カテゴリー: 平成5(1993)年

  • 1993 平成5年2月19日(金) 最高裁、連合赤軍幹部の上告を棄却

    平成1504日目

    1993/02/19

    この日のできごと(何の日)

    【最高裁】連合赤軍幹部の上告を棄却

    昭和46年から47年にかけて起きた山岳アジトでの大量リンチ殺人や「あさま山荘」銃撃戦など一連の連合赤軍事件で殺人、死体遺棄などの罪に問われた元連合赤軍幹部永田洋子(48)、同坂口弘(46)、元兵士植垣康博(44)の3被告の上告審判決公判は19日午後、最高裁第3小法廷(坂上寿夫裁判長)で開かれた。

    坂上裁判長は永田、坂口両被告を死刑、植垣被告を懲役20年とした1、2審判決を支持、3被告の上告を棄却した。これにより3被告の有罪が確定する。女性被告の死刑確定は戦後6人目。判決は5裁判官全員一致の意見。

    事件は全共闘運動の行き詰まりを背景に、武力闘争や暴力革命を唱えて生まれた連合赤軍が、わずか7カ月後に自己崩壊する過程で起き、この間、警察官らを含め計17人が死亡した。裁判はあさま山荘事件の発生からちょうど21年目にすべて終結。この日の判決は上告審のため3被告は出廷しなかった。

    昨年11月、最高裁で弁論が開かれ、弁護団は、事件が森恒夫・元幹部=当時(28)、東京拘置所で自殺=と永田被告の2人の個人的資質により引き起こされた、とした1、2審の認定を否定。さらに死刑は憲法で禁じた残虐な刑罰に当たると主張し、死刑を適用しないよう訴えた。これに対し検察側は「冷酷非情な犯行で極刑以外は考えられない」として、上告を棄却するよう求めた。

    1、2審判決によると、永田被告らは、46年8月、組織を抜けて逃走した仲間2人を組織維持のため絞殺、死体を千葉県の印旛沼付近に埋めた。さらに群馬県・榛名山などの山岳アジトで「ブルジョア的」などと決め付け“総括”と称するリンチで仲間12人を殺害。永田、植垣両被告が逮捕された後の47年2月、坂口被告らは長野県・軽井沢のあさま山荘に管理人の妻を人質にして立てこもり、銃撃戦で警官2人、民間人1人を射殺、警官ら16人に重軽傷を負わせた。一連の事件で計17人が逮捕され、少年を除く16人が起訴された。うち十11人は無期—懲役4年の刑が確定し、無期懲役の被告1人を除き全員が出所。残る5人のうち、森・元幹部が自殺、坂東国男被告(46)がクアラルンプール事件の超法規的措置で国外脱出しており、永田被告ら3人の公判だけが残っていた。《共同通信》


    【世界ノルディック個人複合】荻原健司選手、金メダル獲得

    スウェーデンのファルンで開催されているノルディックスキーの世界選手権は19日、個人複合の後半距離(15キロ)を行い、前半のジャンプで首位に立った荻原健司(北野建設)が快走して逃げ切り、初優勝した。

    日本選手の世界選手権制覇は、五輪が世界選手権を兼ねていた1972年札幌五輪70メートル級ジャンプの笠谷幸生(ニッカ)以来、21年ぶり2度目で、日本の複合は昨年のアルベールビル五輪団体金メダルに続く快挙を達成した。《共同通信》

    【羽田孜前蔵相】党より国守る

    自民党羽田派代表の羽田前蔵相は19日、都内のホテルで開かれた共同通信社の「きさらぎ会」で講演した。

    この中で羽田氏は「選挙制度改革を実現しなければ日本はおしまいたという思いでやっていくが、前回と同じ形でつぶれたときにはどうするか。党を守るより国を守るほうが大事ということを腹に入れていく」と強調。宮澤政権が小選挙区制導入を柱とする政治改革関連法案の成立を先送りしようとする場合は、同派を中心とする新党結成に向けた動きを本格化させる可能性を明らかにした。

    ただ当面の対応については「ともかく自民党の中で改革しようと行動していく」と述べ、ギリギリまで自民党内での改革実現に努める意向を重ねて示した。

    新党問題に関連し羽田氏は、選挙制度改革と政界再編問題は並行して進行するとの見方を示し「野党は政権に就く自信を失っている。制度を変える中で政界再編をし、新しい政治を生み出していくように考えてもらいたい」と述べた。

    これは、野党側に対しても今国会に選挙制度改革法案を提出するよう呼び掛け、与野党の改革案のすり合わせをする中で、与野党の枠組みを超えて「改革派勢力」の結果を図ろうとの考えを示唆したものだ。《共同通信》

    【政界談話室】

    ○…自民党羽田派の羽田代表は19日、「新しい政治」をテーマに都内で講演。「竹下派の分裂騒ぎのきっかけがサル山の(ボス)争いだったことは否定しない」と、ちょっぴり反省しながらも「政治を変えたいという国民の声に対応しないとアナーキー(無政府的)な空気が広がってしまう」と熱弁。「私の顔を見てもらえばボスという顔をしていないでしょう」と妙な例えで、従来の派閥とは違うことを強調した。小沢元幹事長との二頭立てで運営する羽田派だが、面構えでいえばやはり剛腕イメージの小沢氏の方がボスにふさわしい?

