平成5036日目
2002/10/22
この日のできごと(何の日)
【北朝鮮による日本人拉致事件】子供の11月帰国不可能
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致され一時帰国中の被害者5人の子供や家族の帰国問題で、北朝鮮側が日本政府に対し「11月中の実現は事実上不可能」と伝えてきたことが22日分かった。日朝関係筋が明らかにしたもので、北朝鮮側はその理由として「子供たちの学校の都合がある」としている。
同時に、北朝鮮側は一時帰国している5人を日朝国交正常化交渉が再開される直前の28日までに北朝鮮に戻した上で近く日本の家族が北朝鮮を訪問するよう打診していることも判明した。
日本政府は北朝鮮側の提案への対応を23日にも協議するとともに、週内にも拉致問題に関する専門幹事会を開き、29日からの正常化交渉に臨む基本方針を取りまとめる方針。ただ、今回の北朝鮮の対応について「国交正常化交渉を有利に運ぶためのカードに使うのではないか」との見方が出ており、正常化交渉では家族を含めた5人の帰国問題が大きな焦点となりそうだ。
今回の事態を受け、政府内では(1)5人の日本滞在を延長し、正常化交渉の場で引き続き子供らの帰国を求める(2)11月中に5人と子供らが一緒に帰国できるよう確約を取り付けた上で、いったん北朝鮮に戻す−などの案を検討。正常化交渉では5人と子供らが永住帰国できるよう強く求めていく考えだ。
ただ、拉致被害者の家族らでつくる「家族連絡会」などは5人の日本滞在中に子供らの帰国の実現を求めており、北朝鮮の提案に反発するのは必至で、政府は永住帰国問題と併せ難しい判断を迫られることになった。
北朝鮮側は、子供たちの帰国について、12月中に実現させる可能性は排除していない。また日本側の家族の北朝鮮訪問については「5人の暮らしぶりを見てもらいたい」と強調しているという。《共同通信》
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【公明党・神崎武法代表】続投内定
公明党の神崎武法代表は22日午後、党代表選への立候補を届け出た。受け付けは同日夕締め切られ、他の立候補者は出ず、神崎氏の続投が内定した。11月2日の党大会で出席代議員の過半数の信任を得て正式に選出。神崎氏は党役員人事で冬柴鉄三幹事長を引き続き指名する意向で「神崎−冬柴体制」は3期目に入る。任期は2年間。
届け出を終えた神崎氏は国会内で記者団に、今後を「連立政権第2期」と位置付け「生活者の視点を持ちながら与党の中で存在感を発揮するために頑張りたい」と抱負を語った。さらに「三大選挙の勝利が党の盤石の基盤には必要不可欠だ。全力で取り組みたい」と強調した。《共同通信》
【安倍晋三官房副長官】「間抜け」発言陳謝せず
民主党は22日の衆院議員運営委員会理事会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致事件に関連して、安倍晋三官房副長官が民主党の菅直人前幹事長と社民党の土井たか子党首を「間抜けな議員」と呼んだことについて安倍副長官に陳謝を求めた。
安倍氏は「間抜け、とは抜かりがあったという意味で、中傷ではない。家族の気持ちを思い、ああいう発言になった」と説明。民主党の高木義明氏は納得せず、大野功統委員長が「理事会で別途協議する」と引き取った。《共同通信》
【小泉純一郎首相】通常国会での補正予算処理を示唆
小泉純一郎首相は22日、衆参両院での代表質問で、2002年度補正予算編成対応について「経済は生き物だ。国民への無用の混乱、金融危機を起こしてはならないなどを考えると必要があれば大胆、柔軟に必要なカネを使うのは当然だ」と述べ、来年の通常国会冒頭での補正予算案処理の可能性をにじませた。ただ今国会への補正予算案提出は「現時点で考えていない」と強調した。《共同通信》
【能登空港】飛行検査スタート
能登空港の基本施設に対する国土交通省の完成検査が2日目を迎えた22日、飛行検査が現地でスタートし、第1号の飛来機となるYS−11型機が同空港に着陸した。定期便のジェット機とは異なる検査用のプロペラ機だが、奥能登の空と真新しい滑走路に初の航跡をしるす一方、半島振興の期待と夢を乗せて雄々しく西空に飛びたち、来年7月の開港近しを告げた。
21日に羽田空港から小松空港に飛来し、天候の回復を待っていたYS−11型機は、国土交通省航空局管制保安部の8人と検査機器を乗せて午前10時に同空港を離陸。同35分、珠洲方向から滑るように能登空港に降り、日の丸を描いたスマートな白色の機体をエプロンに乗り入れた。
