平成3812日目

1999/06/16

この日のできごと(何の日)

【南アフリカ】ムベキ新大統領が就任

南アフリカ民主化に大きな足跡を残したネルソン・マンデラ氏(80)に代わり、ターボ・ムベキ副大統領(56)が16日、南ア大統領に正式就任した。マンデラ氏はこの日で政界を引退、尽力した国民融和の重要性をあらためて訴え、表舞台から退いた。

大統領府で開かれた就任式典で宣察後、演説したムベキ新大統領は「生活を向上させるだけでなく、アフリカン・ルネサンス(アフリカ再生)を成功させ、次の世紀をアフリカの世紀とするために努力する」と決意を表明、人種間格差是正を一層推進する考えを示した。

マンデラ前大統領は式典後、新大統領就任記念の演奏会場で演説し「新大統領と与党アフリカ民族会議は、違いを乗り越えて国民を統一させなければいけない」と力強く語り、集まった数万人の市民に別れを告げた。

初の黒人大統領として国民融和を進め、圧倒的な支持を集めたマンデラ大統領という強力な指導者が去った南アは、失業や治安悪化などの深刻な問題を抱えながら新たな時代を迎える。《共同通信》

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【サッカー】五輪アジア1次予選

22歳以下の選手で争われるサッカーのシドニー五輪アジア1次予選6組第3日は16日、香港で2試合を行い、前回アトランタ五輪に続く出場を目指す日本五輪代表はマレーシアに4−0で勝ち、3試合連続無失点で3連勝した。マレーシアは1分け1敗。

日本は中盤の攻撃的なポジションに中村(横浜)を先発起用。前半早々、左CKからつなぎ、稲本(G大阪)が先制した。前半はマレーシアの懸命の守備に攻撃を組み立てられなかったが、後半は開始直後に本山(鹿島)が追加点を挙げ、さらに途中出場の吉原(札幌)のゴールなどで3点を奪って突き放した。

第2試合はネパールが1−0でフィリピンを破った。《共同通信》

【政府、与党】国会大幅延長へ

政府、与党は16日、小渕恵三首相と小沢一郎自由党党首が会談し、17日に会期末を迎える通常国会の大幅延長で合意、引き続き行われた自民、自由両党の幹事長・国対委員長会談で、延長幅を8月13日までの57日間とすることを正式に決定した。森喜朗幹事長が直ちに伊藤宗一郎衆院議長、斎藤十朗参院議長に延長を申し入れた。会期延長は17日の衆院本会議で自民、自由、公明党などの賛成を得て議決される。

小渕首相は延長国会で、緊急雇用対策に伴う平成11年度補正予算案や産業再生のための産業競争力強化関連法案の成立に全力を挙げるほか、国旗国歌法案や組織犯罪対策3法案など重要案件の成立を図る。今後、政局の焦点は公明党との連立に向けた協議と自民党総裁選に移る。

小渕政権は、公明党が7月24日に行う臨時党大会を踏まえて、公明党に閣内協力を求め自自公連立政権の樹立を目指す構えだが、内閣改造の時期は自民党総裁選後までずれ込む可能性が出てきた。《共同通信》

【経済戦略会議】小渕首相に最終答申を提出

6月16日のできごと(何の日)【経済戦略会議】小渕首相に最終答申を提出

総理の諮問機関である経済戦略会議は、2月に出した最終答申の提言項目について、実施期限を明示した「アクションプログラム」をつくるよう求める見解をまとめ、小渕総理に提出した。

総理は、「実現が難しいとされた項目についても、一つの問題提起と受け止めて掘り下げた検討を続ける。実現に全力を挙げていきたい」と述べた。《首相官邸》

【小渕恵三首相】竹下氏の病院公表は迷惑

小渕恵三首相は16日の参院行財政改革・税制特別委員会で、長期入院が続いている竹下登元首相について「4月から変形性脊椎症で入院、治療を受けている。どの病院とかどんな治療を受けているかなどを報告すると病院や入院患者に迷惑がかかる。記者会見をする状況にはない」と述べた。《共同通信》

【米大統領選】ゴア氏が出馬宣言

2000年米大統領選の民主党最有力候補アルバート・ゴア副大統領(51)が16日昼(日本時間17日未明)、上院議員時代の地元テネシー州で演説、「より良い米国を建設する」と大統領選出馬を正式に宣言した。

