平成6850日目

2007/10/10

【民主党・小沢一郎代表】鎮圧より生活の安定化こそが求められるテロ対策

小沢一郎代表は10日午後、党本部で定例会見し、「我々の主張を法案にして出すかどうか検討しなくてはならない」と述べ、インド洋での海上自衛隊による給油活動継続のために準備されているとされる新法案に対し、政府・与党の動きを見て国民にわかりやすい形で民主党の考えを示し、対応していく考えを改めて示した。

また、同日発行の『世界』11月号(岩波書店)において、「政権をとった際にはISAF(国際支援治安部隊)への参加を実現したい」とした記述に関して記者団から問われたのに対しては、まず党としての見解であり、政権政策の基本方針(政策マグナカルタ)や参院選マニフェストでも示していると説明。同時に、派兵以外の貢献も考えられるのかとの問いには、「軍事面よりもはるかにその他の貢献の方が、日本にとってふさわしいやり方だと思うし、世界の国々もそれを期待している」と回答。「戦争の原因は貧困にある、国民生活が安定すればタリバンも、アルカイダもいなくなる。武力によって民を治めるとはできない」と強く訴え、それが自らの基本的な信念であり、先の参院選で「国民の生活第一に、それを安定することが政治の大きな役割だ」と主張したとおり、民主党の共通認識であると表明。国際社会における日本の役割の大部分がそのことにつきると思うとも語った。

軍隊の海外派兵に関しては、「アメリカに言われたから一翼を担うということは、国際社会の総意でも日本人の総意でもない」と説明したうえで、国際社会の平和活動という場合には国際社会の一員として参加が必要だと指摘。「しかし、それはあくまでも軍事作戦、海外派兵ではなく、共同した行動にわれわれが参加するという明確な原則、原理を内外に鮮明にすべきだと考えている」として、国際安全保障の原則確立の必要性を指摘した。

さらに、「今のISAFの治安維持活動は疑問である」と表明。「政治の役割を取り違えてはいけない。不心得者への鎮圧は必要だが、本当にテロのためにやらなければならないことはみんなが安定して食っていけるようにすること」だとし、民生支援の重要性を重ねて強調した。《民主党ニュース》




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【富山地裁】冤罪で2年服役した男性に「無罪」判決

富山県氷見市の元タクシー運転手柳原浩さん(40)が同県警に婦女暴行と同未遂の2件の容疑で誤認逮捕され服役した冤罪事件の再審判決が10日、富山地裁高岡支部であった。

藤田敏裁判長は、「被告が犯人でないことは明らか」と、求刑通り無罪を言い渡した。富山地検高岡支部は同日、地裁高岡支部に上訴放棄を申し立て、無罪が確定した。柳原さんは2002年4月に逮捕されて以来、5年半が過ぎて冤罪が晴らされた。

判決で、藤田裁判長は02年1月と3月に起きた婦女暴行・未遂事件の犯行現場の足跡は、松江市の無職男(52)(婦女暴行致傷罪などで公判中)のものだったと指摘。犯行時間帯に柳原さんが自宅から電話をかけていた通話記録があることなども挙げ、柳原さんの犯行ではないと認定し、02年11月に懲役3年を言い渡した地裁高岡支部の原審を取り消した。《読売新聞》

【プロ野球・ヤクルト】高津臣吾投手に戦力外通告

プロ野球ヤクルトは10日、高津臣吾投手(38)に戦力外を通告した。球団広報によると、今後については「考えたい」と話したという。11日に記者会見する予定。高津は今季、精彩を欠く投球が続き、0勝5敗13セーブ、防御率は6.17に終わっていた。《サンスポ》

【神奈川県警】自殺サイトに投稿した女性を殺害、33歳電気工逮捕

自分が開設した携帯電話の自殺サイトで知り合った女性(21)を殺害したとして神奈川県警捜査1課は10日、千葉県市原市、電気工、S被告(33)=麻薬及び向精神薬取締法違反罪で起訴=を嘱託殺人の疑いで再逮捕した。女性から殺害の数日前に報酬として20万円がS容疑者の口座に振り込まれていたという。《毎日新聞》

【福田康夫首相】初の外遊先「まずは米国」

福田康夫首相は10日夜、就任後初めてとなる外遊先に関し「やぱり日米関係。日本外交の基軸だから、まずは米国と外交だ」と述べ、訪米を最優先する考えを表明した。官邸で記者団に答えた。

これに関連し、町村信孝官房長官は10日夕の都内での講演で「たぶん最初に訪問するのは米国になる。11月中に行けるように準備したい」と述べ、12月の首相訪米で調整する意向を示した。

