平成2986日目

平成9年3月12日(水)

1997/03/12

【動燃再処理工場事故】被ばくした作業員が35人に

茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)再処理工場内のアスファルト固化施設で11日午前、発生した火災で被ばくした作業員は12日夕、最終的に35人に達し、国内最大規模の被ばく事故となった。

この火災では室温が70度以上になった時点で温度上昇を検知するセンサーが警報を発したが、作業員が放水で消火したといったん判断した後は室内温度の変化を一切測定していなかった。

動燃幹部は、室内に1カ所しかセンサーがなかったことを明らかにした上で「火災は鎮火したと考えていた。判断に甘さがあった」と不十分な消火が、その後の爆発に結びついたことを認めた。《共同通信》

会見した小山兼二同事業所副所長は、高温のアスファルトを放射性廃液と混合する充てん室で11日午前に起きた火災について「炎が見えなくなった段階で消火と判断した」が、放水は1分間、約3立方メートルだけで、室内にはまだ煙が充満していたという。

動燃は12日未明、作業員を現場に入れ、再度放水。熱による蒸気が発生しなかったことから、アスファルトは十分に冷え、今後新たに放射能を放出するような反応が起こる恐れは少ないしている。

11日深夜、撮影したビデオでは、充てん室と隣の部屋の間の鉄製ドアがねじ曲がるなど激しい爆発が起きていたことが裏付けられた。

一方、動燃が環境に放出された放射能を調査した結果、施設の周辺に爆発で飛び散った微量の放射能が検出されたため、施設を含む約60メートル四方を、立ち入り制限区域に設定した。

また、事業所の敷地外の測定では放射能は検出されていないが、爆発があった施設の南約350メートルの地点で、大気からわずか放射能を検出した。そのほかの地点の大気の測定や敷地内の土壌のサンプルでは異常な放射能は見つかっていない。

動燃は12日朝から現場周辺の汚染の実態を詳しく調査。充てん室の密閉と換気の復旧を最優先に、施設内の後片付けを進める方、建物周辺から汚染の除去を急ぐ。《共同通信》

橋本龍太郎首相は12日午前、茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海再処理工場の爆発事故について「連絡体制を含めて問題があり残念だ。一番の問題は通報の遅れだ。午前中の事故発生時に微量とはいえ放射能が検出された。詳細にチェックしていたから遅れたというのが動燃の言い分だが、その時点ですぐ連絡すべき」と動燃の対応の遅れを厳しく批判した。《共同通信》



【大相撲春場所】4日目

大相撲春場所4日目(12日・大阪府立体育会館)綱とりの大関若乃花が休場した土俵で横綱貴乃花が敗れる波乱。貴乃花は琴の若の立ち合いのはたきについていけず初黒星を喫した。琴の若は3個目の金星。横綱曙は関脇武双山を一気に突き出す完勝で4戦全勝。大関武蔵丸は小結土佐ノ海を送り出し、大関貴ノ浪は朝乃翔を決め出してともに4連勝した。この日の結果、幕内は曙、武蔵丸、貴ノ浪と若乃花に不戦勝ちした魁皇の4人が全勝。十両は勝ちっ放しがなくなり、栃乃洋ら7人が3勝1敗で並んでいる。《共同通信》

【ジャンプ・W杯】船木和喜選手、今季3勝目

ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは12日夜、クオピオ(フィンランド)で個人第2戦(ノーマルヒル=K点90メートル)を行い、21歳の船木和喜(デサント)が241.0点で優勝し、今季3勝目、通算で葛西紀明(地崎工業)と並ぶ日本選手最多の5勝目を挙げた。

強風のため11日から順延された大会。船木は風にも恵まれた1回目、K点を大きく超える97メートルを飛んで首位に立ち、2回目も86.5メートルにまとめて逃げ切った。2位はニコラ・デスム(フランス)、3位は個人総合トップのプリモジュ・ペテルカ(スロベニア)。岡部孝信(雪印)は8位に入り、個人総合で3位に浮上。世界選手権ラージヒル優勝の原田雅彦(雪印)は2回目に進めなかった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は12日午前の参院予算委で、平成会の市川一朗議員から行革に取り組む姿勢を批判されると「マスコミの世論調査でも行革ができないと言う人がたくさんいるが…」と答え、内閣支持率が急落している世論調査を相当に気に病んでいる様子。行革を内閣の生命線としているだけに、なかなか目に見えぬ成果に首相自身もいらだちを募らせているようだが、最後は「行革は進行中のものであり、これだけを申し上げれば国民に分かってもらえる、というものはない。時間がかかる」と開き直り気味の答弁も。

○・・・自民党の加藤紘一幹事長はこの日昼の北海道苫小牧市での講演で、中曽根康弘元首相らの「橋本行革は間口を広げすぎ」との批判をやり玉に「中曽根さんは一点集中でやれと言う。だが、今は全面展開の緊急性がある」と真っ向から反論した。返す刀で加藤氏は「中曽根さんの時は、国鉄改革はできたが、それをフォローする大きな流れができなかった」と追い打ちし、現在の財政再建の重要課題となっている旧国鉄長期債務は「中曽根行革の負の遺産」と言わんばかり。自社さ連立推進者の加藤氏だけに、保・保論者と知られる中曽根氏への対抗心をむき出し。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】メキシコ・セディジョ大統領と会談

橋本龍太郎首相は12日夕、東京・元赤坂の迎賓館で来日中のセディジョ・メキシコ大統領と会談し、ペルーの大使公邸人質事件解決への協力強化を確認、麻薬など地球規模の問題に対処するため国際社会が共同で取り組むべきだとの認識で一致した。

