1991 平成3年1月14日(月)のできごと(何の日)

平成737日目

平成3年1月14日(月)

1991/01/14

【イラク】クウェート撤退を拒否

イラク国民議会(定数250人)は14日、クウェート撤退問題でいかなる譲歩もしない、とのフセイン・イラク大統領の強硬政策を全面的に支持する決議案を全会一致で採択した。

15日の撤退期限を目前に控えて、イラク側は撤退拒否の姿勢を全く変えていないことを内外に示したことになり、このままの状況が続けば米国を中心とする多国籍軍との軍事衝突の可能性が高まったといえる。

国民議会は「米国の軍事攻撃に対し、イラク人民が抗に立ち上がる用意を万全に固めた」とのサレハ国民議会議長の決議文を読み上げた後、議場からの拍手歓声でこれを採択した。

サレハ議長は決議文の中で「この戦争はアラブのみならず全世界に破局をもたらす」とし「米国が人類に対してその責任を直接負わなければならない」と指摘、イラクとしては戦争を回避したいという姿勢もみせた。

米上下両院は既にブッシュ米大統領が軍事力を行使することを承認する決議を採択した。今回のイラク国民議会の決議はこれに対応して、フセイン大統領の政策を議会として改めて全面的に支持する姿勢を強調し、イラクが一致団結して米国と対決していくことを内外に示すという狙いがあるとみられる。《共同通信》




【デクエヤル国連事務総長】外交活動の余地なし

ペルシャ湾岸での戦争回避に向け、イラクを訪問したデクエヤル国連事務次官は14日未明、ニューヨークへの帰途パリに立ち寄り、エリゼ宮(大統領府)でミッテラン・フランス大統領と会談、そのあと記者団に「バグダッドで和平への進展はなかった」と述べるとともに「もはや(外交的解決に)希望はなくなった」と悲観的な見通しを表明した。《共同通信》

【三笠宮寛仁さま】がん手術へ

三笠宮寛仁さま(45)は14日午前8時すぎ、東京都中央区築地の国立がんセンター(杉村隆総長)に、下部食道がんの切除手術のため入院された。数日間の精密検査の後、二十日前後に手術を受ける見込み。宮内庁の発表によると、初期のがんで転移は見られず、経過が良好なら約1カ月で退院可能、という。

寛仁さまは昨年末、食事の際、食物がつかえる感じを訴え、今年1月初め都内の病院でエックス線検査を受けた。8日に食道に異常があることが分かり9日、11日と2回、内視鏡検査と組織検査をした結果、食道がんと判明した。

寛仁さまが、医師に病名の告知を強く希望されたことから、がんセンターの医師ががんと説明した。入院についての憶測やマスコミの取材攻勢を避けたいとして、自身が病名の公表を望まれたという。《共同通信》

【大相撲初場所2日目】曙、初金星

大相撲初場所2日目(14日・両国国技館)横綱旭富士が前頭筆頭の新鋭、曙の左四つからの寄りに完敗する波乱があった。曙は横綱挑戦2戦目で初の金星獲得。他の3横綱は安泰。千代の富士は逆鉾を寄り倒し、大乃国も速攻相撲で小結隆三杉に完勝、北勝海もうるさい安芸ノ島を寄り切っていずれも連勝した。

大関霧島と関脇琴錦も元気な取り口で2連勝。若花田、貴花田兄弟が仲良く勝って、若花田は連勝した。《共同通信》

【政府】対ソ支援の再検討も

政府は14日、ソ連軍のリトアニア共和国に対する武力介入という事態を受け「ペレストロイカ(改革)が事実上、とん挫する気配を見せてきた」(外務省筋)と憂慮、事態の進展次第では昨年末に決定した10億円の食料・医薬品の無償援助と1億ドルの輸銀融資を柱とする対ソ緊急支援策の再検討もせざるを得なくなると一している。

リトアニア情勢をめぐり米国はじめ欧州共同体(EC)諸国など西側各国は対ソ非難の姿勢を強める一方、対ソ政策を再検討する動きを見せ始めており、政府としても西側各国の動向を慎重に見極めながら対応を検討していく方針だ。

対ソ緊急支援策はこの冬、深刻な食料不足に陥っているソ連に対し、ペレストロイカを推進するゴルバチョフ大統領の路線の支援を目的に人道的見地も加味して決定された。

政府はソ連との本格的な経済交流について北方領土問題を解決し平和条約を締結した後、開始するとの「政経不可分の原則」堅持の立場から黙急支援についても慎重姿勢を取っていたが、ドイツなど欧州各国や米国が対ソ支援に踏み切る動きを見せる中で、日本としても足並みをそろえる必要があるとの判断をしたからだ。

