カテゴリー: 平成5(1993)年

  • 1993 平成5年12月16日(木) 田中角栄さん死去

    平成1804日目

    1993/12/16

    この日のできごと(何の日)

    【田中角栄さん】死去

    政権の座から一転してロッキード事件裁判の被告席に立たされ、戦後保守政治に特異な足跡を残した元首相の田中角栄氏が16日午後2時4分、甲状腺機能障害による肺炎併発のため東京・信濃町の慶応大病院で死去した。75歳。新潟県出身。

    元首相は困難な日中国交回復を実現するという功績の一方で、政治を選挙民や圧力団体などの利益を重視する利益誘導型として完成させ、「数は力なり」の派閥力学を前面に出した「田中支配政治」を推し進めた。田中型政治はその後の自民党実力者らが継承、リクルート、佐川急便事件などのスキャンダルを次々と呼び起こし、自民党政権崩壊にもつながった。38年ぶりの政権交代が実現した中での元首相の死は戦後政治の転換点を一層印象付けた。

    元首相の死去によりロッキード裁判「丸紅ルート」上告審を担当する最高裁大法廷は、近く元首相の公訴を棄却する決定をする。

    元首相は、昭和22年の衆院選で初当選以来、16回連続当選。32年には39歳の若さで岸内閣の郵政相として初入閣。持ち前の鋭いカンと、行動力で頭角を現し、自民党政調会長、蔵相、幹事長、通産相の要職を歴任。池田、佐藤の両政権を支えて党内の地歩を固めた。47年7月の総裁選では、福田赳夫氏(元首相)をし烈な争いの末に破り戦後首相としては最年少の54歳で政権を手中に収めた。この時の角福間の怨念がその後、党内政争の軸となって長く尾を引いた。

    外交面では、首相就任後間もなく北京を訪問し、長年の懸案だった日中国交回復を実現。翌48年10月には訪ソし、ブレジネフ書記長(当時)と渡り合って共同声明で北方領土問題を「戦後未解決の問題」と確認させるなど成果を上げた。

    内政では、大胆な発想に立って提唱した「日本列島改造論」が大反響を呼び、自民党安定政権づくりを名目に小選挙区制を強引に導入しようとして「カクマンダー」と批判された。49年夏の参院選敗北に続き、「田中金脈」が表面化し、就任後2年余で退陣に追い込まれた。

    51年7月には戦後最大の疑獄・ロッキード事件の主役として逮捕され、自民党を離党。「首相の犯罪」は各界に強い衝撃を与えるとともに、党内にも大きな混乱を引き起こした。外為法違反と受託収賄罪で起訴後、58年10月に一審の東京地裁で懲役4年、追徴金5億円の実刑判決。62年7月、二審の東京高裁でも控訴棄却の判決を受け、最高裁に上告中だった。

    しかし事件後も、しばらくは党内最大実力者として政局運営を牛耳り、大平、鈴木、中曽根政権誕生でほキングメーカーぶりを誇示した。

    60年2月、竹下登氏(元首相)による“派中派”とも言える「創政会」の発足を許すなど、影響力に陰りが見え始めた矢先、病に倒れた。62年7月の竹下派旗揚げで、最大派閥の田中派は崩壊。11月の竹下政権発足で事実上、田中時代は終えんを迎えた。

    60年2月、脳梗塞で倒れ、療養に専念していたが、国会に一回も登院できないまま、平成2年2月の総選挙に出馬せず政界を引退した。

    河野自民党総裁 自民党の河野総裁は16日、田中元首相の死去について「人間味のある、まれにみる先見性と行動力のある政治家で、特に日中国交回復など多くの実績を残された。わが国の政治に多大の影響を与え、戦後の一時代を画した。誠に惜しい方を亡くした」とのコメントを発表した。

    細川首相が談話 細川首相は16日夜、田中元首相の死去について次のような談話を発表した。

    田中角栄氏は、わが国が時代の大きな転換期を迎え、石油危機のぼっ発など内外ともに極めて多難な情勢の下にあった時期に首相の重責を担われた。昭和47年以来2年5カ月の在任中、日中国交正常化の実現という歴史的な偉業を成し遂げられ、また、国土の均衡ある発展に尽くされたのをはじめ、「決断と実行」の政治を旗印に、豊かな発想と抜群の行動力をもって、果断に政策を打ち出され、世界の平和と安定、国民生活の向上のために大きな業績を残された。

