平成5053日目
2002/11/08
この日のできごと(何の日)
【国連安保理】対イラク決議を採択
国連安全保障理事会は8日午前の公式協議で、米英両国が提出したイラクの大量破壊兵器査察・廃棄決議案を全会一致で採択した。決議はイラクに対し、査察拒否などの「重大な違反」を犯した場合は「深刻な結果」が生じると警告、ブッシュ米政権による武力行使に道が開かれた形となった。
イラクは、決議採択から7日以内に決議を順守するかどうか表明するよう求められている。国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)は決議採択を受け、10日以内にイラクに先発隊を派遣したい意向。決議は武装解除義務を順守する「最後の機会」と定めており、イラクにとっては米国による武力行使の回避に向け、査察の完全受け入れを認めるかどうかが当面の課題となった。
採択では、安保理構成国15カ国のうち、最後まで決議案に難色を示していた常任理事国のフランスとロシアが賛成したほか、棄権するとみられていた唯一のアラブ国家シリアも賛成に回った。ブッシュ大統領は中間選挙での勝利に続く安保理決議の全会一致の採択で国内外で政治的勝利を収めた。
ブッシュ米大統領は採択を受けた演説で「イラクは決議に従わなければ、最も深刻な結果に直面する。米国と同盟国がフセイン大統領を武装解除させる」と武力行使への決意をあらためて表明した。《共同通信》
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【大相撲】
大相撲の西横綱貴乃花(30)=東京都出身、二子山部屋=が8日、日本相撲協会に「右ひざ外側半月板損傷による症状悪化」を理由に休場届を提出。九州場所(10日初日・福岡国際センター)の休場が決まった。
貴乃花は、進退を懸けて臨み見事な復活を遂げた秋場所後からはけいこで1番も相撲を取らず、調整の大幅な遅れが懸念されていた。療養期間は「3カ月」とされ、来年1月の初場所出場も危ぶまれるが、貴乃花は「1日でも早く土俵で体を動かせるようにしたい」と語り、当面の引退がないことを示唆した。
貴乃花の休場は2場所ふり16度目。横綱の年間5場所の休場は、年6場所制が定着した1958年以降では83年の北の湖以来のワーストタイ記録になった。貴乃花休場で再び一人横綱で場所に臨む武蔵丸、魁皇ら5大関を中心に激しい優勝争いが期待される。《共同通信》
【プロ野球】
プロ野球のシーズンを締めくくるコンベンションが8日、名古屋市内のホテルで開かれ、本塁打、打点の2冠を獲得し、来季から大リーグに挑戦することになった松井(巨人)と、シーズン55本塁打のプロ野球タイ記録をマークしたカブレラ(西武)のセ、パ両リーグの最優秀選手(MVP)が表彰された。
就任1年目で巨人を2年ぶりの日本一に導き、正力賞にも選ばれた原監督はセの最優秀監督賞を受賞。伊原監督(西武)はパの優勝監督賞として表彰を受けた。
それぞれセ、パの新人王となった石川(ヤクルト)と正田(日本ハム)の両左腕にはペナントなどが贈られた。
プロ2年目以来、15年ぶりにセの最優秀防御率賞を受賞した桑田(巨人)や、パで5度目のベストナインに選ばれた中村(近鉄)らほかのタイトルホルダーも顔をそろえた。《共同通信》
【北朝鮮による日本人拉致事件】
蓮池さん夫妻、人間ドックを受診
拉致被害者の蓮池薫さん(45)と妻祐木子さん(46)は8日、新潟県柏崎市内の病院で人間ドックを受診、同日夕に実家へ戻った。
関係者によると、蓮池さんは「日本の医療技術の発展を目の当たりにして大変驚いた。日本が長寿国なのもうなずける。両親も検査を受けて長生きしてほしい」などと感想を述べた。祐木子さんは「胃カメラがきつかった」と話した。
検査は午前8時半すぎから午後3時ごろまで。蓮池さんは北朝鮮にいたころにわずらった胃かいようの症状が残っていたが、医師から「薬で治る」と説明されたという。
蓮池さんの父秀量さん(75)は同日夕に記者会見し、拉致被害者支援の新法について「ぜひ国を挙げて支援してほしい。一日も早く子供の帰国を実現してほしい」と繰り返した。《共同通信》
【名古屋地検】暴行刑務官5人を逮捕
