平成1691日目

1993/08/25

この日のできごと(何の日)

【細川護熙首相】改革の具体案を示さず

国会は25日午後1時すぎから衆院本会議で各党の代表質問に入り、自民党の河野総裁、連立与党を代表して社会党の赤松書記長が内政、外交全般にわたって細川首相の見解をただした。首相は最大の焦点である政治改革について年内の法案成立への決意を表明したが、具体案や不成立の場合の責任の取り方については明言しなかった。赤字国債の発行による所得税減税は困難との考えを示す一方で、消費税の扱いについて今後の検討課題と、政府として初めて明言、将来の税率見直しに含みを持たせた。戦後補償問題については、解決済みであるとの見解を表明した。

首相は、河野氏が政治改革の具体案を早急に示すよう求めたのに対し「連立与党内で検討している」と述べるにとどまり、「年内成立」との公約がほごに終わった場合の政治責任についても明言を避けた。また今後の政党政治の姿について「穏健な多党制に収れんしていくのではないか」との見解を表明。新生、公明両党が次期衆院選で統一会派結成を視野に入れていることに関連し「連立与党内のいずれかの党が立てた方針が必ずしも他党を拘束することにならない。それぞれが主体性を持って対応する」と強調、一線を画す意向を示した。

景気対策として所得税減税を求める意見が出ていることに対し、首相は「必要なコストに比べ、どの程度期待ができるのか。なかなか容易ではない」と述べ、財政事情の厳しいことを踏まえ、所得税減税に難色を示すとともに、財源措置としての赤字公債発行も、後世代の負担増を理由に否定的な考えを表明。その一方で、消費税については「今後の財政事情の動向をにらんで、バランスの取れた税体系議論の中で検討すべき課題だ」と強調した。

首相は改めて戦争への反省の意を表明しながらも、先の「侵略戦争」発言の真意について「戦後補償問題を前提としたものではない。法的な立場の見直しは考えていない」として戦後補償は決着済みとの認識を示した。

河野氏が安保・自衛隊などの基本政策で連立与党内にズレがあると指摘したことについて、首相は連立政権の各党が固有の制作を抑制して今までの政策を継承することを確認していると強調、上原国土庁長官が早期警戒管制機(AWACS)導入に疑義を唱えたことも「閣内不一致の問題は生じないし、これまでの政権でも閣僚の活発な意見があった」と一蹴した。《共同通信》

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【米政府】対中制裁を通告

米国務省は25日、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に違反して、中国がパキスタンにM11ミサイルの技術を供与したとして、、中国、パキスタン両国に対し高度技術輸出禁止を内容とする2年間の経済制裁を実施することを決定、両国に通告したと発表した。

民間航空機の輸出などは禁止されず、米国の対中輸出総額からみれば影響はごくわずかだが、今回の制裁で米中関係が緊張することも予想される。

米政府は中国の人権政策の改善を要求し、2000年の北京での五輪開催に反対しているほか、大量兵器拡散問題では、イラン向けに化学兵器原料の輸出疑惑を指摘するなど、これまでにも中国政府の姿勢を問題視していた。《共同通信》

【トヨタ自動車】初の3年連続減益

トヨタ自動車が25日発表した1993年6月期決算は、売上高が前期比1.0%増の9兆308億円と初めて9兆円の大台に乗せた。しかし、本業のもうけを示す営業利益は、高級車をはじめとする新車販売の不振や急激な円高が響き、1036億円と前期比17.0%減少。“トヨタ銀行”といわれる豊富な余裕資金の運用益1396億円を含めた経常利益も2864億円、23.8%減と3年連続の減益で、82年のトヨタ自動車工業、同自動車販売合併以来、最低の水準となった。

94年6月期も自動車市場の急速な回復は見込みにくいことから、売上高8兆7000億円、経常利益2000億円と円高不況の87年6月期以来7年ぶりの減収、4年連続の減益となる見通しだ。

営業利益は上期100億円、下期600億円の計700億円を見込んでいるが、1ドル=110円の為替レートを前提としており、現在の円高傾向が秋以降も続けば、上期に営業赤字に転落する可能性も出てきた。

ただ、名古屋証券取引所で会見した豊田達郎社長は、収益悪化に伴う工場の統廃合や雇用調整について「現在の円高は行き過ぎており、政府の内需拡大策などで適正水準に戻ることを期待している」と語り、間接的表現ながら実施する考えのないことを明らかにした。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は25日午前、公邸に田中秀征首相特別補佐と首相秘書官全員を呼び込んで、初陣となる衆院本会議での代表質問の答弁に備えて念入りな打ち合わせ。首相は「最終的に(役所の答弁原稿が)手に入ったのが午前3時半くらいで私も目を通せなかったので、今朝集まった」と説明。記者団が「答弁に手を加えたのか」と尋ねると「ええ、かなり加えました」。所信表明で農業問題についての表現が宮澤前首相の施政方針演説と全く同じとなり、橋本自民党政調会長から「不見識」と糾弾されたばかりだけに、念には念を入れてチェックしたようだ。

○…社会党の赤松書記長はこの日、代表質問に初登場。終了後の記者会見で「まだまだ与党としての質問に体質的に慣れていなくて…」と苦笑い。「“けしからん”とか言うとワーッと沸くんだが」と、万年野党と言われた時代とは勝手が違った様子。衆院本会議に先立つ同党代議士会では同僚議員から「赤松書記長(の質問)には万雷の拍手を」と激励されて臨んだが、「議場は静かすぎた。やじもあまりなかった」と不満そう。首相の所信表明演説のときと違って一転しておとなしい自民党に拍子抜けといったところ。《共同通信》

【Jリーグ】第7節

サッカーのJリーグ第7節は25日、茨城・カシマスタジアムなどで5試合を行い、首位の清水エスパルスは沢登、エドゥーらのゴールで浦和レッズを3−0で下して6連勝、6勝1敗でトップを守った。清水は5試合連続無失点。

2位のヴェルディ川崎も三浦の6試合連続得点で、横浜フリューゲルスを1−0で破って6連勝(6勝1敗)、清水と並んだが、得失点差で2位。このほかジェフ市原と横浜マリノスは、2−2からPK戦となり、横浜MがGK松永の好守から4−2で勝った。市原は痛い3敗目(4勝)。鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島は3−3から延長に入り、鹿島が後半1点を奪って辛勝、連敗を4で止めた。好調のガンバ大阪は名古屋グランパスに2−0で快勝、4連勝で4勝3敗とした。《共同通信》



8月25日 その日のできごと(何の日)