    私は、この傑出した才能と庶民的な人情味によって敬愛された政治家の訃報に接して深い悲しみを禁じ得ない。ここに、国民の皆さまとともに心から哀悼の意を表する。《共同通信》

    田中元首相死去の報に、自民党旧田中派の流れをくむ新生党内には16日タ、重苦しい空気が流れた。党首の羽田外相をはじめ、幹部はそろって田中氏の薫陶を受けた昭和44年の衆院当選組。いずれも田中派分裂で田中氏とたもとを分かっただけに、表情は複雑だった。

    羽田氏は「寂しい。ユニークな物の見方をし、人情家だった。体中で政治をやった人だった」と語った。田中氏から実の息子のようにちょう愛された小沢代表幹事は「田中先生の教えをかみしめ、政治家としてこれからの日本のため全力を尽くすことがご恩に報いる唯一の道だと思っています」との談話を発表した。渡部同代行も「悲しい。私の政治家としての心の支えを失ったような気持ちだ」と述べた。《共同通信》


    【プロ野球・日本ハム】高木豊内野手の入団を発表

    日本ハムは16日東京・六本木の球団事務所で、横浜を自由契約となっていた高木豊内野手(35)と契約し、入団を発表した。支度金などの名目で1000万円、年俸は6000万円、背番号は16に決まった。

    高木は短く刈り込んだ頭で会見し「晴れ晴れとした気分です」と、めりはりの利いた口調で話し始めた。日本ハムの印象について「12球団で一番熱く燃えているチーム」と言い「優勝という目標がはっきりしているし、自分も貢献したい」と、決意を口にした。(金額は推定)《共同通信》

    【自民党】3議員が離党

    臨時国会の会期延長問題で、衆院本会議欠席の自民党の党議に反して衆院本会議に出席賛成した笹川堯、大石正光、石破茂の3氏(いずれも渡辺派)は16日午前、河野総裁あての離党届を提出した。当面無所属で活動するとしている。

    3氏と同一行動を取った西岡武夫元総務会長も離党の方向。3氏は政治改革法案の政府案採決の際にも党議に反して賛成し、笹川、石破両氏は役職停止3年、大石氏は同じく6カ月の処分を受けていた。《共同通信》

    自民党河野執行部が国会の会期延長問題で本会議欠席という強硬戦術を選んだことは、16日、石破茂氏ら政治改革推進派の若手3議員の離党を引き起こした。石破氏らは6月の宮澤内閣不信任案への同調以来、党内のかく乱要素だっただけに、執行部内には「不純分子の除去ができ、河野総裁の求心力も確保できた」(幹部)というプラス面を強調する見方もある。改革派の内部にも、「今党を出ても説得力がない」(三塚派若手)と、3氏との戦術的な違いを指摘する意見が強い。

    とはいえ、改革派リーダーの西岡元総務会長も行動を共にして離党する意向とされ、党内の動揺はなお続く見通しだ。

    河野総裁、森幹事長ら執行部は本会議欠席を決定する際、造反議員がどのくらい出るかと最後まで頭を痛めた。しかし各派が申し合わせてメンバーを締め付けたため、出席者は4人にとどまり、胸をなで下ろしている。特に、11月の政治改革法案の採決時には改革派の拠点となった政治改革推進議員連盟(会長・海部元首相)が、今回は景気対策優先の党方針に配慮して造反活動を自重したことも執行部に有利に働いた。

    しかし、参院での法案審議の展開次第では、再び改革推進ムードが勢いを増し、執行部が連立与党側との妥協の決断を迫られる局面もありそうだ。《共同通信》

    【山陽新幹線・のぞみ】モーター破損

    16日午後1時46分ごろ、兵庫県高砂市の山陽新幹線を走行中の博多発東京行きのぞみ14号で、台車の異常を知らせる運転台のランプが点灯し、緊急停車した。JR西日本は同列車を最寄りの姫路駅までバックさせ、同駅で運転を打ち切った。乗客約600人は姫路駅から後続のひかりなどに乗り換えた。

    JR西日本が車両を調べたところ、5号車の台車にあるモーターの一部が破損しているのが見つかった。走行中にのぞみのモーターが破損したのは初めて。同社は問題の台車を博多総合車両所に送って詳しい原因を調べるとともに、「前例のないケース」と重視して、のぞみ全車両の緊急点検を指示した。

