平成5171日目

2003/03/06

この日のできごと(何の日)

【米・ブッシュ大統領】イラク攻撃の決定間近

ブッシュ米大統領は米東部時間の6日夜、ホワイトハウスで記者会見し、国連安全保障理事会での新たな対イラク攻撃容認決議案について「数日間」で表決にかける意向を表明、「外交努力は最終局面にある」と明言し、開戦決定が追っていることを強く示唆した。

大統領は「安全保障に関して米国は誰の承認もいらない」と述べ、同決議案が否決されても攻撃に踏み切る方針を強調。「イラクを武装解除し、政権を交代させる」と語り、フセイン政権打倒が目標であることを明言した。

国連査察団の査察報告が予定される7日を翌日に控えた会見は、イラクの武装解除の必要性を内外に訴え、ロシア、フランスなどが唱える反戦の国際世論に大綱して米国の結束を高めることを狙ったとみられる。

大統領は、同決議案について「投票を求める。各国がフセインをどう見るのか、手の内を明かす時だ」と述べ、フランス、ロシアなどに拒否権を行使させることも辞さない姿勢を強調した。

また、フセイン政権が生物、化学兵器を隠匿、12−24時間ごとに兵器を移動させたり、イラク科学者を脅して「意図的な偽装」を行い、国連査察を欺いていると非難。「フセインは武装解除していない」と強調した。《共同通信》

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【スキー・木村公宣選手】現役引退を表明

アルペンスキーの日本のエースとして長く活躍した木村公宣(ロシニョールジャパン)が若手の台頭と滑りに満足ができなくなったとして6日、今季限りでの引退を表明した。長野県志賀高原で8日に行われるワールドカップ(W杯)男子回転が最後のレースになる。

32歳の木村は1992年アルベールビル五輪から4大会連続で五輪に出場。W杯では長野五輪直前の98年1月に男子回転で3位となった。しかし、同年3月に右ひざ靭帯断裂のけがをしたことと、カービングスキーへの取り組みが遅れて低迷、腰痛にも悩んでいた。《共同通信》

【参院予算委員会】

小泉純一郎首相は6日午前の参院予算委員会で、イラク問題に関連して「12年間も(国連安保理決議を)無視してきたのだから時間稼ぎをすれば切り抜けられる、という誤ったメッセージを与えるべきではない」と述べ、武力行使も選択肢に入れた国際的な力をかけるべきだ、との考えを示した。

首相は「(イラクが)最後の機会を生かしていないという決議が出たとたんにこれまで協力してこなかった部分を小出しにしてきた。圧力が若干効いてきている」と指摘。イラクの国連安保理決議違反を確定する英米両国とスペインによる新決議を評価した。《共同通信》

川口順子外相は6日午後の参院予算委員会で、イラクに対する武力行使の是非をめぐり国際社会の対応が分かれていることに関連し「フランス、ドイツ、ロシアが武力行使をしてはいけないと言ったことが、いかにイラクに間違ったメッセージを送っているかということだ」と述べ、武力行使に慎重なフランスなどの対応を批判した。

小泉純一郎首相は米、英、スペインの提出した新決議案について「査察に協力しない限り、場合によっては戦争に入らざるを得ないとイラクに自覚を促すということにおいて、私はこの決議案を理解し、支持している」と表明した。《共同通信》

【この日の民主党】

「労働行政疑獄に発展か」坂井議員事件めぐり野田国対委員長

民主党の野田佳彦国会対策委員長は6日、自民党の坂井隆憲衆議院議員について政治資金規正法違反容疑で逮捕許諾請求がなされたことについて「一坂井疑惑ではなく、労働行政に関わる疑獄に発展しかねないテーマだ。一連の人材派遣に関わる規制緩和の流れの中で今回も労働基準法改正案が提出されているが、特に96年以降、こうした労働行政に絡んでどういう政治的動きがあったのかということを、党内の疑惑解明プロジェクトチームなどで十分に検証していきたい」との考えを表明した。

衆院議運委は夕刻に秘密会を開催し、法務相らから被疑事実、捜査経過、逮捕を必要とする事由などの説明を聞いた上で、7日に各党が意見表明し、許諾するかどうかを議決する。議運委で許諾が議決されれば、同日午後の衆院本会議で坂井議員の逮捕が許諾される見通し。

野田国対委員長はまた、5日の参院予算委で民主党の直嶋正行、高嶋良充両議員の質問に対し、小泉首相が開き直ったり、塩川財務相が「逆切れ」、さらに川口外相が不適切な比喩を用いて答弁したことなどについて、「少し緊張感が緩んでいるように思う。参院で頑張ってもらう話だが、もう少し気迫のこもった質疑になるようにしなければいけない」とコメント。特に小泉首相が「世論に従って政治をおこなうと間違うこともある」と答弁したことについては、「世論によって生まれた自民党総裁・総理大臣としては完全に自己否定の話だ。イラク問題について世論形成をするための説明責任を果たしていないところが問題であり、ブレア首相があれだけ懸命に議会やお茶の間に向けて必死に説得し、それでもなかなか理解が得られないのと全く好対照」と述べ、小泉内閣の姿勢を厳しく批判した。

