平成1644日目

平成5年7月9日(金)

1993/07/09

【第19回先進国首脳会議】東京サミット閉幕

第19回先進国首脳会識(東京サミット)は9日午前、世界経済浮揚のための政策協調を強化し、必要に応じた財政・金融政策に日本の内需拡大、北米の財政赤字削減、欧州の金利引き下げなど国・地域別の課題を列挙した経済宣言を発表し、閉幕した。

宣言は新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の年内妥結への新たな決意を示すとともに、対ロシア支援の重要性を再確認、総額30億ドルのロシア国営企業の民営化・構造改革支援プログラム実施も盛り込んだ。宣言とは別に、ロシア民営化支援に関する合意事項文督も発表した。

「雇用と成長へのより強固な決意」との表題を掲げた経済宣言は、議長の宮沢首相が会議最後に読み上げた。首相はこの後、内外記者団と会見した。最終日の討議で次回サミットを来年7月、ナポリで開くことが決まった。9日午後にはロシアを加えた「G7プラス1会合」を開く。《共同通信》



【オリックス・佐藤義則投手】通算1500奪三振

ダイエー2−5オリックス◇9日◇神戸

序盤で5点を奪ったオリックスが勝ち、今季初の5連勝。一回は吉田の制球難をつき、二死満塁から飯塚の押し出し四球と小川の走者一掃の左越え二塁打で4点。三回には高橋智の左翼本塁打で加点した。

佐藤義は、打線の早い援護もあって快調な投球。落ちる球が有効で、七回まではわずか1安打。八回に2点を失い、九回に伊藤隆の救援を仰いだが、約1ヶ月ぶりの白星を通算1500奪三振のおまけ付きで飾った。《共同通信》

【米・クリントン大統領】神宮外苑を散歩

「ナイスプレー」に大統領も拍手ー。クリントン米大統領は9日朝、忙しいサミットの合間を縫って東京・神宮外苑を散歩。イチョウ並木の緑や早朝野球を約20分、のんびり楽しんだ。

午前7時すぎ、大統領宿舎のホテルを抜け出し専用車で神宮外苑の並木通りへ。半そでシャツに綿パン、ジョギングシューズといった軽装。報道陣に「グッドモーニング」とあいさつした後「ジョギングですか」との問い掛けに笑いながら「ウオーキング」と答えた。

大統領は緑を眺めながら、気の向くまま散歩。コースが分からないため、SPら警備陣も右往左往。野球の試合を見つけると、グラウンドまで入り、にこやかに笑いながら一投一打に拍手を送った。突然のVIPの訪問に選手は緊張気味。帰り際、大統領が一人ひとりに握手をすると、選手らは「一生の記念になります」と感激していた。《共同通信》

【ヒラリー・クリントン氏】鎌倉へ

ヒラリー米大統領夫人とナイナ・ロシア大統領夫人は9日午前、神奈川県鎌倉市の大仏や東京下町の江戸東京博物館をそれぞれ見学、日本の伝統文化を楽しんだ。

来日以来、米本国でとは違って政治の表舞台には出ないものの、クリントン大統領に負けず、視察や各界の日本女性らとの交流を積極的に進めているヒラリー夫人は、この日JR新橋駅から横須賀線で鎌倉へ半日の小旅行。

一方、ナイナ夫人は、江戸から東京まで400年の文化遺産を次の世代に継承しようと、今年3月に開館したばかりの墨田区横網の江戸東京博物館へ。《共同通信》

ヒラリー、ナイナ米ロ両国の大統領夫人は9日、鎌倉見物、歌舞伎観賞や病院視察に短い日本滞在の一日を過ごし、観光客らと気軽に交流したり、入院中の子供たちを激励したりするなど、夜遅くまで夫人外交官ぶりをそれぞれに発揮した。

午後、鎌倉の銭洗弁財天を訪れたヒラリー夫人は、作法通りにお参りした後「お札を洗うのはどうして」と質問。取り出した千円札にひしゃくで水を掛け清めた。境内に居合わせた150人余りの観光客一人ひとりと笑顔で握手。帰り道のJR鎌倉駅では、地元の人ら約300人が集まるほどの人気ぶりだった。夜は歌舞伎座で、イヤホンガイドを耳に市川猿之助が演じる近松門左衛門の「当世流小栗判官」を観賞した。

一方、ナイナ夫人は、午後2時過ぎから、東京・世田谷の国立小児病院を訪問。外科病棟などを見学しながら日本の医療制度や医療費について質問を重ね、入院中の子供たちとの面会では、女の子の手帳に「健康と幸せを」とサインしたり、花束の贈り物にキスを返したりするなど、優しく励ました。

