平成394日目

平成2年2月5日(月)

1990/02/05

【ソ連・ゴルバチョフ書記長】歴史的党改革を提案

ソ連共産党拡大中央委員会総会は5日午前10時、2日間の日程で開幕。初日にクレムリン宮殿で報告演説を行ったゴルバチョフ・ソ連最高会議議長兼書記長は、ソ連では事実上、複数政党制に移行しているとして、共産党独裁政権を放棄することを表明すると同時に、党書記長のポストを廃止、その代わりに「党議長」を創設するなど党の改革を盛り込んだ歴史的基本方針を初めて公式に明らかにした。

書記長は、10月に予定されていた第28回党大会を6月末か7月初めに繰り上げることを提案した。

初めて初級党機関や炭鉱労働者の代表も招かれた今回の拡大総会では、従来のソ連型社会主義から複数政党制下の「人民的、民主的社会主義」への一大転換を図る基本方針をめぐり、二日間にわたり保守派の反対も含めた激しい議論がかわされる見通しだ。《共同通信》




【東独・モドロウ首相】統一は現実段階

東ドイツのモドロウ首相は5日、人民議会本会議で行った演説の中で「ドイツの統一は現実の段階にきている」と強調、東西ドイツ統一の推進に改めて強い意欲を示した。また、1日に行った段階的な連邦国家樹立提案の中で、西ドイツ側から強い批判と反発が出ていた東西ドイツの中立化について、現在の東西ドイツの領土から軍事的存在を削減することが目的であると説明した。

首相は、統一以前に東西ドイツの軍事的中立化が実現できなければ、統一後にそのために必要なステップを取り決め実施に移せば良いとして、東西ドイツそれぞれの属する軍事同盟からの離脱を、統一のための前提条件としてこだわっているわけではないとの姿勢を示した。

ドイツ民族の一体性については、東ドイツ国内で長い間排除され続けてきたにもかかわらず、決して損なわれることがなかったと述べた。

首相は東西ドイツ国家の統一が現実の段階に入ったとの認識を示す中で、戦後を通じて両国の間で違いが大きくなっている法体系やその他の社会制度を互いに適合させることが重要になっている、と述べた。

しかし同時に、ドイツの統一は機械的なストップウオッチで計りながら実現できるものではなく、強行することもできないとして3日に行われたスイスのダボスでのコール西ドイツ首相との会談ではこの点で一致した、と述べた。《共同通信》

【韓国・ソウル地裁】無許可訪朝の女子大生に懲役10年

韓国の全国大学生代表者協議会(全大協)の代表として朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問、平壌で開かれた第13回世界青年学生祭典に参加して、板門店を越えて韓国に戻り、国家保安法違反などに問われた韓国外語大生、林秀卿被告(22)に対する判決公判が5日午前10時からソウル地裁で開かれ、黄相顕裁判長は林被告に懲役10年、公民権停止10年(求刑、懲役15年・公民権停止15年)、林被告に同行した文奎鉉神父(41)に懲役8年、公民権停止8年(同、懲役10年・公民権停止10年)をそれぞれ言い渡した。判決後、両被告の弁護団は判決を不服として控訴することを明らかにした。

黄裁判長は、林被告や文神父の訪朝が北朝鮮の指示によって行われたものと認定し、国家保安法の(1)指令収受(2)潜入・脱出(3)会合・通信(4)自ら進んで反国家団体やその構成員、その指示を受けた者を支援(5)軍事上の利益供与ーなどの各罪状を適用し、検察側の起訴事実を全面的に認めた。

判決理由の中で、裁判長は林被告らの訪朝、北朝鮮滞在中の行動などが北朝鮮の指示を受けて行われたと認定した上、対南赤化統一路線に同調した被告らの行為が韓国社会を混乱に陥れた、と非難した。

裁判長は林被告らが韓国政府を「反統一勢力」と規定するなどした北朝鮮滞在中の行動、発言が冒険主義的行動であり、国民の統一への熱望を受けた行動とはいえないと述べ、無分別な統一論議が北を利するという国民の声を知りながら積極的に北を勇気づけ、称賛したと決め付けた。

法廷には林被告の母親や文神父の実兄、在野運動関係者らが傍聴に詰め掛けた。神父の兄、文正鉉神父は「こんなのは裁判じゃない。われわれにはなんら恥じることはない。政府が自信がないだけだ。保守合同で統一の環境は厳しくなったが、南北の兄弟はやがてひとつになるしかない」と話した。