    JR西日本によると、モーターの軸を支える円形のふた(アルミ製)の取り付けボルト8本がいずれも折れたり、なくなったりして、ふたが外れかけていた。また、このふたがモーター軸とともに回転して車軸に接触した跡もあった。

    このモーターは15日夜の点検では異常がなく、同社はのぞみ14号として運転中にふたの内部のベアリング部分で異常が発生して破損、モーター軸の回転が不規則になり破損が各部に広がったとみている。のぞみ14号は広島駅近くを走行中、床下から異常音が続い、たため、新大阪駅で車両を交換する予定だった。

    山陽新幹線上り線は姫路ー西明石間が1時間半にわたって不通になり、上下計10本が運休や部分運休、39本が最高1時間40分遅れ、約1万5000人の足が乱れた。《共同通信》

  • 1993 平成5年12月15日(水) ウルグアイ・ラウンド、最終合意案を採択

    平成1803日目

    1993/12/15

    この日のできごと(何の日)

    【ウルグアイ・ラウンド】最終合意案を採択

    保護主義を抑え、自由貿易の拡大を目指す関税貿易一般協定(ガット)は15日夜(日本時間16日未明)、最高意思決定機関である貿易交渉委員会(TNC)を開き、サザランド事務局長が提示した新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の最終合意案を全会一致で採択した。

    これによって、農業保護や貿易制限の削減、世界貿易機構(WTO)の設立などを規定した新しい世界貿易のルールが誕生した。117カ国・地域が参加し、かつてない規模の国際経済交渉となった新ラウンドの成果は、1990年代後半から21世紀に向けての世界貿易の新秩序となる。

    合意は94年4月、モロッコで開かれるガット閣僚会議での調印を経て協定となる。発効日は、95年中の見通しで正式には4月の同会議で決定する。

    TNCの冒頭、サザランド事務局長は「合意は世界全体の貿易、投資、雇用、所得の増大につながる」と合意の重要性を強調した。これに続きマレーシア、米国など約20カ国が演説。日本は外務省の赤尾大使(国際経済担当)が発言し、映像・音響ソフトの市場開放で米国と欧州共同体(EC)間の協議が、最後まで決着がつかず、新ラウンド合意に影響が出たことを念頭に「二大勢力のサービス分野での行動に失望した」と述べ、双方を厳しく批判した。

    合意は、日本のコメ市場の開放、鉱工業品の関税引き下げや、ガットを母体とし国際貿易を統括するWTOの設立などを盛り込んでいる。WTOの設立では、これまで各国が独自の基準で判断していた制裁措置の発動を共通の枠組みの中で実施することで乱用に歯止めを掛けた。《共同通信》


    【衆院本会議】45日間の大幅延長議決

    国会は15日午後11時すぎから衆院本会議を開き、来年1月29日まで45日間会期を延長することを、連立与党などの賛成多数で議決した。自民党は延長議決の本会議を欠席したが参院の予算審議には応じ、平成5年度第二次補正予算は同日深夜の参院本会議で可決、成立した。しかし、自民党はこの後のすべての審議を拒否する方針で、国会は16日から空転する見通し。このため、参院政治改革特別委員会での政治改革法案の実質審議が年内に始まるかどうか微妙だ。

    仮に審議に入っても、年末、年始の休会を挟んでいることや6年度予算の政府案編成作業を控えているなど審議日数は極めて制約を受け、政治改革の実現を公約に掲げた細川内閣は引き続き厳しい国会運営を迫られることになろう。《共同通信》

    【参院予算委員会】細川首相の借金問題で紛糾

    細川首相の東京佐川急便からの1億円借金問題が15日夜の参院予算委員会で取り上げられ、自民党の服部三男氏が借り入れ当時の首相の資産運用を中心に追及した。首相は「従来からある程度の資産があったし、相続分も多少あったかもしれないが、すべて事務所に運用を任せている。いちいち記憶していない」と突っぱねた。

    服部氏は「当時の参院議員の収入や知事給与だけでは到底調達できない」と納得せず、首相に82年度の確定申告書の提出を要求。首相が「家族や第3者のプライバシーにかかわる」と提出を拒否したため、審議が中断した。《共同通信》