しかし、今回のリトアニアに対する武力制圧は、シェワルナゼ外相の辞任表明などソ連国内の保守派の台頭も懸念される中で、ペレストロイカ路線に黄信号が点滅し始めたとの見方を政府部内だけでなく、緊急支援の必要性を熱心にもとめていた自民党内にも広げる結果となっている。

このため自民党内からも緊急支援策の再検討を求める声が上がる可能性は強く、政府は各国の動向をにらみながら自民党とも意見の交換を進めていく考えだ。《共同通信》

【政界メモ】「神のみぞ知る」に不満

◯…海部首相は14日朝、記者団から湾岸情勢の見通しを聞かれ、「国連のデクエヤル事務総長しか分からんのじゃないかな」と、情報不足なのでお手上げといった表情。「(事態の行方は)神のみぞ知る」と口を閉ざす事務怒長の記者会見発言についても、首相は「“神のみぞ”なんて言わないで…」と不満を澤らし、最後まで「私がどうこう言うことはできない」の一点張り。

東南アジア歴訪まで中止したのに、効果的な対応策も打ち出せないことへのいらだちがありあり。

◯…共産党の不破委員長はこの日午後、記者会見で土井社会党委員長のイラク訪問について論評を求められ、「平和解決への努力の一つでしょうが、われわれは侵略者イラクを包囲する国際世論の喚起に努めたい」とまず立場の違いを説明。さらに「バレスチナ問題(との関連)に目を向けることも大事だが、フセイン(大統領)と話す場合に連係させるのはまずい」と土井氏の平和外交をチクリと批判。

さらに「(パレスチナ問題の本前を)取り違えるとフセイン流の不撤退論になってしまう」と指摘し、“君子危うきに近客らず”と言わんばかり。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】リトアニアを批判

ゴルバチョフ・ソ連大統領は14日、ソ連最高会議でリトアニア問題について「現共和国指導部は今のやり方で行動してはならないとの認識があるとは思えない。このような人々がいる限り解決の道を見つけるのは難しい」と述べ、ランズベルギス政権との間では妥協は困難との判断を示した。

大統領は流血事件について「われわれは死者が出ることを望んではいなかったが、止めることはできなかった。犠牲者が出たことには沈痛な思いである」と述べながらも「私が共和国最高会議に送ったメッセージは私の要請を受け入れなければ、重大な結果をもたらすと警告したものだが、これはすぐ拒否された」と述べ、重大な結果を招いたのは共和国側の責任であるとの考え方を示した。《共同通信》

【中山太郎外相】米・ブッシュ大統領と会談

訪米中の中山外相は14日午後(日本時間15日未明)、ホワイトハウスでブッシュ米大統領と約20分間会談した。大統領は湾岸情勢について「イラクがクウェートをこのままの形で占領し続けることを国際社会として許すわけにいかない。米国および湾岸に軍隊を派遣している国々は、これに何らかの形で終止符を打ちたいとの強い決意を有している」と述べ、多国籍軍の武力行使による決着も辞さない強硬姿勢を強調した。

これに対し中山外相は、米国など多国籍軍が武力行使に踏み切る場合にはこれを全面的に支持する考えを表明。多国籍軍支援のため追加の資金提供に関しても「前向きに検討する方針を示した。

会談には米側からクエール副大統領と欧州、中東歴訪から帰国したばかりのベーカー国務長官、スコウクロフト国家安全保障問題担当大統領補佐官、日本側から村田駐米大使、松浦北米局長らが同席。武力衝突の緊張が高まる湾岸情勢を中心に協議した。

この中で大統領はイラク軍をクウェートから排除する断固たる決意を表明するとともに日本の協力、支援を改めて要請した。中山外相は湾岸危機の平和的解決に向けた大統領のこれまでの努力を評価。さらに「不幸にして武力行使になった場合、日本は米国を全面的に支持する」と述べた。

中山外相はこうした日本の立場を明確にするため、既に拠出済みの対多国籍軍支援経費20億ドルに上積みする意向を示した。《共同通信》

【米国】各地で反戦デモ

国連が設定したイラク軍のクウェート撤退期限を目前にして戦争への危機感が強まっている米国で14日、シカゴ、ミネアポリス、ワシントン、サンフランシスコなど各都市で反戦デモが行われ、100人以上が逮捕された。

約3000人が参加、最大規模のデモとなったシカゴでは、参加者たちは「石油のために血を流すな」などと叫びながら、中心街を行進。約3時間にわたって交通を妨害、連邦政府の出先庁舎前で座り込んだり、石油会社アモコの本社ビルに向かってデモ。規制に入った警察官が100人以上を逮捕した。

また、サンフランシスコでは、葬儀を模したデモに遺体袋などを持った数百人が参加。約15分間、金門橋の通行を遮断した。ミネソタ州のミネアポリスでは、約1000人が米軍の兵士募集事務所がある連邦ビルの入り口を封鎖。星条旗を燃やして抗議した。《共同通信》



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