平成1684日目
1993/08/18
この日のできごと(何の日)
【台湾・国民党】李登輝主席を再選
台湾の国民党第14回大会は18日、党主席に李登輝総統を再選、新設の副主席に李元猴副総統ら4人を選出した。李登輝主席は大会で圧倒的な数を占めている主流派の力を背景に、体制固めを図るが、注目の副主席人事は主流、非主流の派閥均衡となった。
選出後直ちに記者会見した李主席は、今後も民主化を促進する方針を表明。「一つの中国」を掲げながら事実上の台湾化を進める李主席は、民主化促進で国際的理解を広げ、国連再加盟など国際社会への参加の気運を盛り上げることになろう。
候補者が李主席1人の主席選挙では、投票総数2043票のうち1686票(約83%)の支持を集めたが、派閥対立のしこりが残り、挙党態勢とはならなかった。
前日の大会でいったんは否決されながら李主席の強い意向で復活した副主席ポストは、李主席が提案した李元簇副総統(主流派、大陸出身)、郝柏村前行政院院長(首相に相当、非主流派、大陸出身)、林洋港司法院院長(非主流派、台湾出身)、連戦行政院院長(主流派、台湾出身)の4人が選出され、主流か非主流か、さらに台湾出身か大陸出身かでもバランスをとった人事となった。
大会は19日に中央委員(210人)を選出、23日の第1回中央委総会で中央常務委員(31人)を決める。大陸出身の長老が引退、若返りが図られるとともに、選出に当たって主席の権限が強いことから「李登輝体制」が強化されるのは確実だ。
しかし、副主席は常務委員を兼任できず、その権限も明確でないことなどから非主流派の不満が再び高まる可能性もある。《共同通信》
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【日銀・三重野康総裁】現時点で利下げ否定
三重野日銀総裁は18日の記者会見で、このところ、の急激な円高に対して「明らかに行き過ぎ。日本経済に好ましいことではない」と憂慮の姿勢を見せた。最気の現状については近く回復するとの確証はないとしながらも「当初からの下期回復のシナリオを覆す材料はない」と述べ「公定歩合引き下げは、今のところ全く考えていない」と強調した。
ただ、同時に円高による設備投資の落ち込みや、冷夏での消費低迷が景気に与える影響に懸念を示し「民需の回復を裏付ける材料は十分得られていない。注意は怠れず、一つ一つ念入りにチェックしていく」と、これまでに比べ回復の足取りにやや不安があるとの考えを明らかにした。また金融市場で短期金利が低下していることに関しては「日銀が(意図的に)低め誘導しているわけではない」と語った。《共同通信》
【山花貞夫政治改革担当相】「細川首相と一心同体」
山花政治改革担当相は18日午前、民放のテレビ番組に出演し、政治改革関連法案の年内成立に関して「年内に仕上げることを責任をもってやっていく。(年内に)できないことは考えていない」と強調。「われわれは(細川首相と)一心同体の責任がある」と述べ、法案が成立しなかった場合は、細川首相とともに政治責任を取る考えを示した。 山花氏は小選挙区と比例代表の議席配分について「日本新党、新党さきがけが連立を組むために250、250を出し、みんな合意した。そこからスタートするのが分かりやすい」と述べた。
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佐藤自治相は18日午前、民放のテレビ番組で、小選挙区比例代表並立制の投票方式について「1票制は憲法上無理がある」と述べ、2票制にすべきだとの考えを示した。 その理由として、1票制では①小選挙区の無所属候補に対する投票が比例代表で反映されない②小選挙区が無投票当選になった場合は比例代表の投票ができなくなる—などを指摘した。その上で「海部内閣の並立制で2票制をとった経過を研究すれば結論はそう(2票制)なる」と強調した。《共同通信》
【細川護熙首相】夏休み終え公邸入り
2泊3日の夏休みを長野県・軽井沢町の別荘で過ごした細川首相は18日夕、予定を終えて帰京し、17日に家具の引っ越しを終えたばかりの首相公邸入りした。16日夕に軽井沢入りした首相は息つく間もなく、松永信雄政府代表、内田健三東海大教授らと懇談。翌17日には鳩山官房副長官ら側近と勉強会を開いた後、宮澤前首相と約1時間会談するなど、静養とは名ばかりで、23日に控えた所信表明演説の骨格作りなどに追われた。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は18日午後、夏休みを過ごした長野県・軽井沢町の別荘を去る際「おいしい空気を吸う暇もなかった。電話とファクスばかり入ってきた」と仕事場を官邸から軽井沢に移したようで不満の様子。しかし記者団が、「全くの友人ですよ」と言って首相が前夜、訪ねた隣の別荘が女優の吉永小百合さん宅であることを指摘すると、「ええ、ご夫妻に会いました」と白状し、急に照れ笑い。首相はサユリストかと記者団が畳みかけると「昔も今もサュリストです」。軽井沢でいい思い出もあったようだ。
○…社会党の「政治改革・選挙制度プロジェクト」の左近正男事務局長が、政治改革関連法案骨格の取りまとめに臨む党の方針を発表した。焦点の定数配分や投票方式について「連立政権協議に当たっての日本新党、新党さきがけの提起の中に小選挙区250、比例代表250による並立制とある。並立制はそのままで定数配分だけを変えるのは筋が通らない」と、新生党や、公明党をけん制。一方で「小選挙区制は2回投票制を検討してもらいたい」と“勝手”な提起も。並立制に抵抗の強い党内をまとめる苦しさをうかがわせていた。《共同通信》