平成1502日目

平成5年2月17日(水)

1993/02/17

【小沢一郎氏、竹下登氏】証人喚問

衆院予算委員会は17日午前10時から、今国会の最大の焦点である佐川急便・皇民党事件の真相解明に向川急便・皇民党事件の真相解明に向けて、小沢一郎元自民党幹事長に対する初めての証人喚問を行った。小沢氏は竹下元首相が元東京佐川急便社長渡辺広康被告らと皇民党の「ほめ殺し」中止工作を協議したとされる1987年10月5日の東京プリンスホテルでの会合について「会談がセットされた経緯、目的、内容は全く知らない」と述べ、ほめ殺し中止工作への関与を全面的に否定した。東京佐川急便から金丸前自民党副総裁への5億円献金についても「配分先も知らないし、相談を受けたこともない」と証言、竹下派政治家への再配分にも無関係であることを強調した。

喚問では冒頭、粕谷委員長が総括的に質問、続いて小杉隆(自民)、高沢寅男(社会)、草川昭三節(公明・国民会議)、木島日出夫(共産)、中野寛成(民社)の各氏が順次質問した。

小沢氏は東京プリンスホテルでの会合について「(会談の)部屋に出たり入ったりしていた」と述べるとともに、当時は経世会の一会員でありその立場を混同する行動をとったことはない」として「会談の内容を知る由もない」と証言した。

さらに、党則にのっとって総裁選になれば党内第一派閥を率いる竹下氏が勝つと信じていた、と強調。その理由から、ほめ殺しについては「無視して、ほうっておくべきだと思っていた。竹下氏にもそういう趣旨の話をした」と述べ、ほめ殺し中止工作の陣頭指揮を執っていたのではないかとの疑問を否定した。

さらに、小沢氏は当時、渡辺被告とは面識がなかったと証言。会合の翌日、竹下氏とともに東京・目白台の田中角栄元首相の私邸を訪ねたことについては「追い帰されても行ってほしいと思っていた。朝、連絡があり、喜んでお供した」と述べるとともに「皇民党(のほめ殺し中止の条件)うんぬんで行ったという気持ちは全くない」と強調した。

一方、金丸氏への5億円献金をめぐっては「金丸氏の政治団体の収支について、私が相談を受けるわけがない」「当時は自民党幹事長として総選挙を目前にして党活動に専念していた」などとして、全く関知していないとの立場を繰り返した。さらに「事実関係は生原(元金丸氏秘書)氏がよくご存じのはずだ」と述べた。

金丸氏が自民党副総裁辞任の記者会見をした昨年8月27日の直前、渡辺被告の主任弁護人である赤松幸夫弁護士と会談したことについては「8月25、26日に都内のホテルで会った」と認めたものの、赤松氏から渡辺被告の弁護人としての立場を聞いたにすぎないと強調。「なぜ赤松氏と面会しなければならなかったのか、その時も会談後もよく分からないままだ」と、上申書決着など法務対策への関与も否定した。

さらに、金丸氏の処分について「検察当局に働き掛けたり、話し合うなど常識的に考えてもあり得ない」と証言した。《共同通信》

衆院予算委員会は佐川急便・皇民党事件解明に向け17日午後1時から、午前中の小沢元自民党幹事長に続いて竹下登元首相に対する証人喚問を行った。竹下氏の喚問は前国会の衆、参予算委も含めて3回目。竹下氏は、旧平和相互銀行の株買い取りをめぐるいわゆる「金屏風」疑惑に関し「金屏風を見たことも、売買に金銭が動いたことも全くあり得ない。存じ得ないこと」と、関与を全面的に否定した。また、竹下政権成立の過程で暴力団が関与したことに対する政治責任について「誤解を解くことが私に課せられた使命だ」と述べ、野党側が「結果責任」を取るよう求めている議員辞職を改めて拒否した。喚問では粕谷委員長の総括的な質問に続き、小杉隆(自民)、仙谷由人、楢崎弥之助(社会党・護憲民主連合)、矢追秀彦(公明)、正森成二(共産)、中野寛成(民社)の各氏が質問した。

金屏風疑惑について竹下氏は「故青木(伊平)秘書が伊坂重昭氏(旧平和相銀元監査役)と会った事実を(私に)申していた」と、故青木氏と伊坂氏の接触は認めた。しかし「(金屏風の売り主である)真部俊生氏(八耳洲画廊社長)に会った記憶もないし、金品の授受があった事実もない」と、自分とのかかわりは否定した。

また、16日に伊坂氏が竹下氏にヤミ献金が流れたことを示唆する法廷証言を行ったことに対し「大変迷惑だという以外にない。全く関係のないことだ」と述べ、不快感を示した。

