平成6065日目
2005/08/16
【民主党・仙谷由人政調会長】マニフェスト各論発表
仙谷由人政策調査会長は16日午後、党本部で財政再建を大テーマとする「2005年 衆議院選挙マニフェスト 政策各論」を発表した。税の無駄遣いを徹底的に見直し、国直轄の公共事業の削減などにより、3年間で10兆円の歳出削減を図っていくこととしている。
会見で仙谷政調会長は、「資源配分をコンクリートへの膨大な投資を行う自民党型から人への投資に変えること」を基本的な考え方を基に、今回のマニフェストが作られたことを明らかにした。
また、仙谷政調会長は、少子化、二極化・格差拡大など、時代状況の変遷に対応して、「新たな希望を見出すために、人や子どもにありとあらゆるものを注ぎ込む」民主党の姿勢を明確に打ち出したマニフェストにしたと表明した。
さらに、仙谷政調会長は道路公団や社会保険庁の廃止、あらゆる官庁にみられる談合、税金のムダづかいを一掃して、今までの政府とは全く違う、国民の政府を作り上げるとして、先に発表した「岡田政権の500日プラン」を、その意義も含めて改めて説明した。
さらに、今回のマニフェストの目標については「政府の構造改革を行い、安心な社会を作ること」だと述べた上で、仙谷政調会長は、縦割り行政を解体し、再構築すること、現在の事業官庁が事業を行わず、企画・立案だけに取り組むことなどが必要との見解を示した。
各論の構成は(1)憲法(2)外交安保(3)社会保障・雇用(4)子育て(5)教育・文化(6)地方分権・市民活動支援(7)財政健全化(8)郵政改革――などの14項目。
特に「財政再建化」では、(1)政権交代後3年間で10兆円の歳出をカット(2)新たな国債発行額を30兆円未満に抑える(3)国の一般会計のプライマリーバランス(借金収入・利払い費を除く財政収支)の8年間での黒字化の実現――などを明示した。国の公共事業の半減、(1.3兆円)国家公務員人件費総額の2割削減(1兆円)、特殊法人向け支出半減(1.8兆円)などによって17兆円の既存経費をカット。マニフェストの実施にあたって充当する約7兆円を差し引いても、10兆円の歳出削減が行われることとなる。
年金改革では、国民年金・厚生年金・共済年金の一元化、社会保険庁の廃止と国税庁の歳入庁への改編、議員年金の廃止、税を財源とする月額7万円の最低保障年金の創設なども提示している。
このほか、国会議員定数の1割以上削減、患者本位の医療の実現、その象徴としての癌と正面から闘うためのあらゆる施策の実行、小児科医不足の解消、幼保一元化、義務教育終了まで子ども1人につき月額1万6000円の子ども手当の実施、子ども家庭省の設置、地域立の学校、大都市部以外の高速道路の3年以内の無料化などを盛り込んでいる。《民主党ニュース》
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【辻元清美氏】「敗者復活できる社会に」
「敗者復活のきく社会をつくる役割を担わせてほしい」–。辻元清美元衆院議員(45)が16日、大阪府高槻市で記者会見。再起を懸けて次期衆院選で社民党から大阪10区と比例近畿ブロックに重複立候補することを正式に表明した。
辻元氏は2004年2月、秘書給与詐取事件で懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受け、同年7月の参院選大阪選挙区に無所属で出馬し落選。今回が2度目の挑戦となる。
ピンクのジャケットに黒のパンツ姿の辻元氏の横には、福島瑞穂社民党党首が同席。
衆院解散前、福島氏と土井たか子前党首から「社民党で一緒にやろう」と誘われたことを明かした上で「孤軍奮闘している福島さんを見て(社民党を)つぶしたらあかんと思った。土井さんに『若い人を後押ししたい』と言われ、感銘を受けた。党の古いところを変えていきたい」と話した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】猪口邦子氏に出馬要請
小泉純一郎首相は16日午前、自民党本部で猪口邦子前ジュネーブ軍縮大使(上智大教授)と会い、衆院選での出馬を要請、猪口氏は受諾した。選挙区は未定だが、比例代表ブロックで女性枠候補になる。また自民党執行部がライブドア社長の堀江貴文氏に選挙区での出馬を打診していたことも明らかになった。都市部で無党派層の多い福岡1区などを想定しているとみられる。