    【Jリーグ第2ステージ】最終節

    サッカーのJリーグ第2ステージ最終節は15日、茨城県のカシマスタジアムなどで5試合を行い、既に第2ステージの優勝を決めているヴェルディ川崎は、第1ステージの覇者・鹿島アントラーズを2−1で破りリーグ記録の10連勝をマーク、通算16勝2敗の好成績を残した。

    来年1月9、16日にJリーグ・チャンピオンシップをかけて対決する両チームは、鹿島がアルシンドのシュートで先行した。しかし川崎は石川が同点とし、後半に三浦が逆転ゴールを決めた。鹿島は10勝8敗。

    2位の清水エスパルスと3位の横浜マリノスは、清水が後半大榎の決勝ゴールで1−0と辛勝した。得点王争いは横浜Mのディアスが28得点でタイトルを手にした。2位はアルシンドの22点で、3位は三浦の20点。来季第1ステージは3月12日開幕する。《共同通信》

    【スキーW杯複合】荻原健司選手、開幕3連勝

    ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)複合第4戦(個人)は15日、サンモリッツ(スイス)で行われ、前半ジャンプでリードした荻原健司(北野建設)が後半の距離も危なげなく逃げ切り、今季、個人戦3連勝した。

    団体戦を含めると、日本は昨季中盤から9連勝。荻原は個人戦通算9勝となり、クラウス・スルツェンバッハ―(オーストリア)の14勝に次ぎ単独の歴代2位に上がった。

    ジャンプで95.5メートル、93メートルを飛び233.8点でトップの荻原は、距離でも安定した滑りで、前半3位から追い上げたクヌートトーレ・アーペラント(ノルウェー)に1分の差をつけ逃げ切った。前半2位の河野孝典(野沢温泉ク)は3位に後退した。《共同通信》

  • 1993 平成5年12月14日(火) 政府、コメ部分開放決定

    平成1802日目

    1993/12/14

    この日のできごと(何の日)

    【政府】コメ部分開放決定

    政府は14日午前3時すぎから、臨時閣議を開き、コメ市場の部分開放を盛り込んだ新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)市場参入担当のドニ議長調整受け入れを正式決定した。

    細川首相はこの後の記者会見で国内自給の主張を貫けなかったことを陳謝する一方「わが国は新ラウンドを失敗させることが断じて許されない格別の責任を担っている」と強調し、国民に理解と協力を要請。また「農業維新を実現する」として、今後の国内対策に全力を挙げる考えを表明した。

    部分開放受け入れをめぐり最後まで調整が難航した連立与党第一党の社会党は、臨時閣議直前まで続けた党内論議の結果、調整案反対を確認しながらも(1)新ラウンドの成功(2)連立政権維持–の観点から、首相の決断を了承する方針を確認した。

    しかし、コメ問題をきっかけに連立内部の足並みの乱れが顕在化したことで、15日に会期末を迎える臨時国会の延長問題や政治改革法案の取り扱いとも絡んで、細川政権は発足以来最大の試練に直面しそうだ。《共同通信》

    細川首相は二度謝った。コメ完全自給を貫けなかったことと、交渉経過を明かせなかったことについてー。コメ部分開放を決断した政府与党首脳会議と臨時・閣議は、14日未明にずれ込んだ。午前3時前からの会見で、首相は無表情に謝罪の言葉を繰り返しながらも“新兵器”を使って、テレビ映りを意識した新たなパフォーマンスを試みた。

    細川首相はまず発表文を読み上げた。「水田と豊かに実った稲穂は日本列島の象徴」「完全自給を貫くことができなかった。誠に申し訳なく…」。立て板に水といった調子で読み続ける間、視線は前方に向けたまま。首相の左右の面前には、原稿を映すハーフミラーのセルロイド板が2枚立っていた。

    コンピューターに入力された原稿を眼前に映し出す「プロンプター」と呼ばれる器材。首相官邸の記者会見で使われるのは初めてだ。原稿を追う目が、そのままテレビカメラの方を向くようにという配慮のようだ。しかし、首相は不自然ほど早口になり、表情も堅いまま。農家はもとより、消費者団体からも反発を買った今回の決断だったが、首相は「多くの国民の方々からのご支援は、わが国の立場を主張する上で大きな支えになった」と大見えを切った。