1998(平成10)年11月の起工式から4年。緑に包まれた延長2000メートルの滑走路に、初めて航空機の軽快なエンジン音が響き渡り、着陸の瞬間、迎える県能登空港建設事務所職員らから思わず拍手が起きた。同機は、地上連絡員1人と検査機器を降ろすと、約1時間後に離陸し、直ちに上空から無線施設などの検査に入った。《北國新聞》
【京福電気鉄道越前本線列車衝突事故】元運転士に猶予刑
京福電鉄越前本線の2度目の正面衝突事故で、赤信号を見落として乗客ら24人にけがをさせたとして、業務上過失傷害などの罪に問われた京福電鉄元運転士、A被告(23)の判決公判が22日、福井地裁で開かれ、松永真明裁判長は「運転士としての自覚に欠けるが、被害者に謝罪するなど反省は顕著」として、禁固2年6月、執行猶予5年(求刑禁固2年6月)を言い渡した。A被告が控訴しない方針。
松永裁判長は「鉄道経営者は人為的な過失があるのを大前提として列車自動停止装置の完備などに努力するのが当然」と、会社側が設備を整えていなかったことに事故ゲニンの一端があると指摘。その上で、「被告は極めて単純な時刻表や信号の確認を怠り、多数の人命を預かる電車の運転士としての自覚が全く欠けていた」と述べた。
また同電鉄が2000年12月の正面衝突事故い続く2度目の事故で、県内全3路線が全面運休したことに触れ「利用客が重要な交通手段を失い、社会的影響は軽視できない」とした。《北國新聞》
【独・シュレーダー首相】再選
ドイツ連邦議会(下院)は22日午前、首相指名選挙を行い、9月の総選挙で保守野党勢力に辛勝した社会民主党のゲアハルト・シュレーダー氏(58)を選出した。
社民党と90年連合・緑の党の左派連立による第2次シュレーダー内閣を同日夕発足させ、懸案の失業対策や旧東ドイツ地域の復興に取り組む。ただ、連邦参議院(上院)では野党は優勢で厳しい政権運営を強いられる。《共同通信》
【この日の民主党】
「予算委の争点は北朝鮮核開発と日朝交渉問題」岡田幹事長代理
民主党の岡田克也幹事長代理は22日の定例記者会見で、24・25日に開かれる衆参予算委員会の基本的質疑の見通しについて「これまでの本会議でのやりとりを踏まえると、大島農相問題が取り上げられるのはもちろんだが、ポイントは日朝関係だ」と述べた。
岡田代理は、「北朝鮮の核開発を予め知りながら行ったにしては、この問題をなおざりにしたままの平壌宣言になった。ギリギリの交渉を何らせず、一般論だけで署名したとしたら、外交上の大失態と言わざるを得ない」と指摘し、北朝鮮との間でどのようなやりとりがあったのかを予算委員会を通じて厳しく質す姿勢を明らかにした。
「国民不在の改革は無用」千葉議員が代表質問
参議院本会議において22日、民主党・新緑風会の千葉景子議員が小泉首相の所信表明演説に対する代表質に立った。
千葉議員は冒頭、「改革なくして成長なし」を掲げた小泉内閣の1年半が、むしろデフレ・スパイラルによる“経済有事”を引き起こし、国民を生活や将来への深刻な不安の中に突き落としていることを指摘。「あなたの言う『改革』には人間の心や姿が見えず、将来の夢や希望のかけらも感じられない」と厳しく断じた上で、小泉改革が挫折したこの1年半の総括を求めた。
小泉首相は、自らの改革路線の総括には触れずに、政官業癒着体質の自民党を「ぶっ壊す」と豪語していたことについて問われたのに対応し、「改革に協力しないならぶっ潰すと言った。しかし、今は全部法案に協力してくれる。自民党は着実に変わっている。そこが自民党のいいところ」などと自民党抵抗勢力との蜜月関係を誇示する始末だった。
千葉議員は次に、大島農水相の前秘書官による口利き疑惑を取り上げ、「政治とカネ」の問題が焦点になっている最中に閣僚の不祥事が明らかになったことについて、首相の任命責任を追及した。しかし首相は、「職務に全力を尽くし、疑惑を晴らすよう指示している」などとやはり“他人事”の答弁。疑惑を否定しながらも秘書官を更迭した理由を問われた大島農水相も、「全力で集中して仕事ができる環境と状況でないため交代させた」などと不明瞭な答弁に終始した。
