平成2602日目

1996/02/22

この日のできごと(何の日)

【ドジャース・野茂英雄投手】契約更改

契約更改がキャンプまでもつれ込んでいた米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手(27)は22日、推定で総額430万ドル(約4億5600万円)の3年契約で合意に達した。200万ドルの契約金でドジャース入りした昨年の年俸は大リーグ最低保証の10万9000ドルだった。

1年目の昨年、13勝6敗でナ・リーグ西地区優勝に貢献。リーグ最多の236三振を奪い、新人王に選ばれたことが評価されたものだが、2年目の選手としては金額、複数年契約とも破格の扱い。「だれよりもいい契約ができたと思う。またメジャーでやれることがうれしい」と野茂は笑顔を見せた。

「野茂はフィールドの上でも外でも立派なマナーでドジャースを象徴してくれた」。野茂と3年契約を成立させたドジャースのクレア・ゼネラルマネジャーの言葉がすべてを表していた。 労使紛争の後遺症に悩んでいた昨年の米大リーグにすい星のように現れた救世主「NOMO」。

契約更改交渉は複数年を野茂側が希望し、球団側が単年に固執したことからキャンプまでもつれ込んだが、最終的には球団側が折れる形で決着した。 近鉄最後の1994年の年俸は推定で1億4000万円だった。それを投げ捨てて大リーグに挑戦するきっかけの一つは、近鉄が野茂の複数年契約の希望を拒んだことにある。これを米国で2年目を迎えるにあたってつかんだ野茂の表情は「今後の3年間は野球に集中できる」と晴れ晴れとしていた。

複数年契約は大リーグでは常識だが、実績がまだ1年の野茂のケースは異例だ。ドジャースが2年目を迎える選手と複数年契約を結ぶのは捕手のピアザに次いで2人目だという。野茂が言う通りまさに「最大級の評価」だった。《共同通信》

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【衆院予算委員会】

衆院予算委員会(上原康助委員長)は22日午前、平成8年度予算案に対する公聴会を開催、各党推薦の学識経験者らの公述人が、6850億円の財政資金を盛り込んだ住宅金融専門会社(住専)処理策などについての意見を述べた。この中で弁護士の清水直氏(新進党推薦)は「6850億円の支出は国民だれ一人納得していない。まじめな納税意欲がそがれた」と財政支出を盛り込んだ政府案を厳しく批判し、会社更生法の適用による処理を提案した。

また樋口恵子東京家政大教授(社民党推薦)も「心から納得している国民はほとんどいない」と政府案に厳しい国民感情を紹介する形で、政府側の対応策に注文をつけた。

古関忠男KSD中小企業経営者福祉事業団理事長(自民党推薦)は経営責任の追及など条件付きで政府案はやむを得ないとの考えを表明した。《共同通信》

【新進党】住専税金投入抗議デモ

新進党は22日午後、東京・永田町の憲政記念館で住専処理への税金投入に反対する抗議集会を開催。小沢一郎党首や米沢隆幹事長を先頭に国会議員約100人を含む2500人(同党発表)が自民、社民両党本部前を通るコースで国会付近をデモ行進した。新進党がデモを組織したのは結党後初めて。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は22日昼、国会内の自民党幹事長室と国会対策委員長室にそれぞれカレーライス50食を差し入れた。記者団から趣旨を聞かれると「おもしろい質問だな。目をぱちくりさせたよ」と驚いてみせ「そんなことを聞かれるとは思わなかった。運輸相、通産相のころからずっとやっている。首相になってからは初めてだが」と普通のことと強調。幹事長室には辛口で、国対委員長室は甘口だった。国対の方が年配者が多いとの理由だが、野党から首相の元秘書の証人喚問要求を突きつけられているだけに、首相には甘口の配慮をしてほしいとのサイン?

○・・・新進党の渡部恒三総務会長はこの日の総務会後の記者会見で「村山富市前首相が自ら編成の最高責任者だった予算案について「国民が憤っているのは当然、と無責任なことを言っている。月曜からの集中審議で徹底的に追及していく」とぶち上げた。総務会の模様については「きょうは全部強硬論だった。強硬な姿勢が大勢、というか、全員だ。党内態勢は挙党一致、火の玉のようになってこれからの国会に臨む」と威勢のいい言葉が続いた。しかし、国会序盤で新進党の方針がふらつき、住専国会は終わったとも言われるだけに、いかにも出遅れといった感も。《共同通信》

【つくば母子殺害事件】地裁、夫に無期懲役

1994年10月に茨城県つくば市の自宅で妻と子供2人を殺害、横浜港に投棄したとして、殺人と死体遺棄の罪で死刑を求刑された医師A被告(31)の判決公判が22日、横浜地裁で開かれ、松浦繁裁判長は「医師という社会的地位にありながら、3人を殺害、遺棄、その後偽装工作をするなど極めて重大な犯罪。しかし衝動的な犯行で深く反省している」とA被告に無期懲役を言い渡した。《共同通信》