さらに、暴力団山口組系白神組の組員だったとされる人物の結婚式の仲人を務めたことは認めたが、故白神英雄組長と「兄弟杯」を交わしたとされる点については「白神氏に覚えはない」と証言。週刊誌などによる一連の疑惑報道には「それ相応の措置を講ずべきと考えている」と、名誉棄損などの法的措置も含めて対応していく考えを示した。

一方、皇民党のほめ殺し中止工作に関する1987年10月5日の東京プリンスホテルでの会合について田中角栄元首相の私邸訪問を勧めた元東京佐川急便社長渡辺広康被告の話を「関心を持って聞いていたのは私一人かなと思う」と述べ、金丸前自民党副総裁、小沢一元自民党幹事長が深く関与しなかったとの認識を示した。

さらに、皇民党の「ほめ殺し」については「自民党総裁選とは関連がない」と強調、「疑いがあるとすれば、それを晴らすことが責任だ」と繰り返して議員辞職を拒否した。《共同通信》



【自民党最高顧問懇談会】政策減税の実施に前向き

自民党の首相経験者らによる最高顧問懇談会が17日夜、宮沢首相、梶山幹事長も出席して都内のホテルで行われ、予算の年度内成立に全力を注ぐとともに景気浮揚策の一環として住宅減税など大規模な政策減税の実施を前向きに検討することで一致した。

中曽根元首相が「戻し税減税では財政負担が大きく、波及効果も疑問だ。効果や国民の要望からみれば住宅減税など政策減税をどーんとやるのがいい」と主張。宮沢首相も「その方が分かりやすい」と賛意を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は17日、官邸で「全日本きものの女王」一行の表敬訪問を受けた。パフォーマンス嫌いの首相にしては珍しく「よくいらっしゃいました」と両手を広げてあいさつ。振りそで姿の3人に「学生さんですか」「どちらの」と次々に質問を繰り出した。同席者が皇太子の結婚の儀が着物のPRになると切り出すと、首相は「あれは季節がちょっと夏に入りかけたところだから」と日時を示唆する発言まで飛び出す舌の滑らかさ。注目されたこの日午前の小沢元自民党幹事長の証人喚問で目ぼしい新事実が出なかったことが上機嫌に輪をかけたよう。

○…この日、社会党の「影の内閣」をめぐる社会党、社民連、民革連の3党首会談に出席した江田社民連代表は、一足先に来ていた星川民主改革連合代表に「楢崎さんの質問がいいところだったんですが、時間通りに来なければいけないと思いまして」と言いながら、まだ到着していない山花社会党委員長の席をジロリ。そこに駆け付けた山花氏が「証人喚問を見ていたので」と言い訳をしたが、江田氏は「私も見てたんですよ」。影の内閣の連立工作不調を占うように会談は始まる前から冷え冷え。《共同通信》

【米・クリントン大統領】包括的な経済政策を発表

クリントン米大統領は17日午後9時(日本時間18日午前11時)から約1時間にわたって上下両院合同本会議で演説、約5000億ドルにも上る大幅な財政赤字削減計画を基本とする包括的な経済政策を発表した。5年間で700億ドル以上に及ぶエネルギー新税、富裕層の所得税率引き上げなど思い切った増税で歳入増を図る一方、歳出削減し、米国経済の再建を目指す。

また、300億ドルの短期的景気刺激策で50万人以上の雇用を創出することを提案、最大の課題である失業問題にも取り組む方針を示した。

合同本会議での演説は就任後初めて。従来の一般教書演説に当たるこの重要演説で大統領は「このままでは財政赤字は10年後には6350億ドルに達する。増税を好む者はいないが、これ以上現実を否定し続けることはできない」と述べ、米国経済の再生に向け、全国民の協力を強く求めた。

しかし、財政再建の柱である増税は、選挙中に公約していた富裕層の増税にとどまらず、石油や電力などすべてのエネルギーにかかる新税の導入など、負担は中間所得層を含む全階層に及ぶ結果となり、議会と国民はこれを受け入れるかどうか今後、重い決断を迫られることになった。

この計画が議会で承認されなければ新政権の基盤が大きく揺らぐことは必至で、12年ぶりに民主党政権を誕生させた米国は、国民共通の課題である変革と経済再生をめぐって大きな転換点に立ったといえそうだ。

財政再建計画は、今後4年間で4960億ドルとかつてない大規模な赤字削減に取り組むのが最大の柱。目標通りいけば、財政赤字の対国内総生産(GDP)比は1993会計年度の5.4%から97年度には2.7%へ低下する。《共同通信》



2月17日のできごと