    ○…社会党の赤松奮記長はこの日の記者会見で、就任1カ月を迎えて「いろいろあったが、党内は相当活性化してきた。世論調査の支持率もわずかながら上がってきた」と自画自賛。コメ自由化、原発問題での相次ぐ発言で党内を大混乱に陥れたこともどこ吹く風の様子で「どんどん先頭に立って行動していく」。コメ自由化反対の党代表団の米国派遣にも「書記長が行け」と“懲罰出張”を求める声も党内から出ていたが、過密日程を理由にさらりとかわした。「さあ反転攻勢だ」と元気いっぱいで、打たれ強さは一級品のようだ。《共同通信》

    【茨城県日立市】155メートルの煙突ポキリ

    19日午前9時5分ごろ、茨城県日立市宮田町の日鉱金属日立工場の煙突(高さ155.7メートル)が根元から約3分の1の所で突然折れて崩れた。煙突は工場から約500メートル離れており、けが人はなかった。

    煙突は鉄筋コンクリートで、根元が直径15メートル、先端部は同8メートル。大正3年に建造され、当時は「東洋一」といわれた。新田次郎氏の作品「ある町の高しい煙突」のモデルにもなったという。

    同工場は電線などの産業廃棄物の溶解処理をしており、煙突は現在も稼働中だった。工場では「老朽化が倒壊の原因ではないか」と話している。

    工場従業員の一人が午前9時すぎ、煙突が折れていることに気付き、日立署などに連絡したという。別の従業員は「地響きが聞こえたが、まさか煙突が倒れたとは思わなかった」と話している。《共同通信》

    【石川県・中西陽一知事】在職30年

    中西知事は19日、知事在職30年を迎えた。同日は登庁後、知事室で秘書課職員から花束を受け、「毎日数えて30年になったわけではないが、感謝したい。新年度予算をしっかりやるので、よろしくお願いしたい」と副知事、部局長らに声を掛けた。

    同知事は県総務部長、副知事を経て昭和38年2月20日から知事に就任し、その後、八選を果たした。昨年7月には当時の在職最長記録だった元奈良県知事、奥田良三氏の29年5カ月を上回っていた。

    この日、知事室には部局長らが急きょ集まり、中西知事は「体調、足とも徐々によくなり、きょうはステッキを使わずに来た。これからも(県政のため)努力したい」と語った。

    もっとも、中西知事の愛想のよさはここまで。同日午後、県庁秘書課会議室で開いた県監査委員との会合では県幹部、監査委員らが顔をそろえた席上、武田総務部長に向かって4、5回にわたり声を荒げる場面もあり、会合後、監査委員の間からは「なぜおこるのか分からないほど最近の知事はいらだち過ぎる。行政運営に支障がないのか懸念される」(池田健県議)と在職30年の感情の起伏に複雑な声もあった。《北國新聞》

  • 1993 平成5年2月18日(木) 小泉純一郎郵政相、前次官と論戦

    平成1503日目

    1993/02/18

    この日のできごと(何の日)

    【小泉純一郎郵政相】前次官と論戦

    小泉郵政相の郵便貯金批判に反発して昨年末、郵政政務次官を辞任した笹川尭氏(自民)が、18日の衆院逓信委員会で辞任後初めて質問に立ち、郵貯問題などをめぐり郵政相と白熱した論議を戦わせた。

    笹川氏は「大臣は国鉄でさえ民営化した、郵貯も民営化を検討すべきだというが、郵貯はストを打ち国民を困らせた国鉄以下なのか。雪の日も雨の日も懸命に働いている(郵便局の)30万人職員は不安がり、がっかりしている。大臣としていたずらに不安を与える言動は慎むべきだ」と、郵政相の郵貯民営化論に抗議。

    これに対し、小泉郵政相は「基本的には(郵貯などの)事業は国民にとって大事な事業だが、行政組織の見直しはすべての官庁に求められている」と持論の行革推進論で応じた。

    小泉発言をめぐっては、1月にも同委員会が異例の国会閉会中審査を行い、与野党委員がそろって郵政相批判の立場から質問した。この日はその第二ラウンドともいえ、笹川前次官のほかに5人の委員が郵貯問題を中心に質問する予定。《共同通信》

    「いろいろの発言には影響が大きいので、注意深く慎重にしていかないといけない」―。就任以来、郵便貯金の民営化発言などで郵政省を大揺れさせた小泉郵政相は18日の衆院逓信委員会で、大臣批判の集中砲火にとうとう態度を軟化させ、今後の発言には慎重を期すことを約束した。

    この日の逓信委には、大臣に反旗を掲げて辞任した笹川前郵政政務次官をトップバッターに与野党委員6人が「大臣は省益よりも国益を優先させると言うが、一郵便局での仕事を一生懸命一にやることは国益に反すると言うのか」「郵貯は全国どんな山村でも営業をし、しっかりとした経営をしている。非難されるのは民間(銀行)の方ではないのか」などと一斉に攻撃を仕掛けた。

    これにはさすがの郵政相も「私も銀行より郵貯の方がはるかに親しまれ愛着が持たれていると思う。銀行の不徳の致すところだ」と、思わず銀行批判めいた発言。しかし同相は「郵貯や財投をいかに国民のために活性化していくかは検討していく必要がある」と持論も展開、郵貯の経営形態見直しや、財政投融資の改革には今後も強い姿勢で臨むとの姿勢は変えなかった。《共同通信》


    【日本IBM】50歳以上の従業員1200人に退職勧奨

    日本IBMは18日、6月末までに50歳以上の管理職を含む社員の4割に当たる約1200人を目標に退職勧奨を進めていることを明らかにした。

    特定の社員を対象にした勧奨ではないが、昨年11月から数回説明会を開き、50歳以上の全社員と上司との1対1の面接も実施している。コンピューターのダウンサイジング(小型化)への対応が遅れている上に、世界的な景気低迷を受け業績不振が続く親会社の米IBMは今年海外を含むグループ全体で2万5000人の人員削減を計画している。

    同様に業績が低迷する日本IBMも親会社の意向に沿う形で、人員合理化を進め経営立て直しを図る。IBMの動きはコンピューター不況下の業界全体に大きな影響を与えそうだ。《共同通信》