宿舎のホテルで宮沢首相夫人主催の茶会に出席した夫人は、突然、東京都庁訪問を希望。展望室から夕焼け空がのぞく東京の景色を楽しんだ。《共同通信》

【G7プラス1】ロシア支援をめぐり協議

先進7カ国(G7)首脳とエリツィン・ロシア大統領は東京サミット終了後の9日午後、東京・元赤坂の迎賓館で「G7プラス1」会合を開き、ロシアの改や対ロシア支援策の在り方などをめぐり約2時間半協議した。

宮沢首相は、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄に懸念を差明した経済宣言に触れながら「G7は関心を抱いている」と投棄中止を要請した。これに対し、エリツィン大統領は「対応するには支援が必要だ」と応じた。クリントン米大統領は「日ロ関係の完全正常化」に言及し、北方領土問題の解決を促した。エリツィン大統領は、ロシアに対する貿易面での差別的障壁の撤廃を要求した。

先進7カ国は会合で、工リツィン大統領の改革努力への支持を表明し、改革の促進と「法と正義」に基づく外交の展開を要請。サミットで合意された新たな支援策として、①総額30億ドル規模の「民営化・構造改革支援プログラム」創設②ロシア支援実施グループのモスクワ設立―などを説明するとともに、ロシアに対し、通貨供給量の抑制や危険な原子力発電所への対策を求めた。

エリツィン大統領は支援策を歓迎し「インフレ抑制と財政赤字削減が主な政策目標だ」と説明した。大統領は「ロシアに対する貿易面での差別的扱いを撤廃してほしい」として対共産圏輸出調整委員会(ココム)の規制緩和や、対ロシア特恵関税の例外扱いの見直しなどを求め、宮沢首相は「ロシア側の管理体制が前提」との認識を示した。

クリントン大統領が、大量破壊兵器の不拡散への協力を求めたのに対し、エリツィン大統領は国際原子力機関(IAEA)の査察強化や核拡散防止条約(NPT)の長期間延長に理解を示した。しかし、核実験については「他国が継続する限りロシアも続ける」と強調した。

会合では、来年のナポリ・サミットの際にもエリツィン大統領を招き「G7プラス1」会合を開くことを決めた。《共同通信》

【ロシア・エリツィン大統領】領土問題「早期解決は困難」

宮沢首相とエリツィン・ロシア大統領は9日夕、「G7プラス1」会合の終了後に都内のホテルで記者会見した。この中でエリツィン大統領は10月半ばに公式訪日する意向を改めて確認し、その際には北方領土問題について「十分に準備し、十分に話し合うことになるだろう」と述べた。しかし、領土問題の進展については「ロシア国民はつらい生活を送っている。領土問題は、ロシア国民が消化するのに大変難しい。国民は爆発するかもしれない」と述べ、早期の解決は困難との見方を示した。

宮沢首相は「10月半ばの適当な時期に来日して領土問題を話すというのは、筋の通った話で結構だ」と大統領の来日を歓迎した。

「G7プラス1」会合の評価について、大統領は、「(全体として)満足している」としながらも、「東京サミットで示されたパッケージがすべて、一われわれの要求にこたえているとは言い難い」と不満を表明。その例として①ロシアへの差別的貿易障壁の撤廃が不十分②ロシアへの不当なダンピング攻撃の撤廃―を挙げた。

領土問題の今後の見通しについて大統領は「ロシア国民の生活が良くなれば、国民はより落ち着いた気持ちで、領土問題の何らかの決定を受け入れるだろう」」と述べ、日本の一層の支援によるロシア国民の経済的生活の改善が、領土問題の解決に役立つとの考えを示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…海部前首相は9日、選挙戦全国遊説の合間を縫って、都内で先進国首脳会議(東京サミット)を記念して講演。まず「日ごろとは比べものにならない悪い声になっている」と、しわがれ声でわびて聴衆を笑わせた。続いて三木内閣の官房副長官として実地体験した18年前の第1回ランブイエ・サミットの思い出話を皮切りに、ヒューストン、ロンドン両サミットで、の各国首脳との激論などを振り返り、予定時間をオーバーする熱弁ぶり。選挙後の首相再登板もうわさされるだけに、会場からは「心は早くも来年のナポリ・サミットか」との声も。

○…新党さきがけの武村代表はNHKテレビ番組で、総選挙後の自民党との連立の可能性について「自民党というお世話になった母船を離れて小さな船に10人が乗り組んで出帆したばかり。波は荒いと決意を固めている」としながらも「その質問の答えについては苦慮している」と苦渋をのぞかせた。さらに「全面的に反自民の姿勢をとる気はない。社会党、新生党、公明党に対してもそうだ」と続け、改めて各野党に政策協議を呼び掛けたが、連立政権問題の歯切れはいまひとつのままだった。《共同通信》



7月9日のできごと