平成1861日目

平成6年2月11日(金)

1994/02/11

【細川護熙首相】米・クリントン大統領と会談

訪米中の細川首相は11日午前11時35分から、ホワイトハウスで昼食会も含め約3時間、クリントン大統領と会談、その後そろって記者会見した。

最大の焦点の日米包括経済協議は、日本の市場開放の度合いを測る「数値目標」の設定をめぐって対立が解けず、特に自動車・同部品など個別分野の交渉は事実上、決裂した。

両首脳は日米関係を損なわないことを確認、当面冷却期間を置くことになったが、米議会を中心に早くも対日制裁を求める声が高まっており、日米関係は厳しい局面に入る。

両首脳はまた、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核疑惑問題に強い懸念を表明。大統領は北朝鮮が核査察に応じない際の経済制裁措置の可能性に言及、首相もその場合は制裁に同調する考えを明確にした。

細川首相は経済関係について「できないことを率直に認め合う成熟した関係」を強調したが、包括協議が合意できなかったことで、日米関係は経済問題で「対立」の構図が鮮明となった。《共同通信》



【細川護熙首相】「大人の関係」強調

「新しい時代の日米の姿は、できないことについてはそれを率直に認め合う成熟した大人の関係であると思う」包括協議をめぐり激しく対立したまま首脳会談を終えた細川首相は、11日午後、クリントン大統領との共同記者会見でむしろ、さっぱりした表情で「新しい日米関係」を強調した。

クリントン大統領もユーモアを交え、終始笑顔で質問に答えたが、日米が平行線をたどった「客観基準」、「数値目標」をめぐる問いには、両首脳とも激しく反論し合うなど、これまでの日米首脳会談にはない光景を見せつけた。

両首脳が冒頭の発言を終えると、クリントン大統領は「質問者は私が指示します。日本人記者は細川総理が指します。これは数値目標ではありませんが」と記者団の笑いを誘った。しかし今後のことを聞かれると、両首脳とも「頭を冷やす」ことで一致。最後は2人の信頼関係をたたえ合っていた。《共同通信》

【細川護熙首相】ジョージタウン大学で演説

細川首相は11日午後(日本時間12日朝)、ワシントンのジョージタウン大学で、細川政権の政策課題と日本の果たすべき国際的な役割をテーマに英語で演説を行った。首相は今後の日米関係について「深刻な貿易、経済問題」の解決の必要性を指摘した上で、「そのためには、疑念と不信を捨て、パートナーシップの精神とお互いに対する敬意をもって、協力して取り組んでいかなければならない」と強調、包括経済協議などで、制裁発動をちらつかせて日本の譲歩を迫る米国の姿勢を強くけん制した。

さらに、両国関係が①経済問題のためにゆがめられることがないよう注意しなければならない②政治、安全保障、グローバルな政策課題における協力の重要性を念頭に、バランスの取れたものであるように努めなければならないーと述べ、経済問題に偏りがちな現在の日米関係の是正を訴えた。

また、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発に関連して最近、米国で日本の核武装の可能性が言及されていることを特に取り上げ「日本が核武装することはあり得ない。核武装は日本の国益に反する」と明確に否定。日本核武装論者に対しては「日本に来て議論すれば、国民が核をいかに深刻に受け止めているか分かる」と反論した。

首相は細川政権の下で、「日本の内側からの変革」が始まったことを強調。行政改革や規制緩和、内需拡大策を進めることで「対外不均衡の問題は緩和される」とアピールした。外交面では、アジア太平洋地域における米国の存在の必要性、日米協力の重要性を訴え、日米協調が「孤立主義、保護主義の危険に対する最も確実な保証」と述べた。《共同通信》



2月11日のできごと