同党の大統領候補指名争いは、米プロバスケットボール元スター選手のビル・ブラドリー前上院議員(55)との一騎打ちとなる見通しだが、ゴア氏の指名獲得はほぼ確実な情勢だ。

既に出馬表明している共和党の最有力候補ブッシュ・テキサス州知事(52)は12日に全米遊説を開始しており、大統領選はいよいよ本格始動する。

ゴア氏は演説で、クリントン政権下での米経済の発展ぶりを強調しながらも、片親家族の増加など「米国の家族の危機」を指摘、家族の再生に取り組む決意を表明した。また「倫理的な指導者」となると約束し、女性スキャンダルにまみれたクリントン大統領との違いを強調した。《共同通信》

【陸上】国際競技会

16日、アテネで行われた陸上の国際競技会の男子100メートルで、1997年世界選手権同種目金メダリストのモーリス・グリーン(米国)が9秒79の世界新記録を樹立した。従来の記録はドノバン・ベーリー(カナダ)が1996年7月のアトランタ五輪で出した9秒84で、これを100分の5秒上回った。9秒79は88年ソウル五輪でベン・ジョンソン(カナダ)がマークしたものの、薬物違反が発覚して取り消された記録と同タイム。

スタートで頭ひとつ抜け出たグリーンは、そのまま加速。隣のコースのアト・ボルドン(トリニダードトバゴ)が食い下がったため大差はつかなかったものの、最後までリードを保ってゴールした。2位のボルドンも9秒86、3位のブルニー・スリン(カナダ)も9秒97の好タイムだった。

2年前の世界選手権を9秒86で制したグリーンは、追い風参考ながら昨年6月と今年5月末の2度にわたって9秒84をマークしていた。《共同通信》

【この日の民主党】

参院・行革税制等特別委員会は16日、全大臣出席の総括質疑を行い、民主党・新緑風会から江田五月、伊藤基隆両議員が質疑に立った。

江田五月議員は、まず「行革会議の最終報告の目標は、わが国の構造改革ではないか」と指摘。その上で、財政と金融の分離、金融システム健全化などに言及し、「金融再生法と大蔵省改革は車の両輪でなければならない。早期健全化法のもと、公的資金7兆5000億円の投入と同時に、ゼネコンの借金が棒引きされた。これが構造改革といえるのか」と政府を批判した。柳沢金融再生委員長は「債権放棄は、回収の最大化という目標に沿ったそれぞれの経営判断だ」と言い逃れた。

さらに江田議員は、行革会議の最終報告に示した「社会は今著しく画一化・固定化されている。知らず知らずのうちに新たな国家総動員態勢を作り上げてきてしまったのではないか」との反省を例に引き、「盗聴法や住民基本台帳法、国旗国歌法は構造改革へ逆行する。最初に作るべきは、むしろ盗聴禁止法、個人情報保護法、国旗国歌の審議会だ」と追及した。

そして江田議員は2枚のパネルを掲げて、首相のリーダーシップの強化をめざす民主党の考えを示し、「旧憲法から新憲法に変わった時に、首相の地位は大きく変化した。小選挙区制下、これからは首相候補に1票を投ずる形の選挙になる可能性もある」と述べ、政治のリーダーシップが必要だと強調した。

伊藤基隆議員は、新聞社が行った行政改革に対する2回の世論調査結果(97.10と99.5に実施)を示し、「2回の調査ともに、行革よりも財政赤字削減への関心が大きい」とし、小渕政権下で凍結されている財政構造改革を行うつもりがないかをただした。

小渕首相は「現内閣としては行革を最優先でやっている。ただ両者は切り離せない問題だ」と景気回復後に行うとの政府の姿勢を繰り返した。

続いて伊藤議員は、郵政3事業が公社化の上、従来通り残される点を評価して「24,600の郵便局のうち、多くを占める山間地の郵便局は地域住民の生活の支えだ。全自治体の98%が存続を求める意見書を国に提出している」と指摘、過疎地のセーフティネットとして、郵政事業を位置づけるよう主張した。

さらに伊藤議員は雇用・失業問題にふれ「完全失業者342万人のうち非自発的失業者が115万人。年齢対象外で再就職の難しい40代50代の中高年齢層にしわ寄せがいっている。連合も国会前で座り込みを行っている。このまま高失業率が続けば、社会不安につながる」と政府に早急な対処を求めた。《民主党ニュース》



6月16日 その日のできごと(何の日)