平成802日目
1991/03/20
この日のできごと(何の日)
【兵庫県立農業高校】校長が答案改ざんを指示
兵庫県立農業高校(加古川市平岡町)の受験生15人の入試答案が改ざんされた事件で、兵庫県警捜査二課は20日未明、校長らが改ざんに深くかかわっていたとして、私文書偽造の疑いで校長のA(56)と、教諭B(48)の2容疑者を逮捕した。
入試史上最悪ともいえる今回の大量の答案改ざん事件は、教諭、生徒を指導監督する最高責任者による前代未聞の不祥事に発展した。
調べによると、A容疑者は複数の知人から子供が合格できるよう頼まれ、B容疑者に入試答案に手を入れるよう指示。B容疑者は入試当日の15日夜、A容疑者が持っていたかぎを使って校長室の金庫に保管中の答案用紙を持ち出し、A容疑者のいる校長室で、あらかじめ頼まれていた受験生15人分の答案を改ざんした疑い。2人とも容疑事実を認めている。
県警はA容疑者が依頼を受けた際、金品の授受がなかったか、B容疑者もA容疑者から謝礼を受け取ったりしていないかなどについても厳しく追及している。
兵庫県警が逮捕に踏み切った背景に①校長自らの指示による不正②5教科で計59カ所、点数にして117点(500点満点)もかさ上げされていた受験生もいた―など極めて悪質だったことが挙げられる。《共同通信》
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【大相撲春場所】11日目
大相撲春場所11日目(20日・大阪府立体育会館)貴花田は小結寺尾を押し倒して土つかずの11連勝と優勝の夢が膨らんできた。平幕の初日からの11連勝は昭和39年初場所の清国以来、27年ぶりで、同35年初場所の大鵬と並ぶ記録。
北勝海は三杉里を引き落とし、大乃国も若瀬川を寄り切った。両横綱とも1敗を守り、ぴったり貴花田を追走している。しかし、横綱旭富士は小錦に寄り切られて3敗目を数え優勝争いから大きく後退、かど番大関小錦は7勝目。霧島は気迫のない相撲で巨砲にも敗れ5連敗で7敗目。横綱挑戦から一転して負け越しのピンチを迎えた。《共同通信》
【金沢百番街】オープン
高架化した金沢駅に彩りを添える金沢百番街は20日、115の専門店が一斉にオープンした。午前10時の開店と同時に詰め掛けた大勢の市民や観光客らは、近代的に生まれ変わった駅のショッピングセンターに目を見張り、早速、袋いっぱいに土産物を買い求め、並んだばかりの真新しい商品を品定めしていた。
JR金沢駅コンコースに面する入り口ではオープニングセレモニーが行われ、「トレンド館」前では角田達郎JR西日本社長、梅原利之金沢ターミナル開発社長ら5人が、「かなざわ館」前では青野一郎金沢ターミナル開発常務、百番街を名付けた金沢市の作本壽美恵さんら5人がそれぞれテープカットし開業を祝った。
開店前から約1500人が列を作り、30分後に店内は足の踏み場もないほどの買い物客らでにぎわった。訪れた人らは口々に「とてもきれいで驚いた」「金沢の名品がそろっていて旅行者にとってもありがたい」と感想を述べ、試食。サービスにほおを緩める女子大生や割引品をわれ先にと争う主婦の姿も見られた。
また、市国際交流財団による石川県金沢観光情報センターも窓口を開け、職員が名所や道を尋ねる外国人の観光案内に当たった。《北國新聞》
【社会党】「全千島返還」見直しへ
社会党は20日、「日ソ間の政策に関するプロジェクト」(委員長・山口書記長)の初会合を開き、土井委員長の訪ソやゴルバチョフ・ソ連大統領の来日を控え、北方領土問題でこれまで同党が掲げてきた「全千島返還」の基本方針を見直し、四島返還への転換などを含む「複眼的・総合的な対ソ政策」(伊藤政審会長)を27日までにまとめることを決めた。
同党は14日の日ソ特別委員会(対馬孝且委員長)でも北方領土問題での方針転換を決めており、この日のプロジェクト会合でも「従来の考え方も、歴史的にも正当性はある。しかし現在は政治問題としての打開を迫られている」として、全千島返還に固執する意見はなかったという。《共同通信》
【社会党・土井たか子委員長】ソ連からっ訪問招請
社会党の土井委員長は20日、知事選応援のために訪れた福岡市で記者会見し、ソ連のゴルバチョフ大統領から「4月2日にモスクワで会いたい」との連絡があったことを明らかにした。
土井氏としては党内の了承が得られれば、この機会に訪ソを実現し、北方領土問題をはじめ、経済交流、冷戦後の国際情勢などについて意見交換したい意向だ。
土井氏はゴルバチョフ大統領の4月14日からの来日前の8日ごろに訪ソしたいとして日程を調整してきたが、ソ連側は「その時期は訪日の準備で手いっぱいだ」として繰り上げるよう求めてきたもの。
土井氏はこの招請を受けるかどうかについて「統一地方選の最中である一方、大統領訪日前の大事な時期なので、4月2日を念頭に置いて党三役、幹部会で結論を出したい」と述べた。《共同通信》
【海部俊樹首相】PKO協力「日本型でやる」
参院予算委員会は20日午前10時から平成3年度予算案に対する2日目の総括質疑を行い、社会党の国弘正雄氏が質問に立った。
海部首相は成案化を進めている国連平和維持活動(PKO)に対する協力の在り方について「国連憲章のどこにもPKOが出てこないから、PKOの幅を(国連憲章の)中で示し、それぞれの国が持つノウハウに応じて協力できるように(国連に)申し上げた」と述べ、国連憲章にPKOを明確に位置付けることにより、日本の参加を実現する考えを表明した。
その上で首相は「日本は日本としてできる協力の範囲があるから日本型でやる」と強調した。《共同通信》
【政界メモ】どちらが真の後継者?
○…故三木元首相の外交ブレーンを務めたことのある国弘正雄参院議員(社会)は20日の参院予算委で、三木氏が好んだ「行くに径(こみち)に由(よ)らず」(常に正道を行く)という論語の教えを引用しながら、海部首相の湾岸戦争への対応策が国会への事後報告になっていると指摘した。
これに対抗して三木氏の秘蔵っ子を任じる首相も、同じく三木氏がよく口にした「遠山の構え」という言葉を説明して、「前方の大きな目標を見て些事(さじ)には従わない。国際社会の大義に沿って行動した」と反論。国弘氏の「憲法、国会を些事というのでは困る」との再反論に「いや毛頭考えていない」と応酬した。果たして三木精神の真の後継者は?
○…中東訪問から帰国した自民党の山口敏夫衆院議員がこの日、国会内で記者会見し、クウェートのサアド皇太子らと会談した成果を強調。小沢幹事長の中東歴訪中止のしりぬぐい、が目的だったが、「あれだけの国の首脳と会い、気持ちよく歓迎してもらえたのは日本の国力のおかげだ。現地へ行くと日本も再認識してもらえる」と、歴訪中止に未練たっぷり。
最後には「帰国して成田からの車の中で国会中継を見ていたら、国民は一流、首相は二流だと思った」と、いささか八つ当たり気味に海部批判。《共同通信》