    【民社党・大内啓伍委員長】日本新党との新党結成に意欲

    民社党の大内委員長は18日、静岡県熱海市で開かれた労組研修会で講演し「秋の総選挙前に民社党と日本新党が新党を結成すれば、総選挙では50人から70人当選の大勝になる。(実現しなくても)相当の選挙協力までは展望できる」と述べ、日本新党との新党結成や提携に強い意欲を示した。

    その上で「両党で新党をつくっても政界再編まではいかないが、それに向けた胎動をつくることはできる。(再編のためには)自民党からも社会党からも参加できるようにしたい」と述べ、自民党羽田派や社会党の改革派議員も巻き込んだ提携を模索していく考えを示した。《共同通信》

    【政界談話室】

    ○…3年前の18日は前回衆院選の投票日。記者団にそのことを聞かれた宮澤首相は、「おお、あったね」と忘れていた様子。「任期は後一年。衆院解散・総選挙は」と水を向けられると「当分なくていいんじゃない」と冗談めかした答え。記者団が「任期いっばいまで考えているのか」とたたみかけると「いや、まだそんなこと全然考えてないですよ。まあまあ時間もありますし」と余裕たっぷり。しかし前回、広島3区で2位当選だった自らの選挙の話になると「選挙はいつも楽なことはないですよ」。こればかりは余裕の表情はうかがえなかった。

    ○…この日、自民党の梶山幹事長は党本部で開かれた全国女性議員政策研究会で講演、地方議会の女性議員たちを前に「私は十人兄弟の末っ子。私が10歳の時、父が亡くなってから、母が女手一つで育ててくれた」と母親の思い出を語り始めた。「朝早くから暗くなるまで、女手一つで、育てるのは大変な苦労。そういう母を見ると、ぐれることはできなかった」「今も議員宿舎の机の上に母の小さな写真を置いている。週に一、二回は夢に出てくる」などと、ふだん“武闘派”と言われる梶山氏にしては珍しくしんみりした話に会場はシーン。《共同通信》

    【米・カンター通商代表】日本に内需拡大を要求

    カンター米通商代表は18日、昨年の米国の対日貿易赤字が前年比13.9%増の約494億ドルとなったことについて「対日貿易不均衡の悪化は極めて問題だ」と強い懸念を示し、日本に内需の拡大を要求する声明を発表した。米商務省が発表した貿易収支について米通商代表部(USTR)が声明を発表するのは極めて異例。

    通商代表は「昨年の対日輸出が減ったのに、日本からの輸入総額は6%も増えた。4年間の日米の貿易不均衡の改善は台なしになった」と強い不満を示した。

    さらに「日本の景気悪化が(貿易赤字拡大の)要因だということが分かるが、輸出に依存するのではなく、内需の刺激で不況を克服するよう日本政府を促す」としている。

    通商代表は対中国貿易赤字が拡大していることにも懸念を示し「クリントン政権は、日本と中国の両政府が市場開放の約束を守るよう圧力を掛けるつもりだ」と強硬姿勢を明確に打ち出した。その上で「市場開放は、米通商法の厳格な運用で裏打ちされる」とし、1974年通商法301条(不公正貿易慣行に対する報復措置)などを積極的に適用する考えを示唆した。《共同通信》

  • 1993 平成5年2月17日(水) 小沢一郎氏、竹下登氏、証人喚問

    平成1502日目

    1993/02/17

    この日のできごと(何の日)

    【小沢一郎氏、竹下登氏】証人喚問

    衆院予算委員会は17日午前10時から、今国会の最大の焦点である佐川急便・皇民党事件の真相解明に向けて、小沢一郎元自民党幹事長に対する初めての証人喚問を行った。小沢氏は竹下元首相が元東京佐川急便社長渡辺広康被告らと皇民党の「ほめ殺し」中止工作を協議したとされる1987年10月5日の東京プリンスホテルでの会合について「会談がセットされた経緯、目的、内容は全く知らない」と述べ、ほめ殺し中止工作への関与を全面的に否定した。東京佐川急便から金丸前自民党副総裁への5億円献金についても「配分先も知らないし、相談を受けたこともない」と証言、竹下派政治家への再配分にも無関係であることを強調した。

    喚問では冒頭、粕谷委員長が総括的に質問、続いて小杉隆(自民)、高沢寅男(社会)、草川昭三節(公明・国民会議)、木島日出夫(共産)、中野寛成(民社)の各氏が順次質問した。

    小沢氏は東京プリンスホテルでの会合について「(会談の)部屋に出たり入ったりしていた」と述べるとともに、当時は経世会の一会員でありその立場を混同する行動をとったことはない」として「会談の内容を知る由もない」と証言した。

    さらに、党則にのっとって総裁選になれば党内第一派閥を率いる竹下氏が勝つと信じていた、と強調。その理由から、ほめ殺しについては「無視して、ほうっておくべきだと思っていた。竹下氏にもそういう趣旨の話をした」と述べ、ほめ殺し中止工作の陣頭指揮を執っていたのではないかとの疑問を否定した。

    さらに、小沢氏は当時、渡辺被告とは面識がなかったと証言。会合の翌日、竹下氏とともに東京・目白台の田中角栄元首相の私邸を訪ねたことについては「追い帰されても行ってほしいと思っていた。朝、連絡があり、喜んでお供した」と述べるとともに「皇民党(のほめ殺し中止の条件)うんぬんで行ったという気持ちは全くない」と強調した。

    一方、金丸氏への5億円献金をめぐっては「金丸氏の政治団体の収支について、私が相談を受けるわけがない」「当時は自民党幹事長として総選挙を目前にして党活動に専念していた」などとして、全く関知していないとの立場を繰り返した。さらに「事実関係は生原(元金丸氏秘書)氏がよくご存じのはずだ」と述べた。

