平成3232日目
1997/11/13
この日のできごと(何の日)
【北朝鮮・金容淳書記】寺越武志さんの一時帰国認める
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問している自民、社民、さきがけの3党訪朝団の責任団長を努める森喜朗自民党総務会長は13日夜、石川県志賀町出身の寺越武志さん(48)=北朝鮮亀城市在住=と面会した。
森団長によると、北朝鮮の実質的な外交責任者である金容淳朝鮮労働党書記は同日夕、平壌市内のホテルで開かれた与党訪朝団の答礼宴で、「本人が希望するなら善処したい」と語り、一時帰国を容認する意向を示した。北朝鮮の指導部が寺越さんの一時帰国を認める発言をしたのは初めて。
答礼宴では、森団長が重ねて寺越さんの早期一時帰国を要請したのに対し、金書記は善処する姿勢を示した上で、「どちらが先になるか分からないが、お母さんを(北朝鮮に)招いてもよい」と述べた。《北國新聞》
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寺越武志さん(48)は昭和38年1月に日本海で叔父らとともに出漁中に遭難、行方不明となった。第九管区海上保安本部(新潟)は2年後に死亡認定を行い、戸籍から抹消された。しかし62年に叔父の手紙が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から届き、生存が判明。叔父は北朝鮮で既に死亡。母親の友枝さん(66)=金沢市在住=が死亡認定の取り消しを求め、今年6月に取り消しが決定、戸籍も復活した。武志さんは「金英浩」という名で妻や子供3人と北朝鮮・亀城市に住み、工場に勤務しているという。《北國新聞》
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【大相撲九州場所】5日目
大相撲九州場所5日目(13日・福岡国際センター)横綱貴乃花と大関若乃花に土がつく波乱。貴乃花は旭豊の右上手投げに敗れ、若乃花は左を差した新小結栃乃洋の寄りに屈し、ともに4勝1敗となった。旭豊は3個目の金星。大関武蔵丸は浜ノ島を押し出し、左上手投げで玉春日を下した大関貴ノ浪とともに無敗をキープ。前日、右足首を痛めた関脇栃東は魁皇に敗れ4勝1敗となった。新関脇の出島は勝って4勝1敗。元大関の小錦は3勝2敗と白星を先行させた。十両は新十両の若の里がただ一人全勝。《共同通信》
【ヤンキース・伊良部秀輝投手】「まったく通用しなかったわけではない」
米大リーグ、ヤンキースの伊良部秀輝投手(28)は13日、代理人の団野村氏とともに東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。昼食後、約1時間の記者団とのやり取りの中で伊良部投手は「周りの力もあって5つ勝てたし、全く通用しなかったわけではない」と大リーグ1年目を振り返った。
また、曲折を経たヤンキース入団について野村氏は「ロッテとパドレスが違法行為をしなければ、もっと早く契約できた。野茂(投手)が行ってから3年たつのに日米協約はできていないし」と日本球界に対しあらためて厳しい姿勢を示した。《共同通信》
【中国・李鵬首相】衆参議長と会談
来日中の李鵬中国首相は13日午前、国会内で伊藤宗一郎衆院議長、斎藤十朗参院議長と相次いで会談した。李鵬首相は伊藤議長との会談で「日中間の議会間交流を促進したい」と表明、伊藤議長も「意向に沿うよう努力したい」と賛意を示した。《共同通信》
【池田大作氏】李鵬首相と会見
創価学会の池田大作名誉会長は13日、東京・元赤坂の迎賓館で来日中の李鵬中国首相と会見、日本と中国の文化交流促進などについて話し合った。創価学会によると、李首相は、池田名誉会長に来年の訪中を招請した。池田名誉会長は李首相が12日に提唱した「日中関係5原則」を高く評価したという。池田名誉会長と李首相の会見は平成4年以来、4回目。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】中国・李鵬首相と会談
橋本龍太郎首相は13日午後、東京・元赤坂の迎賓館に中国の李鵬首相を訪ね、地球環境や対中投資問題をテーマに会談、日中環境協力のための「長境開発モデル都市構想」実施などで合意した。
同構想は、環境保全を目的に中国国内にモデル都市を設定し、日本からの円借款や技術力によって大気汚染、酸性雨などの環境対策を講じる計画。大連、重慶両市などが候補地に挙がっている。
環境情報を集約する日中友好長境保全センターを中国国内に100カ所設置する「環境情報処理ネットワーク」整備についても合意した。
