平成1812日目
1993/12/24
この日のできごと(何の日)
【名古屋地裁】新間正次参院議員に有罪判決
昨年の参院選に民社党から立候補、選挙公報で「明治大入学」と経歴を詐称したなどとして公選法違反(虚偽事項の公表)の罪に問われた参院議員新間正次被告(59)=愛知選挙区、現在は無所属=の判決公判が24日午後、名古屋地裁であった。
笹本忠男裁判長は検察側の主張をほぼ全面的に認め「実際の自分を過大に表現し、より有利な評価を得て投票を得ようとした」として禁固6月、執行猶予4年(求刑禁固6月)を言い渡した。
国会議員が公選法の虚偽事項公表の罪で有罪となったのは初めて。有罪が確定すれば当選は無効となるが、新間議員側は議員辞職や控訴するかなどについて「慎重に考えたい」と明言を避けた。
新間議員側は公判で(1)明大には政治家の推薦で無試験で入学していた(2)民社党職員に学歴を告げたことはないーなどと無罪を主張した。しかし判決はそのような推薦制度はなく、入学の事実はない、と断定。また経歴公表への本人の関与も明確に認定した。
「中学時代にスイスに福祉留学」との演説内容も、客観的に留学の事実がないのは本人が一番分かっていることで虚偽の認識は明らかと認定。弁護側の「短期の留学は(公選法でいう)経歴には当たらない」との主張も退けた。
判決によると、新間議員は当選を得る目的で、立候補の話が浮上した一昨年7月下旬、選挙用の経歴書を作成する民社党職員に「明大入学、中退」と虚偽の学歴を伝え、参院選選挙公報などに掲載させた。また選挙中の昨年7月16日、名古屋市内での演説会で約700人の聴衆に「スイスに留学した」と偽った。
同裁判は公選法の「100日裁判」の規定に従って、起訴後120日近くで判決というスピード審理だった。《共同通信》
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【政治改革法案】参院で審議入り
会期の大幅越年延長などで空転していた参院政治改革特別委員会は24日午後4時半に開会、政府、共産党がそれぞれ提出している政治改革法案に関する総括質疑に入り、11月18日の政府案の参院送付から36日ぶりに実質審議を始めた。
細川首相は自民党の松浦功氏の質問に対し「できるだけ速やかに結論を出してほしいというのが多くの国民の期待だ。実りある論議を心から願っている」と述べ、今国会での法案成立に強い期待感を改めて表明した。年内成立の公約に関しては「政府として軽々しい発言は慎んでいるつもりだ。今後とも一層引き締めて行きたい」と釈明した。
参院の選挙制度改革について首相は「まず衆院(選挙制度改革)からやろうと論議が始まり、法案を取りまとめた。参院については一刻も早く与野党の論議が煮詰まることを期待している」として当面、衆院の改革を優先させる考えを示した。
山花政治改革担当相は小選挙区比例代表並立制が参院の選挙制度と酷似しているなどの指摘に対し「すべてに完ぺきと言う意味では限界があった。参院でも各党、各会派の議論を十分検討したい」と述べ、参院段階での法案再修正に含みを持たせた。山花担当相は個人献金を促すため税額控除制度創設が政令市以上を対象としていることに関連し、大阪府堺市、熊本市など人口が多い一部の一般市なども対象に加えるか検討する考えを明らかにした。
佐藤自治相は企業・団体献金を政党へ一本化しても政治家が企業に献金先を指定する「ひも付き献金」だと必ずしも透明性が確保されないことを認めた。
【細川護熙首相】政治改革年内不成立を陳謝
細川首相は24日夜、首相官邸で内閣記者会と会見し、首相が公約した政治改革法案の年内成立が不可能となったことについて「国民に率直におわびしなければならない」と陳謝しながらも「法案をこのまま葬り去るわけにはいかない。確実に成立するまで全力を尽くすのが、政治責任を全うする道だ」と強調し、延長国会の会期内の法案成立に全力を挙げることで責任を果たすことを改めて公約した。
首相は衆院解散、内閣総辞職については「考えていない」と否定した。
景気対策としては(1)所得税減税を含めた税制改革を来年度予算編成までに提示(2)第三次補正と来年度予算による15カ月予算の編成(3)即効性のある規制緩和(4)農業、中小企業の構造調整支援(5)雇用支援トータルプラン早期実施(6)実効ある土地流動化策ーの6項目を打ち出した。
政治改革法案について「会期内成立が政治責任を取る新たなタイムリミットか」との問いに対し、首相は「その通りだ」と明言。さらに「首相就任記者会見の時の(年内不成立なら責任を取るという)認識はしっかり受け止めている。腹をくくってやる気持ちに変わりない」と述べ、法案が不成立の場合は政治責任を取る意向を示した。
ただ、衆院解散か内閣総辞職かについては「そういうことは全く考えていない」と述べ、現段階での明確な言及は避けた。