    細川首相が柔らかい語り口を取り戻したのは約15分の朗読を終えて、セルロイド板が取り外されてから。「総理の対応に『ウソつき』という批判があるが」という厳しい質問に対し、首をひねりながら「最大限の努力をした結果。おおむね国会決議の趣旨に沿ったもの」。国会答弁とほとんど変わらない受け答えだったが、ようやく“肉声”が感じられた。《共同通信》


    【社会党】連立維持を重視

    社会党は14日未明の臨時中央執行委員会で、コメ部分開放の調整案に対し「ウルグアイ・ラウンド成功と連立政権参加の立場から、細川首相の判断を了とせざるを得ない」との見解をまとめ、政府の調整案受け入れ決定に従うことを決めた。

    13日午後から断続的に続いた中執委や両院議員総会の論議の中では、「閣僚引き揚げも辞さずに調整案反対を貫くべきだ」との強硬論と調整案容認論が対立し、分裂含みで同党は大きく揺れたが、ひとまず連立政権維持を重視することで決着が図られた。

    しかし、農水部会(辻一彦部会長)が「執行部の調整案受け入れ了承は断じて容認できない」との抗議声明を発表するなど、今後「離党」などによる抗議行動も予想され、コメ問題をめぐる社会党内の混乱はなお続きそうだ。

    村山委員長は14日午前1時半すぎから党本部で開かれた両院議員総会で、中執委の結論として①これまでの党方針に照らし調整案には反対する②しかし細川政権は政治改革断行と景気対策に全力を挙げており、ウルグアイ・ラウンド成功と連立政権参加の立場から、調整案受け入れの首相判断を了とせざるを得ないーと報告、了承を求めた。

    これに対し反対派は「認めることはできない」と厳」しく抗議したが、中西績介議長が一方的に「委員長一任」と総会打ち切りを宣言し、混乱のうちに両院総会は散会となった。《共同通信》

    【自民党・河野洋平総裁】内閣の姿勢糾弾

    自民党は14日未明、コメ部分開放の政府決断に対し「国会決議に反する行為で、細川内閣の姿勢を強く糾弾する」との党声明を発表するとともに、河野総裁が記者会見し、交渉の当事者である羽田外相と畑農相の責任を国会の場で追及することを明言し、両閣僚の不信任案提出の構えを示した。同党は午前の役員会で、不信任案提出問題の対応を四役に一任した。

    河野氏は細川内閣の新多角的貿易交渉(ウルグアイー・ラウンド)への対応について「交渉が限られた人たちによって進められ、政治家が決断すべき問題なのに内容すら知らなかったことは遺憾だ」と厳しく批判し「立法府、国民とりわけ農民に対し不誠実。裏切られた、うそをつかれたという思いが一番強いのは最終結果までの不透明さによる」と、交渉の進め方に不満を表明した。

    また河野氏はコメ問題を主に日米二国間でまとめていったことを批判し「宮澤内閣の時は“マルチ(多国間)の場で交渉するのが大事だ。二国間ではやらない”と言っていた」と指摘。さらに今回の交渉の結論では地球上の人口爆発の問題や、環境問題について対応できていないと非難した。《共同通信》

    【細川護熙首相】コメに続き政治改革を

    参院予算委員会は14日午前、第二次補正予算案をめぐって審議を続行した。細川首相はコメの部分開放受け入れについて「長い間懸案だったウルグアイ・ラウンド農業交渉の方向性をわが国が示せたことは世界経済発展のために大変大きい」と強調。「構造的課題に思い切ってメスを入れるのが内閣の歴史的使命であり、政治改革法案についてても参院で一日も早く成立させることを強く期待する」と述べ、コメ決着を契機に政治改革なども進展を図る考えを示した。

    山花政治改革担当相はコメの部分開放について「(社会党は)厳しい選択をするに当たり、今後の国内農業対策をこの政権の中で主張していく決意を明らかにした」と述べ、連立政権にとどまる考えを強調した。

    首相は、東京佐川急便からの1億円借金問題で「(佐川の)強引な商法は承知しているが、付き合いの始まったころはそれほど意識していなかった」と弁明した。自民党の大木浩、宮崎秀樹両氏の質問に答えた。《共同通信》

