平成765日目
1991/02/11
この日のできごと(何の日)
【湾岸戦争】米・ブッシュ大統領「当面は空爆続行」
ブッシュ米大統領は11日ホワイトハウスで、サウジアラビア訪問から帰国したチェイニー国防長官、パウエル統合参謀本部議長と1時間半会談、湾岸戦争の現況報告を受け、今後の対応を協議した。大統領は会談後、記者団に「空爆作戦は非常に効果的に行われており、当分続行する。次の段階をいつ開始するかを見極めるに当たっては、必要なだけの時間をとるつもりだ」と述べ、地上戦開始を急がないとの方針を明確に打ち出した。
理由として「生命の安全は至上命題だ」と指摘、米軍をはじめとする多国籍軍側の犠牲者を最小限に抑えるべきだと強調した。このため、地上戦開始時期は今後の空爆効果にもよるが、3ー4週間後にずれ込むとの見方も出ている。
大統領は戦況について「戦争の進展に非常に満足している。将兵の戦いぶりに喜んでおり、全面的に信頼している」と述べた。また「長官の報告で、われわれが正しい方向に進んでいることに一層自信を持った」と語り、イラク側の挑発に乗らず今後も米軍を中心とする多国籍軍の主体的な判断と計画に沿って作戦を進める意向を示した。
地上戦開始に関して大統領は、シュワルツコフ中東軍司令官をはじめ現場の判断を尊重する姿勢を表明する一方「その時期が来れば大統領として私が決定するが、今は適当な時期ではない」と明言した。
地上戦開始まで十分時間を置くとの判断は、シュワルツコフ司令官らの進言に基づくことは明らか。ドール共和党上院院内総務ら議会の多数も、機牲者を少なくするために空爆を続行するよう主張しており、こうした国内政治上の配感も働いているとみられる。大統領としては空爆効果と国内外の世論を総合的に勘案し、地上戦移行時期を慎重に探ることになろう。
大統領はまた「民間人を攻撃目標にはしていない」と強調、多国籍軍による空爆で民間人に多数の死傷者が出ているとのイラクの非難を否定した。《共同通信》
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【無良崇人さん】誕生日
【海部俊樹首相】ニカラグア大統領と会談
中米ニカラグアのチャモロ大統領と海部首相との会談が11日夜、東京・元赤坂の迎賓館で約50分間行われた。
首相は、長期間にわたる内戦に終止符を打ち、民主的選挙で昨年発足したチャモロ政権に対し「民主主義確率、国家再建を目指す大統領の努力を積極的に支援していく」と全面協力する意向を表明。支援の具体策として①国際収支改善のための700万ドル、文化協力として国営テレビ局への機材供与35万ドルの無償資金協力②受金物男の青年海外協力隊の事前調査団と貿易投資ミッションの派遣などの実施を約束した。
大統領は、世界銀行、米州開発銀行からの借入金のうち返済期限切れとなっている3億5000万ドルの延滞金をニカラグアが抱えているため、国際金融機関から新規融資を受けられない事情を説明し、延滞金解消に向けて日本の協力を要請した。
これに対し首相は、3月末に世銀主催でニカラグアの延滞金解消などを目指した「ニカラグア協議グループ」会合がワシントンで開催されることを念頭に「国際的支援態勢への参加を検討したい」と述べ、日本としても欧米各国とともに応分の負担をする考えを示した。
会談には坂本官房長官、中山外相、ドレイフス外相らが同席した。《共同通信》
【比・アキノ大統領】「私、そんなに憶病じゃないわ」
「私、そんなに憶病じゃないわ」ー。
1987年8月のフィリピン国軍反乱事件で「ベッドの下に隠れた」と新聞に書かれたアキノ大統領が11日、名誉棄損罪でコラムニストらを告訴した裁判に証人として自ら出廷、地元紙を激しく非難した。
告訴されたのは日刊紙フィリピン・スターのマックス・ソリベン発行人と、著名なコラムニストのルイス・ベルトラン氏。
発端は87年10月12日付のスター紙に「アキノ大統領は戦闘中にベッドの下に隠れた最初の国家最高司令官だろう」とベルトラン氏が書いたコラム。
これに激怒した大統領は記者団に寝室のベッドを公開、構造上、もぐりようがないことをわざわざ証明したばかりか、2人を刑事告訴までした。
この日、マニラ地方裁判所の証言席に座った大統領は真珠のネックレスにピンクのドレス姿。勝手が違うのか、いつものコリー・スマイルも見られず、うわずった声で「この記事を読んで強いショックを受けた。全くのうそであり、私の信頼が大きく傷つけられた」と主張。裁判の決着には時間がかかりそうだが、アキノ大統領は徹底抗戦の構えだ。
大統領の法廷証言は史上初めてとあって、地元テレビは朝から証言の模様をすべて中継するほどで、湾岸戦争のニュースにそろそろあき始めたフィリピン国民に格好の話題を提供した。《共同通信》