平成4715日目

2001/12/05

この日のできごと(何の日)

【野村沙知代氏】脱税容疑で逮捕

プロ野球阪神タイガース野村克也監督(66)の報酬の一部や、自分が経営する会社の所得など計5億7000万円余を隠し、約2億1000万円を脱税したとして、東京地検特捜部は5日、所得税法違反と法人税法違反の疑いで、野村氏の妻沙知代容疑者(69)を逮捕した。特捜部は野村氏からも事情聴取したが、所得はすべて沙知代容疑者に管理され、脱税を知らなかったことから、関与はなかったとみている。

野村氏は6日未明、兵庫県西宮市の球団事務所で記者会見し、監督辞任を表明した。

沙知代容疑者は親族に口裏合わせを迫ったり、代理士に経費水増しを要求するなど極めて悪質な所得隠しと判断、逮捕に踏み切った。沙知代容疑者は大筋で容疑を認めているもようだ。

調べによると、沙知代容疑者は架空の給与を計上したり、個人的な経費をつけ回すなどして2000年3月までの3年間に、コンサルタント会社「ノムラ」と運動用具輸入会社「デイーアンドケイー」(いずれも東京都世田谷区)の所得計約3億8400万円を脱税し、法人税1億2900万円を脱税。

さらに自分個人の所得についても1999年までの3年間に衣装代を水増しするなどして計約1億4000万円を隠し所得税約6400万円を免れたほか、野村氏の同年までの所得約4500万円を隠し所得税約2000万円を逃れた疑い。

脱税した金は、自分や家族名義の定期預金、株の購入などに充てていた。

沙知代容疑者はこれまでの調べに「税金のことは税理士に任せていた。申告書を書いたのは税理士で、内容をわたしは知らない」と説明。しかし税理士側は「沙知代容疑者から『領収書はわたしの頭の中にある。言うとおりにしなさい』と経費水増しを指示された」と脱税工作を認めているという。《共同通信》

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【第30回ベストドレッサー賞】授賞式

おしゃれな有名人に贈られる第30回ベストドレッサー賞(社団法人日本メンズファッション協会主催)の授賞式が5日、東京都内のホテルであり、米大リーグ・メッツの新庄剛志選手ら6人が選ばれた。30回記念のグランドベストドレッサー賞も設けられ、過去の受賞者からサックス奏者の渡辺貞夫さんが輝いた。

今年を代表するベストドレッサーに選ばれたのは、ほかに女優米倉涼子さん、歌手平井堅さん、指揮者佐渡裕さん、宇野康秀有線ブロードネットワークス社長、石原伸晃行革担当相。《共同通信》

【プロ野球】契約更改

巨人の入来祐作投手は5日、5700万円増の9000万円で契約を更改した。プロ5年目の今季は4月中旬の1軍昇格後、先発の柱として活躍。13勝4敗1セーブ、防御率3.71で最多勝も争った。

127試合に出場した新人の阿部は、今季の約3倍になる3800万円で更改した。(金額は推定)《共同通信》

【改正商法】成立

株主代表訴訟での会社の取締役の賠償責任を一定限度まで軽減できるようにする改正商法と同特例法改正が5日午前の参院本会議で、与党3党や民主党などの賛成多数で可決、成立した。改正法は来年4月以降に施行される見通し。

改正法では、故意か重大な過失による場合を除き、株主総会の特別決議か、定款の規定による取締役会決議があれば、賠償責任を代表取締役の場合は報酬6年分、社内取締役では同4年分、社外取締役では同2年分にまで軽減することが可能になる。ただ取締役会決議の場合、株主の100分の3以上が異議を申し立てた際には軽減できない。また株主総会、取締役会のどちらも監査役会全員の同意は必要だ。《共同通信》

【小泉純一郎首相】全重量税を一般財源化

小泉純一郎首相は5日午後、今国会2回目の党首討論で、自動車重量税の一般財源化が2002年度予算編成の基本方針から削除されたことについて「これから予算編成すれば分かる。今までは道路だけに使われていたが、別の面にも使われる」と述べた。

この後、首相は記者団に「一般財源化して何にでも使えるようにしましょうということだ。道路にも福祉にも環境にも使える」と述べ、自動車重量税を使徒を特定しない一般財源にすべて充てる考えを表明した。

首相発言を機に、道路財源の見直しをめぐる自民党道路族との確執が一段と激しくなりそうだ。

党首討論で首相は、高速道路整備計画の見直しについて「凍結は『見直し』の中に含まれる。凍結という文字が消えたから妥協したなんて冗談じゃない」と述べ、首相が自民党の「抵抗勢力」と妥協して改革が骨抜きになりつつあるとの見方を強く否定した。

道路公団改革をめぐる党内調整の最中に、森喜朗前首相らと極秘に会談したことは「(先月20日に)森氏と青木幹雄参院自民党幹事長には会った」と認めた。しかし「道路公団の具体論なんて一切話していない。古賀誠前幹事長、野中広務元幹事長が別室に控えているなんて夢にも思わなかった」と密室政治批判に反論した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党の古賀誠前幹事長は5日の講演で、今年3月に当時の森喜朗首相と進退問題で会談した際の秘話を披露。古賀氏は「辞めるべきだ」と考えていたものの口にできず「なんとか与党3党で安定多数をとることができるので頑張りましょう」と進言したところ、森氏が「よく分かっている。国家国民のために決断するから心配するな」と答えたことを明らかにした。道路問題などで存在感を増している古賀氏の「首相の散り際」談義だけに、「小泉内閣へのメッセージでは」と受け止める向きも出そう。《共同通信》