    金丸氏が自民党副総裁辞任の記者会見をした昨年8月27日の直前、渡辺被告の主任弁護人である赤松幸夫弁護士と会談したことについては「8月25、26日に都内のホテルで会った」と認めたものの、赤松氏から渡辺被告の弁護人としての立場を聞いたにすぎないと強調。「なぜ赤松氏と面会しなければならなかったのか、その時も会談後もよく分からないままだ」と、上申書決着など法務対策への関与も否定した。

    さらに、金丸氏の処分について「検察当局に働き掛けたり、話し合うなど常識的に考えてもあり得ない」と証言した。《共同通信》

    衆院予算委員会は佐川急便・皇民党事件解明に向け17日午後1時から、午前中の小沢元自民党幹事長に続いて竹下登元首相に対する証人喚問を行った。竹下氏の喚問は前国会の衆、参予算委も含めて3回目。竹下氏は、旧平和相互銀行の株買い取りをめぐるいわゆる「金屏風」疑惑に関し「金屏風を見たことも、売買に金銭が動いたことも全くあり得ない。存じ得ないこと」と、関与を全面的に否定した。また、竹下政権成立の過程で暴力団が関与したことに対する政治責任について「誤解を解くことが私に課せられた使命だ」と述べ、野党側が「結果責任」を取るよう求めている議員辞職を改めて拒否した。喚問では粕谷委員長の総括的な質問に続き、小杉隆(自民)、仙谷由人、楢崎弥之助(社会党・護憲民主連合)、矢追秀彦(公明)、正森成二(共産)、中野寛成(民社)の各氏が質問した。

    金屏風疑惑について竹下氏は「故青木(伊平)秘書が伊坂重昭氏(旧平和相銀元監査役)と会った事実を(私に)申していた」と、故青木氏と伊坂氏の接触は認めた。しかし「(金屏風の売り主である)真部俊生氏(八耳洲画廊社長)に会った記憶もないし、金品の授受があった事実もない」と、自分とのかかわりは否定した。

    また、16日に伊坂氏が竹下氏にヤミ献金が流れたことを示唆する法廷証言を行ったことに対し「大変迷惑だという以外にない。全く関係のないことだ」と述べ、不快感を示した。

    さらに、暴力団山口組系白神組の組員だったとされる人物の結婚式の仲人を務めたことは認めたが、故白神英雄組長と「兄弟杯」を交わしたとされる点については「白神氏に覚えはない」と証言。週刊誌などによる一連の疑惑報道には「それ相応の措置を講ずべきと考えている」と、名誉棄損などの法的措置も含めて対応していく考えを示した。

    一方、皇民党のほめ殺し中止工作に関する1987年10月5日の東京プリンスホテルでの会合について田中角栄元首相の私邸訪問を勧めた元東京佐川急便社長渡辺広康被告の話を「関心を持って聞いていたのは私一人かなと思う」と述べ、金丸前自民党副総裁、小沢一元自民党幹事長が深く関与しなかったとの認識を示した。

    さらに、皇民党の「ほめ殺し」については「自民党総裁選とは関連がない」と強調、「疑いがあるとすれば、それを晴らすことが責任だ」と繰り返して議員辞職を拒否した。《共同通信》


    【自民党最高顧問懇談会】政策減税の実施に前向き

    自民党の首相経験者らによる最高顧問懇談会が17日夜、宮澤首相、梶山幹事長も出席して都内のホテルで行われ、予算の年度内成立に全力を注ぐとともに景気浮揚策の一環として住宅減税など大規模な政策減税の実施を前向きに検討することで一致した。

    中曽根元首相が「戻し税減税では財政負担が大きく、波及効果も疑問だ。効果や国民の要望からみれば住宅減税など政策減税をどーんとやるのがいい」と主張。宮澤首相も「その方が分かりやすい」と賛意を示した。《共同通信》

    【政界談話室】

    ○…宮澤首相は17日、官邸で「全日本きものの女王」一行の表敬訪問を受けた。パフォーマンス嫌いの首相にしては珍しく「よくいらっしゃいました」と両手を広げてあいさつ。振りそで姿の3人に「学生さんですか」「どちらの」と次々に質問を繰り出した。同席者が皇太子の結婚の儀が着物のPRになると切り出すと、首相は「あれは季節がちょっと夏に入りかけたところだから」と日時を示唆する発言まで飛び出す舌の滑らかさ。注目されたこの日午前の小沢元自民党幹事長の証人喚問で目ぼしい新事実が出なかったことが上機嫌に輪をかけたよう。

    ○…この日、社会党の「影の内閣」をめぐる社会党、社民連、民革連の3党首会談に出席した江田社民連代表は、一足先に来ていた星川民主改革連合代表に「楢崎さんの質問がいいところだったんですが、時間通りに来なければいけないと思いまして」と言いながら、まだ到着していない山花社会党委員長の席をジロリ。そこに駆け付けた山花氏が「証人喚問を見ていたので」と言い訳をしたが、江田氏は「私も見てたんですよ」。影の内閣の連立工作不調を占うように会談は始まる前から冷え冷え。《共同通信》

    【米・クリントン大統領】包括的な経済政策を発表

    クリントン米大統領は17日午後9時(日本時間18日午前11時)から約1時間にわたって上下両院合同本会議で演説、約5000億ドルにも上る大幅な財政赤字削減計画を基本とする包括的な経済政策を発表した。5年間で700億ドル以上に及ぶエネルギー新税、富裕層の所得税率引き上げなど思い切った増税で歳入増を図る一方、歳出削減し、米国経済の再建を目指す。

