平成4104日目
2000/04/03
この日のできごと(何の日)
【タイガース・野茂英雄投手】メジャー開幕投手に
豪腕がその球歴にまたひと一つ肩書を加えた。日本人投手として初めて栄えある米大リーグの開幕戦の先発を務めたデトロイト・タイガースの野茂英雄投手が3日(日本時間4日)、オークランド(米カリフォルニア州)でのオークランド・アスレチックス戦で記念すべき勝利を手にした。
力のある速球に加え、衰えを見せない決め球のフォークボールは、リーグを替わっても威力は健在だった。野茂は、3本塁打を喫したとはいえ7回を3安打、3失点。106球で8奪三振はドジャースでデビューしたころと変わらない内容だった。試合はタイガースが7―4で勝った。
大リーグで常に日本人投手の歴史を切り開いてきた男はこれで通算62勝目。新たに背番号23を身につけ、今世紀を締めくくるシーズンを白星で踏み出した。《共同通信》
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【第72回選抜高校野球大会】第10日
第72回選抜高校野球大会第10日は3日、甲子園球場で準決勝を行い、智弁和歌山(和歌山)と東海大相模(神奈川)が勝ち、決勝に進んだ。4日の決勝は、和歌山県勢と神奈川県勢が争う初めての顔合わせとなった。
東海大相模は5−1の六回、打者10人の猛攻で一挙6点。4試合連続の二けた安打で11点を奪い、春は初の決勝進出を目指した鳥羽(京都)を1l−1で下した。東海大相模は、神奈川県勢として春の選抜大会50勝目。1992年の準優勝以来、8年ぶり3度目の決勝で、初優勝を目指すことになった。
昨夏ベスト4の智弁和歌山は、序盤からリードを奪い、先発・中家が、春夏通じて初の決勝進出を狙った国学院栃木(栃木)の反撃を2点に抑え、10−2で勝った。智弁和歌山は4年ぶり3度目の決勝進出で、2度目の優勝をかける。《共同通信》
【北海道・有珠山】新たな火口と泥流
北海道・有珠山(732メートル)は3日午後も、北西山ろくの複数の火口から断続的に噴煙を上げた。上空から調査した岡田弘北海道大教授は洞爺湖温泉に近い金比羅山の火口付近で新たな火口と小規模な泥流を確認した。午前中に確認された西山付近の断層の状況などマグマの動きが原因とみられる地殻変動が活発化している。
3月29日の避難指示から4日で一週間となり伊達市、壮瞥町、虻田町の周辺3市町などの避難所で過ごす住民の疲労はピークに達している。
岡田教授によると、断層は溶岩ドーム形成の最初の段階とみられ「ドームの形成はここ数日から10日間の観察ではっきりしてくる。初期はドームができては爆発を繰り返し棄権な状態が続く」として警戒を呼び掛けた。
また気象庁の浜田信生地震予知情報課長は「過去の噴火の例から、ドームが形成されるとしてもかなり期間がかかるのではないか」との見方を示した。
衛星利用測位システム(GPS)測量で、洞爺湖温泉近くの金比羅山が北に約90センチ移動し、洞爺湖も南北に90センチ近く縮んでいることも分かった。一方、泥流は樹木などをなぎ倒し、ふもとまで流れ下っているという。《共同通信》
【保守党】旗揚げ
野田毅前自治相ら自由党の連立政権残留グループは3日夜、都内のホテルで新党設立総会を開き、国会議員26人で新たな政党「保守党」を結成した。党首には扇千景参院議員が就任、幹事長に野田氏、政調会長に井上喜一氏、最高顧問に海部俊樹元首相が就いた。自由党は、新進党解党に伴う1998年1月の結党以来、2年3カ月で真っ二つに分裂した。
総会後、扇、野田両氏らは青木幹雄首相臨時代理(官房長官)、森喜朗自民党幹事長、公明党の神崎武法代表らと会談し、連立を組むことで合意した。3党は新たな連立政権協議を4日にも正式にスタートさせる。
設立総会で扇氏は「与党の中で残った政策をきちんと実行したい」と述べ、連立政権にとどまる考えを正式に表明した。
参加議員は衆院20人、参院6人で、自由党所属議員(分裂前は50人)の半数を超え、二階俊博運輸相、中西啓介元防衛庁長官も加わった。野田氏らは総選挙は独自に戦うとしているが、選挙後の自民党との合流に含みを残している。
一方、自由党は衆参計24人と社民党(26人)を下回る勢力に転落、小沢一郎党首の求心力低下が顕在化しており、厳しい党運営を迫られそうだ。
保守党は、政党助成金を受け取れる「分党」とするよう求めているが、自由党は難色を示している。
これに先立って自由党は党本部で全議員懇談会を開き、小沢氏が1日の小渕恵三首相、神崎氏との党首会談の経過を報告した。だが、小沢氏は当初予定していた連立政権離脱の正式表明を見送り、路線問題についての意見集約もしなかった。《共同通信》
