現政権の少数与党への転落で政局の混乱は深まっており、財界の万年与党体質を脱し、今後の政界再編にどう対応するかの戦略の明示も急務だ。
豊田氏は日米摩擦の焦点になっている自動車業界の出身。また、消費者と直接結び付いた企業から初めて会長になったことから国際的な視点での取り組みや消費者・生活者重視の社会へ向けた対応への手腕も注目されている。さらに内外から求められる規制緩和に対しては、官僚の壁だけでなく、産業界も総論賛成、各論反対に陥りがち。こうした業界の利害を乗り越える調整力も問われている。《共同通信》
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【羽田内閣】「閣議禁煙」で異論
熊谷官房長官は27日午前の閣議後の閣僚懇談会で、31日の「世界禁煙デー」と同日からの禁煙週間にちなんで、来週の閣議は禁煙とする方針を示し、各閣僚の協力を求めた。
大内厚相も閣議の席上、一週間の禁煙への協力を求めたが、閣僚の間からは「たばこで税収を上げている。それを環境対策に回すとかすべきで、たばこだけ駄目というのはどうか」など異論が出た。《共同通信》
【政界談話室】
○…羽田首相は27日昼、国会内で日本プロ野球OBクラブの川上哲治会長や豊田泰光氏らの訪問を受けた。川上氏を「昔から神様みたいに思っていた」と言うだけに、選手用の新品のバットをプレゼントされて感激したのか、両手で握りしめてひざに置き「重いなあ。僕らが使っていたのとは全然違うよ」。プロ野球ファンが約6000万人と説明されると「あやかりたいねえ」と“率直”。この後「(巨人軍)9連覇の極意は聞けたか」との記者団の質問は「いやあ」と受け流したが、当面は続投どころか、一人でも羽田ファンを増やすことの方が先決。
○…訪米中の武村新党さきがけ代表は26日(日本時間27日)、サンフランシスコのスタンフォード大で、前駐日大使のアマコスト氏ら日本研究者と懇談した。日本の政局や政界再編の行方など突っ込んだ質問に、武村氏は「難しい質問はこの人に任せてあるので」と鳩山由紀夫前官房副長官を答弁者に指名。同大に留学、19年前に構内のチャペルで結婚式を挙げた鳩山氏に花を持たせたらしいが、同氏は「新生党の多数派工作が成功すれば選挙はないが、解散を視野に入れなければならない状況に変わりはない」と必死に答えていた。《共同通信》
【福岡地裁】統一教会に賠償命令
「違法な霊感商法で強制献金させられ財産を奪われた」などとして福岡市在住の女性2人が世界基督教統一神霊協会(統一教会)に総額4900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日午前、福岡地裁であった。
中山弘幸裁判長は「献金の求め方は違法。信者の不法行為について被告には使用者責任がある」として、統一教会に総額3760万円の賠償を命じた。
原告弁護団によると、各地で係争中の統一教会をめぐる訴訟で判決が出たのは今回が初めて。信者の不法行為をめぐり宗教法人に民放715条使用者責任を認めたのは異例で、同種の訴訟に影響を与えそうだ。
判決理由で中山裁判長は「統一教会信者は、原告を狭い個室にいわば軟禁状態にし、霊界話などで不安をあおり、献金を承諾させた」と原告側が主張していた事実を認定。「布教活動の一環とはいえ、社会的に相当な行為とは言えず違法」との判断を示した。
さらに争点となった信者の行為に対する統一教会の指揮監督責任について、同裁判長は「教義に基づいた実践行為」と指摘。「(一連の)行為は同教会の事業執行に当たり、被告は民法75条が定める使用者責任を負う」と判断した。《共同通信》
【中国、ロシア】貿易関係拡大で合意
中国を訪問したロシアのチェルノムイルジン首相は27日午前、中国の李鵬首相と2時間20分にわたり公式会談し、中ロ間の貿易経済関係を一層拡大することで合意した。また、両国の軍事技術交流については、双方が国際的な取り決めを順守しながら拡大を図ることになった。
ロシア首相の訪中は初めてで、1992年のエリツィン大統領訪中以来、安定的に発展している中ロ関係の強化を図るのが狙い。両国は、ことし9月上旬に江沢民国家主席兼総書記が初訪ロすることで合意、李首相の訪口も時期は未定ながら原則合意し、両国首脳の往来は定期化する見通しとなった。
チェルノムイルジン首相は会談後、李首相と中口国境管理規定、二重課税防止協定など7文書に調印、同日午後、江主席とも会談した。
中国外務省スポークスマンによると、会談ではまず両首相が中ロ関係の安定は両国だけでなく、アジア、国際社会にとっても重要だとの認識で一致。今後も長い国境線を共にする隣国として友好協力関係を増進することで合意した。
李首相は昨年のロシアとの貿易実績が約77億ドルで過去最高になったとしながらも「このレベルではまだ不十分であり、両国経済の潜在力から見てもこれを拡大しなければならない」と言明、チェルノムイルジン首相もこの見方に同意した。《共同通信》