平成6179日目
2005/12/08
【この日の小泉総理】
ヨルダン国王との会談
平成17年12月8日、小泉総理は総理大臣官邸で、ヨルダン王国のアブドッラー・ビン・アル・フセイン国王陛下と会談を行いました。
会談では、テロとの闘い、イラク関連政策などについて話し合いが行われました。
冒頭アブドッラー国王から小泉総理に対して先の選挙での勝利に祝意を表したうえで、「日本がイラク、中東で役割を果たすことを期待します。」と述べました。小泉総理からは、先般のアンマンでのテロ事件について、犠牲者に対して改めて弔意の表明がありました。
また、イラクの復興について小泉総理から、「ヨルダンの協力が不可欠であります。国王とも協力していきたい。」と述べました。これに対して国王から、日本が行なっているイラクでの支援について評価した上で、「ヨルダンとして協力することがあれば大変光栄です。選挙に関しては、シーア、スンニ、クルド各派がバランスのとれた形で行なわれる必要があります。各派の穏健派多数が選挙に参加することが重要です。そのことによって穏健な議会ができ、穏健な政府ができる。このようになればイラク復興の将来展望が開ける。」と述べました。
最後に小泉総理から国連改革に関して、ヨルダンが日本の提案に対して支持していただいていることに謝意を表明。国王からは、「日本が国際社会においてより強いプレゼンスを示すことを支持しています。」と述べました。《首相官邸》
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【ジェイコムショック】
8日の東京株式市場で、東京証券取引所の新興企業向け市場マザーズに同日上場した総合人材サービス業ジェイコムの株式に対し、みずほ証券が誤って大量の売り注文を出し、みずほ証券に現時点で270億円の含み損が生じた。この影響で、日経平均株価(225種)が300円以上、急落するなど市場が大混乱した。
みずほ証券や東証によると、同日の取引開始直後、顧客の投資家から受託したジェイコム株の売買注文のコンピューターへの入力を誤り、「1株61万円で1株」の売り注文を出そうとして、「1株1円で61万株」の売り注文を出してしまい、誤入力を警告する画面も無視した。直後の1分25秒後に誤りに気付き、注文取り消しの指示を3回入力したが、作動しなかった。
ジェイコムの発行済み株式総数は1万4500株しかなく、みずほ証券の売り注文はこの42倍に相当する。
ジェイコムの株価は、67万2000円の初値をつけた後、急落し、値幅制限の下限(ストップ安)にあたる初値より10万円安い57万2000円まで値を下げた。
みずほ証券は、注文取り消しに失敗した後、ジェイコム株の買い戻しを進め、大部分は買い戻したという。株価は値幅制限の上限(ストップ高)にあたる同10万円高の77万2000円まで上昇し、取引を終えた。《読売新聞》
【民主党・前原誠司代表】集団的自衛権「改憲し行使を」
訪米中の民主党の前原誠司代表は8日、ワシントン市内の戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、集団的自衛権行使のための憲法改正、シーレーン防衛への責任分担の必要性を強調したほか、日米中三カ国の包括対話も提唱するなど、政権担当能力をアピールした。
前原氏は9月の総選挙について「自民党ブームといわれたが民主党と自民党の得票数はほぼ同じで、二大政党制は定着した。政権交代の可能性は常にある」と指摘。また、「日米パートナーシップの進展を外交政策の根本におく」と述べ、米国との同盟を重視する姿勢を強調した。
一方、憲法上行使が認められないと解釈されている集団的自衛権について、「第三国からミサイルが発射されたり、周辺事態に想定される状況に至ったとき」を想定し、憲法改正し、行使を可能にすべきだと主張した。
シーレーン防衛についても「死活的に重要で、千カイリ以遠を米国に頼っているが、日本も責任を負うべきだ」と語った。
前原氏は、中国には「対話と関与、そして抑止の両面で対応すべきだ」と述べ、エネルギーや環境問題などで中国と対話する必要があるとし、首脳間の交流が行われていない現状を批判した。そのうえで、「中国を平和的パートナーとして経済発展を促し、国際社会に関与させていく役割を日米両国は担うべきだ」として、包括対話の実現を模索すべきだとの考えを示した。《産経新聞》
【民主党・前原誠司代表】中国の脅威を強調
民主党の前原誠司代表は8日午後(日本時間9日午前)、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、中国の軍事力増強について「現実的脅威だ」と指摘した。さらに、東シナ海でのガス田開発問題に関しては「毅然(きぜん)とした対応をとることが重要だ。中国が既成事実の積み上げを続けるなら、係争地域での試掘を開始せざるを得ない」と述べた。前原氏は12日から中国を訪問するが、発言が中国の反発を呼ぶ可能性もある。《毎日新聞》
【政府】“イラク自衛隊派遣”1年延長を決定
