平成4006日目
1999/12/27
この日のできごと(何の日)
【岸本建男名護市長】普天間飛行場の辺野古受け入れを正式表明
沖縄県名護市の岸本建男市長は27日午前記者会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)のキャンプ・シュワブ水域内辺野古沿岸域への移設受け入れを正式に表明した。受け入れ条件として北部地域振興策や安全性確保、自然環境への配慮など7項目を提示。
飛行ルートや騒音に関する国と市の基地使用協定締結と協議機関設置や15年の米軍使用期限を求め、これらが満たされない場合は「移転容認を撤回する」と述べた。これを受け、政府は受け入れ表明を歓迎する小渕恵三首相の談話を発表。28日の閣議では北部地域振興策などに関する今後の政府方針と小渕首相の談話を併せて決定する。平成8年4月に日米両政府が普天間返還で基本合意後、移設問題は3年8カ月ぶりに決着へ向かう。
ただ軍民共用空港の建設場所や工法は未定で、使用期限設定も米側が拒んでおり、調整が必要だ。
昭和47年の本土復帰から27年を経て、在日米軍施設の約75%が集中する沖縄県内の市町村長が、新基地建設を正式に認めたのは初めて。
反対派は平成9年12月の市民投票で海上ヘリ基地反対票が過半数を占めたことを重視。ヘリ基地反対協議会は27日午後、市長に対し「リコール宣言」。年明けにリコール運動に突入する構え。
市長は「即座に辞任することは考えていない」と強調。リコールが成立した場合の対応については「その時はその時で対応したい」と述べ、「辞任−市長選再出馬」の可能性に含みを残した。来年7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)に向けなお曲所が予想される。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【大阪府・横山ノック知事】正式に辞職
大阪府議会は27日午後、知事選の元運動員の女子大生に対する強制わいせつ罪で起訴された横山ノック知事の辞職に全会一致で同意した。知事は同日付で退職となり、来年2月の出直し知事選で新知事が選出されるまでの間、木村良樹副知事が知事の職務代理者となる。
平成7年4月に無党派旋風を起こして初当選して以来約4年8カ月。府政に新風を吹き込んだ横山氏だが、現職知事としては前代未聞の強制わいせつ罪で起訴され、今月20日から入院したまま。任期を3年以上残しての幕切れとなった。
27日の府議会では、知事選の費用を盛り込んだ補正予算案も可決。今後は1月20日告示、2月6日投票の知事選に向けた各党の候補者選考が焦点となる。《共同通信》
【木藤繁夫公安調査庁長官】オウム観察処分を請求
木藤繁夫公安調査庁長官は27日午前、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(団体規制法)が同日施行されたのを受け、オウム真理教施設への立ち入り検査など活動を規制する観察処分を公安審査委員会(藤田耕三委員長)に請求した。
処分請求は、同教団が再び「無差別大量殺人行為に及ぶ危険性がある」などとの判断に基づく。最高幹部の上祐史浩受刑者が29日に出所するため、国民感情にも配慮して迅速な処分請求に踏み切った。
公安審は27日午後の第1回委員会で、来年1月5日付の官報で教団からの意見聴取(公開)を20日に法務省内で実施するとの公示を決定する見通し。法務省、公安庁は処分決定は確実とみている。
団体規制法は「公示から30日以内に決定するように努めなければならない」と規定しており、2月4日ごろに公安審が観察処分の適否の判断を示す。
警察庁長官の意見を聞いた上で公安審に提出された処分請求書は請求理由として、①教団は松本、地下鉄両サリン事件を起こした②両事件は破壊活動防止法(破防法)の政治目的の無差別大量殺人行為に該当する−と指摘。
