平成461日目

1990/04/13

この日のできごと(何の日)

【米英首脳会談】

ブッシュ米大統領とサッチャー英首相は13日、英領バミューダ諸島の首都ハミルトンで会談、ドイツ統一間題を中心に北大西洋条約機構(NATO)の将来像、全欧安保協力会議(CSCE)の役割などについて話し合った。

両首脳は統一ドイツをNATOの「正式加盟国」とすることで一致NATOは将来、「軍事より政治的役割に重点を移すが、東西間の協議にはCSCEの役割を一層甚天していくことでも合意した。

会談後の共同記者会見でサッチャー首相は、両首脳が①NATOの核戦力と通常戦力の近代化を続ける②西ドイツ配備の短距離核を含む、NATOの核弾頭数削減はNAT0全体で検討することで見解が一致したと述べた。サッチャー首相はNATOの核戦力維持・近代化促進には強硬な姿勢をとり続けてきた。核近代化ではブッシュ大統領の言質を取り付けた形だが、将来の削減に含みを持たせ、やや柔軟な姿勢に転じたといえる。

ブッシュ大統領は記者会見で、ドイツ統一をめくる東西ドイツと米ソなど戦勝四カ国の協議は東西ベルリンと「ドーイツ全体」に対する戦勝国の「特別福利」を終結させるものであり、「統一ドイツはその主権にいかなる制約も受けることなく、領土に完全な支配権を行使すべきだ」と述べた。統一ドイツがNATO残留を決めた場合、ソ連側に介入を許さないことを示唆するとともに、短距離核問題を含む防衛問題で統一ドイツの意向を尊重していく姿勢を見せたとも受け取れる。

会談では関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンド、欧州復興開発銀行など「約15の議題」(米大統領報道官)が話し合われた。イラクの化学兵器問題を含めた兵器拡散問題も議題となった。《共同通信》

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【トヨタ・ランドクルーザープラド】発売

4月13日のできごと(何の日)
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【しんかい6500】公開

現在の有人潜水船では世界一の水深6527メートルの潜航記録を持つ海洋科学技術センター(神奈川県横須賀市)の潜水調査船「しんかい6500」と支援母船「よこすか」(4,500トン)が13日、建造した三菱重工からの引き渡し後初めて同センターで報道関係者に公開された。

昨年8月に、日本海溝の試験潜航で記録を達成したしんかいは3人乗りで全長9.5メートル。世界の海の98%をカバーする潜航能力を持つ。よこすかは音波を利用してしんかいの位置を正確に捕らえる「音響測位装置」など、エレクトロニクスを駆使した最新鋭の支援母船。《共同通信》

【海部俊樹首相】不均衡是正は可能

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

衆院予算委員会は13日午後、総括審議を続け、社会党の松浦利尚氏、共麗党の山頂健二郎氏らが日米構造協議の中間報告などについて政府の見解をただした。

松浦氏は①中間報告の内容の一部が国会で必要な法改正がができず実行されない場合、米国への約束違反になるかどうか②実行されても貿易インバランスが解消されなければ米国の要求はさらに強くなるのではないか、などと追及した。

海部首相は「中間報告は双方の立法審議権を拘束しない前提で書かれている」としたうえで、「誠実に実行することで貿易インバランスが解消されることがましい。対米貿易収支の黒字が500億を切ったことは米国も認めており、努力すれば実績も出る」と述べ、中間報告の内容を実行すれば貿易不均衡解消に結び付くとの認識を示した。

しかし、中山外相は「やるべきことをやって、貿易インバランスが解消されなくても何ら文句を言われることはないと考える。自由に市場にアクセス(參入)できることが重要で、消費者の趣向で商品が売れなくても、それは自由市場の結果である」と述べ、日米構造協議と資易不均衡解消問題を切り離した考え方を示した。

外務省の林経済局長は、日米構造協議が米包括貿易法スーパー301条(不公正貿易国と行為の特定・制裁)の枠内のものではないとしながらも「一部の米議員には(日米構造協議の報告の実行が)失敗した場合、スーパー301条にのせると言っている」と、日米構造協議が貿易不均衡解消に結び付かなかった場合の米議会の反応に懸念を示した。《共同通信》

【政界メモ】ソ連側の気遣いありあり

○…衆参ねじれ国会で、見通しが不透明だった衆院予算委の論戦も13日で総括質問が終了。「こんなに淡々と議論が進むのは三木内閣以来のことらしいが」と記者団から水を向けられた海部首相は「ちょいちょい小休止はあったがネ」と、まんざらでもない様子。

「きちっと質問し、きちっと答えているということです。時々(答弁が長過ぎると)批判もあったけど」と解説してみせる余裕も。もっとも、深谷郵政相のリクルート社献金問題やら消費税やらで国会はまだまだ波乱含みとあって「とにかく精いっぱい、一日一日を精いっぱい」と、気を引き締めることしきりだった。

◯…自民党の安倍元幹事長、小沢幹事長とソロピヨフ駐日ソ連大使がこの日、都内のホテルで昼食をともにしながら約1時間会談した。報道陣による冒頭の写真撮影の際、1月の安倍氏訪ソに同行した縁で同席した同党の山口敏夫氏が「平和条約の締結式みたいだ」と冷やかすと、大使は「サインします」とにこやかに応じて一同大爆笑。

これをきっかけに、会談はリラックスした雰囲気で進められたが、ポスト海部首相の最短距離にいて日ソ関係打開に意欲を燃やす安倍氏と、党内実力者への地歩を着々と固める小沢氏の2人に対するソ連側の気遣いがありあり。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】リトアニアに経済制裁警告

ソ連のゴルバチョフ大統領とルイシコフ首相は13日、連名でリトアニア共和国最高会議と閣僚会議に書簡を送り、共和国指導部が二日以内に、独立宣言後に採択した諸決定を取り消さなければ、重要物資の供給差し止めを指示すると述べ、これまでされた一連の大統領令に従わなければ経済制裁を実施すると警告した。

書簡は「共和国の立場を3月10日の状態に戻すことを期待する。これによって問題の一括解決に着手できる」と指摘、独立宣言(同11日)の取り消しも求めたが、宣言自体は経済制裁の対象から外して、リトアニア側の妥協の余地を残している。

これに対し、リトアニアのランズベルギス最高会議議長は「二日以内に特別の決定をすることはない」と直ちにはねつけた。このためソ連指導部とリトアニアの対立は、決定的な段階に立ち至った。

今回の警告は、9日の大統領会議の「経済的追加措置」を取るとの決定に基づくものだが、供給停止の物資については「外国市場で交換可能通貨で販売されている生産物」としており、石油、天然ガスをはじめ機械、工業製品など必要不可欠な物資を指すとみられる。《共同通信》



4月13日 その日のできごと(何の日)