政府は8日午後の臨時閣議で、自衛隊のイラク派遣を1年延長するため、イラク復興支援特別措置法に基づく新たな基本計画を決定した。昨年12月に続く再延長となる。小泉純一郎首相は臨時閣議後に記者会見し、自衛隊の撤退時期に関し「英、オーストラリア両政府と緊密に連絡を取り、現地の治安状況を考えながら適切に判断したい」と述べ、期間内の撤退を探る考えを表明した。《共同通信》
【この日の民主党】
「自衛隊派遣の1年間延長、3つの視点から反対」鳩山幹事長
鳩山由紀夫幹事長、松本剛明政調会長は8日午後、米国訪問中の前原誠司代表に代わって首相官邸で行われた党首会談に臨み、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣を1年間延長する基本計画の変更に関して小泉首相と議論した。
会談後に鳩山幹事長は記者団に答え、「小泉総理からイラクへの自衛隊派遣延長に関して、1年間の延長をしたいので認めてほしいという要請があった。それに対して反対の趣旨で思いを述べた」と主張。そもそもの基本認識として、閉会中ではなく、国会を開いて議論すべきであるとの考えを鳩山幹事長は示し、「国民のみなさんに説明責任を果たすべきだということを申し上げた」と強調。米国内においてさえもイラク戦争の大義が疑問視される状況下での1年間延長に関して、3つの視点から反対したことを明らかにした。
反対した第一の視点として鳩山幹事長は「自衛隊の役割自身がもはや終えたのではないか」と述べ、自衛隊の主活動とされた給水活動はすでに終了し、建築物の修理なども地元のイラク人に委ねる形に移行している実態を指摘し、「役割自身が終わっている」と語った。
第二点目としては「『非戦闘地域』という虚構がつくられたが、現実は額賀防衛庁長官がイラクへ行かれた直後にも投石騒動が起きたり、決して治安が安定しているとは言えない」と指摘。そうした状況下での自衛隊活動に関して「もはや適当ではない」と強調した。
第三点目としては、英軍、豪軍が来春5月ごろの撤退を表明していることを問題視した。「すなわち非戦闘地域であるけれども他国に守られながら行動せざるを得ない自衛隊の環境のなかで、実際にイギリス、オーストラリア軍が撤退するということになった場合、どうやって1年間、活動ができるのか」と語った。同時に、撤退までには行政調整に3カ月+物理的に3カ月=計6カ月かかるとの認識を鳩山幹事長は示したうえで、「5月ぐらいにイギリス、オーストラリア軍が撤退するという話であれば、(撤退の判断をするのは)まさに今ではないか」と語り、現在はむしろ「撤退」の判断時期であり、延長には賛成しかねると首相に伝えたことを明らかにした。
首相は「1年間の延長期間の途中で撤退することもあり得るし、また1年後の再延長もあり得る話ではある。そのどちらになるかは全くわからないし、撤退の条件が整えば撤退する。それは適切に考える」などと表明。しかし、鳩山幹事長が「撤退の条件」について重ねて質したのに対し、あくまでも明言を避けた。
サマワ以外の任務はあるのかとの問いには「考えていない」と首相は回答したが、「別の国でも(支援活動を)やってくれと、例えばアメリカなどから言われた場合は」との問いには、「それは協議はする。協議してからでなければ決める話ではない」とのやりとりがあった。
出口戦略なき小泉首相の姿勢を批判 イラク問題めぐり鳩山幹事長
鳩山由紀夫幹事長は8日午後、党本部で記者会見を開き、会見の前に行われた党首会談の内容について詳細に説明したほか、議員年金廃止問題などについて所感を述べた。
鳩山幹事長は、イラクへの自衛隊派遣延長問題に関する党首会談の内容について、冒頭で詳細に説明を行った。その上で鳩山幹事長は、こうした重大な問題については、「国民への説明責任を果たすために、しっかりと国会を開いて議論すべきだ」と強く主張したことを紹介。そもそもイラク戦争自体に反対し、給水など自衛隊の任務がほぼ終了している実状の中で、派遣延長すべきでないとの民主党の従来からの考え方を説いたことを明らかにした。
これに対する小泉首相の姿勢は、「われわれの意見を聞き置く、という感じだった」と鳩山幹事長は述べ、1年間で撤退を決めている話ではない、条件が整えば撤退する、などと首相が述べたことも明らかにした。そして、「結局、1年間延長すると決めたけれども、どういう状況になったら撤退するのかという出口戦略については、明確に見えなかった」とし、「今がその時期ではないか」として「即刻、撤退をすべきだ」と改めて強調した。
また鳩山幹事長は、議員年金廃止の問題に関して、「小泉首相の考え方がどうも二転三転している」ことを厳しく指摘。与党案でなく、明確に議員年金廃止をする民主党案に乗るように発言しておきながら、今日になってその姿勢を転換した小泉首相を、「どうも口先ばかりで理念がない」と批判した。その上で鳩山幹事長は、「国民の皆さま方にとって、年金へのご不満は大変高い」として、党利党略ではなく、国民の立場から政治を行う立場から、民主党案の正当性を改めて強調した。
また、前原代表に対して小泉首相サイドから大連立構想が持ちかけられたとの一部報道があることに関して鳩山幹事長は、「全く承知をしている話ではない」とした上で、「そのような方向に乗ることは断じてない」と改めて強調した。《民主党ニュース》