    【連立与党】国会会期延長を申し入れ

    連立与党は14日夕、今国会の会期幅を交年1月29日までの45日間延長するよう衆、参両院議長に申し入れた。政治改革法案の今国会内成立に向けた措置、与野党は15日の会期末を迎え、大幅延長の是非をめぐり大詰めの攻防を展開する。

    連立与党は、大幅延長に慎重論のあった社会党を含め、1月末までの越年延長で足並みをそろえた。15日の衆院議運委で採決、同夜に予定される衆院本会議で議決する方針だ。

    ただ、自民党は森幹事長が大幅延長に慎重な土井衆院議長と国会内で会談、与党の方針を強く批判するなど反発。コメ部分開放受け入れ決定に伴う混乱を理由に羽田外相ら関係閣僚の不信任決議案提出の構えをちらつかせていることから、連立与党はぎりぎりの国会運営を迫られよう。《共同通信》

    【政界談話室】

    ○…14日未明のコメ市場開放の記者会見で“新兵器”の「プロンプター」を使った細川首相は、朝の閣議で畑農相らに「(原稿を見ない)首相は記憶力抜群だと役所でも評判でした」と冷やかされて苦笑い。この新兵器はハーフミラーの原理で、演説をする側からは原稿の文字が見えるが反対側からは素通しの透明の板にしか見えない。クリントン米大統領らが使っているが、日本ではなじみがないだけに閣議でもひとしきり話題に。コメ問題では自民党などから「ウソをついた」「隠した」と批判された首相だけに、せめて「顔の見える政治」を演出してみせたかった?

    ○…この日、自民党の渡辺元外相が都内で講演。政治改革が年内不成立なら責任を取るとの細川首相の発言を持ち出し「こじきと大臣は三日やったら辞められない」と過激発言。次にはコメ問題で大荒れの社会党を「結局は分裂しない。夢にも見たことのない政権に入って、いまやうれしくって眠れない。いまの人が辞めれば次はおれだという大臣病患者が自民党以上にいる」とボルテージは上がる一方で聴衆は大爆笑だったが、いまや滑り落ちる大臣の座もない野党の大幹部だけに、悔しさいっぱいのうさ晴らし。《共同通信》

    【ウルグアイ・ラウンド】最終決着

    関税貿易一般協定(ガット)のサザランド事務局長は14日午後、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の最終合意案を参加国に提示した。合意案は(1)農業分野の包括関税化と特例措置の新設(2)ガットを母体にした多国間貿易機構(MTO)の設立(3)貿易紛争処理機能の強化(4)サービス貿易のルール導入–など貿易の自由化と新たな国際ルールを確立するための措置を盛り込んだ。

    米国と欧州共同体(EC)の閣僚級協議を最後に各国の交渉は事実上終わり、115カ国が参加した新ラウンドは1986年9月の交渉開始以来7年3カ月で事実上決着した。《共同通信》

    【国連・ガリ事務総長】日本の常任委入りを支持

    18日からの日本、韓国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)歴訪を前に、ガリ国連事務総長は14日、日本人記者団と会見し、個人的意見としながらも「日本が安全保障理事会の常任理事国になることは国連の利益になることである。これは私の長年の考えだ」と述べ、日本の常任理事国入りに強い支持を表明した。安保理改革問題が国連内で焦点になって以来、事務総長が日本の常任国入りを明確に支持したのは初めて。

    また、事務総長は北朝鮮訪問に当たっては、ソウルから板門店を通過して陸路で平壌入りし、平壌から東京に空路戻る計画であることを明らかにする一方、核査察問題では、「北朝鮮の見解を聞き、私のアドバイスを伝える」と語り、査察問題の調停役でなく、融和的な立場での意見交換を行う方針であることを強調した。

    事務総長は日本訪問の理由について「日本は国連の主要国の一つであり、国連との関係強化を実現するため」と説明。日本の国連への貢献の在り方に関しては、平和維持活動(PKO)への兵員提供に関する日本の憲法上の制約に理解を示した上で、輸送、警察、技術、環境などの各分野で貢献できる可能性があると指摘し、日本の一層の協力を求めた。

    さらに事務総長は安保理の改革は加盟国が総会で決定する事項で、事務総長の決定事項ではないと述べながらも「日本が常任理事国になることは私の希望だ。これは私がエジプトの外務担当国務相時代から言い続けてきた。日本が国際関係で大きな役割を果たすのは国連の利益になる」と、日本の常任理事国入りへの期待を表明した。《共同通信》