【小渕恵三首相】昏睡状態に
都内の病院に緊急入院した小渕恵三首相(62)の病状について青木幹雄官房長官は3日午前11時から記者会見し、脳梗塞と発表した。首相は集中治療室(ICU)に入っており、入院は長期化する見通しだ。青木長官は同日午前、小渕首相の意を受けて首相臨時代理に就任した。小渕首相の入院が長期化する場合、国会の会期が2カ月以上残っている上、7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)、衆院解散・総選挙を控えていることから、進退問題に発展する公算が大きく、自民党内には、後継首相の検討を指摘する声も出始めた。
政府は3日昼、臨時閣議を開き、青木長官が首相入院の経過を報告、首相臨時代理の下、結束して国政に当たることを確認した。河野洋平外相は臨時閣議後、4月22日の太平洋・島サミットまでに首相が職務に復帰できない場合には後継問題が浮上するとの認識を示した。
青木氏は記者会見で、首相の復帰のめどについて「一両日、復帰できない状況と判断し、臨時代理を受けた。短期間で復帰できないと判断した」と述べた。
青木氏は2日夜、首相と会った際、首相から直接「北海道・有珠山噴火対策など一刻もゆるがせにできないので、検査結果によっては(臨時代理の)任に当たるよう指示を受けた」と述べた。
青木氏が2日午後7時すぎに、首相が入院中の順天堂大学付属順天堂医院を見舞った際には「冷静で十分話ができる状態だった」(青木氏)が、その後容体が急変、午後8時ごろにICUに収容されたという。
自民党の森喜朗幹事長ら党幹部は3日午前、党本部に集まり、今後の対応について協議した。公明党も緊急幹部会を開き、今後の対応などについて協議した。自民党内では首相後継としてて河野外相、森幹事長らの名前が取りざたされている。
一方、野党側は民主党が鳩山由紀夫代表、羽田孜幹事長らが「首相辞任」を含め、あらゆる事態を想定して対応していく方針を確認した。《共同通信》
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脳梗塞で都内の病院に入院中の小渕恵三首相は3日、こん睡状態に陥り重篤な容体であることが判明、4日にも内閣総辞職が必至の情勢となった。これを受け自民党は後継首相の選考に入ったが、各派に異論がなく森喜朗幹事長で事実上固まった。森氏の後任には野中広務幹事長代理の昇格が浮上している。公明党は森氏の後継を受け入れる方針を内定した。
早急に事態を収拾し政治空白を避けるため、自民党は党大会に代わる両院議員総会を開き、後継総裁を決定。公明党も党内手続きをとり、週内に国会での首相指名選挙を行い、新首相を選出する運びだ。新内閣には青木幹雄官房長官が留任する方向だ。
一方、自由党から分裂した保守党は自民、公明両党と新たな連立を組むことで合意した。民主党など野党各党は新内閣は国民の審判を受けるべきだとし、衆院解散・総選挙を早期に実施するように迫る。これに対し、与党内には、新内閣発足を受け、主要国首脳会議(沖縄サミット)前に解散するべきとの考えが出ている。
首相の病状について、青木幹雄首相臨時代理は3日午後の記者会見で「首相はこん睡状態で、人工呼吸を行っている。予断は許さない」と述べた。首相は引き続き集中治療室(ICU)で治療を受けている。
首相の公務復帰は絶望的で、青木氏は首相の進退問題について「本人の判断が現状においては非常に難しい」と述べた。小渕内閣は発足以来、約1年8カ月で幕を閉じることになる。
◇
青木幹雄首相臨時代理は3日午後の記者会見で、首相臨時代理の判断で総辞職は可能との認識を示した。小渕恵三首相が脳梗塞のため意識不明の重篤となっており、「首相の判断がなくても臨時代理の権限で総辞職が可能か」との記者団の質問に答えた。
政府関係者によると、総辞職するかは内閣の権限に属し閣議決定が必要。このため、青木臨時代理が総辞職を決断した場合、閣議を招集し、閣僚全体の判断で決めることになる。
憲法70条は「首相が欠けたとき、または総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は総辞職をしなければならない」と規定している。《共同通信》
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小渕恵三首相が緊急入院した事実をほぼ丸一日公表しなかったのに続き、首相官邸は「脳梗塞でこん睡状態」との深刻な病状も13時間にわたって伏せていたことが、3日分かった。