猪口氏は首相に「健康に気を付けて全力で(選挙戦を)頑張ってほしい」と求められ、「郵政民営化を含む構造改革が絶対に必要であり、与党議員として全力を尽くしたい」と応じた。
猪口氏は上智大法学部教授で、専門は国際政治学。02年からジュネーブ軍縮大使を2年間務めたほか、政府の行政改革会議委員なども歴任している。
堀江氏に関しては武部勤幹事長らが出馬を打診。堀江氏も検討する考えを示したとされる。《共同通信》
【自民党】第3次公認候補発表
自民党は16日、衆院小選挙区の第3次公認候補予定者21人を発表した。郵政民営化関連法案採決で棄権・欠席した古賀誠・元幹事長や高村正彦・元外相ら11人も公認された。同党の公認候補は計265人となった。
欠席・棄権組のうち、柳本卓治・前議員については、出馬予定の大阪3区で公明党の田端正広・前議員との候補者調整が決着していないため、公認が見送られた。
また、藤野公孝参院議員の妻で料理研究家の藤野真紀子氏を愛知4区で出馬させる。同党は、藤野氏を目玉候補として比例東海ブロックの名簿上位に登載する方向だ。民主党の菅直人前代表の出馬する東京18区には、地元の東京都武蔵野市長の土屋正忠氏を擁立した。
反対票組への対抗馬としては、新たに前財務省課長の片山さつき氏(静岡7区)、岡山市長の萩原誠司氏(岡山2区)の2人を公認した。これで反対票組の対抗馬は計22人となった。
一方、同党が緊急に実施した候補公募には16日夕現在、705人が応募したという。《読売新聞》
【片山さつき氏】出馬表明
総選挙で16日、発表された自民党の第3次公認。造反組への「刺客」に正式決定した元財務省課長、片山さつき氏(46)は静岡県浜松市で同日夜、記者会見し「郵政民営化は改革の本丸だ。これなしには改革は進まない」と出馬を表明した。また、立候補予定の「棄権・欠席組」は、12人のうち小渕優子氏ら11人が公認を受けた。
片山氏は学生時代に「ミス東大」としてファッション誌にも登場。自民党は「改革のマドンナ」と位置付ける方針だ。だが、同党静岡県連は郵政民営化法案に反対した城内実氏(40)を推薦しており、党本部は直轄支部を設立して片山氏の支援にあたるとみられる。
県連の前沢侑幹事長は「片山氏は比例代表で救われる。(無所属の)城内氏は担がないと、どうしようもない」と話し、城内氏の推薦を変更せず、支援を続ける考えを明らかにした。城内氏は「大変厳しい戦いだ。背水の陣で選挙区を走り回りトップでゴールできるよう政策を訴えていきたい」とコメントを出した。
また、衆院本会議の採決を棄権した群馬5区の小渕氏。棄権・欠席組の最後に弁明書を党本部に提出した。党執行部などとの話し合いで、主張していた「議論の場の確保」などが実現すると確認し、郵政改革に賛成したという。5区内の特定郵便局長会幹部は「賛成に回った詳しい理由を聞いてみないと分からないが、基本的に応援はできないだろう」と話す。群馬県内の小選挙区の自民党立候補予定者が全「郵政賛成」になり、複雑な様子だった。《毎日新聞》
【宮城県南部地震】
16日午前11時46分ごろ、宮城県沖を震源とする大きな地震があった。宮城県南部の川崎町で震度6弱、岩手県藤沢町、仙台市などで震度5弱を記録。宮城県を中心に5都県で59人がけがをし、200棟以上の建物に一部損壊などの被害が出た。
東北新幹線は2カ所で架線が切れ、立ち往生した車内に計約4000人が閉じ込められた。政府は官邸対策室を設置、被害の全容把握を進めている。《共同通信》
【この日の民主党】
鳩山元代表、埼玉で本当の改革実現する民主党への支援訴え
各地の予定候補の応援を精力的に続けている鳩山由紀夫元代表(『次の内閣』ネクスト外務大臣は16日、埼玉県内の4か所の選挙区を相次いで訪問。埼玉6区の大島敦、同7区の小宮山泰子、同8区の木下厚、同9区のいがらし文彦各予定候補と、それぞれ街頭演説を行った。
JR鴻巣駅で行われた大島予定候補の街頭演説会では、演説開始予定の30分前から、お盆休み中の支援者が、汗を拭きながら鳩山元代表を待ち続けた。到着した鳩山元代表は、16日午前に東北地方で発生した地震の影響で列車が遅れたことを詫びつつマイクを握り、郵政民営化をめぐる自民党内の対立に言及。お盆にちなんで「日本を築き上げてきたご先祖様に恥ずかしくない日本にしよう」と訴え、民主党予定候補への支援を呼びかけた。