また、法案の成立を目指して河野自民党総裁とのトップ会談にも応じる用意があるとしたほか、憲法59条(参院否決みなし規定)を発動、参院審議未了のまま衆院で成立を図る考えが与党内にあることに対しては「憲法に規定があることは重く受け止める」と述べ、含みを残すなど政治改革最優先の立場を鮮明に打ち出した。《共同通信》
【プロ野球・西武】1億円選手9人に
石毛宏典内野手(37)ら今季フリーエージェント(FA)資格を獲得した西武の3選手が24日、契約を更改し、石毛の2億円をはじめ、更改を保留している辻発彦内野手を含め、西武の日本人選手で1億円を超える高額年俸選手は9人になった。
西武の石毛宏典内野手(37)は24日、所沢市の球団事務所で契約更改交渉し、フリーエージェント(FA)不行使の引き留め料を含む6700万円増の年棒2億円でサインした。2億円を超える日本人選手は落合(巨人)秋山(ダイエー)に続きプロ野球史上3人目で、西武では外国人選手を含めても初めてになる。
今季は打率3割6厘、15本塁打、53打点。長年、チームの中心選手として活躍、その間チームは、10度のリーグ制覇に8度の日本シリーズ優勝。「13年やってきた数字とFAの絡み、そして8度の日本一の中に石毛という人間がいた。それらが合わさって2億になった」と振り返った。
もっとも、清水球団代表と11月には下交渉し、その時に2億円という数字を見ているだけに「感激は11月に終わった」そうだ。それより責任感の強い選手らしく、大きな数字を背負った来季についての思いが頭をよぎるようで「来年は大変。新外国人選手や鈴木健との競争もあるし、下手な数字ではすぐ引退、と書かれる」と、気を引き締める言葉が続いた。
西武の伊東勤捕手(31)と工藤公康投手(30)が24日、所沢市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、伊東がFA不行使の引き留め料の3000万円を含む6000万円増の年俸1億8000万円で、工藤が6500万円増の年俸1億6000万円でサインした。工藤は初めて1億円台に乗った。
プロ12年生の伊東は「成績はそれほどではなかったが、捕手としての重労働を配慮してもらった。球団が自分を必要としているのがひしひしと伝わった」と、来季に向けてのやる気を一層かき立てられて満足そうだ。
15勝3敗、防御率2.06の成績を残し最優秀選手(MVP)、防御率、勝率などのタイトルを獲得した工藤は、12球団投手で最高給となった。交渉の席上、今季終盤、肩の調子が思わしくなく一時的に登板できなかった原因を説明。「長く野球をしたいから」と、来季も独自の調整法で臨む意向を訴えた。(金額は推定)《共同通信》
【ボクシング・辰吉丈一郎選手】5月に米国で再起戦
左目の網膜剥離の手術を受け、現役続行が危ぶまれていた元世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎選手(23)=大阪帝拳ジム所属=が、来年5月21日に米ネバダ州ラスベガスで再起戦を行うことになった。大阪帝拳の吉井清会長が24日、大阪府守口市のホテルで記者会見して明らかにした。辰吉は、年明けにも米ネバダ州コミッションのライセンスを取得。5月に世界ランカークラスの選手との10回戦で復帰する。
会見に臨んだ辰吉は「まだ練習も始めていないので、世界戦のことは頭にないが、とりあえずリングに上がれることが決まってうれしい」と話した。
辰吉は7月の暫定王者決定戦に勝った後、目の網膜剥離を発症。現在の日本ボクシングコミッション(JBC)ルールでは、国内での試合ができなくなっていた。WBCでも原則的には網膜剥離の手術を受けた選手は、試合ができないと規則で定めている。しかし、一方でWBCが認定した2人の医師の許可と所属コミッションの承認があれば、リングに上がることができるという項目を設けている。
辰吉の場合は、復帰への方策を一任された本田明彦帝拳ジム会長が今月渡米。ネバダ州コミッションに辰吉の目を手術した医師の診断書を提出、ライセンス取得の確約を得た。《共同通信》
【逸見政孝さん】重体に
がんにかかっていることを記者会見で公表、9月から東京都新宿区の東京女子医大病院で闘病生活に入っていたアナウンサー出身の人気タレント、逸見政孝さん(48)の容体が24日夜に急変、意識不明の重体になった。
同日夜、東京都新宿区内のフジテレビ内で緊急の記者会見をした所属事務所、三木プロダクションの三木治社長によると、逸見さんは24日午後7時すぎに意識が薄れ、午後9時すぎにけいれんを起こし、その後呼び掛けにも反応しない状態が続いている、という。
逸見さんはことし1月、胃に早期がんが見つかり、切除手術を受けたが、その後に再発。9月6日、がんの告白という異例の記者会見をした直後に入院した。《共同通信》