平成426日目

平成2年3月9日(金)

1990/03/09

【社会党委員長選】土井たか子氏が無投票で三選

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社会党の委員長選挙は9日午後5時に立候補の受け付けが締め切られ、土井たか子委員長以外に届け出はなく、土井氏の無投票三選が決まった。4月3日からの党大会で正式承される。任期は2年間だが、2年後の7月には参院選、場合によっては衆参同日選挙も想定されることから、人事党大会が延期されて、結局次の国政選挙も土井体制でむことになる可能性もある。

委員長選は、9日午前10時から受け付けが始まった。三選が確実視されていた土井氏は同日昼になっても出馬の意向を表明しなかったため、山本政弘副委員長、田辺誠前書記長らが説得に当たり、午後3時前、ようやく出馬を決意した。これを受け、土井氏が所属する社会党兵庫県本部の古田多喜男副委員長が推薦状を委員長選実施中央本部に提出。対立候補者が出ず、土井氏の三選が決まった。

土井氏は、1986年9月、上田哲・元教宣局長を投票で破り、石橋政嗣氏に次いで第10代委員長に就任、87年12月に無投票で再選された。

憲政史上初の女性党首として市民型政党のスタイルを方向づけるとともに、女性や若者の支持を集め、全国的な“土井ブーム”を巻き起こした。長期低落の党勢を上昇に転じさせ、昨年の参院選では与野党逆転を実現、参院で首相に指名されるなど画期的状況をつくり出した。先の衆院選でも、140議席(改選前83議席)に躍進させる原動力となり、三選は確実視されていた。

【社会党・土井たか子委員長】幅広い党改革に意欲

三選された社会党の土井委員長は9日夕、国会内で記者会見し、今後の政策や党運営についての考えを明らかにした。

この中で土井氏は「政権を目指す党として政策、人材、組織、運動を改革していかなければならない。挙党一致態勢の中で党外の専門家にもお願いしたい」と述べ、政権担当に向けての幅広い改革に意欲を示した。

社会党大躍進という総選挙の結果により進展していない公明、民社、社民連との連合政権協議については「代表質問を聞いていても各党と同一テーマでやっていくことができるという気持ちを持っている。一歩も二歩も前進させる方向で力を意くしたい」と述べ、再開への努力を強調した。《共同通信》




【海部俊樹首相】竹下元首相と会談

海部首相は9日昼、首相官邸で米国のブッシュ大統領、ベーカー国務長官らと会うために10日渡米する竹下元首相と約1時間会談し、日米間の懸案となっている構造協議問題への対応で意見交換した。

首相は席上、構造協議問題について「一海部内閣だけの問題ではない」と述べ、事態を深刻に受け止めていることを強調。竹下氏に対し、今回の訪米で米側首脳の意見を十分聞くと同時に、4月の中間報告に向けて対応策の取りまとめを急いでいる日本側の状況を説明するよう要請。

竹下氏は、構造協議問題に取り組む日本側の態勢が不十分、との認識から(1)首相が新調整機関設置の検討を含め、党に改めて協力を求める(2)内閣官房を強化する、の2点を提案、首相もこれを了承した。《共同通信》

【政界メモ】現職首相のプライド誇示

○…海部首相は9日午後、首相官邸で、米国とブラジル訪問に出発する竹下元首相と会談、先の首相訪米で先約だった竹下訪米の出はなをくじいた負い目があるのか、会談前からピリピリした様子。

「別に台本を決めてやるのじゃないから(何を話すか)会う前から分からんよ」と記者団にはそっけない口ぶりで平静さを装っていたが、質問の意味を取り違えるなど緊張感がありあり。しかし会談後、「会談は“竹下ゼミナール”だったのでは」と記者団に意地悪質問されると、キッとして否定「あちらからも教えてもらいったし、こちらからもこの前(訪米)の印象を伝えた」と先輩をたてながらも現職のプライドを誇示。

○…この日午前、国会内の記者会見に臨んだ民社党の神田国対委員長はのっけから「国会は異常な状態だ。いまだかってない国会運営がされていることに強く抗議する」と自民党攻撃。「(補正予算案と関連法案の)一括処理との自民党の強引な進め方には問題がある」「今度のやり方はむちゃくちゃで容認できない」「議会主義そのものを壊すものだ」等々、いつもポーカーフェースの神田氏にしては珍しい激しさ。

ところが最後に「自民党の意図が分からない」と本音をポロリ。参院の与野党逆転下での“小沢(自民党幹事長)流”の強硬国会運営はどうにも理解を超えているらしい。《共同通信》

【冬季アジア大会】韓国の優勝に北朝鮮国家

9日札幌で開幕した第二回アジア冬季競技大会の最初の種目、ショートトラック・スピードスケートの女子1500メートルの表彰式で、大会組織委員会が優勝した韓国選手の栄誉をたたえて韓国国歌をテープで流すところをモンゴル、続いて韓国と対立する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国歌のテーブを誤ってかけ、男女500メートルの表彰式が翌日にずれ込む大失態が演じられた。

組織委では同日夜、韓国選手団長当てに謝罪文を提出。韓国側も了承し、選手団、応援団に渦巻いた怒りはひとまず沈静化へ向かう様相だが、組織委のずさんさに批判が集まっている。

日本で開かれた国際総合大会では前例のない国歌吹奏テープのかけ間違いは、同市内の美香保体育館で行われたショートトラック最初の決勝種目、女子1500メートルの表彰式で金メダル第1号となった金昭希選手(韓国)らへのメダル授与が終わり、国旗掲揚、国歌吹奏となったところで起こった。

ます流れたのがモンゴル国歌。スタンドの韓国応援団の指摘で音楽は止まったものの、差し替えられてかかった曲は今度はこともあろうに北朝鮮国歌。韓国応援団の怒りは最高潮に達し、怒号が渦巻いた。

前代未聞の不祥事を起こした競技式典部の説明によると、同体育館に組織委から届いていたテープで「韓国国歌」とのラベルが箱にもテープにも張られていたのがモンゴル国歌だった。このためモンゴル国歌が流れ、慌てた音楽担当者が今度は韓国と北朝鮮の国歌が逆に入っていたと錯覚。北朝鮮と示されたテープをかけたところ、北朝鮮国歌がそのまま流れた。館内の恐号にストップ、予備用としてあった韓国国歌のテープをかけて、ようやく正しい曲が流れた。しかし、この感動のあおりで1500メートルに続く男女500メートルの表彰式は10日に順延された。

同式典部の話では、会場に配られたテープの事前点検をしておらず、ラベルの張り違いが表形式前に確認できなかったという。組織委は来年3月に札幌で開催されるユニバーシアード冬季大会組織委と事務局レベルでは同組織のため、準備段階での熱意に欠けると指摘されていた。《共同通信》




3月9日のできごと