    また、300億ドルの短期的景気刺激策で50万人以上の雇用を創出することを提案、最大の課題である失業問題にも取り組む方針を示した。

    合同本会議での演説は就任後初めて。従来の一般教書演説に当たるこの重要演説で大統領は「このままでは財政赤字は10年後には6350億ドルに達する。増税を好む者はいないが、これ以上現実を否定し続けることはできない」と述べ、米国経済の再生に向け、全国民の協力を強く求めた。

    しかし、財政再建の柱である増税は、選挙中に公約していた富裕層の増税にとどまらず、石油や電力などすべてのエネルギーにかかる新税の導入など、負担は中間所得層を含む全階層に及ぶ結果となり、議会と国民はこれを受け入れるかどうか今後、重い決断を迫られることになった。

    この計画が議会で承認されなければ新政権の基盤が大きく揺らぐことは必至で、12年ぶりに民主党政権を誕生させた米国は、国民共通の課題である変革と経済再生をめぐって大きな転換点に立ったといえそうだ。

    財政再建計画は、今後4年間で4960億ドルとかつてない大規模な赤字削減に取り組むのが最大の柱。目標通りいけば、財政赤字の対国内総生産(GDP)比は1993会計年度の5.4%から97年度には2.7%へ低下する。《共同通信》

  • 1993 平成5年2月16日(火) NHKやらせ問題・ディレクター停職6カ月

    平成1501日目

    1993/02/16

    この日のできごと(何の日)

    【NHKやらせ問題】ディレクター停職6カ月

    NHKスペシャル「奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン」でやらせの表現があった問題でNHKは17日、やらせを直接指揮した番組のチーフディレクターを同日付で停職6カ月としたほか、川口幹夫会長を減給6カ月(20%)とするなど幹部と直属の上司6人の処分を発令し、た。NHK会長の減給処分は初めて。 チーフディレクターと川口会長以外の処分は、中村和夫放送総局長が放送局副総局長に降格、減給6カ月(10%)、萩野靖乃編成局編成主幹・スペシャル番組部長は解任、放送総局付とした上で減給などとなっている。また「ムスタン取材緊急調査委員会」(座長・中村好郎副会長)は「放送で訂正、おわびした6カ所以外にも、取材・制作方法や放送内容に適切でない点や事実と異なる部分が判明した」とする最終調査報告書をまとめ、同日開かれた経営委員会に提出した。 報告書は、高山病や流砂現象なやらせと指摘された点について「限度を超えた演出だった」と全面的に非を認めた。さらに「小学校でのヤギの解剖シーンを『理科の授業』としたのは誤り」など新たに分かった5つの問題点を列挙。「ディレクタ一が番組を面白くしようと思うあまり過剰な演出、事実の誇張をしてしまった」としている。 オオカミの輸入問題では、チーフディレクターの指示で生息地からオオカミを連れ出した取材スタッフがネパール当局から野生動物保護法違反に問われ、罰金5010ルピー(約1万5000円)を納めていた新事実に言及した。輸入手続きに問題はなかったが「職員として極めて非常識な行為」と断定した。日産自動車のステッカーを張ったり、同社との交渉にディレクタが自ら当たったことについても「番組制作業務の覧囲を逸脱した」と認定した。

    NHKは17日夜、視聴者に対するおわびと調査結果を絞告する特別番組を午後10時から約15分間にわたり放送した。冒頭、川口幹夫会長が「視聴者の期待を裏切り、信頼を損なったことを重大に受け止めている」とわびた後、曽我健理事が調査によって新たに判明した虚偽表現などについて明した。最後に関係者の処分を発表、川口会長が「信頼回復のために努力します」と締めくくった。《共同通信》


    【宮澤喜一首相】政治家不祥事「教育上の問題」

    衆院予算委員会は16日、総括質疑最終日の審議を行った。宮澤首相は、民社党の塚本三郎氏が将来の増税で償還するという条件付きの短期赤字国債を発行し、所得税減税の財源に充てる方法を提案したのに対し「そういう条件付きの特例公債の発行は、事態の推移をみていく必要がある」と述べ、予算成立後の追加景気対策の中で検討する可能性に含みを残した。

    しかし同時に「今の状況下で近い将来の増税を示すのが賢明か、よく考えておく必要がある」と問題点も指摘した。

    さらに塚本氏は、住宅減税や土地譲渡益課税などの税率引き下げの実施を求めたが、林蔵相は税制のバランスの観点から「それぞれ問題がある」と難色を示した。また首相も「景気回復に)ある程度時間がかかる」とし、当面は公共投資中心の対策が有効との考えを調した。

    社会党の中西績介氏の質問に対し、首相は佐川急便事件や共和汚職など政界不祥事の続発が子供の教育に与える影響について「政治で不祥事が後を絶たないことはそれ自身が問題だが、青少年に対しては計り知れない大きな影響を与える問題であり、深刻な教育上の問題と考えている」と述べ、教育面への影響に懸念を表明した。

    また共産党の山原健二郎氏が、金丸前自民党副総裁に対する東京佐川急便からの5億円献金問題に関連して、旧竹下派出身の中村建設相、中山防衛庁長官、船田経企庁長官、中島科技庁長官、井上国土庁長官の5閣僚に、5億円の分配を受けた事実があるかどうかをただしたのに対し、5閣僚とも「事実はない」と否定した。

    新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)に臨む日本政府の姿勢について、田名部農相は「(コメ自由化反対の)国会決議の趣旨し、政府を挙げて努力したい」と、重ねてコメを含む包括的関税化阻止へ向け今後とも各国の理解を求めていく考えを表明、首相も同調した。