財政・金融政策をめぐっては、首相のなし崩し的な政策転換が経済の混乱を招いている現状を指摘。とりわけ、ペイオフ延期と不良債権処理の加速について国民に明確に説明し、混乱の責任を明らかにするよう求めた。その上で千葉議員は、民主党の経済対策を提起。(1)長期的視野に立った安心・安全のシステム──年金制度、健保・介護の保険制度の根本改革、雇用保険の給付期間や給付額の拡充、需給要件の緩和、(2)未来志向の雇用創出策──環境、福祉、新エネルギーなどの産業育成、NPO支援税制など非営利団体の活動促進による新たな雇用の創出、(3)生活者・中小企業を生かす金融政策──金融アセスメント法の策定、中小企業に対する金融上のセーフティネット確立、(4)国際ルールを重視した経済健全化策──日本版SECの創設、公正取引委員会の強化、などを挙げ、首相に実行を迫った。
ペイオフ延期について首相は、不良債権処理を加速する観点からのものだとし、「平成16年度には不良債権処理を終結する」という目標を提示しただけで、なしくずし的な政策転換には触れなかった。また、民主党が提起している金融アセスメント法案については、「一律の基準に基づいて政府が各金融機関の活動を評価するのはいかがか」などとコメントしたにすぎなかった。
北朝鮮問題では、9月17日の日朝首脳会談で拉致被害者8名が死亡していると伝えられながら平壌宣言にそのまま署名したのはなぜか、と追及。また、10月29日の国交正常化交渉再開を決めた理由、今後の拉致問題に対する交渉方針などを質した。さらに、その後明らかになった北朝鮮の核兵器開発の問題についても、首脳会談時にどのようなやりとりがあったのかを明らかにするよう求めた。
首相は、首脳会談における金正日国防委員長の発言が「謝罪と再発防止の決意を明確に示すものだった」などとして平壌宣言にそのまま署名したことを正当化。国交正常化交渉再開についても、「交渉の中で(拉致問題などへの)誠実な対応を求めていくことがもっとも効果的」などと述べたにすぎなかった。核兵器開発をめぐっては、首相が責任ある行動をとるよう求めたのに対し、金正日氏は関連するすべての国際条約を遵守すると述べたことを紹介した。
千葉議員はイラク問題についても取り上げ、武力攻撃を主張する米英両国に対してどう対応していくのかを質した。首相は、武力攻撃に対する直接の態度は明らかにせず、「大量破壊兵器の開発・配備に関する必要かつ適切な安保理決議が採択されるべきだ」と述べるにとどまった。
さらに千葉議員は、国民生活に不安をもたらしている諸問題について質問。とりわけ、原発のトラブル隠し問題をめぐって国の検査体制の甘さを批判し、対応を質した。首相は、電力会社による原発の自主検査の法制化や抜き打ち検査の実施などを検討しているとしたが、経済産業省の原子力安全保安院が軸となった国の管理体制が問題視されていることについては、「現在のチェック体制がもっとも有効」などと突っぱね、保安院の独立による推進体制とチェック体制との分離については拒否する姿勢を明らかにした。
「小泉首相の答弁はあまりに不誠実だった」佐藤国対委員長
民主党の佐藤敬夫国会対策委員長は22日の定例記者会見で、前日の衆議院本会議での代表質問について「小泉首相の答弁は誰が見ても誠実さにかける。今朝もいろいろなところから電話があり、『鳩山さん、中野さん、いろいろな背景を抱えながらも一所懸命質問していたね。しかし、首相の答弁はあまりに不誠実だった』という感想をいただいた。これからの参議院本会議や予算委員会でもあのような対応であれば、国民からの大きな批判が巻き起こることは間違いない」と述べ、首相の姿勢を強く批判した。
佐藤国対委員長はまた、前日の同委員長の会見での発言を受けて、安倍官房副長官が「『間抜け』を広辞苑で引くと『抜かりのあること』とある。確かに抜かりがあったと思い、そういう発言をした」などと発言したことについて、「『高慢には必ず墜落あり』という言葉を贈っておきたい。官房副長官という仕事は、誰よりも早く官邸に入り、官邸の灯が全部消えて、その後始末を見送るくらいの誠実さ、必死さがなければならない。国会は権力の争いの場であるから、当然与野党が噛み合ってきたときに、与野党の中に入って行き、『彼が来ればしょうがないね』と言われるのが、官房副長官の仕事だろう。それが、国会での正式の議論ならいざ知らず、場外乱闘を起こしてどうするのか。広辞苑に『抜かりのあること』と書いてあるなら、『抜かりがあった』と言えばいいはずだ」と重ねて批判。
佐藤国対委員長はさらに、「副長官は社民・民主という政党の批判をしているが、自民党の歴代の関係者たちが、(拉致)事件がここまで大きな問題になるまでに何をしてきたのか、きちっと事実を調べて物を言っているのか。早く反省し、訂正すべきは訂正しないと、厳しい矢面に立たされることになる」と今後の対応を示唆した。《民主党ニュース》