平成766日目

平成3年2月12日(火)

1991/02/12

【湾岸戦争】空爆続行で合意

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ブッシュ米大統領は12日午後、ホワイトハウスでジョックス・フランス、キング英国防相と個別に会談し、湾岸戦争での死傷者を最小限に抑えるため当面、空爆を続行することでそれぞれ一致した。地上戦開始時期など今後の戦略でも、密接に協議を続けていくことになった。

これは大統領が示した戦局判断を両国防相が受け入れたものであり、有力同盟国の同意を得たことで米軍を主体とする多国籍軍は、イラク南部とクウェートに展開するイラク軍地上部隊の孤立化と壊滅を狙った空襲を一層強化することになる。《共同通信》



【クウェート】油田施設が炎上

イラクの首都バグダッドおよびイラク南部とクウェートに展開しているイラク軍の補給線、地上部隊への多国籍軍の集中空爆が続く中で、イラク軍は空爆妨害作戦の一環として、クウェート国内の油田施設50カ所以上を炎上させている。

米統合参謀本部のマコーネル情報部長が12日、国防総省での会見で確認したもので、先のペルシャ湾への原油流出に続くイラクの“石油作戦”。 情報部長は、火災による黒煙でクウェート上空を覆い「多国籍軍機による空爆の際の地上目標職別を困難にするのが狙いだろう」との見方を示したが、「砂漠のあらし」作戦に与える軍事的影響は「ほとんどない」と論評した。

情報部長によると、火災は過去1−2日でクウェート市の南西と北西に位置する油田の油井など諸施設を含め「広域にまたがっている」が、出火原因は詳しくつかめていない。米軍当局者および米国の石油専門家は、イラク軍が爆破、炎上させたほか、イラク軍部隊を狙って多国籍軍機が投下した爆弾やミサイルが誤って油田施設を直撃した可能性も否定できないとしている。

専門家らによると、油井施設は火災が発生した場合、地中の原油をくみ上げる装置が自動的に停止するような仕組みになっている。このため技術的には鎮火は可能とみられている。《共同通信》

イラク軍によるクウェートの油田施設炎上作戦は、先のペルシャ湾への原流出と同様、世界経済の動脈である石油資源の安定供給に対する不安感を高めることで、反イラクの国際協調の亀裂と、西側諸国での反戦世論の高まりを狙った心理作戦と思われる。

米国の石油専門家によると、油井施設は火災が起こると、地中から原油をくみ上げる装置が自動的に停止する仕組みになっており、火災規模にかかわらず鎮火も技術的に可能とみられている。しかし、ペルシャ湾岸戦争が終結するまで燃え続ける可能性がある。 同時に、原油流出と同様に環境に与える深刻な影響も危ぐされており、イラクへの反感が募り、その結果イラクの民間人が多国籍軍の空爆で死傷していることへの同情も薄まるなど、必ずしもイラクの思感が奏功するとは限らない。《共同通信》

【海部俊樹首相】湾岸貢献90億ドル「兵員輸送含まず」

海部首相は12日午後の衆院予算委員会で、多国籍軍に対する90億ドルの追加資金協力の使徒に関連し「(兵器、武器、弾薬の輸送は)結果として含まれないようにしたい」と述べ、明言を避けたものの兵員輸送などは除外したいとの考えを示した。

これは公明党の日笠勝之氏が、政府は90億ドルの使徒について輸送、食料、医療など5分野を挙げているが「輸送の中に(多国籍軍の)兵員などは入るのか」と質問したのに答えた。《共同通信》

【韓国、北朝鮮】卓球・サッカーで統一チーム

韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は12日板門店で開かれた第4回南北スポーツ会談で、第41回世界卓球選手権(4月)とサッカーの第6回世界ユース選手権(6月)の国際競技大会に分断史上初めて南北統一チームで参加することに全面合意し、同日夕合意書に署名した。

これまで、オリンピックやアジア大会などの機会がある度に統一チームづくりが協議されたが南北とも「原則合意、各論対立」を繰り返し、決裂が続いてきた。今回の合意は今月25日からの第4回南北首脳会談(平壌)をはじめとする南北対話や、3月に第2回会談が行われる日朝国交交渉など朝鮮半島を取り巻く情勢に好影響を与えそうだ。

この日の劇的な合意、署名により4月の世界卓球選手権には南北が統一チーム「コリア(KOREA)」として出場することが正式に決まった。南北選手はそれぞれ国内で選抜された後、日本で合流、約3週間の合同訓練の後、本番に臨む。《共同通信》

【ワルシャワ条約機構】3月中に解体

イグナチェンコ・ソ連大統領補佐官は12日の記者会見で、ワルシャワ条約機構の軍事機構を3月中に解体することで機構加盟国が合意したことを明らかにした。

軍事機構解体について、ハンガリーのアンタル首相が同日、これに合意するゴルバチョフ・ソ連大統領の書簡を公表し、今月25日にブダペストで開催される同条約機構の外相・国防相会議で正式に決定すると明らかにしており、補佐官の発言はこれを確認したものである。

補佐官は「ブダペストでは、軍事機構を4月1日以降歴史的なものとする条約が調印される」と語り、外相・国防相会議を「政治諮問委員会」(首脳会議)に格上げし、重要決定を行う可能性を明らかにした。

これで北大西洋条約機構(NATO)に対抗するため1955年にソ連・東欧8カ国により結成されたワルシャワ条約機構の根幹である軍事機構が、東西冷戦の終結と東欧社会主義圏の崩壊を受け、36年目にして解体することになった。

ゴルバチョフ大統領は昨年11月のパリでの全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議で、昨年末までに条約機構の性格を変える重要な決定をすると演説、軍事同盟から政治同盟への同条約機構の変質を表明していたが、その後、決定が遅れていた。軍事機構の解体により、統一軍司令部の解散などの具体的措置がとられるとみられる。《共同通信》

【政界メモ】「まだ」の一言に力込め

◯…小沢自民党幹事長は12日午前、民放テレビの対談番組に出演、湾岸戦争と都知事選問題を中心に質問を受けた。90億ドル(約1兆2000億円)の財源をめぐって加藤政調会長が歳出削減に柔軟姿勢を示した直後だけに関心もこの点に集中。「予算を削るのか」との質問に小沢氏は「そこはこれからのあれですけどね」。

「削れる余地があるのでは」と突っ込まれると「専門家じゃないから」と、歯切れの悪い答えに終始。削減問題についてこの後の会見でも小沢氏、「全然そんなことは、まだ、頭の中で考えていないということです」と取りつく島もなかったが、「“まだ”の一言に力が入っていた」とは陰の声。

◯…この日、吹田自治相は閣議後の記者会見で「寂しかった」を連発。地元での息子の結婚披露宴もそこそこに切り上げて駆け付けた前日の「建国記念の日を祝う国民式典」が、出席者の少なさに加え、閣僚も海部首相と坂本官房長官の2人だけだったことが寂しさを募らせたとか。

余程気持ちが納まらなかったのか自治相、「ほかの皆さんは連休でお疲れだったんでしょう」と、ぼやきも交えボルテージが上がるばかり。閣議前には、寂しかった胸の内を閣僚にも漏らしたことまで打ち明け“ウサ”を晴らしていた。《共同通信》



2月12日のできごと