    【Jリーグ】ヴェルディ川崎、調布移転を白紙撤回

    サッカーのJリーグは14日、東京都内のホテルで実行委員会を開き、1997年に川崎市から調布市への本拠地の移転を表明した人気チーム、ヴェルディ川崎の計画を白紙に戻すよう勧告、川崎もこれを了承して、計画は白紙撤回となった。

    これで今月初め、川崎の親会社である読売新聞社・渡辺恒雄社長が「ヴェルデイはいずれ東京に移る」と発言して以来紛糾した川崎の本拠地移転問題は一応決着した。しかし、川崎側では将来的に東京移転の希望を捨ててはおらず、数年後に再燃する可能性も残された。

    この日の実行委ではJリーグ発足の基本理念に戻り、ホームタウン(本拠地制)の制度を確認することで一致。川渕三郎チェアマンも「川崎市民の納得いく形で川崎が文書を理事会に提出、事態収束に努力してほしい」と語った。

    これを受け、川崎市には森下源基・川崎副社長、調布市には小川一成同社長がそれぞれ事情説明に出向き、謝罪とこれまでの経緯を話して両市の理解を求めた。最終的には21日に開かれるJリーグ理事会に諮られ、決着する。《共同通信》

  • 1993 平成5年12月13日(月) 参院予算委員会

    平成1801日目

    1993/12/13

    この日のできごと(何の日)

    【参院予算委員会】

    羽田外相は13日午後、コメ問題を集中審議した参院予算委員会で、市場開放をめぐるジュネーブでの交渉について「7年目以降の問題で、食糧安全保障、水田が果たす環境保全の問題を含めて交渉することを明確にしてもらった」と説明。6年間の関税化猶予の特例措置の延長問題を交渉する場合、日本側のプラス材料となる食糧安保などへの配慮が調整案に盛り込まれる見通しを明らかにした。

    細川首相は「島国、海洋国家として自由な通商体制を維持しないと成り立たない」と述べ、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)成功へコメ部分開放受け入れが国益に合致するとの認識を強調。調整案受け入れ後の農政について「(農業の)生産性向上のため思い切った投資をすべきだ。新しい事態も踏まえて対応したい」と述べた。

    畑農相は、コメの部分開放で影響を受けるとみられる中山間地農家の所得補償や離農補償について「将来の一つの検討課題だ」と、前向きな姿勢を表明するとともに、食糧管理制度に関しては「食管法の精神、大きな骨組みは堅持したい」との考えを示した。外来流入などによる余剰米を政府開発援助(ODA)の一環として活用すべきだとの意見に対して農相は「もう少し問題点を洗い直して検討する」とした。《共同通信》


    【政界談話室】

    ○…自民党の森喜朗幹事長は13日、衆院本会議でコメ問題の緊急質問。幹事長の本会議質問は就任以来初めてで、政権時代でもあまり例はない。森氏は「細川内閣のコメ問題交渉の態度は国民に対して不誠実だ。政治責任をどう取るのか」と巨体を震わせて厳しく攻め立てた。首相は「内閣は政治改革とか経済対策に正面から取り組んでいる。当面、参院で補正予算案を成立させ、政治改革の速やかな審議を」と逃げの答弁に終始。終了後、記者団から感想を尋ねられた森氏は「首相答弁はいい加減だった」と怒り治まらぬ様子。

    ○…新生党の小沢一郎代表幹事はこの日、都内で同党所属議員の後援会総会で講演。冒頭、「最近、メディアを通じて皆さんには大変迷惑、ご心配を掛けている。特に同僚には大変迷惑を掛けている」とおもむろに切り出した。しかし、続いて「私は自分で意図してやっているわけではない。あることないこと大概はないことばかりですが、他人のあらを探して商売にしているマスコミの存在がある以上しようがないことです。どうぞご理解いただきたい」と一刀両断、マスコミ批判のトーンは上がるばかり。《共同通信》

    【ボクシング】

    世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチ12回戦は13日、京都市体育館で行われ、チャンピオンの勇利アルバチャコフ(協栄)が挑戦者の同級4位、車南勲(韓国)を3-0の判定で下し、4度目の防衛に成功した。