    この日はこのほか、水田稔(社会)、菅野悦子(共座)の両氏が質問に立ち、総括質疑を終了した。《共同通信》

    【宮澤喜一首相】国連・ガリ事務総長と会談

    宮澤首相は16日夜、首相官邸でガリ国連事務総長と約1時間半会談した。ガリ氏は「アジア地域だけにとどまらず、アフリカ、中南米にも関心を向けてほしい」と、より一層の日本の国際貢献を求め、特にモザンビークの国連平和維持活動(PKO)への参加を促した。

    これに対し宮澤首相は「日本は憲法の枠内で最大限の協力を行う」と述べ、間接的な表現でPKO活動を超える平和執行部隊への参加は困難との考えを示した。またガリ氏は「国連の基本姿勢は内政に干渉しないことだ」と述べ、日本に憲法改正まで求める考えがないことを表明した。

    ガリ氏はモザンビークでのPKOについて「停戦の合意もあり日本の条件を満たしている」と指摘した。しかし宮澤首相は先のPKO協力法に関連して「困難な政治状況の下で難しい。政治的決定を行った」と指摘。「国民の中にある意識を尊重して(国際貢献を)行っていくことが必要であり、徐々に国民の問題意識も高まっていくだろう」として当面カンボジアでのPKO活動の成功に全力を挙げる考えを強調した。

    またガリ氏はソマリアから多国籍軍が撤退した後の国連の対応について「米軍が3000人の後方支援部隊を残留させ、2、3000人の緊急展開部隊を海上に待機させる」とした上で、米軍が初めて国連の指揮下に入ることを明言。事実上の平和執行部隊がソマリアで実現するとの見通しを示した。

    一方、宮澤首相とガリ氏はカンボジア和平について「総選挙後、新カンボジア政府が成立するまでの期間が、永続的平和を確立するために決定的重要性を持つ」などとして①ポル・ポト派とプノンペン政権の双方に自制を求める②5月の総選挙は実施する③ポト派に対しても総選挙参加の門戸は開いておく―など5項目で認識が一致した。

    ガリ氏は国連加盟国の国際貢献について「日本だけでなくどの国も制約を抱えている」と指摘し「日本がどのような協力するかは、日本が決めることだ」と述べた。《共同通信》

    【政界談話室】

    ○…宮澤首相は16日、午前、午後と続いた衆院予算委に加え、委員会の昼休みには衆院本会議にも出席する忙しさ。さすがに疲れたのか、本会議終了後、議場を出る際に「あーあ」と深くため息をついた。記者団が「昼食はどうするのか」と尋ねると「どうするんだろう。お茶くらい飲ませてくれるんだろう」と一言。結局、委員会再開までの3分間に、控室でサンドイッチ2切れをほうり込んだだけ。午前中、渡辺外相の入院について「どうみても過労だな。僕だって、行って来いじゃ疲れちゃう」と同情していた首相だが、あまりの過密スケジュールにうんざり顔だった。

    ○…自民党総務会で、浜田幸一氏が「金は出すが血や汗は出さない。平和は守るが犠牲者は出さない。撤退しろで世界に通用するのか。自分の幸せだけを考えてはいけない」と、国連平和維持活動への取り組みについて持論を展開。「首相と党との間で国家安全保障の定義が明確になっていない。与野党ともに甘えの構造に埋没している」とも。先週の総務会で、政治改革をめぐり梶山幹事長とやり合った浜田氏の発言だけに、佐藤総務会長も会見で「格調高い話を久しぶりに聞きました」と気配りを見せていた。《共同通信》

    【横浜・高木豊内野手】調停額を受け入れ

    調停に持ち込まれていた横浜・高木豊選手(34)の今季の年俸が16日、昨年より510万円増の9840万円に決まった。

    東京・内幸町のコミッショナー事務局でこの日、第2回の調停委員会が開かれて決定したもので、直ちに同委員会の吉国一郎委員長(コミッショナー)から高木選手と横浜の若生照元・球団代表に調停書が手渡された。

    記者会見した高木選手、若生代表はともに調停額を受け入れる意向を示し、同選手は17日、沖縄・宜野湾市キャンプに合流するが、早速契約更改が行われる。

    今回は高木選手が10%増の1億263万円を主張したのに対して、球団が現状維持の9330万円を提示して契約更改交渉は決裂、91年の落合選手(中日)以来の調停となった。《共同通信》

    【緒方貞子・国連難民高等弁務官】人道援助軍の概念確率を

    緒方貞子・国連難民高等弁務官は16日、共同通信に対し「軍隊には人道援助を支援するという新たな役割が生まれている」と語り、日本国民が戦闘部隊としての軍のイメージから脱却し、「人道援助軍」ともいえる新たな概念を確立した上で、要員派遣を積極化させるよう訴えた。

    弁務官事務所によるソマリア難民帰還援助の視察のため訪れた同南西部の飢餓地帯バルデラなどで語った。平和執行部隊の創設を呼び掛けたガリ国連事務総長構想に近い考え方といえ、緒方弁務官は「ソマリアやユーゴスラビア問題の解決には不可欠な発想だ」と表明した。

    緒方弁務官は特に、軍隊の概念について言及。攻撃的な武力集団としてだけでなく、地域の秩序や安全保障、人道援助の一端を担う集団という新たな役割が生まれたと説明した。しかし、こうした軍隊の性格をめぐる議論が、日本では自衛隊の海外派兵の是非をめぐる論議に終始していることに疑問を表明。「多国籍軍がどのような役割を果たしたかという現実的視点から、日本人の意識改革が求められている」と強調した。《共同通信》

  • 1993 平成5年2月15日(月) 宮澤喜一首相、竹下氏への辞職勧告を拒否

    平成1500日目

    1993/02/15

    この日のできごと(何の日)

