平成410日目
1990/02/21
この日のできごと(何の日)
【坂本弁護士一家失踪事件】長野県大町市の雑木林を捜索
横浜弁護士会の坂本堤弁護士(33)一家3人の行方不明事件で、神奈川県警磯子署の捜査本部や横浜弁護士会に先週末「長野県大町市内に埋められている」とする匿名の投書があり、捜査本部は捜査員4人を派遣、21日朝から長野県響の協力を得て同県大町市平の雑木林一帯を捜している。しかし同日正年現在、一家に関連する手掛かりらしいものは発見されていない。
捜査本部は、投書は悪質ないたずらとの見方を強めているが、念のため同日午後も付近一帯の捜索を行う。
捜索場所は立山黒部アルペンルート長野出入り口近くで、長野県営大町有料道路扇沢ゲートの北約300メートの同道路から100メートルほど入った山林。約1メートルの積雪があり、両県警の捜査員十数人がスコップを手に探した。
投書は匿名で、坂本弁護士の長男竜彦ちゃん(3つ)の名を挙げ「ここに眠っている」という3行ほどの短い文章と、大町市付近の地図が同封してあった。
事件は、昨年11月3日夜から同4日朝の間に、坂本弁護士と妻都子さん(30)、竜彦ちゃんの一家3人が、横浜市磯子区洋光台の自宅から行方不明となり、神奈川県警は何者かにら致された可能性があるとして捜査しているが、これまで有力な手掛かりはつかめていない。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【長崎市・本島等市長】退院
「天皇に戦争責任はある」と発言、右翼に狙撃され長崎市民病院に入院していた本島等長崎市長(68)は傷が完治、リハビリの成果で体力も回復したため、21日午後、事件から約1ヶ月ぶりに退院、記者会見した。
市長は「何日間も死線をさまよったように思う」と入院当初の恐怖感などを語り「自信をもって(議会に)臨みたい」と職務復帰への意欲を見せた。《共同通信》
【社会党・土井たか子委員長】ユニークな候補を
土井社会党委員長は21日午前、都内で開かれた総評センター単産代表者会議であいさつし(1)次の総選挙に向けできるだけ早く複数候補擁立一方針を決め、ユニークな候補者を準備する(2)来年の統一地方選のため今から全国的態勢づくりを進めたい―と述べ、引き続き委員長として次の政治決戦に備える決意を表明した。
また土井氏は「政権党としての能力の可能性が問われてくる。国民の理解と協力が得られるよう職場や地域で学習態勢を整えたい」として政策、人材、運動、組織など政権交代に備えた態勢づくりを急ぐことを強調した。
土井氏は選挙資金について「個人献金の積み立てなど検討・工夫したい」と述べ、労組を通じた団体献金ではなく、個人主体の献金方法へ見直す方針を表明した。
土井氏は4月上旬の党大会で無投票で委員長として3選される方向が固まっている。土井氏の次期選挙に向けた決意表明は、委員長続投への意欲を示したものとみられる。《共同通信》
【自民党・渡辺派】正式発足
自民党旧中曽根派は21日夕、都内の事務所で臨時総会を開き、衆院議長候補に決まった桜内義雄元外相の同派会長辞任を認めるとともに、後任会長に渡辺美智雄前政調会長の就任を決めた。これにより同派は渡辺氏を領袖とする「渡辺派」に衣替えすることになった。
同党での新派閥誕生は昭和62年7月の竹下派結成以来、約2年半ぶり。渡辺氏は金丸元副総理、安倍元幹事長、宮澤元蔵相、河本元国務相とならぶ派閥代表の仲間入りし、名実ともに実力者の一角を占めることになった。《共同通信》
【海部俊樹首相】党新三役を決定
総選挙勝利を受けた海部新体制の柱となる自民党新三役が21日、決まった。幹事長は竹下派の小沢一郎氏(47)が再任されたほか、政調会長には安倍派の加藤六月元農相(63)、総務会長は宮澤派の西岡武夫前文相(54)がそれぞれ就任することになった。22日の党総務会で正式決定する。国会運営に当たる国対委員長には村岡兼造前郵政相の起用が強まっている。
また党三役人事との関連で衆院議長候補に渡辺派の桜内義雄元外相(77)を充てることが決まった。首相は宮澤派が新三役入りを強く求めたことを踏まえ、党内第4派閥の渡辺派に議長ポストを割り振ることで、挙党態勢の形を整えることになった。《共同通信》
【政界メモ】ひとり勝ちに恨み節
○…渡辺美智雄元自民党政調会長は21日、旧中曽根派の禅譲を決めた中曽根元首相との会談終了後、記者団に取り囲まれ「まだ内示、内示」と努めて平静を装ったが、さすがにその表情は緩みっ放し。「中曽根さんは何と言っても日本を代表する世界の政治家。吉田茂さんに次ぐ大政治家だ」と最大級の賛辞を贈り、渡辺派誕生の喜びを表現した。
ポスト海部の総裁レースへの出馬に話題が向くと「まだ(派閥の領しゅうに)なってない。予定者なんだから。まあ悪い気持ちはしないけど、責任あっからね」。慎重に言葉を選んだが、その心は意欲満々。
○…社会、公明、民社、社民連の4野党書記長会談がこの日午後国会内で開かれたが、史上最悪の惨敗をした民社党の米沢書記長は、野党でひとり躍進を果たした社会党・山口書記長らに恨み節をたっぷり。
まずそばにいた伊藤社会党政審会長に「当選してニコニコできる人はいいよ」と、ぐさり。山口氏が「議員会館で同じフロアの吉田さん(民社党国対委員長、落選)の引っ越し作業を見たがあれだけは見たくないよ」と同情を向けたが、これにも米沢氏は「負けた書記長は大変だ。勝った書記長とは雲泥の差だよ」と執行部の引責辞任も取りざたされる状態に嘆くことしきり。戦い済んで明暗を分けた4野党の不協和音は増すばかり…。《共同通信》
【チェコスロバキア・ハベル大統領】米議会で演説
訪米中のチェコスロバキアのハベル大統領は21日、米上下両院合同本会議で演説し、ソ連の民主化を助けることがチェコ支援につながるとの見解を表明した。ハベル大統領はこの後、ブッシュ米大統領の要請により予定外の再会談を行い、両大統領は(1)ソ連の改革支援(2)欧州の安定要因としての在欧米軍駐留の必要性―を確認し合った。
ハベル大統領は米議会での演説で、6月に予定されるチェコの総選挙までにできるだけ多くのソ連軍部隊が撤退することが、チェコの「政治的安定」のために必要との見解を示しソ連・東欧の変革によって、いずれは在欧米軍の駐留継続の必要はなくなると述べ、米議員らの拍手を浴びた。
ハベル大統領はこれまで、欧州に新たな安全保障機構をつくることで、在欧米軍の必要はなくなると主張している。20日のブッシュ大統領との会談でハベル大統領は「安定化要因」としての在欧米軍の当面の存在を認めたが、21日の再会談で両大統領はこの点を再確認した。
ハベル大統領は米議会での演説で、第二次全欧安保首脳会議(ヘルシンキ2)の早期開催を求め、会議を第二次世界大戦に「正式な終結」をもたらす「欧州和平会議」にすべきだと述べ、この会議で安全保障機構を含めた「新しい全欧的な機構」をつくり、統一される東西ドイツをその中に組み込むよう提案した。
また(1)欧州通常戦力交渉(CFE)を損なわない形でチェコ軍を大幅削減(2)チェコの政治・経済改革に当たってはポーランド、ハンガリーと共同歩調をとるとの意向も示した。《共同通信》