鳩山元代表は「小泉首相の次の狙いは財政再建。しかし、歳出削減はできず、すぐにサラリーマン大増税に手をつけるだろう」と述べ、自民党内の対立に注目して郵政民営化だけを焦点に小泉・自民党を選んでいいのか、小泉政権にこの先3~4年の将来を委ねてよいのか、「もっと冷静に見てほしい」と聴衆に注意をうながした。その上で「徹底的な行政のムダづかいを失くすことが先決」と鋭く指摘し、民主党政権で本当の改革を実現させる決意を示した。
この後、鳩山元代表は車と電車を乗り継ぎながら、埼玉県内を文字どおり走り回った。木下予定候補と所沢市で、入間市と狭山市でいがらし予定候補と、川越市で小宮山予定候補と、それぞれ街頭演説を行った鳩山元代表は、演説終了後には、集まった皆さん一人ひとりと握手し、ことばをかわすなどして、民主党への支援を訴えた。
岡田代表、日本を立て直すために長崎県で政権交代を強く訴える
岡田克也代表は16日、長崎県を訪れ、佐世保市では宮島大典・長崎4区予定候補、長崎市では高木義明・同1区予定候補、大村市では山田正彦・同3区予定候補とともに街頭演説会に臨んだ。民主党が自民党に代わって政権を担う意義を、丁寧かつ力強く訴える岡田代表らに、多くの聴衆や支持者は、暑い中、足を止め、長時間にわたって話に聞き入った。
演説の中で岡田代表は、「小泉さんが総理になって4年間。結局何にもできなかった。4年間かけてできなかったものが、これからもできるわけがない」と、首相の口先ばかりの改革を批判。その上で「民主党が政権を取ったら、年金や介護などの社会保障制度の抜本改革を徹底してやる。3年間で10兆円の歳出削減をし、無駄を省いて財政の立て直しをしっかりやる」と表明した。
岡田代表はさらに「公立の小中学校を、現場の教師や地域の人たちとともに立て直す教育改革。18兆円の権限と財源を地方に移し、『地域のことは地域で』の分権の推進。衆議院議員の数を480人から400人に減らす。国民に負担を求めるなら、まず自ら痛みを負わなくてはいけないので議員年金を廃止する」などと主張。これから数年先を見据えた、多くの政治課題に関する民主党の政策を語りかけた。
この日岡田代表は、当初は9日の原爆の日に訪れる予定であった長崎市内の平和公園にも足を運び、平和祈念像の前に献花を行った。
民主党のマニフェストは結果に責任を持つ 岡田代表、記者団に
岡田克也代表は16日、遊説先の長崎県大村市で記者団からの質問に答えた。
自民党執行部が郵政民営化関連法案の反対派の選挙区に、候補者を立てようと調整を行っている点について問われた岡田代表は「刺客うんぬんの話は、東京からの報道の現象」と指摘。「国民は冷静に判断をし、本質をちゃんと見ている。長続きはしない」との見通しを示した。
また、マニフェストの持つ意味を聞かれた岡田代表は「2年前の総選挙からスタートしたが、回を追うごとに具体的で良いものになってきた」と回答。「選挙は政策を問うもので、抽象的な従来のやり方ではなく、具体的な政策を約束して行う」と指摘し、マニフェストに記載されている具体的な政策を読んだ上で、今回の衆院選では日本の将来を考えた選択が行われるべきとの見解を示した。
岡田代表はさらに、マニフェストで「3年間で10兆円の歳出カットを実現し、財政の健全化を図る。4年間でなく3年にしたところに意味がある。解散を行う前に結果が出る」と説明。民主党のマニフェストは、結果に責任を持つ具体的なものであると強調した。
「総選挙では正面から政策議論を。それが政治家の責任」岡田代表
長崎での遊説を終えて党本部に戻った岡田克也代表は16日、会見を行った。
戦後60年の節目でありながら9日に参拝の機会を逸してしまった長崎平和記念公園で献花を行ってきたことをまず報告。同時に、宮城県南部で震度6弱を記録した地震に関連して、ケガをされたり、災害に遭われた方へのお見舞いの言葉を述べるとともに、自らを本部長とする民主党宮城県沖地震災害対策本部を設置したことを報告。17日には、川端達夫幹事長(同副本部長)が現地視察を行うことを明らかにした。
