平成4115日目
2000/04/14
この日のできごと(何の日)
【森喜朗首相】首相臨時代理に5閣僚
森喜朗首相は14日午前の閣議で、事故や病気で職務を執行できなくなった場合に備え、首相臨時代理に青木幹雄官房長官ら5閣僚を指名した。臨時代理就任の優先順位は(1)青木官房長官(2)河野洋平外相(3)中山正暉建設相(4)深谷隆司通産相(5)瓦力防衛庁長官の順で、青木氏も職務執行不能になった場合には河野氏にバトンタッチする。これは政府の危機管理対策の一環。
青木幹雄官房長官は閣議後の記者会見で「首相と一心同体となって国政に携わる官房長官を1位とし、あとは大臣歴、議員歴、所属政党などを勘案した」と説明。宮澤喜一蔵相を指定しなかった理由については「既に首相を経験されている」と説明。また森内閣以降も万一の場合に備え、こうした措置をとるべきだとの認識を示した。
これに伴い、直下型大地震で首相が被災した際の臨時代理の就任順位を「1位官房長官、2位国土庁長官」とした閣僚懇申し合わせを手直しした。
小渕恵三前首相が緊急入院し、こん睡状態に陥った際に臨時代理が決まっていなかったため、事実上の「首相不在」状態が半日以上続いたことや、青木長官の臨時代理就任手続きが「不明朗」と国会で指摘されたことから、青木長官を中心に善後策を検討していた。
首相臨時代理は「首相に事故のあるとき、または欠けたとき」の措置として内閣法9条に規定されている。臨時代理をあらかじめ決めた場合、その閣僚は「副総理」と呼ばれてきたが、青木長官は「副総理は首相が国政全般に助言をいただくもの。内閣法9条の順位指定とは関係ない」と強調した。政府はこれを衆参両院議長に通知するとともに、官報に掲載する。《共同通信》
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【森喜朗首相】教育改革国民会議を開催
14日、内閣総理大臣が開催する「教育改革国民会議」が官邸で第2回会合を開いた。今回の会議は、森総理就任後初めて開催された。
総理はあいさつの中で「『日本新生』の実現を目指し、我が国が直面する様々な課題に取り組んでいるところであります。とりわけ、教育改革は『心の豊かな美しい国家』を実現するために、まず最初に取り組まなければならない、最重要課題であると思います」と述べた。《首相官邸》
小渕恵三前首相が私的諮問機関として設置した「教育改革国民会議」(江崎玲於奈座長)の第2回会合が14日午後、首相官邸で開かれ、森喜朗首相が初めて出席した。首相は「教育改革は『心の豊かな美しい国家』実現のため、最初に取り組まなければならない最重要課題だ。夏をめどに中間報告をとりまとめてほしい」と要望した。
今後の教育のあり方として「思いやりの心や文化、伝統を尊重し、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心をはぐくむことが必要だ」と指摘し、教育基本法の見直しも含めた広範な改革の方向性を明示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の石井一副代表は14日の党代議士会で、自民党の野中広務幹事長が鳩山由紀夫代表の小渕恵三前首相への見舞いの言葉を「しらじらしい」と非難したことについて「常軌を逸している」と反発した。さらに、石井氏は「小沢(一郎氏)を売国奴、悪魔と呼び、その次は『ひれ伏してまで』と言って、今度は切り捨てた。野中は最も変節漢だ」とばっさり。野中氏とは昨年、変節漢と批判し合った遺恨の間柄。幹事長として総選挙の陣頭指揮を執ることになった野中氏への「口撃」のボルテージは上がる一方。《共同通信》
【自民党・野中広務幹事長】自由との再連立を否定