名古屋刑務所(愛知県三好町)で今年5月と9月、男性受刑者2人が刑務官に制圧を受けた直後に死傷した事件で、名古屋地検は8日午後、9月の受刑者重傷が刑務官の暴行による疑いが強いと判断し、刑務官5人を特別公務員暴行陵虐致傷容疑で逮捕した。
調べでは、5容疑者は9月25日午前8時15分ごろから同9時45分ごろにかけて、男性受刑者(30)に対し、必要ないのに革手錠で締め付け、腹を圧迫するなど暴行を加え、40日間の大けがを負わせた疑い。刑務所によると、この受刑者は面接中、興奮して詰め寄るなどしたため、革手錠で拘束のうえ保護房に収容された。その後、受刑者は腹痛を訴え、腹部内出血で緊急手術を受けた。
同刑務所では5月、別の男性受刑者(当時49歳)が入所のための身体検査中、刑務官につかみかかるなどしたため、数人の刑務官が制圧、革手錠で両手を拘束したうえで保護房に収容。受刑者はその直後、心肺停止状態となり死亡している。刑務所から事件の通報を受けた特捜部は、刑務官らから事情聴取を進めてきた。《毎日新聞》
【政界談話室】
○・・・社民党の福島瑞穂幹事長は8日の記者会見で、離党者が相次ぐ党の現状について「ものすごい危機はチャンスだ。とことん頑張ることで信頼を確保する」と自らを鼓舞。出直しをアピールするため、12月にも「ニュー社民党宣言」を発表したいと強調した。さらに、自民党が新しいポスターで使っている「カイ党宣言」というキャッチコピーを引き合いに出して「自民党のカイ党宣言よりつまらないと駄目だ」と意気込みを見せたが、与党内からは「本当の『解党宣言』にならないように」と皮肉る声も。《共同通信》
【森山真弓法相】首相に純ちゃん人形
森山真弓法相は国会内で8日午前、閣議で顔を合わせた小泉純一郎首相に「進め改革、純ちゃん人形」をプレゼントした。法相が地元の祭りで購入したもので、グレーのスーツを来た手のひらサイズの首相が、ぜんまい仕掛けで歩く仕掛け。扇千景国土交通相がテーブル上で歩行実演し、塩川正十郎財務相が「よう似とるわ」と応じると、首相は「まだ売ってるの」と満足そうな様子。ぎこちなく動く人形と異なり、小泉改革は着実な歩みができるかどうか。《共同通信》
【小泉純一郎首相】「全国に特区拡大」
衆院は8日午後の本会議で、小泉純一郎首相が進める規制改革の目玉となる「構造改革特別区域法案」の趣旨説明と質疑を行い、審議入りした。法案は総合デフレ対策の一環として地域を限定して規制を緩和し、経済活性化を図る内容。
首相は「地域の実態に合わせた規制改革を通じ、全国に多様な構造改革特区の実現を目指す。全国規模の規制改革の突破口となる有効な手段だ」と述べ、将来、規制緩和を全国に広げる考えを表明した。《共同通信》
【タイ】冷房禁煙令施行
常夏の国タイで8日、冷房付きのレストランやアパート、タクシーの中などでの喫煙を禁じる厳しい禁煙令が施行された。営業への影響を懸念する飲食店が多い上、外国からの観光客にも適用されるため、しばらくは混乱が予想される。
警察が監視し、違反した場合、吸った者は2000バーツ(約6000円)、店の経営者らが2万バーツ(約6万円)の罰金。禁煙の対象はほかに、空調設備のあるショッピングセンターや映画館、理容店など。病院や金融機関では職員の個室など限られた場所であれば喫煙できる。《共同通信》
【中国共産党】党大会
中国共産党の第16回大会が8日午前、北京の人民大会堂で開幕した。江沢民総書記(76)=国家主席=が冒頭、中央委員会を代表して活動報告し、江氏自身が2000年2月以来提唱してきた「3つの代表」思想(党が先進的な生産力、文化、最も広範な人民の根本的利益を代表)について「党が必ず長期に堅持すべき指導思想」と強調した。
党大会には党規約改正案が提案され、この思想が規約に盛り込まれる。同思想は私営企業家などを含む「最大多数の人民の利益を満たす」としており、江総書記の報告は「労働者階級」の政党から幅広い階層を代表する国民政党への脱皮宣言といえる。
今大会で江総書記は引退し、大会後に後任の胡錦濤国家副主席(59)を中心とする新指導部が誕生する。「3つの代表」思想が党規約上、毛沢東思想、鄧小平理論と併記されることで、江氏は歴史的な指導者としての権威を確立、次期指導部への影響力を残す。
