平成1916日目
1994/04/07
この日のできごと(何の日)
【新党さきがけ・武村正義代表】日本新党との合併を断念
新党さきがけの武村代表(官房長官)は7日夕、首相官邸で記者団に対し、日本新党との合併問題について「(日本新党の)考え方が変わったならば、変わったともう少しフェアに対応できないものか。変わったと言えば事の整理がしやすい」と強調、日本新党代表の細川首相の対応を批判するとともに、日本新党側に合併する意思がないならば、さきがけとしても合併を断念する意向を表明した。
これに対して細川首相は同日夜、記者団の質問に答え「両党ともこの状態をそのまま受け止めるということで、進めろとか進めるなとは言えない。そっとしておいた方がよい」と、静観する姿勢を強調した。
武村氏は「さきがけは結党の原点に立ち返って進んでいきたい」とも指摘、日本新党との合併問題が浮上する以前の結党時に掲げた精神に沿って行動する考えを示した。これは、細川首相との事実上の「関係見直し宣言」とも受け取れ、今後の統一会派問題や政界再編の行方に大きな影響を与えそうだ。
武村氏は首相が昨年夏の衆院選前後に「結婚」という表現でさきがけとの合併を持ち出したことなどを挙げ、「少なくとも公の場所で堂々と発言したことの責任は軽くない。言を左右にすることが不信を招く」と細川首相はじめ日本新党の現執行部の姿勢を強く批判した。 さらに、武村氏は「約束があったとかなかったとかで、もう応酬したくない。大事な局面で火種を残して未消化のままで、ぎくしゃくした状態を続けたくない」とも述べ、合併問題に「早急に結論を出すべきだとの考えを強調した。
ただ、さきがけと日本新党の統一会派に関しては「例えば、この時点で統一会派を続け、合併問題は当面考えないという整理の仕方はある」と指摘、一気に統一会派の解消にまで発展しないとの見通しを示した。
◇
細川首相は7日夜、日本新党と新党さきがけの合併問題が暗礁に乗り上げていることについて「両党ともこういう状態をそのまま受け止めているということで、進めるとか進めるなとは言えない。そっとしておいた方がいい」と述べ、当面、事態を静観する考えを示した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【衆院予算委員会】
国会は7日も細川首相の佐川急便1億円借金疑惑解明をめぐる与野党の対立で衆院予算委員会が終日空転した。首相元秘書の証人喚問問題で、連立与党側が委員会を開会した上で論議すべきだと主張したのに対し、自民党は「喚問の確約がなければ審議には応じられない」と譲らず、与野党間の綱引きが一層激化している。
与党側は1994年度予算の提出から1カ月以上経過したにもかかわらず、提案理由説明にすら入れない「異常事態」を憂慮。予算の早期成立を促す土井衆院議長の発言や与党単独審議を容認する経済首脳発言などを受けて、来週中に与党単独でも委員会を開会し、提案理由説明を強行すべきだとの声が強まってきた。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は7日、首相官邸で岩国哲人出雲市長の訪問を受けた。岩国市長は韓国で出版された首相の著書「権不十年」の翻訳本を贈呈。「志を捨てず勇気を持って困難に立ち向かってほしい」と国会空転で窮地に立つ首相を激励した。首相も「志は変わっていません」と強気なところを見せたが、一昨年、出雲市を訪れた際、市長の案内で訪れた「宝夢」という串焼き屋に話が及ぶと、その後のわが身に重ねてか「今、考えると素晴らしい名前だった」。苦境の中で、「宝夢」よ、もう一度というところ。
○…自民党の衆院予算委メンバーがこの日、国会内で空転が続く予算審議への対応策を協議した。筆頭理事の深谷隆司氏は「向こうには局面を打開しようという気構えも意欲もない」と連立与党の姿勢をばっさり。「こちらは手ぐすね引いて待っているのに、働き掛けがないから(委員会に)出ようがない」と開き直りとも取れる発言を繰り返した。一方で「与党は連日(与党だけの予算委理事協議を)カメラ取材させ仕事の格好をしている」とこぼし「自民が審議に応じない」との世論を気にする様子も。自民党もこの日の協議にカメラを入れるなど事態は宣伝戦の様相。《共同通信》
【欠陥TV訴訟】松下電器、控訴断念
松下電器産業(大阪府門真市)製のテレビから出火し事務所が全焼したとして、大阪府八尾市の建設会社が松下に製造物責任による損害賠償を求めた訴訟で、松下側は7日、テレビの欠陥を認めて松下に約440万円の支払いを命じた3月29日の大阪地裁判決について、「消費者保護への社会関心の高まりや、原因究明が困難」として控訴を断念すると発表した。
被害者の立証責任を軽減し、製造者に「過失がないこと」の証明責任を課した判決が確定することになり、製造物責任(PL)法制定の動きが高まる中、家電業界だけでなく各方面へ影響を与えそうだ。
松下の山脇利捷常務らが「同日午後、大阪市内で記者会見。「社会的、総合的観点とともに、事故があったとされるテレビが既になくなっているため、原因究明がこれ以上困難。控訴をせずに早急に解決を図りたい」と述べた。
火災は昭和63年3月、八尾市の建設会社の事務所から出火、約40平方メートルの事務所を全焼した。大阪地裁判決は出火当時の目撃証言などからテレビからの出火を認定。製造者には安全性を確保すべき高度の安全確保義務があり、欠陥が立証されれば、製造者が過失のないことを証明しない限り「製造者に過失が推認される」として、現行法下での製造物責任について画期的な判断示した。この上で判決は、このテレビに欠陥があったと認定、「松下が原因を究明しない以上、過失が推認される」とした。
同社は会見の中で、テレビの欠陥については従来の主張通り否定し、今回の事故について、立証が難しいことなどを挙げて「(控訴断念は)あくまで個別のケース」と強調した。《共同通信》