    勇利は序盤から得意の右ストレートを的確にヒットさせて試合を優位に展開。後半は車が低い姿勢からの連打で反撃し激しい打ち合いとなったが、勇利は11回左フックでダウンを奪うなどしてポイントを稼ぎ、粘り強く戦った車に打ち勝った。《共同通信》

    【マリンジャンボJr】富山にお目見え

    機体にクジラの絵を描いた全日空の「マリンジャンボJr」は13日午前8時25分、富山空港に到着した。同機の定期就航は全国で初めて。

    羽田空港で就航行事を終え、午前7時25分に同空港を飛び立ったANA881便の「子クジラ」が186人の乗客を乗せて到着すると、今や遅しと待ちかねていた約1000人の見物客から歓声が沸き起こった。

    式典は、富山市立新保小学校児童が乗客代表に花束を贈呈して始まり、中沖県知事の歓迎の言葉に続いて、機長とスチュワーデスらに、タイやブリなど富山の特産品が贈られた。《北國新聞》

  • 1993 平成5年12月12日(日) サッカー・トヨタ杯

    平成1800日目

    1993/12/12

    この日のできごと(何の日)

    【サッカー・トヨタ杯】サンパウロ、2年連続2度目の優勝

    サッカーのクラブチーム世界一を決める第14回トヨタカップは12日、東京・国立競技場に約5万2000人の観衆を集めて行われ、南米代表のサンパウロ(ブラジル)が欧州代表のACミラン(イタリア)を3−2で下し、2年連続2度目の王座に就いた。通算成績は南米の9勝5敗。《共同通信》

    サンパウロは2−2で迎えた後半41分、セレーゾが浮き球のパスを出し、突っ込んだミューゲルが飛び出したGKと競りながらボールを足に掛けて決勝ゴールを挙げた。

    サンパウロはミランの中盤での厳しいプレッシャーと暑い守備に苦しみながらも、後半19分に右センタリングからパリーニャが先制。後半3分にミランに同点とされたが、14分に左センタリングにセレーゾが詰めて勝ち越すなど、少ない好機を生かし常に先手を奪っていた。《共同通信》


    【第13回全日本女子駅伝】

    陸上の全日本実業団対抗女子駅伝は12日、岐阜県長良川陸上競技場を発着点とする42.195キロのコースに32チームが参加して行われ、リクルートが2時間15分42秒の大会新で初優勝した。5連覇を目指したワコールは2時間16分28秒で2位に終わった。

    1区(6.6キロ)で4位につけたリクルートは、2区(3.3キロ)で宮崎安澄が10分10秒の区間新をマークし首位を奪った。この後、ワコールとの競り合いとなったが、4区(4.1キロ)で吉田直美が12分56秒の区間最高でリードするとそのまま逃げ切った。《共同通信》

    【福岡国際女子柔道】最終日

    第11回福岡国際女子柔道大会最終日は12日、福岡国際センターで4階級を行い、48キロ級の田村亮子(福岡・福岡工大付高)と56キロ級の立野千代里(ミキハウス)がそれぞれ優勝した。

    世界チャンピオンの田村は順当に勝ち上がり、決勝でタチアナ・クブシノワ(ロシア)合わせ技に破り4年連続4度目の優勝を飾った。この大会の4連覇はの72キロ級の田辺陽子らに次いで4人目。世界選手権銀メダルの立野は、すべて一本勝ちで初制覇を果たした。

    52キロ級は世界選手権優勝者のレグナ・ベルデシア(キューバ)が初制覇した。無差別級は張頴(中国)が2連覇した。日本は今大会、計4階級を制した。《共同通信》

    【スキーW杯複合】荻原健司選手、逃げ切り優勝

    ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)複合第3戦は12日、サンモリッツ(スイス)で後半の距離(15キロ)が行われ、荻原健司(北野建設)が逃げ切り優勝、河野孝典(野沢温泉ク)が2位となり、ワンツーフィニッシュした。日本勢は開幕から3連勝、昨季からは8連勝。荻原はW杯個人戦今季2勝目で、通算8勝目となった。

    前半飛躍で1位の荻原は、9秒遅れでスタートした2位の河野の体調不良にも乗じ、ぐいぐい差を広げ、1分以上の大差をつけた。3位にはトロンエイナル・エルデン(ノルウェー)が入った。《共同通信》

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