江氏は報告で、今後の経済発展について「国民経済の持続的でテンポが速く、かつ健全な発展を目指す」と述べ、国内総生産(GDP)を2020年までに2000年の4倍増とするとの目標を打ち出した。私営企業家らも「社会主義事業の建設者」と言明し、優秀な人材は党内に吸収する姿勢を示した。また「党は中国人民と中華民族の前衛部隊」とも述べ、幅広い人民の党を目指す方針を明確にした。《共同通信》
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9日付の中国各紙によると、中国共産党の胡錦濤・政治局常務委員(国家副主席)は第16回党大会初日の8日、江沢民総書記が提唱した「3つの代表」(党が先進的な生産力、文化、最も広範な人民の根本的利益を代表)思想を「長期にわたり堅持しなければならない指導思想」と強調した。
胡氏は党大会後に新たな総書記に選出される予定で、次期指導者として江沢民路線を継承していく方針を表明したといえる。
胡氏の発言はチベット自治区代表団の討論会でのもので、「3つの代表」思想を「党建設を強化、改善し、わが国の社会主義の発展を推進する強大な思想面の武器」と称賛。江氏による大会冒頭の活動報告も「マルクス主義の綱領的文献」と高く位置付けた。
また江氏が総書記に就任した1989年以来の13年間について「国際情勢が激しく変化する中、江沢民同志を中心とする第三世代の指導部が団結して全党と全国の人民を率い、近代化建設の巨大な業績を実現した」と総括した。
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8日付の台湾紙、聯合報によると、台湾の陳水扁総統は8日、「『一つの中国』原則や『一国二制度』を受け入れれば、台湾は香港同様、中国の特別行政区になり、中華民国(台湾)総統は存在しなくなってしまう」と述べ、「一国二制度」による統一を拒否する考えをあらためて強調した。
中国共産党の江沢民総書記=国家主席=が8日、第16回大会で「一国二制度」による統一を再提起したことに応じた。《共同通信》
【この日の民主党】
経済再生本部第三回会合開く
民主党経済再生本部(鳩山由紀夫本部長)は8日午前、国会内で第三回の会合を開き、ネクストキャビネットがまとめた「民主党経済再生プラン」の報告を受け、意見交換を行った。
冒頭、鳩山代表は、「これまでの国会審議で、政府の『総合デフレ対策』にほとんど何も意味がないことが明らかになった。閣議決定も行われていないペーパーに何の拘束力もなく、市場も反応していない。民主党としてのプランを一刻も早くまとめ世に問うことが重要だ。たくさんの項目の羅列ではなく、わかりやすい形でまとめ、行動する現場主義の民主党の真価を発揮してほしい」とあいさつした。
キャビネットの官房副長官兼経済財政政策担当大臣である北橋健治政調会長代理が同プランの内容を説明、会合に参加した河村たかし、原口一博、仙谷由人、直嶋正行議員らから活発な意見表明や注文が続いた。
同プランは、対策本部での討議を踏まえ、最終とりまとめを行ったうえで発表される。
木下議員、構造改革特区法案の欠陥を指摘
8日の衆議院本会議において、内閣提出の構造改革特別区域法案の趣旨説明と質疑が行われ、民主党から木下厚議員が質問に立った。
木下議員はまず、朝日新聞の世論調査を引きながら「今回のデフレ対策では経済の立て直しを期待できないと答えた国民が75%、小泉首相は経済対策で指導力を発揮していないと答えた国民が63%。国民の苛立ちを端的に示している。この中途半端なデフレ対策で本当に景気が良くなると考えるのか」と質し、小泉首相に今後の経済の見通しを明らかにするよう迫った。また、与党や経済界から出ている大型の先行減税や補正予算の編成、国債発行30兆円枠突破などの強い要請にどう対処するか、首相の考えを質した。
小泉首相は、構造改革の加速策と雇用のセーフティネット策を具体化しデフレを克服するなどとしたが、具体的な展望は語ることができなかった。先行減税や補正予算については「既存の予算を最大限に活用していく」と述べるにとどまった。