    【宮澤喜一首相】竹下氏への辞職勧告を拒否

    衆院予算委員会は佐川急便事件の証人喚問問題が決着したのを受け15日午前10時から、10日ぶりに総括質疑を行った。質問には社会党の松浦利尚氏が立ち、国連平和維持活動(PKO)、日米関係などをめぐって政府の見解をただした。

    渡辺外相は、11日のクリントン米大統領との会談で、大統領が1968年包括貿易法スーパー301条(不公正貿易国と行為の特定・制裁)復活にも言及したことについて「スーパー301条を発動する場合には、日本としても適切な対応措置を講じなければならないと伝えた」と述べ、米側に慎重な対応を求めたことを明らかにした。《共同通信》

    衆院予算委員会は15日午後、宮地正介(公明)、関晴正(社会)、楢崎弥之助(社会・護憲民主連合)の各氏が総括質疑を続行した。

    宮澤首相は佐川急便事件について「真相の解明は事件の再発防止にとって大切だ。国会の努力に対し、政府として全面的な協力をする」との姿勢を強調しながらも、竹下元首相に対する議員辞職勧告要求については「今まで(進退は個人の問題と)答えてきた。ただ今のところ、考えは変わらない」と重ねて否定した。

    竹下氏が皇民党の“ほめ殺し”を恐れた理由について楢崎氏が「暴力団との関係が明らかになると、中曽根首相(当時)の後継指名を受けられなかったからだ」と追及した。

    これに対し中曽根内閣の官房長官だった後藤田法相は「私の知る範囲で竹下氏については暴力団との関係はなかった」と述べ、一部の週刊誌などで指摘されている暴力団との関係を否定した。《共同通信》


    【国連・ガリ事務総長】来日

    ガリ国連事務総長が15日午後、成田着の日航機で来日した。昨年1月に事務総長就任後初めての来日で、16日に宮澤首相と会談するほか天皇陛下と会見。17日は国連協会主催の昼食会で政策スピーチを行う。日本記者クラブでの記者会見も18日に予定されている。

    ガリ事務総長は昨年6月、平和執行部隊の創設など国連の平和維持機能強化策をまとめた「平和への課題」を提案。安保理改革についても国連加盟各国が6月までに同事務総長に見解を示すことになっている。

    宮澤首相との会談では、これらの問題について意見交換される見通しで、19日に帰国の予定である。《共同通信》

    【渡辺美智雄外相】緊急入院

    渡辺外相は15日午後、体の不調から衆院予算委員会を退席、東京女子医大病院に緊急入院した。外務省の発表によると風邪と疲労によるもので、主治医の診断では1,2週間の入院が必要とされている。宮澤首相は同日夕、外相の臨時代理に河野官房長官を指名した。

    外相の入院は昨年5月末に胆のう胆管結石手術のため約2カ月半入院して以来。病院では精密検査と点滴の治療を受けている。

    18日に予定されていた来日中のガリ国連事務総長との会談は取り消される見通しで、入院がさらに長引けは政局への影響も懸念される。15日夜、河野官房長官、林蔵相らが次々と外相を見舞った。

    外相は11日から14日まで訪米し、クリントン米大統領らとの会談をこなした。しかし、出発前に風邪でへんとう腺をはらし39度を超す高熱を出し、体調を崩していた。

    外相の長男で秘書を務める喜美氏は、入院後記者団に対し①単なる風邪と過労であり、前の病気(胆のう胆管結石)とは関係がない②訪米出発前に風邪をひき、38-39度の熱があった③15日朝、血液を採取して病院に届けたところ炎症の反応があったため、正確な検査を行うため病院の要請で入院したと説明した。

    また病院で外相と面会した柿沢外務政務次官は「外相は元気だ。みんなに迷惑かけて申し訳ない、と言っていた」と述べた。《共同通信》

    【松下電器、ソニー】次世代VTR規格統一で交渉

    松下電器産業は15日、次世代のAV(音響・映像)製品の中核となる家庭用デジタルVTRについて、ソニーとの間で規格を統一することで交渉していることを明らかにした。研究開発費を軽減するとともに、かつての据え置き型VTRの「VHS対ベータ」のような規格争いで消費者に混乱を与えることを避けるのが狙い。正式に合意すれば、来年末にも商品化する予定だ。

    規格の統一には、東芝、日立製作所、日本ビクターなど主な国内メーカーやオランダのフィリップス、フランスのトムソンなどの外国メーカーも参加する見通し。現在、VTRの記録方一式やテープの幅などの技術的な詰めを急いでいる。

    デジタルVTRは、映像と音声の信号をゼロと1の数字に置き換えて記録する方式。現行のアナログ方式に比べて画質や音質の劣化がほとんどなく、コンピューターとの情報交換も容易になるのが特徴。業務用としては松下やソニーなどが独自の規格で実用化しているが、価格は1000万円以上が主流。

    ソニーと規格を統一することを交渉していることについて、松下は「消費者の利益を最優先した」(村瀬通三副社長)と強調している。しかし、個人消費の低迷を受けて家電メーカーは深刻な業績の不振にあえいでおり、規格争いに余分な体力は使えないというのが実情だ。今回のライバル同士の交渉は、お互いの台所事情を受けた「名より実」を取る選択の結果といえる。《共同通信》

    【政界談話室】

    ○…山形県知事選で自民党推薦候補が敗れて頭が痛い梶山同党幹事長は15日、政府、自民党首脳会議の前に国会の廊下で三塚同党政調会長とばったり。「オレは熱が出た。山形熱だ。39度だ」と冗談めかして話し掛けると、本当に風邪をこじらせているという三塚氏は不機嫌そうに「オレは38.5度だ」。梶山氏は首脳会議の席でも林蔵相や森通産相らが部屋に入って来る度に「申し訳ございません」「反省しています」と神妙な顔で頭を下げっ放し。