首相は人質事件について「予備的対話によって困難な事態が解決に向け、進展することを期待している。今後もメキシコの支援、協力をお願いしたい」と要請。大統領は「要請があれば、いかなる解決努力も支持する考えだ」と約束した。

大統領は「麻薬問題はグローバルな取り組みが必要だ」と指摘。これに対し首相は「国際社会が一丸となって取り組むべきであり、日本は引き続き関係国との協力を継続する」と同意した。《共同通信》

【戸塚ヨットスクール事件】控訴審

昭和55年から58年にかけ、スパルタ式ヨット訓練の激しい体罰で訓練生2人が死亡、2人が行方不明になるなどした「戸塚ヨットスクール事件」で、傷害致死などの罪に問われた校長の戸塚宏被告(56)とコーチら5人の計6被告に対する控訴審判決公判が十二日、名古屋高裁であった。

土川孝二裁判長は「無抵抗な訓練生に暴行を加えた犯行は悪質残忍」として、執行猶予付き有罪判決を事い渡した一審名古屋地裁判決を破棄、戸塚被告に懲役6年、コーチら3人に懲役3年6月−2年6月の実刑を、元コーチの2人に懲役2年6月−2年、執行猶予4−3年を言い渡した。戸塚被告側は上告する方針。

一審判決は体罰の目的は教育のためだったと正当性を認めたが、土川裁判長は「戸塚被告らの訓練方法は国民の人権尊重を基本原理とする法秩序のもとで到底許容される余地はない」と否定、「人権を無視して教育も治療も矯正もない。訓練目的に正当性はない」と厳しく断罪した。

スクールの訓練については、厳しいヨット訓練で情緒障害を克服できるとの独自の信念に基づき「訓練生に体罰と称して暴行を加えた」と認定し、一連の行為は傷害罪や監禁罪に当たるとした。《共同通信》

【アルバニア】市民が軍学校、基地襲撃

アルバニアの首都ティラナで12日、市民が初等軍事学校と陸軍基地を相次いで襲撃、一部で市街戦となり、ティラナ空港が一時閉鎖された。南部から広がった住民と政府の武力衝突が首都にも波及したことで、政党レベルで進められている事態収拾への動きが中断されかねない局面となった。

国営テレビなどによると、同日午前、数百人が市中心部の北東約2キロにある初等軍事学校を襲った。警官隊が発砲したため大半は逃げたが、一部は自動小銃などを奪った。同校は軍事アカデミーと並ぶ代表的な軍事教育機関。同日夜には、ティラナ西部郊外の繊維コンビナートにある陸軍基地も襲撃された。

ギリシャ外務省によると、ティラナ空港でも銃撃戦があり、駐アルバニア大使を乗せる予定だったギリシャ・オリンピック航空の特別機が着陸できず、引き返した。

軍事学校周辺では同日タ、周辺から自動小銃の連射音が間断なく響く中、100人以上の若者らが校舎を遠巻きにした。深夜になっても、機関銃とみられる連射音や爆発音、スピーカーで何かを呼び掛ける声などが市中心部のホテルまで聞こえた。近くに住む女性の元教師は、電話取材に対し「銃声が続いて、怖くて眠れない」と話した。

ティラナ市長と同市の主要政党の代表者が同日会談し、市民に平静を保つよう、呼び掛けるとともに、軍などに武器の回収と管理に万全を期すよう要請する声明を発表した。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】対話再開へ協議

ペルー政府側の対話拒否で中断している、日本大使公邸人質事件の同政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループとの交渉は、シプリアニ大司教ら保証人が12日、公邸に立てこもるセルパ容疑者らと週内の対話再開を目指して協議するため、邸内に入った。

パンドルフィ首相に近い筋によると、保証人、日本政府現地対策本部の寺田輝介顧問、政府交渉担当のパレルモ教育相の11日の会談で、教育相は「MRTAが新たな条件を持ち出さず、前回(5日)の状態から再開することに同意すれば、政府も応じる」と答えたという。

このため、保証人は12日、セルパ容疑者に5日までの対話の結果に基づいて交渉を継続するよう説得する意向で、同容疑者が応じれば、14日には再開が可能とみているという。「トンネル疑惑」をきっかけに、MRTA側が「さらに政府側から譲歩を引き出そうとしたため」(大統領府幹部)、政府側が10日に予定されていた対話を拒否した。

大統領府幹部によると、政府がMRTAメンバーの刑事責任を問わず出国させるなどの譲歩を既に示していることから、フジモリ大統領が「これ以上受け身になれない」として、対話のペースを政府側に取り戻そうとし、10日の対話を拒否した。《共同通信》

ペルーの日本大使公邸人質事件で、ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループは12日午後(日本時間13日午前)、10回目の対話を開催、トンネル疑惑をきっかけに中断していた話し合いを一週間ぶりに再開し、事件は平和的解決に向け再び動き出した。

保証人のシプリアニ大司教とビンセント駐ペルー・カナダ大使は対話終了後「いくつかのテーマについては合意が得られなかった。双方の検討期間が必要だ」との声明を発表、次回対話までに保証人とオブザーバーが政府、MRTA双方と個別に協議し調整を図る方針を明らかにした。次回対話の日程については「近いうちに伝える」とだけ述べた。

保証人委員会は今月27日に始まる復活祭の休暇までに解決に結びつく合意を取り付けたい意向で、対立点について双方を説得、最終的な調停案作成を急いで合意を目指す方針とみられる。《共同通信》



3月12日のできごと