自民党の野中広務幹事長は14日午後、共同通信などとのインタビューで、次期衆院選後に自由党と再び連立を組む可能性について「元に戻るのは難しい」と明確に否定した。その理由として「保守党が厳しい波をくぐって政党を立ち上げたが、(自由党は分党を認めずに)政党助成金を渡していない。自自公連立は緊張感があったが、今(の連立政権)は安らぎがある」と強調した。
衆院選での議席獲得目標に関しては「連立与党として安定多数を取らないといけない。それが責任だ。自民党は今、『安定過半数』を取っている」と説明した。自民、公明、保守3党で常任委員長ポストを確保し、さらに委員数も野党と同数以上となる「安定多数」(254議席)を目指す考えを示したものだ。
森政権の実態は「小渕派支配」との批判が出ているが、野中氏は「(小渕恵三前首相の入院という)緊急事態に対応するため、内閣一を変えないでスタートした」と反論した。その上で「『森カラー』の出た内閣を組織される時が早晩やって来る。(その時は)挙党態勢の人事をやってほしいと願っている」と述べた。
衆院選前の保守党との合流問題に関しては「選挙協力を考えれば、部分的にはそういう選択肢も必要だ」とし、一部合流はあり得るとの考えを重ねて表明した。《共同通信》
【北海道・有珠山】噴火に変化の兆し
北海道・有珠山の火山活動について、火山噴火予知連絡会有珠山部会は14日夜の記者会見で、西側ふもとの火口群の噴火が、これまでの水分を多く含んだものから、乾いた形態に変化する兆しが出てきたとの見方を示した。同部会は「活動全体としては大きな変化ではない。大規模な噴火につながる動きかどうか判断できる段階ではなく、今後の推移を注意深く見守る」としている。
宇井忠英北大教授による。と、西側火口群のうちの大きな火口では、時折、高さ40−50メートルの黒っぽい「カリフラワー型」の噴煙が上がっている。立ち上る水蒸気が少ないため、火口内側の斜面が見える時もあるという。
宇井教授はこの噴煙について、「マグマと水が接触するのではなく、高温の噴出物が自分の力で噴き出す形。水の量が減っている」と指摘した。ただ、「噴火の主体は依然、マグマ水蒸気爆発」との見方を示した。
水量とマグマのバランスが崩れた場合、大規模噴火」につながる可能性があるが、同部会長の岡田弘北大教授は「バランスが崩れるかどうか推移を見ていく」と説明した。《共同通信》
【阪神・野村克也監督】監督通算1200勝
阪神7―1中日◇14日◇甲子園
打球が高々と甲子園の夜空に舞い上がると、一塁側ベンチの指揮官はその行方を見ながら腰を浮かせた。
平尾博司二塁手がガッチリ飛球をキャッチして試合終了。16年間在籍したオリックスから阪神にFA入団した星野伸之投手が移籍後初勝利を完投で飾り、笑顔で野村克也監督に歩み寄った。しっかり手を握り合った2人はどちらともなく微笑み合った。ノムさんの指揮官としてこれが1200回目の勝利の握手だった。《スポニチ》
【東電OL殺人事件】東京地裁、ネパール人被告に無罪
東京都渋谷区で平成9年3月、東京電力の女性社員A子さん=当時(39)=を殺害、現金を奪ったとして強盗殺人罪に問われたネパール国籍の元飲食店従業員B被告(33)の判決公判が14日、東京地裁で開かれ、大渕敏和裁判長は無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。
被告と犯行を結び付ける直接証拠が皆無とされる事件をめぐり、判決理由で大渕裁判長は「被告以外の者が犯行時に現場に存在した可能性が払しょくしきれず、被告を犯人とするには合理的な疑問を差し挟む余地が残されている」と述べた。
検察側は判決を不服として控訴する方針。
B被告は閉廷後釈放されたが、入管難民法違反(不法滞在)の有罪が確定しているため、法廷外で入国管理局職員に拘束された。
大渕裁判長は「犯行現場に残された体毛や体液の血液型、DNA型が被告と一致し、当時被告は金に困っていたことなどが有力な状況証拠となりうる」と指摘した。しかし「現場となった部屋のかぎを当時、所持していた」との検察側主張に対しては、関係者の供述があいまいで犯行前にかぎを返したとの被告の主張を排除できないと認定。