青木幹雄官房長官が同日タの記者会見で釈明したように、「疲労がたたった」程度と思っていた首相の病状が入院後に急速に悪化したことへの動揺、「回復すれば済むことだから、推移を見守っていた」(青木長官)との祈るような気持ちも分からないではない。
しかし常に緊急事態に対応できる態勢を整えておくのが危機管理。有珠山噴火が続く中、首相が自らの力で呼吸する力を失った2日夜から青木長官が臨時代理に就く3日午前まで、「首相不在」の状態を13時間も放置した官邸の対応は明らかな「失態」と言わざるを得ない。
関係者の話を総合すると、首相が体調の不良を訴え、私用車で順天堂医院に入院したのは2日午前1時ごろ。直後に「脳梗塞の疑い」と診断されたが、首相はまだ話をできる状態だったという。未明に連絡を受け、主治医と電話で話した青木長官も直ちに駆け付ける必要はないと判断。正式な検査結果が出るのを待った。
主だった自民党幹部には午前7時すぎ、青木氏から入院の事実が伝えられたが、この日昼、都内のホテルで自由党問題を協議した森喜朗幹事長や野中広務幹事長代理らも「夜には病状がはっきりするので、再び集まろう」と申し合わせただけで散会し、深刻な危機意識はなかったようだ。《共同通信》
【自由党・小沢一郎党首】「早く元気に政務復帰を」
小沢一郎自由党党首は3日午前、小渕恵三首相の緊急入院について記者団に対し「びっくりした。立場は別として早く元気になり頑張ってほしい。首相が長期不在とはいかないだろうが、完全に元気になるまで療養していただいて、回復して政務復帰を願っている」と述べた。離脱問題を話し合う全議員懇談会については「幹事長に任せている」と述べるにとどめた。
1日の3党首会談の際に、首相との間で激論があったとの見方については「連立政策合意について『自分もあんたと同じ考えだが、大きな政党なので思いのままにできない』という本音の話もあった。30年間の思い出話をしたり、お互いにごまかしなしに話した」と説明した。
さらに「ただ倒れて入院したと聞いて、なんだかあまりに本心をさらけ出して話したから余計に…。こんな状態になり、本当に心配している」と言葉を詰まらせ、涙ぐんでいた。《共同通信》
【この日の民主党】
[有珠山周辺災害対策本部]金田、小川両議員が避難生活を調査
民主党の有珠山周辺災害対策本部の金田誠一副本部長(衆院議員)と小川勝也事務局次長(参院議員)はじめ、平出洋子北海道議、岡田俊之前道議らは3日、避難所での生活実態を調査するため虻田町からの避難住民を受け入れている長万部町を訪れた。
視察団に現状を説明した加藤大明町長は、(1)現在7カ所に1281人が避難している(2)7カ所とも暖房設備はあるが、入浴は1カ所のみ。町内の温泉に200円で入れるようにした(3)これからは子どもの教育が問題になるだろう(4)長引けば、いまの避難場所では不便。仮設住宅なども考えておかなければならないと思う――などを報告。
訪れた3カ所の避難所では、次のような切実な声が視察団に寄せられた。「食事などの心配はない」「避難所ごとに自治会を作り、自主的なルールのもとで生活している」「自宅や職場の情報が入ってこない。心配、不安。30分でも家に帰って必要なものを取ってきたい」「野菜や生花などを栽培しているが水もやれない。全滅が心配だ」「ホタテの養殖をやっているが、いま手入れしないと全滅する。1日3~4時間でいいから仕事をしたい」。
対策本部では連日会議を開き、関係省庁からのヒアリングや現地視察の報告、今後の取り組みなどについて協議をしている。《民主党ニュース》
【マイクロソフト】独禁法違反訴訟で敗訴
世界最大のソフトウエアメーカー、マイクロソフトに対する米独占禁止法(反トラスト法)違反訴訟でワシントン連邦地裁は3日、「反競争的な方法でインターネット市場の独占を図ろうとした」と、反トラスト法違反を認定する同社敗訴の判決を言い渡した。
同社のビル・ゲイツ会長は直ちに控訴方針を表明、裁判は長期化が必至の情勢となった。
ソフト市場で急成長を続け、「強い米国経済」の象徴的な存在である同社の事業戦略に「違法」の司法判断が下ったことは、世界のハイテク産業の動向にも大きな影響を及ぼしそうだ。
判決は、マイクロソフトが世界のパソコン基本ソフト(OS)の市場占有率90%という地位を利用し、反競争的な方法で独占力の維持を図ろうとしたと認定。
さらに同社のOSであるウィンドウズとインターネット閲覧ソフトを抱き合わ世販売し、急成長が見込まれるインターネット市場での支配力を強めようとしたと結論付け、同社の企業戦略の違法性を浮かび上がらせた。
ただ同社がライバル企業のインターネット閲覧ソフトを排除するため、パソコンメーカーなどに違法な契約を強要したとする司法省の主張は退けた。《共同通信》