林被告は昨年6月末、全大協の代表として韓国政府の許可を得ないまま日本、西ドイツ、ベルリンを経て秘密訪朝。7月1日から8日まで平壌で開かれた第13回世界青年学生祭典に参加し、記者会見をしたり、北朝鮮の学生委員会と南北学生共同宣言を発表、祖国の平和統一を訴えたほか、祭典後、平和大行進に参加。板門店でハンストをしたあと、8月15日、途中で合」流した文奎鉉神父とともに板門店の休戦ラインを越え帰国、国家保安法違反で逮捕された。《共同通信》

【自民党・唐沢俊二郎総務会長】「中曽根氏復党は可能」

自民党の唐沢総務会長(旧中曽根派)は5日の大分県別府市内での記者会見で、リクルート事件の責任をとって離党している中曽根元首相の復党問題について「総選挙というのは重要な手続きの一つだ」と語り、選挙の”みそぎ”を経て中曽根氏から復党申請が出た場合は前向きに対処する考えを明らかにした。

海部首相も2日の党首討論で、リクルート問題に関与した中曽根氏らが総選挙で当選すれば「主権者がどのような審判をするか見守る」と述べ、小沢幹事長も「政治家の審判は最終的に国民にゆだねられる」との認識を示しており、総選挙後当選した中曽根氏から復党申請が出れば、党執行部が検討に入るのは間違いない。

ただ党内には、中曽根氏に対し「リクルート事件の責任を取らずに逃げた」(党幹部)の批判が強くあることも事実であり、中曽根氏が復党するかどうかは微妙だ。《共同通信》

【自民党・安倍晋太郎元幹事長】土井構想を批判

自民党の安倍元幹事長は5日午後、遊説先の愛媛県新居浜市で講演し、消費税廃止に伴う代替財源として土井社会党委員長が提案した旧物品税タイプの個別間接税について「何を言っているのか分からない。社会党はこれまで物品税廃止を言ってきた。物品税復活はあまりにも無責任だ」と厳しく批判した。安倍氏はこれに先立つ香川県丸亀市での講演でも「物品税、法人税などが重課になる。新しい増税案だ」と批判した。

安倍氏は現行の消費税制度については「確かに(政府、自民党側にも)手抜かりはあった」と、一部に配慮が足りなかったことを認めた上で、自民党が昨年12月にまとめた見直し案を説明し理解を求めた。《共同通信》

【自民党・宮沢喜一元蔵相】社会党を批判

自民党の宮沢喜一元蔵相は5日午後、衆院選に立候補した宮沢派候補応援に訪れた魚津市で講演し、先日行われた5党首公開討論会での土井社会党委員長の発言に関連し「だれが聞いてもおかしいことを言わなければならないのが、社会党の体質だ」などと社会党を強く批判した。

宮沢氏は、党首会談で土井委員長が(1)日米安保解消(2)自衛隊は憲法違反—と主張したことに触れ「日本が軍事大国にならずにやってこれたのは日米の友好関係によるものだ。安保は日本の得にはなても損にはならない」「自衛隊がなければ日本は裸になってしまう。やっぱり社会党は駄目だ」と批判した。《共同通信》

【政界メモ】ポスト海部へ意欲チラリ

○…自民党の安倍元幹事長は5日、安倍派所属議員の応援のため香川県丸亀市入り。「今度の選挙は天下分け目の戦い。野党連合政権ができたら日本の内政、外交は破たんし、経済も大混乱する」とのっけから激しい野党批判。さらに「円や株は暴落し、世界は恐慌状態になる。日本や世界のためにも野党連合政権は阻止しなければならない」とまで言い、ボルテージは上がるばかり。

1月の自らの訪ソにも触れ「ソ連共産党が本当に相手にしたいのは、社会党でも共産党でもない。自民党だ」。海部首相の外遊と重なった訪ソを持ち出すあたり、野党批判もさることながら、“ポスト海部”への意欲もチラリ。

◯…共産党の不破委員長はこの日、3日の公示後初の地方遊説のため新幹線で大阪へ。車中で同行の記者団としばし懇談。東欧情勢の変化などから苦戦が伝えられる選挙戦について「私は書記局時代から20年も地方を回っているので、地方のことはだれよりも知っている。選挙というのは楽観している時の方が怖い」と、マスコミ各社の厳しい事前予想はむしろ選挙戦にはプラスと言わんばかり。

先の5党党首公開討論会にも触れ「この前のやり方では相手の表情が全然分からず、やりにくい。円卓かU字型のテーブルで(相手の顔を見ながら)またやりたい」と、党首会談第2ラウンドにも自信たっぷりの様子。《共同通信》




2月5日のできごと