さらに「被告や被害者とは別の第三者の体毛も現場から見つかっており、ただちに被告と犯人を結びつけることはできない。被害者が被告以外の者と現場にいた可能性も否定できない」などと判断した。
B被告は、A子さんと面識があったことは認めたものの「殺したことも金を奪ったこともない」と一貫して無罪を主張。弁護側は目撃証言のあいまいさなどを挙げ「他の真犯人を示す証拠もある」とした上で「不法滞在で身柄を拘束し別件の取り調べを強要した」と捜査批判も展開していた。
B被告は平成9年3月22日に入管難民法違反(不法滞在)容疑で逮捕、起訴され、同年5月20日に懲役1年、執行猶予3年の判決(確定)を受けた。その直後、東京都渋谷区のアパート空き部屋で9年3月8日深夜、A子さんを殺害し現金約4万円を奪ったとして強盗殺人容疑で再逮捕された。
事件をめぐっては、発生直後から、週刊誌やワイドショーがA子さんの私生活を詳細に報道。ヌード写真まで掲載した週刊誌もあった。このため、A子さんの母親や弁護士グループがマスコミ各社に「これ以上の辱めをしないでほしい」と訴えていた。《共同通信》
【オウム真理教】防衛庁から別の受注も
オウム真理教(アレフに改称)は14日記者会見し、石川島播磨重工業や官公庁などが発注し教団関連のソフト会社がシステム開発にかかわるなどした計20件の事業について、開発時期や作業内容、教団側の受注会社などを公表した。
警視庁公安部は、このうち防衛庁、建設、郵政両省の各1件、計3件の事業が未把握として、各省庁と連絡を取り捜査する方針。
教団によると、受注した事業は防衛庁2件、郵政省3件、建設省3件のほか、途中で契約破棄した警視庁の車両管理システムなど計16件。国税庁のホームページ作成など、見積もりだけを出したのが計4件。開発に携わった信者から聞き取り調査した内容で、民間企業は除いたという。
公安部が未把握だったのは、防衛庁の航空機関連の部品を管理するシステム、郵政省の電子出版のデータ入力、建設省の道路占有システム。
上祐史浩幹部(37)は「事業は信者個人の仕事で、情報収集などが目的ではないことを明らかにしたい」と公開の意図を説明。これに対し公安部は「教団が組織的に事業に取り組んだのは明白な事実。原子力関係のデータだけを選んで保管するなど不審な点が多い」としている。《共同通信》
【米ワシントン州】女性教師との愛冷めた?
米ワシントン州で小学生当時に担任の女性教師と性的関係に陥り、2人の子供の父親になった少年(16)とその母親が14日までに、「教師の誘いから守ってくれなかった」として、市当局などに100万ドル(約1億400万円)を求める申し立てを行った。
当時、「先生とは相思相愛」と主張して話題を集めた少年の訴えに、市側は「正当性がない」と反論している。
地元紙シアトル・タイムズなどによると、当時、13歳だった少年は教師と性的交渉を持ち、教師は子供を出産。教師は子供に対するレイプ罪で起訴され刑に服したが、少年と会わない条件で仮出所したにもかかわらず、密会を重ねて再び妊娠。現在、禁固7年5月の判決を受け、刑に服している。《時事通信》
【この日の民主党】
民主党提出の「犯罪被害者基本法案」審議始まる
民主党案の趣旨説明に立った北村哲男議員は、基本理念に「すべての犯罪被害者は個人の尊厳が重んぜられ、犯罪被害の状況などに応じて、適切な処遇を受ける権利を有する」と明確にうたったことを強調。そのうえで国・自治体に「犯罪被害者等の被害の回復・社会復帰を支援する責務がある」と規定したことを説明し、党派をこえた賛同を呼びかけた。