    ○…政府、自民党に大型所得税減税を求める社会、公明、民社3党の政審会長会談がこの日国会常任委員長室で開かれた。衆院予算委員会の審議でも宮澤首相や林蔵相から前向きの答弁を引き出せず、苦戦必至の減税要求のいわば作戦会議。協議に入る前に民社党の中野政審会長は前日のバレンタインデーの話をして「わが家は女房一人に娘二人。チョコレートばかり三つももらった」と切り出し、これを受けた公明党の二見政審会長が「高級チョコレートを買うような人は減税の対象にしない」としばらくチョコレート談議。チョコレートのように甘くはない減税要求の前途は忘れていたい様子だった。《共同通信》

    【ロシア・エリツィン大統領】突然の休暇入り

    ロシア大統領府報道部は15日、エリツィン大統領が同日から12日間、冬の休暇に入ったと発表した。報道部は休暇は、大統領が夏と冬にとる通常の休暇で、以前から計画されていたと説明し「大統領の健康状態とは関係ない」と強調した。

    エリツィン大統領は新憲法の基本条項に関する国民投票の実施をめぐり、ハスプラトフ最高会議議長との対立を強めている。16日にはこの問題で議長との2回目のトップ会談が予定されていたが、大統領の突然の休暇入りで会談の実現は流動的になってきた。大統領は休暇入りすることで、国民投票問題や、国内経済の改善策に取り組み、難局打開を図るものとみられる。

    大統領府報道部は「ハスプラトフ議長との会談は今のところ取り消されておらず、大統領の休暇先で非公式に会談することは可能」としている。

    エリツィン大統領は、政治対立を棚上げするため、最大の争点である国民投票の中止と、大統領選挙と人民代議員選挙のそれぞれ1年ずつの繰り上げ実施という妥協案を提案。これに対しハスプラトフ議長は両選挙の繰り上げ同時実施を主張しており、11日のゾリキン憲法裁判所所長を仲介役とする三者会談では、合意に達しなかった。《共同通信》

    【巨人・松井秀喜選手】恩師と再会

    巨人1軍の宮崎キャンプは14日で第3クールを終え、15日はキャンプインから3度目の休日となった。連日のハードな練習にエンジン全開で取り組んできた松井も、この日は一年先輩の谷口功一選手と連れ立って日南方面に出掛け、一日ゆっくりと休養日を満喫し、翌日からの第4クールに向けて英気を養った。

    午前10時40分過ぎ、薄地のセーターにスラックスのラフなスタイルで宿舎を出て、タクシーで日南海岸沿いを回った松井は、夕方五時ごろホテルに戻り「久しぶりにゆっくりできました」リラックスした笑顔をみせた。

    このあと、2軍の宿舎で、恩師の山下智茂星稜高監督と約1カ月ぶりに再会。関東スカウトと3人ですき焼きを囲んで久しぶりの師弟団らんのひと時を過ごした。山下監督は「練習ではあせりと緊張もあり、右手のまめがつぶれ、かなり疲れがたまっているように見えたが、一日休んで元気を取り戻したようだ」と教え子の張り切った様子に安ど感をにじませていた。

    第4クールからはオープン戦に向けてさらに実戦的な練習メニューが盛り込まれることが予想され、ルーキー松井にとってはまだまだハードな日々が待っている。《北國新聞》

    【金沢国税局】川崎磯信元社長を「どぶろく製造」で告発

    金沢国税局は15日、どぶろくを製造したとして富山県婦中町の川崎磯信元川崎商店社長(56)を酒税法違反(無許可販売)で富山地検に告発した。同社長はヤミ米を販売していたとして、今年1月富山県警から食糧管理法(無許可製造)容疑で書類送検されている。

    同国税局によると、川崎元社長は昨年7月30日から8月2日の間に、自宅で米2.7キロ、こうじ1.5キロなどを使ってどぶろく約11リットルを製造した疑い。同国税局は昨年8月、酒税法違反容疑で川崎商店(現在は解散)を家宅捜索してどぶろく約200ミリグラムを押収。今年1月、川崎元社長に対し罰金2万円などを納付するよう通告書を送り、納付しない場合は告発する、としていた。《北國新聞》

    【米・クリントン大統領】中所得者層に増税要請

    クリントン米大統領は15日午後9時(日本時間16日午前11時)から10分間にわたって、就任後初めてホワイトハウスの執務室から全米に向けテレビ演説し「米国経済の将来のためには一部の富裕層だけでなく、より多くの国民の貢献が求められている」と述べ、大統領が掲げる米国の経済再生への努力に全国民が協力するよう呼び掛けた。

    テレビ演説で大統領は、17日夜に発表する包括的な経済政策に盛り込まれる予定の増税策の具体的な内容には触れなかったが「私が提案する税金の70%は年収10万ドル(約1200万円)以上の人が負担することになる」と述べ、公平性の確保に全力を挙げたことを強調した。

    さらに大統領は「われわれの経済政策は1993年と94年に50万人の雇用を生みだし、さらに長期的には数百万の高給の雇用を創造する」と述べ、経済政策の基本が雇用拡大にある点を強調した。

    また財政赤字の見通しが厳しさを増していることを改めて示したうえで、ホワイトハウス職員の25%力ットや150項目以上にわたる歳出の削減を含む連邦政府の経費削減等と富裕層への増税にまず着手することを表明した。

    クリントン氏は選挙戦では年収20万ドル以上の富裕層への増税を公約していた。しかし、それだけでは将来に向けた投資を実現できないとし、広範囲な層への増税が必要なことを強調、中所得層も含めた年収10万ドル以上の人々に負担増を求めた。《共同通信》

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