【最高裁】丸刈り校則「罰則なければ単なる心得」

男子生徒の丸刈りを定めた中学校の校則は、表現の自由を保障した憲法に違反するかどうか争われた訴訟の上告審で最高裁第一小法廷の井嶋一友裁判長は22日、「違反した場合の処分などが定められていない本件校則は、生徒の守るべき一般的な心得にすぎない」との判断を示した。

その上で憲法判断に触れないまま、兵庫県小野市内の小学校6年制と両親が、入学予定の私立中学校の校長らに校則の無効確認などを求めた訴えを退けた一、二審判決を支持、原告側の上告を棄却する判決を言い渡した。原告側敗訴が確定した。

判決は、中学で一般的に定められている同様の校則の強制力を否定したものといえ、学校現場にも影響を与えそうだ。《共同通信》

【薬害エイズ問題】安部英氏、非加熱製剤使用を主張

血友病患者のエイズウイルス(HIV)感染が懸念されていた昭和58年10月、厚生省エイズ研究班長の安部英氏(現帝京大副学長)が血液製剤小委委員長の風間睦美氏(現帝京大教授)に、感染の危険が大きい非加熱製剤の使用継続小委員会の結論とするよう指示していたことが、22日までに共同通信社が入手した録音テープで分かった。

安部氏はテープで「学問的良心からすればうそをつくことになっても」と罪加熱製剤の優位性を主張、風間氏に指示に従わなければ「終生浮かばれないよ」という言葉まで使い働き掛けていた。

研究班長の安部氏は58年8月にも非加熱製剤の継続使用を表明するなど同省の方針転換と安部氏との関連が注目される。このテープは58年10月18日、安部氏が主催して東京ステーションホテルで血友病専門医らを集めて開いた「家庭療法委員会」で、出席者の一人が録音していた。この席には安部氏の「一番弟子」と言われた風間氏を含め血液製剤小委員会のメンバー計4人も参加していた。

テープによると安部氏は、まず小委員会が当時日本人の血液が原料で安全とされた国産血液製剤(クリオ)による治療を盛り込んだ中間報告を研究班にしたことについて「私が班長をしている限りは非常に不満」と強く批判。「(クリオは)原料が足りない」「血友病治療はどうしてもコンセントレート(非加熱製剤)でなければならない」と非加熱製剤主体の治療を強調した。

クリオは本来血管に注射する際、製剤で器具が目詰まりを起こすこともあるが、安全性は高いと評価されていた。しかし安部氏は「学問的な良心からすればうそをついていることになるかもしれないが、一回でも詰まればクリオで完全な止血ができない」と治療で非加熱製剤の優位性を訴えるよう出席者に求めた。

さらに安部氏は「風間先生、書いとけよ。コンセントレートでなければならない結論がある。(クリオを評価する)答申を出したら終生浮かばれないよ」と述べ、風間氏を前に非加熱製剤主体の治療継続を指示した。

小委員会報告書は5カ月後の59年3月出されたが「(当面)血友病治療の主体は非加熱製剤」と安部氏の指示通りで、加熱製剤が認可される60年7月まで非加熱製剤が放置される結果になった。

当時血液製剤市場は、非加熱製剤が80%以上を占めていたのに対して、クリオは16%にしかすぎなかった。安部氏は15日、非加熱製剤でHIV感染、死亡した血友病患者の遺族から殺人罪で告訴されている。《共同通信》

【仏・シラク大統領】軍改革を発表

フランスのシラク大統領は22日、フランス2などのテレビ局と会見し、核兵器用の核物質製造工場の閉鎖、現有兵力の大幅削減、徴兵制の廃止など大規模な軍改革を2002年までに実施する方針を発表した。

米ロなどが核軍縮に取り組む中で、フランスは昨年、シラク大統領の就任以降核実験を再開、今年1月まで実験を繰り返し、国際的に激しい非難を浴びてきた。今回の軍縮方針は、核物質の生産中止などを強調することで、フランスの崩れたイメージを回復する狙いがあるとみられる。

フランス軍改革の全体像が示されたのは初めてで、大統領は改革の目的として、国防関連支出の削減と、軍を冷戦終結後の情勢に適応させることを挙げた。

シラク大統領は、現在核ミサイル発射基地として使われているフランス南部のアルビオン基地を閉鎖し、核戦力を潜水艦と航空機配備に移行すると述べた。一連の核実験で核弾頭の小型化が可能となり、実験が今回の「改革」と深くつながっていることを裏付けている。

大統領はまた「フランスは既に十分な兵器用核物質を貯蔵している」として、リヨン南方にあるプルトニウムや濃縮ウランを製造する同国唯一の工場の閉鎖を決定した。

このほか、現在50万人規模(国防省発表)のフランス軍を今後6年間で35万人にまで削減、フランス革命以来200年にわたり「市民の軍隊」という伝統を支えてきた徴兵制を廃止し、職業軍人だけの軍に改革する。《共同通信》



2月22日 その日のできごと(何の日)