平成1181日目

平成4年4月2日(木)

1992/04/02

【若山富三郎さん】死去

江戸っ子のきっぷの良さと豪放な演技で人気のあった俳優の若山富三郎さんが、2日午後6時25分、心不全のため、京都市内の病院で亡くなった。62歳だった。

若山さんは、2日午後4時15分ごろ、京都市左京区のマンション自室で倒れた。119番通報で救急隊員が到着した時はすでにほとんど意識がなかった。倒れた際、一緒にいた弟の俳優勝新太郎、中村玉緒さん夫妻が病院で死をみとった。

東京・深川の生まれで、父親は杵勝流長唄師匠の杵屋勝東治さん。

昭和30年に新東宝映画「忍術児雷也」でデビュー。その後移籍した東映では、「人形佐七捕物帖」などの時代劇に数多く出演し、大映に転じてからは、城健三朗と芸名を変えて、強力な敵役として注目を集めた。

41年に再び現在の芸名に戻し、その後は、「博奕打ち・総長賭博」、「極道」「緋牡丹博徒」シリーズなど、主に東映の任俠映画で活躍、強烈な存在感を示した。

このほか、木下恵介監督の「衝動殺人・息子よ」では、息子を通り魔に殺され被害者補償の運動に乗り出す父親役を熱演して新生面を開いた。出演した映画は、約250本に上る。テレビドラマでも、

NHKの「事件」の弁護士役で人間味あふれる演技を見せた。舞台では、53年に「歌舞伎模様・天保六花撰」の河内山宗俊役で芸術祭大賞を受けた。

6年前、米国ハワイ州で心臓病の手術を受け、一線に復帰したものの、平成2年末から、持病の糖尿病のため、京都市内の病院に入退院を繰り返していた。昨年末、病床から映画「王手」に、出演したのが最後の映画出演となった。《読売新聞》



【竹下登元首相】「環境税」創設を

竹下元首相は2日、都内のホテルで開かれた自民党の「環境基本問題懇談会」(会長・橋本龍太郎元蔵相)の第三回会合で、地球温暖化防止や熱帯林保護など地球環境保全のため、日本が積極的に費用分担すべきだとの考えを示し、その財源確保のため、平成六年をめどに消費税の税率を引き上げ、目的税的な「環境税」創設を図るべきだとの構想を明らかにした。

竹下氏は、環境保全協力を目的とした政府開発援助(ODA)には資金面や運用面で限界があり、「新たな負担を国民に求める必要」がある。このための国民的合意が得られる土壌はでき一つつあるのではないか」と指摘。平成元年四月に導入した消費税が定着してきたとの判断から、五年後に当たる六年をめどに、税率をアップする考えを示した。

ただ、竹下氏は「環境保全のために日本が拠出した資金が受け入れ国でどういう使われ方をされるか、検が難しい」などの問題を列挙、こうした点を解決する必要性を強調した。

【宮沢喜一首相】証券業界首脳と会談

宮沢首相は2日、東京証券取引所の長岡実理事長と日本証券業協会の渡辺省吾会長を首相官邸に呼び、政府が先に打ち出した緊急経済対策や公定歩合引き下げ実施にもかかわらず低迷を続けている株式市場の活性化策などについて話し合った。

首相と証券界首脳との会談は3月初めにつづいて今年2回目で、首相が同じ業界代表と短期間に再び会談するのは極めて異例だ。《共同通信》

【宮沢喜一首相】対CIS支援に対応

宮沢首相は2日午前、首相官邸で記者団に対し、先進国首脳会議の参加7か国(G7)がロシアなど独立国家共同体(CIS)に総額240億ドルにのぼる支援を行うことで合意したことについて、ブッシュ米大統領から協力を求める親書が1日夜届いたことを明らかにした。その上で、「国際通貨基金(IMF)や色々な国際機関でやろうということで、そういう方向になると思う。日本ももちろんやる」と述べ、各国と足並みをそろえて対CIS支援に対応する考えを表明した。

しかし、政府としてはあくまで、「政経不可分」の原則に抵触することは避け、国際機関の枠組みで行う方針で、加藤紘一官房長官は2日午前の記者会見で、「どういう形、内容、タイミングでやるかは、北方領土問題もあるので、今後、G7諸国と緊密に協議していきたい」と述べた。

さらに首相は「IMF全体の中で(対CIS支援を)やっているので、(日本に)新たな負担があるわけではない」と述べ、支援に踏み切っても新たな財政負担を伴うものにはならないとの考えを強調。これに関連し、政府筋は同日朝、「(日本ができるのは)医療関係とか食料援助だ。それ以外は、話を進めるわけにはいかない」と、本格的な金融支援は行わない考えを示した。《読売新聞》

【民社党・大内委員長】PKO「不成立なら解散を」

民社党の大内委員長は2日、議員会館で記者団と懇談し、国連平和維持活動(PKO)協力法案の取り扱いに関連し、「PKO法案が行き詰まったら、政府は国民の信を問うべきだ。政府はそのくらいの決意をもって取り組むべきだ」と述べ、PKO法案が今国会で廃案となった場合は、宮沢首相は衆院を解散し、総選挙により国民の信を問うべきだとの見解を明らかにした。

PKO法案不成立の場合の衆院解散論は政府・自民党内で浮上しているが、野党党首がこれに同調する考えを表明したのは初めて。これは、PKO法案の廃案を主張する社会党の歩み寄りを期待し、検討されている自民党内のカンボジア特別時限立法構想をけん制するとともに、PKO法案の今国会成立に向けた首相の決意を促したものだ。

【自民党・小渕恵三幹事長】同日選に反

自民党の小渕恵三前幹事長は2日、名古屋市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で講演、衆参同日選挙について「仮に衆院で圧勝したとしても参院では現状維持がやっとであり、逆転現象は変わらない。一票格差の問題も抱えている中で、同日選挙はやるべきではない」と強調した。《読売新聞》

【仏・クレッソン首相】辞任

クレッソン仏首相は2日朝(日本時間同夕)、ミッテラン仏大統領に辞表を提出、これを受け、大統領は後任にピエール・ベレゴボワ経済・財政・予算相(蔵相)(66)を指名した。新政権は、地方選挙での大敗を受けて発足するが、来年3月に予定される国民議会選挙までの暫定政権とのイメージはぬぐいきれない。

ベレゴボワ首相は欧州市場統合に積極的で、対日関係も現実的対応をとると見られる。10か月半の短命内閣に終わったクレッソン内閣時代に一時的に生じた日仏相互の誤解は新首相の登場で解消され、日本企業と仏企業との協力関係も進展する可能性が出てきた。

ミッテラン大統領は先のフランス地方選挙で与党・社会党が歴史的な敗北を喫して以来、精力的に新内閣指名作業を続けてきたが、当初政府のイメージを一新するため念頭に置いた欧州共同体(EC)のジャック・ドロール委員長が固辞、首相の後任候補はベレゴボーワ蔵相一人に絞られてきた。

しかし、与党・社会党有力者間の綱引きもあり、決定は春の定例国民議会が始まる2日ぎりぎりまで持ち越された。ミッテラン大統一領が実力派のベレゴボワ蔵相を指名したのは、政府の権威回復を重視したためと、見られる。

ベレゴボワ新首相は直ちに組閣に入ったが、今回選挙で大幅躍進した環境2政党は早々とベレゴボワ内閣参加拒否の意向を表明しており、組閣作業は難航しそうだ。



4月2日のできごと