続いて同日、「2005年 衆議院選挙マニフェスト 政策各論」の記者発表を行ったことに言及。「本日はマニフェストの各論を発表したが、なるべく早く全体像をあきらかにしてしっかりとした政策論争を行っていきたい」と語り、日本の将来を決める今回の衆院選で、政党間で正面から政策を議論する形をつくっていきたいとの意向を示した。
そうした思いに反し、議論に乗ってこない自民党に対しては「(政策の)中身に自身があるのならば、出てきて議論すべき。それが政治家の責任だ」と指摘するとともに、武部自民党幹事長が「議論したら負ける」との言葉を岡田代表に投げかけたことを明らかにした。
マニフェストのなかで17兆円の既存経費のカットを示している点をめぐって、その内を記者から問われたのに対しては、「その一端は示している」とした上で、国の直轄公共事業半減、国家公務員人件費総額2割減、特殊法人向け支出半減などにより、実現する考えを示した。
マニフェストで示した郵政改革と自民党案との違いを示すよう求められると、「新しい対案を出したわけではない」と述べ、基本的な考え方は昨年の参院選時のマニフェストで示していると説明した。そのうえで、郵政改革の最大の目的は郵便貯金・簡易保険に集められた国民の資金が、国債や財政投融資制度を介して公に流れていく状況を是正することにあると指摘。郵便貯金と簡易保険を適正規模への縮小を目指し、郵便貯金の預入限度額の段階的引き下げをマニフェストに盛り込んだことを明らかにした。「肥大化を防ぐには国の意志で国債を買わせないようにすればいい。ところが、それが行われてこなかった。肥大化を形づくってきたのは自民党政権だ」とも批判。そもそも250兆円の資金をどう運営するかも明らかにしておらず、小泉郵政民営化法案は成り立たない法案であるとした。
さらに岡田代表は、公明党のマニフェストを取り上げ、児童手当の拡充が示されている点について「わが党と比べれば十分でない」と指摘し、記述するのであれば財源を明らかにすべきであることを指摘した。また、政治とカネの問題について、何ら言及されていないのに対しては「政治とカネの問題にきびしい態度をとってこられた公明党のかつての姿を知っているものからみると今昔の感がある」との感想をもらした。
仙谷政調会長、地方分権・市民活動支援を表明 都内の集会で
「政権をつくろう!!市民力・地域力ネットワーク集会」が16日夕、都内で開かれ、民主党から仙谷由人政策調査会長らが出席。東京・生活者ネットワークをはじめとする各地のローカル・パーティから「政権交代政党への政策提案項目」、「地域固有の課題の取り組みをマニフェストへの盛り込む提案項目」が示され、仙谷政調会長は「考え方が軌を一にしている」として、受け入れることを快諾した。
集会には約150人が参加し、この解散・総選挙は政権交代へのチャンスだとして、党本部で会見を終えてかけつけた岡田克也代表にエネルギーを与えるものとなった。
ローカル・パーティが政党への要望、政策課題を提案したのを受けて、仙谷政調会長は民主党が本日発表したマニフェスト政策各論を説明した。その上で、「皆さんの活動に敬意を表する。皆さんに地域主権社会の担い手になっていただける構造をつくる。この20~30年の日本の失敗は分権型社会を実現できなかったことによるものであり、霞が関を壊せなかったことに基づく。日本を大手術しなければならないというのが私たち民主党の立場だ」として、地方分権・市民活動支援を目指す民主党の立場を改めて表明した。
また、枝野幸男マニフェスト起草委員会事務局長は、個別課題として挙げられた八ッ場ダム建設の中止についても、マニフェストに盛り込むと述べた。
会場で各地のNPO、市民団体の意見に耳を傾けていた岡田代表は挨拶に立ち、「みなさんからエネルギーをいただいた。何としても政権交代を実現したいとがんばっている。自民党はテレビ番組でわれわれと議論することを拒んでいるが、本来は国民の目の前で議論すべきである」と主張。年金や教育、財政再建など、最優先に取り組むべき課題が多いなか、ローカル・パーティの皆さんの意見に謙虚に耳を傾け、必要とあれば取り入れ、より良いマニフェストにし、国民の声が届く政府をつくると決意を語った。その後も各地で活動する団体から「市民バンク」「パート、女性の労働条件の改善」「河川の浄化」「高齢者介護」などで意見・要望が出され、『次の内閣』ネクスト国家公安委員長の円より子、蓮舫、鈴木寛各参議院議員が党の考え方を丁寧に説明した。《民主党ニュース》