李鵬首相は対中投資について「ハイテク技術や先進設備の輸入に対しては免税などの関税優遇措置をとることにした。日本の経済界に満足していただけるだろう」と投資拡大を求めた。これに対して橋本首相は「中国経済がこれほど発展したのは大変な成果だ」と述べるにとどまった。
会談は、同日夕に東京を離れる李鵬首相へのお別れのあいさつを兼ね、両首相夫人も同席した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は13日、首相官邸で「東南アジア青年の船」に参加している外国人学生らの表敬訪問を受けた。官邸の建物を「文化的価値は高いが、強度が問題だ。任期中に地震がないことを願っている」と紹介し「(同じ敷地内では)私の住んでいる公邸が一番弱く、閣僚は『夜中に地震があれば最初につぶれるのはお前だ』と喜んでいる」と笑わせた。間近に迫った行政改革の結論いかんでは政権の“激震”も予想されるだけに、周辺は「冗談にもならない」とヒヤヒヤ。
○・・・自民党の宮澤喜一元首相はこの日、都内で講演。メンバーを務める財政構造改革会議の発足の経緯を振り返り「梶山(静六・前官房長官)さんが首相経験者に集まってもらい、会議をやりたいと言ってきた。恐らく村山(富市・前首相)さんを取り込みたいんだな、うまい発想だと思った」と梶山氏を評価。その一方で、社民党の村山氏や伊藤茂幹事長についても「大変協力してくれた。感謝すべきだ」と持ち上げた。保保連合派と言われる梶山氏に配慮しつつ社民党にも目配りするバランス感覚に「(旧宮澤派の)加藤紘一幹事長も見習ってほしい」との声も。《共同通信》
【ロシア・プリマコフ外相】北方領土問題「回避せず」
日口外相定期協議で来日中のプリマコフ・ロシア外相は協議終了後の13日夜、ロシア大使館で記者会見し、橋本龍太郎首相とエリツィン大統領による今月初めのクラスノヤルスク合意について「『東京宣言に基づき2000年までに平和条約締結を目指す』との文言をみれば、うがった見方の余地はない」と述べ、間接的表現ながら、ロシアが平和条約締結交渉で北方領土問題の解決を目指す立場を確認した。
クラスノヤルスク合意で日口両首脳は「領土」という言葉を避けたため、平和条約締結の際にロシアが北方領土問題のう回を図るのではとの懸念が出ていたが、外相の発言は領土交渉を回避しないとのロシアの姿勢を初めて明確にしたと言える。
プリマコフ外相はまた、同日の小渕恵三外相との協議で合意した平和条約締結に向けた新たな協議枠組みに、外務省のほかに新たに、両国の関係各省庁、さらに当該地域の代表を含めることを今回提案したことを明らかにした。日本側の回答を待っているという。《共同通信》
【本田技研工業】中国で合弁生産
本田技研工業は13日、中国で1999(平成11)年から乗用車生産に乗り出すと発表した。中国・広州市の自動車メーカー「広州汽車」など2社と合弁生産で合意し、同日、基本協議書に調印した。
中国政府が乗用車生産への外資参入の制限緩和を打ち出した94年以降、日本のメーカーが進出するのは初めて。中国での完成車生産を狙うトヨタ自動車など日本の他メーカーに影響を与えそうだ。
広州汽車はプジョー(フランス)との合弁会社、広州プジョー汽車で生産してきたが、プジョーが採算悪化で撤退、その後に本田が進出する。生産車種は排気畳1800−2000ccクラスの「アコード」。資本金は2億ドルで本田と中国側が折半出資する。今後、中国政府の認可を得て最終的に合弁契約を結ぶ予定。
広州プジョー汽車の設備をそのまま活用して1999年秋ごろから生産を開始、当初は年3万台を見込んでいる。《共同通信》
【イラク】米国人要員退去を命令
バグダッドからの情報によると、イラクのフセイン大統領は13日、同国の最高意思決定機関、革命指導評議会と支配政党バース党の合同会議を開き、イラク国内にいる国連の大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の査察団の米国人要員に対し、直ちに国外退去を命じることを決定、通告した。国営イラク通信が報じた。
国連安全保障理事会は12日、イラクによる査察団からの米国人排除通告の白紙撤回要求などイラク制裁決議を全会一致で採択しており、イラクの決定はこれを無視し「全面対決」の方針を鮮明にしたものだ。
米国側は、査察要員追放に対してはイラク懲罰攻撃に踏み切る可能性を示唆しており、イラク情勢は一気に緊迫してきた。
イラク国内には現在、米国人6人が査察要員として滞在している。国営通信は、イラクが6人を強制的に追放するか自主的な出国を求めるかには触れていないが、アジズ副首相は13日、ニューヨークの国連本部で退去期限は同日中だと語った。決定は「すべての米国人査察要員に、米国と安保理がイラクに対する不当な政策を撤回するまでの間、国外退去を命ずる」としている。《共同通信》