【アフガニスタン】暫定首相にカルザイ氏

ボン近郊で開催中のアフガニスタン暫定政権協議に参加している国連当局者は5日未明、暫定行政機構の議長(首相)に、ザヒル・シャー元国王派で南部の有力指導者ハミド・カルザイ氏(46)の就任が決まったと述べた。協議参加の4派が合意した。

協議では議長を含む閣僚29人の人選が最後の関門として残っていた。議長を除く28人の人選については、なお最終折衝が続いているが、5日中にも調印する見通し。

ブラヒミ国連アフガン特別代表が5日未明、北部同盟などアフガン4派から提出された候補者名簿を基に絞り込んだ国連案を提示していた。《共同通信》

ボン郊外のアフガニスタン各派協議で、国連と参加4派は5日朝、各民族が参加してタリバン後の国づくりに取り組む暫定行政機関(内閣)の構成で最終合意、協定書に調印した。

これにより、ザヒル・シャー元国王派で多数派のパシュトゥン人であるハミド・カルザイ氏(46)を議長(首相)とし、北部同盟など各勢力から計30人が入閣する「国民和解内閣」が、ラマダン(断食月)開け直後の22日に正式に発足。20年以上の内戦を経て、国際テロの温床として米軍に攻撃されたアフガニスタンは、国連の支援下で国家再生に取り組む。

調印後、国連のブラヒミ特別代表は「世界が注目している。皆さんには大きな責任がある」と述べた。《共同通信》

【この日の民主党】

鳩山代表「密室談合政治とは縁を切れ!」~族議員と妥協した首相を痛烈批判

今国会2回目の党首討論が5日、参議院第一委員会室で行われた。民主党 の鳩山由紀夫代表は、小泉首相の族議員との妥協を厳しく追及した。

鳩山代表はまず、前回の党首討論で特殊法人改革の断行を表明しながら、実はその前日に自民党幹部と密かに会談して道路族との妥協を図っていたことを強く批判、「あなたに密室談合政治は似合わない。縁を切ることを誓ってほしい」と迫った。

しかし首相は、密室談合政治などしたことはない、と言下に否定。道路4公団の統合後の民営化という方針を変えたことについては、「統合せずに民営化する方がよりいい」とし、償還期限を30年から50年に延長したことについても、もともとは50年だった、などと居直った。

鳩山代表は、4公団の組織形態についても、道路族の“上下分離論”をはっきり否定しないまま第三者機関に丸投げしたことを指摘。また、自動車特定財源の一般財源化 についても、教育や福祉などに使えるようにするとしていたのが「見直す」というだけに後退したことを挙げ、全体として道路族が困らない仕組みになってしまった、と批判した。

首相は、「見直す」というのは別の面(道路関連以外)にも使われるということだ、などと反論。第三者機関への丸投げについても、「独断専行を排すために、専門家に検討してもらうだけだ」などと苦しい弁明に終始した。

鳩山代表は、次に政府の医療制度改革案についても批判。「三方一両損」などと言いながら、業界を守り、ただでさえ苦しいサラリーマン層の患者にばかり重い負担を押しつける改革案の内容に対して、「なぜこういう政官業癒着の談合政治をやるのか」 と厳しく追及した。しかし首相は、「診療報酬も引き下げと書いてある。みんなが満足するということはありえない」などと問題を相対化して居直った。

さらに鳩山代表は、外務省のプール金問題での処分についても言及、「そもそもこれは横領罪ではないのか。身内の調査で済ますのでなく、第三者によるチェックを行うべきだ」と詰め寄った。しかし、首相は「田中外相が綱紀粛正に取り組んでいるので 見守りたい」などと、まったく後ろ向きな姿勢を示したにすぎなかった。

最後に鳩山代表は、「政官業の癒着の中に抱かれて心地いいかも知れないが、深刻さを増す日本経済の危機は待ってはくれない」と首相を痛烈に批判。「あなた自身、族議員化していないか。真剣に族議員を退治してもらわねば困る」と要求して、討論をしめくくった。

在日公館関係者など招きイヤーエンドレセプション開催

民主党国際局主催の「インターナショナル・イヤーエンド・レセプション」が5日夜、東京・表参道のレストランで行われ、各国の在日公館や国際機関、メディアなどの関係者約100人が集まり、民主党議員と和やかに懇談した。

最初に国際局長の池田元久衆議院議員が「1年10か月ぶりのパーティ。みなさんに民主党の姿を知ってもらいたい」と口火をきり、続いて、菅直人幹事長が、「昨年の暮れには、2001年待つには首相官邸に皆さんをお招きしたいと思っていたが、遅くなって申し訳ない。来年のこのパーティは鳩山政権の元、首相官邸でやりますので、どの程度可能性があるか賭けをしてみてください」とユーモアを交えて歓迎の挨拶をした。

この日党首討論があった鳩山由紀夫代表は風邪気味の体調をおして出席。英語で「今日の党首討論の一番の課題は咳をしないことだった」と笑わせ、「風邪が私からのクリスマスプレゼントになっては困るので、私には近寄らないで」と語ったが、その後は次々と人の輪が鳩山代表を囲んでいた。

パキスタン視察から帰国した井上和雄衆議院議員が「難民キャンプで子どもや女性たちの悲惨な状況を見てきた。民主党としても支援していきたい」と英語で乾杯の音頭をとった。遅れて駆けつけた羽田孜特別代表も「飢餓や栄養失調の追放、人権、環境問題を各国と協力して進めていく政党でありたい」と、ともに民主党の外交姿勢をアピールしていた。《民主党ニュース》



12月5日 その日のできごと(何の日)