平成306日目

平成元年11月9日(木)

1989/11/09

【ベルリンの壁崩壊】国境ゲート解放

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東ドイツ閣僚評議会(内閣)は9日、これまで厳しく制限してきた市民の西側への旅行と出国を原則的に自由化する決定を下した。これにより、市民の大量出国を強制的に阻止する目的で構築された東西冷戦構造の象徴「ベルリンの壁」は事実上有名無実化されることになり、ドイツ分断を軸に東西に分かれた戦後の欧州体制、ひいては国際秩序は新たな時代に突入しよう。《共同通信》

これまで地図の上でしか想像できなかった国へ行けるし、もう二度と会えないと思っていた友達や親族に会える–。9日、東ドイツ新指導部によって発表された旅行自由化のニュースは、東ドイツ国民の間に驚がくと興奮をもって駆け抜けた。

とりわけ1961年以来、西側世界との交流を阻止してきた「ベルリンの壁」の開放は若い人々に夢と希望を与えることになった。

18歳のマリオ・シュミット君は「本当ですか。自由に行けるのなら、ソ連のバルト諸国に行こうかと計画しています」と興奮した面持ちで語り、他の人々も最初に行きたいところとして西ドイツと西ベルリンを挙げた。

「なぜ今ベルリンの壁を撤去しないのか」と18歳の学生。9日深夜、約100人の東ドイツ市民がベルリンの壁近くにあるブランデンブルク門前で「門を開放せよ、門を開放せよ」と気勢を上げた。《共同通信》




【近鉄・淡口憲治外野手】現役引退を表明

近鉄の淡口憲治外野手(37)が、19年間の選手生活にピリオドを打つことになった。同選手は9日、大阪市難波の球団事務所で前田球団代表に「力の限界を感じた」と現役引退を申し入れ、了承された。正式発表は後日行われる予定で、今後の進路は未定。

同選手は1971年に三田学園高からドラフト3位指名で巨人に入団。81、83年に打率3割をマークして巨人の優勝を支えた。86年に近鉄に移籍し、左の貴重な外野手として活躍した。《共同通信》

【中国】鄧小平主席が辞任、後任に江沢民総書記

北京で11月6日から開かれていた中国共産党十三期中央委員会第五回総会(五中総会)は9日閉幕、発表されたコミュニケによると、最高指導者鄧小平氏(85)が党中央軍事委主席を辞任、後任に江沢民総書記を選出した。同時に鄧氏は国家中央軍事委主席のポストについても辞意を表明、完全引退を宣言しているが、実際には“院政”が続くとみられる。

故毛沢東主席、鄧氏に続き、江総書記を中核とする第三代指導部の確立を鄧氏は主張しており、これが実現することになった。

しかし、民主化運動武力弾圧で民心が指導部から離反している上、軍に基盤のない江氏が軍を統率できるかどうか疑問であり、権力闘争の激化も心配されることから、江氏を中核とする指導部の安定性は今後の政局の焦点になる。《共同通信》

【海部俊樹首相】年金「65歳支給」撤回を拒否

臨時国会の焦点の一つである国民・厚生年金法改正案の審議は9日、衆院本会議での政府側の趣旨説明を受けて各党の質疑が行われた。

社会党の池端清一氏らが、与野党の対立点となっている厚生年金の支給開始年齢の65歳への引き上げを完全に撤回すべきだと迫ったのに対し、海部首相、戸井田厚相は「給付水準を維持し、負担を適切なものとするには引き揚げは避けて通れない」と述べ、野党要求を突っぱねた。

同改正案は来週から衆院社会労働委員会に舞台を移して実質審議に入るが、年金給付額引き上げを早期実現することでは与野党が一致しており、焦点の支給開始年齢引き上げスケジュールを法案本則から外すことにより、今国会中の成立を図る可能性が強くなっている。《共同通信》




11月9日のできごと