首謀者の松本智津夫被告(教祖名麻原彰晃)の教団活動への影響力、殺人容認の綱領などが観察処分の要件に該当するとし、「教団の活動状況を継続して明らかにする必要がある」と規制処分を求めた。《共同通信》
【民主党ニュース】
富沢篤紘衆議院議員が入党
民主党は27日の持ち回り常任幹事会で、入党申請のあった富沢篤紘(とみざわ・あつひろ)衆議院議員の入党を承認した。 富沢議員は96年の衆院選で旧新進党より初当選。同党解党後は改革クラブに所属していたが、今月15日に離党していた。富沢議員の入党で、民主党の衆議院議員は94人になった。
【ロシア軍】チェチェン首都北東部を制圧
インタファクス通信などによると、ロシア軍は27日、チェチェン共和国の首都グロズヌイ制圧作戦を続行した。軍北カフカス司令部は、自走砲部隊が市北東部を完全に制圧し、中心部に進撃を続けていると発表した。しかし、義勇兵など先遣部隊の進撃は、武装勢力の激しい抵抗や地雷原に阻まれており、作戦は難航しているもようだ。
セルゲーエフ国防相はこの日、プーチン首相に戦況を報告した後、記者団に対し、「グロズヌイ進攻は計画通りだ」と強調した。しかし、先遣隊のガンタミロフ元グロズヌイ市長率いる義勇兵部隊は、重武装して市街地を要さい化した武装勢力の激しい抵抗に遭遇。部隊の関係筋は同通信に対し、「これほどの激しい反撃は予想外だ」と述べた。現地指揮官の間では、短期間での首都制圧は困難との見方も出始めている。
一方、ガンタミロフ氏は電話でタス通信に対し、北西部のスタロプロムイスロフスキー地区を完全に制圧し、中心部にいる武装勢力の主力から分断したと語った。相手方は依然、激しく抵抗しているという。《時事通信》
【インディアン航空814便ハイジャック事件】発生から4日目
インディアン航空機が武装グループに乗っ取られた事件は27日、同機がアフガニスタン南部のカンダハル空港に着陸し解決のめどが立たないまま、発生から4日目を迎えた。
国連のアムール・アフガニスタン調整官による26日の犯人側との接触など仲介工作は不調に終わった。タリバン政権は「乗っ取り犯とインド政府との交渉仲介を拒否した」と国連を非難する一方、イスラム過激派の釈放要求に対する当事者であるインド政府の対応の遅れにも困惑といら立ちを強めている。
同政権のムタワキル外相は26日夜、「乗っ取り機の操縦士に離陸するよう通告した」と語った。だが操縦士は、機体の不調を理由に離陸を拒否している。
タリバンは、昨年8月の米大使館同時爆破事件の黒幕とされるウサマ・ビン・ラディン氏を事実上「保護」していることで、国連の経済制裁を受けている
タリバンのいら立ちの背景には、同政権と関係が良好でないインドの航空機であることに加え、犯人グループがタリバンとの関係が取りざたされているカシミール地方のイスラム過激派の可能性が強く、事件により「テロ支援国家」のイメージがさらに強まることへの懸念があるとみられる。《共同通信》
◇
インディアン航空機乗っ取り事件は発生4日目に入った27日、犯人側は交渉回答期限を定めて乗客殺害を予告。インド政府がこれに反応する形で特別機による交渉団の派遣を表明するなど、事件は一転、緊迫した局面を迎えた。
乗っ取り機がとどまるアフガニスタン南部カンダハルからの報道によると、犯人側は同日朝、カンダハルの空港で無線で交渉していた国連のデムール・アフガニスタン調整官に向かって突然、「10分以内に具体的な回答をよこせ。なければ乗客を殺す」と通告した。
「10分ではとても無理だ」。デムール調整官の懇願に、犯人側は期限を3時間後の午後1時(日本時間同午後5時半)に設定。その後、インド政府代表団の到着まで期限を延長した。
犯人側は既に少なくとも1人の乗客を刺し殺している。「予告は単なる脅しとは思えない」。こんな切迫した思いが、調整官の交渉ぶりを周囲で見守るタリバン政権関係者にも伝わった。やがて空港には赤十字の救急車2台がサイレンを鳴らして急行、乗っ取り機周辺を武装し、緊張した面持ちのタリバン兵士が取り囲んだ。