構造改革特区法案をめぐっては、省庁の抵抗を排除するために内閣に推進本部を設置し、リーダーシップを発揮できるような体制をとったなどと首相が述べていることを取り上げ、「その内実は違う」と指弾。地方公共団体などが提案した約900項目余りの規制緩和要望のうち、認められたのは93件にとどまっている実態を明らかにした。また、認められた項目についても、特区の認可や企業参入に際して、それぞれの項目に厳しい条件が付記されていることを指摘し、「省益を温存したいという関係省庁の抵抗によって、許認可のハードルを上げ、省庁の裁量余地をできるだけ残そうとしたもの」と批判。構造改革特区法案は規制改革の遅れをカモフラージュするための方便にすぎず、全国規模の規制緩和・撤廃の動きを遅らせる隠れ蓑にすぎないと断じた。
木下議員はまた特区制度について、「地方分権の推進という観点からすれば、地域を限定した特区を設けるのではなく、規制している法律を廃止し、地方公共団体の特性や実情に応じて規制を条例に委ねるという考えもあるのではないか」と質したが、鴻池担当相は「引き続き規制改革の充実に努めていく」などと述べたにすぎなかった。
さらに木下議員は、特区制度の目玉とされていた学校・病院経営への株式会社の参入が見送られた点について、今後の対応を質した。同時に、記者会見で鴻池担当相が「教育と医療の2点で、私自身もすっきりしない」と不満を口にしたとされることについても、真意を尋ねた。小泉首相は「学校・病院経営への株式会社の参入については、引き続き、関係者の意見も聞きながら議論していく」とし、鴻池担当相も「関係大臣に検討要請を強く行った」と述べた。
木下議員は「特区法案の内容を一言すれば、金融機関の『貸し渋り』と同様、中央官僚による規制緩和と地方分権の『出し渋り』。総理のリーダーシップはないに等しく、『改革なくして成長なし』はまさに看板倒れと言わざるを得ない」と厳しく批判。中央から地方へ、官から民へという真の構造改革を実現するために、地方公共団体や民間の要望をできるだけ反映させるような柔軟で大胆な特区制度にすべきだと改めて提起した。また、省庁や地方公共団体の既得権確保のために使われたり、族議員の圧力によって認可が左右されることのないようチェック態勢の強化も必要だと重ねて指摘した。
民主党経済再生プラン」を発表
民主党の海江田万里政調会長は8日、記者会見を開き、「民主党経済再生プラン」を発表した。
経済再生プランは、小泉政権の経済無策が招いた深刻な経済状況を「経済有事」と捉えた上で、「当面の危機を脱するため、デフレ対策を強力にすすめるとともに、新たな需要創出・企業と国民生活の質の向上によって、雇用創出と産業再生を実現する」という観点から策定されている。
内容は、「1.基本的な考え方」「2.危機回避のための緊急対策」「3.国民経済の再生・国民生活の質の向上に向けて」の3章で構成。「危機回避のための緊急対策」としては、現行予算の無駄を徹底して洗い直すことによって1.5~2兆円規模の補正予算を早急に編成し、雇用増大、中小企業支援、減税などの対策を実施。不良債権処理については、民主党の「金融再生ファイナルプラン」を採用することによって迅速化する、としている。また、「国民経済の再生・国民生活の質の向上に向けて」では、「NPO育成を通じた市民社会の実現」「ゆとりある住まい、暮らしやすい町」「環境保全」などの実現に向けて新たな産業の育成を図り、雇用の創出を促すことを提起している。
また、住宅、教育費等の「ローン利子控除制度」創設、株式譲渡益課税のゼロ税率措置などによる減税の規模について記者の質問に答えた海江田政調会長は、平年で3兆から3兆2千億円程度になるという考えを示した。
民主党アフガニスタン女性招聘事業がスタート
NGO活動にかかわるアフガニスタンの女性3名を日本に招聘し、NGOや関係団体等の協力のもとに「アフガニスタン女性支援会議」を開催するための実行委員会が、8日発足した。
来日が決まっているのは、シマ・サマルさん(人権委員会委員長、NGO代表)、ジャミラ・ムジャヘッドさん(女性誌「マラライ」編集長)、クドゥシア・マジャージャさん(NGO代表)。8日の会合で挨拶にたった鳩山由紀夫実行委員長は、「これまでの経過からアフガニスタンと民主党は特別の関係にある。シマ・サマルさんは素晴らしい女性。日本の男女共同参画社会への貴重なアドヴァイスも得られると思う」と、事業の成功への期待を語った。
一行は、11月25日から5日間滞在し、上記会議、前夜祭などの行事が予定されている。《民主党ニュース》