「坂井議員は自ら議員辞職すべきだ」岡田幹事長

民主党の岡田克也幹事長は6日午後、自民党の坂井議員について政治資金規正法違反容疑で逮捕許諾請求がなされたことについて、「速やかに許諾を議決すべきだ。同時に坂井議員は議員を自ら辞職するべきだ」と表明した。岡田幹事長はまた、「裾野が広い第二のリクルートのような事件なのではないか。根の深い問題だ」との見方を示し、坂井議員と同様の立場にあった自民党議員についても問題がないかを調査する考えを表明した。

坂井隆憲議員の逮捕許諾請求を受けて(談話)

民主党幹事長 岡田克也

東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で東京地裁に坂井隆憲衆議院議員の逮捕状を請求したことを受け、内閣は本日、衆議院議長に対して坂井議員の逮捕許諾請求を行った。

現職国会議員に対する逮捕許諾請求という事態に至ったことは極めて遺憾であり、国会として速やかに手続きを進めて全会一致で許諾を議決すべきである。同時に、坂井議員は直ちに議員を辞職すべきである。

この度の事件については、なぜ巨額の資金が提供されていたのか、坂井議員だけにとどまるものなのかなど、不明な点が多い。事件の背景などを含め、国会の場で全容解明に全力を挙げたい。

自民党にとっては、昨年の鈴木宗男議員に続き、同党所属であった議員に対する逮捕許諾請求であり、あらためてその金権腐敗体質が浮き彫りとなった。にもかかわらず、相変わらず他人事を決め込み、自ら約束した政治資金規正法の改正強化すら実現できない小泉総理の責任は重大である。

民主党は、大島農水大臣の疑惑、自民党長崎県連事件、小泉総理自身にかかわる疑惑をはじめ、次々に明らかになる自民党の疑惑を厳しく糾していくとともに、4党で共同提出している、公共事業受注企業等の政治献金禁止を柱とする「政治資金規正法改正案」の成立に全力を挙げていく。

持続的養殖生産確保法改正案を提出

民主党の本田良一、小川勝也、和田洋子の各参議院議員は6日午後、参院事務総長を訪れ、「持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案」を提出した。

「持続的養殖生産確保法」は、水産庁が養殖業者や漁協を支援する趣旨で作った法律。しかしこの法律は、現在深刻化している海域の化学物質汚染への歯止めがなく、化学物質の使用による消費者への影響のモニタリングなども盛り込まれていない。

今回の改正案は、このような現行法を、環境重視、消費者重視の立場から養殖生産に対する規制法に衣替えするものであり、違反者には刑罰を課すなど、実効性を持たせている。

ALS患者の代筆・郵便投票制度実現に向けヒアリング実施

民主党のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者等の参政権を確保するためのプロジェクトチームは6日、「代筆・郵便投票制度創設のための公職選挙法改正案」の提出にむけ、国会内において公開ヒアリングを行った。ヒアリングでは、8年前から闘病生活を続けるALS患者の佐々木公一さんから意見を聴取。プロジェクトチーム座長の谷博之参議院議員、事務局長の阿久津幸彦衆議院議員をはじめ、堀込征雄衆議院議員、山本孝史、堀利和両参議院議員が参加した。

ALSは、脳の命令を筋肉に伝える神経細胞が侵され、次第に全身の筋力が低下し、自力では起き上がれなくなり、症状が進むと言葉を発することも飲み込むことも、まばたきさえもできなくなる疾患。しかし、意識や五感は最後まで正常で、知能の働きも変わらない。

プロジェクトチームでは「外出できない原告らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは憲法違反といわざるを得ない」とした昨年11月の東京地裁での判決を踏まえ、自ら判断し、投票意思も充分にあるALS患者等の選挙権行使の機会を確保するため、代筆による郵便投票の導入を目指し検討を重ねてきた。改正案では自ら投票の記載ができないことの証明として身体障害者手帳等の提示を義務づけ、代筆者にはALS患者等と同居する親族を想定。公正の確保に向け、罰則での担保を規定している。

まばたきでしか意思表示できない状態となっている佐々木さんの思いをしたためたペーパーを妻の静子さんが代読。「たくさんの人びとの命がけの願いである選挙権問題、一日も早い具体的解決を切に希望するものです」と訴え、またヒアリング後も「できるだけ早く実現していただきたい。患者の魂の叫びです」と静子さんを通じてまばたきで思いを伝え、早期実現を求めた。

法案は3月中に議員立法として提出する予定。《民主党ニュース》



3月6日 その日のできごと(何の日)