内閣案に対する質問に立った奥田建議員は、犯罪被害者がこれまで法的に明確な位置を与えられてこなかったことを挙げ、「犯罪行為によって命を奪われ、心身に傷を受けた被害者の人権に焦点をあてた法案が国会で審議されるのは画期的で意義深いこと」と審議自体を評価。そのうえで内閣案について、(1)犯罪被害者の医療費は公費負担にすべきだ(2)加害者が不起訴なら検察官は被害者の求めに応じ、情報を「通知することができる」とあるが、通知しない場合の理由は何か(3)被害者の優先傍聴を本人または配偶者と直系親族に限っているが、対象者を拡大すべきではないかとただした。
臼井法相は、「(公費負担を)検討する」と述べ、情報通知は「犯人の更正を妨げたり、新たな事件を引き起こす可能性があれば行わない」と答弁。さらに傍聴対象の拡大は「一般の傍聴を狭める」という理由で応じない姿勢を明らかにした。
民主党・内閣両案に対する質問では、公明党・改革クラブの倉田栄喜議員が「被害者を単なる保護の対象とし、被害を受けた主体者としての権利を明確にしていないのでは」と質問。民主党の坂上富男議員が答弁に立ち、「基本理念として、被害者が適切な処遇を受けれる権利をうたっている」と説明した。
「森内閣は第二次先送り内閣だ」菅政調会長が会見で
民主党の菅直人政策調査会長は14日の会見で、総選挙は6月後半投票が確実になってきたとして、「選挙政策のとりまとめを急いでいく。とくに財政構造改革と社会保障ビジョンをメリハリの利いたものにすべく、担当者にお願いしている」と述べ、2つを柱に選挙政策を組み立てていく考えを改めて示した。
菅政調会長は、森内閣が今国会への警察法改正案提出を断念したことを取り上げ、「森内閣の性格が明らかになってきた。国民の最大の関心事で、重要かつ緊急の課題の先送りが初仕事となった。第二次先送り内閣だ」と批判。そのうえで民主党として、「外部監察制度を柱とする改正案を5月の早い時期に提出したい」との意欲を改めて示した。
「外交官の人事制度改革」を提案=伊藤英成NC大臣
伊藤英成NC外交・安全保障大臣は14日の衆院外務委員会で質問に立った。伊藤大臣は、前日のNCで了承された『外務公務員(外交官)の人事制度に対する考え方』に基づき、3つの提言を説明、河野外相の所見と実行の決意を求めた。
提言とは、(1)任地・任務に適した大使・公使等の政治的任用の拡充、(2)意欲・専門・能力・実績に応じた人事制度の確立、(3)民間との人事交流の促進。河野外相は、「適材適所、広く人材を求めることは大事。ハンガリーのように民間経験者の登用を求めるケースも出てきており大いに共感できる。ただ、外交官の絶対数が足りず、民主党の提案を実行するには諸条件の整備と知恵が必要だ」と答えた。
「青木官房長官は辞任せよ」石井紘基衆院議員が迫る
石井紘基衆院議員は14日の決算行政監視委員会で、小渕前首相の入院から青木官房長官の首相臨時代理就任までの経過について「法の逸脱と国会無視だ」と追及し、官房長官の辞任を要求した。
石井議員は、「官房長官の発言によれば、(臨時代理という)法的手続上の問題を前首相と2人だけで口頭で話したしたというが、第三者がいない以上、効力があるかどうか疑わしい」と指摘。そのうえで「当初の記者会見で青木官房長官は『2日午後7時に前首相から検査結果によっては私が臨時代理の任にあたるよう言われた』と述べたが、本会議では『何かあれば万事よろしく頼む旨、指示を受けた』と変わり、代理指名について何も言っていないのはなぜか」とただした。これに対し青木官房長官は、「『万事よろしく』というのはその後の病状を考えて臨時代理に指名されたと思った。どちらも同じ意味だ」と都合のいい解釈に終始。
さらに石井議員は、「自民党の村上正邦参院議員会長によると、官房長官は2日から3日にかけ、自民党役員と臨時代理について協議したというではないか」と矛盾をただしたが、官房長官は「村上会長の話は承知していない。(前首相が)病に伏しているときに後継者の話はしない」などと述べ、村上証言や一連の報道内容を完全に否定した。