また首相は「もちろんアジアも大事だ。アジアとの外交を進める上でもしっかりした日米関係が重要だ。その上でアジアの国々も訪問したい」と強調した。《共同通信》

【この日の民主党】

[衆院予算委]菅代行、教科書検定、インド洋上の給油実態追及

菅直人代表代行は10日午前、衆議院予算委員会で質問に立ち、福田首相らに対し、沖縄戦で日本軍が集団自決を強制したとの記述が削除された教科書検定問題、農林業政策のあり方、テロ特措法に基づくインド洋上の補給活動の実態等に関して議論した。

菅代表代行は教科書検定問題に関して、自らも参加した9月29日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の印象を踏まえ、同大会で示された沖縄の意思、採択された「教科書検定意見の撤回と記述の回復を求める」決議をどうとらえるか首相の認識を質した。首相は「極めて悲惨な戦いであったことは承知している」などとしたが、「検定意見の撤回と記述の回復」への対応については明言を回避。菅代表代行が重ねて、「教科書の内容について直接、政治が力を及ぼすのは望ましいことではない」と述べ、そうした認識を踏まえて民主党が提示している「教科書検定の見直しを求める国会決議案」の採択を迫ったが、首相はあくまでも自らの考えを明らかにしなかった。菅代行は重ねて、文部科学省の政治介入が垣間見える教科書検定のやり直しを強く求めた。

続いて菅代表代行は民主党農林漁業再生プランを取り上げ、参院選のマニフェストでも示した民主党の農業政策に関して、2点を大きな目標として設定していることを首相に説明。(1)「戸別所得補償制度」の創設により、安定営農を実現し、農山村地域で子どもを産み育てられる環境を整え、地域再生につなげて行くこと、(2)自給率の向上につなげる農業の実現――を柱としているとした。同時に、4ヘクタール以上の大規模農家のみを対象とし、小規模農家を切り捨てる自民党農政とは相反することも明らかにした。こうした主張に対して首相は、抽象的すぎてわからない、農業だけで地域がよくなるわけではないなどとする認識を示し、二世議員特有の生活実感のなさを浮き彫りにした。菅代表代行はまた、自民党農政は、農業土木重視で税金のムダづかいを重ねてきただけで、何ら地域活性化には繋がっていない現状を指摘し、民主党が示す「戸別所得補償制度」こそが、有益な税の使い方であるとした。

菅代表代行はさらに、インド洋での海上自衛隊の補給活動に関し、米国側に提供した燃料がイラク戦争目的に転用されたとされる疑惑を追及した。首相は官房長官当時、03年2月の海上自衛隊補給艦から米補給艦への提供燃料が80万ガロンだったにもかかわらず、5月の会見で20万ガロンだと明言。「問題の燃料はキティホークの一日の燃料消費量にあたる20万ガロン、補給をしたのが2月下旬で、ペルシャ湾に行くまでずいぶん間があり、イラク関係のことで使われることはありえない」とも発言していた。首相は、「データの取り方に間違いがあった。お詫びする」と陳謝したが、菅代表代行は、同年5月、当時の石破防衛庁長官が「イラクとの戦争に使われていたということになるとテロ特措法に反する」と発言していることも踏まえ、データの間違いを陳謝すれば済むことではなく、給油活動に関する誤った実態認識を根拠に、テロ特措法の延長の手続きをとった政治責任こそが大問題であると指摘した。

政治とカネの問題解決へモラル回復求める 馬淵議員

馬淵澄夫議員は衆議院予算委員会において10日午前、福田首相をはじめ担当大臣に対して、(1)農業共済(農業災害補償制度)(2)福田首相の政治姿勢(3)福田首相の政治とカネにめぐる問題――等を中心に質した。

はじめに、遠藤前農林水産大臣が農業共済組合連合会会長を務めていた問題について、政治とカネの問題の象徴的な事例として紹介。本来、農家の安全安心を趣旨とする農業共済が、選挙時の集票マシーンになっている実態を明かした。そのうえで、補助金を出す立場である政権与党の議員が受給団体の会長を務めるという歪んだ構図により、不正が見逃されていると指摘。福田首相に対して、税金ムダつかい一掃に向け、制度、構図の欠陥を改めるよう求めたが、消極的な答弁に終始した。

次に、福田首相の父である福田赳夫元首相の「政治は最高の道徳である」の言葉を引用しながら、その継承者として初当選以来政治のモラル回復を旨としてきたとする首相の政治姿勢を質問。頻発する閣僚の政治とカネの問題について、首相は「説明責任を果たせない場合は閣外に去っていただく」との安倍前総理の方針を引き継ぎ、「信頼回復に向け自らを厳しく戒める」と明言した。

しかしながら、馬淵議員が首相自身の献金と選挙の関係について、政治団体の会計責任者がオーナーを務める会社から選挙前に献金を受け、さらにその会社が国の公共事業を受注していたことにも言及、公職選挙法に抵触する可能性も示唆すると、「自らを戒める」姿勢は一転。「そのような事実は知らなかった。不正するつもりはまったくない」として、故意でないことを必死に主張、説明責任は全く果たされなかった。

馬淵議員は、福田首相の豹変ぶりに「現内閣では『私は知らない』で全部逃れられるのか」と批判。「自粛自戒は空虚であり、砂上の楼閣である」と呆れ、最後に「国民を裏切ることのないように望む」と求めた。

公共事業、天下り随意契約、地方の多重行政のムダを突く 前原副代表

前原誠司副代表は、10日衆議院予算委員会で、公共事業、天下り随意契約、地方における政令指定都市と道府県の多重行政のムダを省くよう求めた。

冒頭、前原議員は、日本の現在の最大問題として財政赤字、少子高齢化・人口減少社会を挙げ、財政再建は与野党を超えて取り組むべきことだとした上で、前向きの答弁を求めた。

まず、熊本県の川辺川ダム建設の問題を取り上げ、改正河川法の趣旨に従って、住民に十分な情報公開を行い、その意見を聞いて見直すよう求めた。冬柴国土交通相は、治水の観点からダムは必要と答えた。福田首相は、「住民に情報公開を進めながら進める」と答弁した。

川辺川ダムでは、すでに、電源開発、農業用水の利水目的は失われ、なおかつ、当初予算見積もり350億円が、本体工事着工前にもかかわらず、2043億円もつぎ込まれており、また、地域住民もダムによってかえって水害の危険性が増すと訴えている。

次に、前原議員は、国土建設省の各地方整備局が公益法人・建設弘済会への発注実態を示し、競争入札といいながら、実際には随意契約となっていること、民間からの弘済会への出向者が職員の約半数を占めていること、地方整備局のOBが天下っていることを指摘。

その上で、「落札率が99%。犯罪行為ではないか。出向者が多いというのは(人材育成を怠っており)能力のない人がいること」だとして、廃止を迫った。さらに、すべての公益法人を点検・精査し、結果を国会に報告するよう求めた。首相は、廃止については答えず、「透明化を高めるのは大事なこと。各担当大臣が責任をもって取り組むことを期待」と答えた。このため、前原議員は、「期待ではなく、指示を」と求めた。首相は、「こう言えば、指示したのと同じ」と答えた。

さらに地方における、多重行政について、政令指定都市に権限が道府県から移譲されているにもかかわらず、県職員数が減っていないこと、政令指定都市選出の道府県議も他の地域と同じ人口比で定数が決まっていることを挙げ、「市町村合併の行政効果が上がっていない」として、「こうした分野でも知恵を絞れば、我々が参議院選挙で示した15.3兆円はできる」と指摘した。

最後に、前原議員は、対北朝鮮外交について、安倍路線から転換するよう求めた。首相は「包括的に取り組む」と抽象的に答弁した。

岡田副代表、給油活動、地球温暖化対策などを質問

岡田克也副代表は10日午後、衆議院予算委員会で、インド洋における補給活動、地球温暖化対策、政治資金規正法改正について福田首相らの見解を質した。

冒頭、岡田副代表は、午前中の菅代表代行の質疑を補う形で、海上自衛隊のインド洋における補給活動について、福田首相、石破防衛大臣、高村外務大臣に質問。福田首相が官房長官当時、給油量を20万ガロンと発言した問題については、事実関係を明らかにした上で国会へきちんと報告するよう求めた。

また、初年度に海上自衛隊の行った給油10万4千キロリットルのうち、94%は他国の補給艦に対する間接給油だったと指摘、「テロ特措法を作った趣旨から見ると相当問題がある」と見解を述べた。

自衛隊を海外に出すにあたっての原理原則を定義して「歯止め」とした法制定時の取り組みを説明し、この間の給油給水活動の評価や新法の枠組みづくりについては、必要な情報を知り得た上での議論が必要だとした。

地球温暖化対策については、世界の温室効果ガス削減目標を示して、2008年の洞爺湖サミットの議長国日本の役割を質問。すべての国が参加する仕組みづくりが重要で、調整役に徹するなどとした鴨下環境相に対して「数値目標ない中では説得力が無い」と追及。排出権取引や環境税導入など、京都議定書の目標達成のための施策について福田首相、甘利経産相にも質問した。

さらに政治資金規正法改正について首相の見解を求めた。福田首相は、全ての支出について領収書を添付し、第三者機関が確認するなどと骨格を示したが、国会議員以外の政治団体を含むかなどについては協議が必要とした。岡田副代表は「これだけ政治不信を招いてしまった現状では、すべて公開というところまで思い切らざるを得ないのではないか」と首相の決断を促し、民主党案の準備はできていると表明した。《民主党ニュース》



10月10日 その日のできごと(何の日)