平成4664日目

2001/10/15

この日のできごと(何の日)

【小泉純一郎首相】韓国・金大中大統領と会談

小泉純一郎首相は15日、政府専用機で韓国を日帰り訪問し、ソウルの青瓦台(大統領官邸)で金大中大統領と約2時間会談した。首相は自らの靖国神社参拝について「戦争犠牲者を慰霊するために参拝した。軍国主義は嫌いで(当時の戦争を)深く反省している」と述べ、植民地支配への反省を表明。会談に先立ちソウル市内の西大門独立公園でも「心からの反省とおわび」に言及した。

これに対し、大統領は「高く評価する。実践を期待する」と述べた上で、靖国参拝に関し「A級戦犯を合祀していることが問題だ。善処を切に希望する」と指摘、来年以降の参拝見送りを促した。同時に歴史教科書や靖国参拝問題によって日韓関係が冷え込んだことについて「今日の停滞した状況を遺憾に考える」と懸念を表明した。《共同通信》


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小泉純一郎首相は15日午前、ソウル市内の国立墓地で献花した後「西大門独立公園」を訪れ、日本の植民地支配に抵抗する韓国人が投獄された「西大門刑務所」を再現する歴史館を、日本の首相として初めて視察した。

この後、首相は「日本の植民地支配により韓国国民に多大な損害と苦痛を与えたことに心からの反省とおわびの気持ちを持った」と記者団に述べ、過去の植民地支配に対する反省の意を表明した。《共同通信》

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【小泉純一郎首相】民主党・鳩山由紀夫代表と会談

小泉純一郎首相は15日夜、首相官邸で鳩山由紀夫民主党代表と会談、テロ対策特別措置法案に基づく自衛隊の派遣を国会の事前承認とする民主党の法案修正要求を拒否、両党トップによる協議は決裂した。

首相は(1)自衛隊派遣は国会の事後承認(2)武器・弾薬の陸上輸送は行わない–を法案に明記するとの与党3党の修正案を提示したが、鳩山氏は受け入れなかった。

政府、与党はテロ特措法案の与党修正案を提出し、16日の衆院通過を図る方針だが、民主党は反対を決め、与党の姿勢に激しく反発しており、国会は一転して波乱含みの情勢となった。

小泉首相は鳩山氏との会談で「清水の舞台から飛び降りる気でやるから、賛成してほしい」と、与党案への協力を求めたのに対し、鳩山氏は事前承認を強く主張、平行線に終わった。《共同通信》

【米・炭疽菌感染事件】7カ月男児が炭疽病発症

ジュリアーニ・ニューヨーク市長らは15日夜、緊急記者会見し、炭疽菌感染事件で、米ABCテレビ関係者の7カ月の男児が炭疽菌に皮膚から感染、発症したことを明らかにした。一連の事件で、子供が感染、発症したのは初めて。

米司法当局は、一連の炭疽菌事件を主に米メディアを狙った生物兵器テロ事件の可能性があるとして、差出人の特定を急いでいる。また、ニューヨーク市警はCBS、CNN、FOXの各テレビやAP通信など米主要メディアの郵便室の検査に一斉に乗り出した。

炭疽菌が入った郵便物は15日夕現在、首都ワシントンを含め計4州・特別区で発見され、1人が死亡、13人以上の感染者が確認されている。死者が出たアメリカン・メディア社があるフロリダ州ボカラトンの郵便局で微量の炭疽菌が検出されており、郵便を通じた菌の拡散も懸念されている。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ア・リーグのプレーオフ地区シリーズ(5回戦制)マリナーズ(西地区1位)−インディアンス(中地区1位)第5戦は15日、シアトルで行われ、マリナーズが3−1で勝ち、3勝2敗で昨年に続き3度目のリーグ優勝決定戦(7回戦制)に進出。17日からワールドシリーズ出場をかけ、ヤンキース(東地区1位)と対戦する。

マリナーズは二回、マクレモアが2点適時打。七回はイチローのこの日3本目の安打を足場に加点。先発モイヤーから得意の継投を決め、最後は佐々木が締めくくり、今シリーズ初セーブをマークした。

イチローはこの日4打数3安打で、今シリーズ通算20打数12安打。打率6割は地区シリーズ新、12安打は同タイ記録。《共同通信》

【この日の民主党】

武器輸送問題を梱包上の効率に矮小化するな~伊藤英成議員

衆議院テロ対策特別委員会で15日、一般質疑が行われ、民主党・無所属クラブから4人の議員が質問に立った。

トップバッターは民主党安全保障ネクスト大臣の伊藤英成衆議院議員。伊藤議員は「今回の国際テロリズムへの対応は日本の生き様にかかわる問題だ。世界平和を重視する国として国際社会に位置づけられる行動であるべきだ」と前置きし、そうした視点に立ち、自衛隊を動かす場合の議会の関与、シビリアンコントロールの機能など、十分な検討が必要だと改めて指摘し、質問に入った。

伊藤議員は、オサマ・ビンラディンを犯人と特定した根拠に関する小泉首相の12日の同委員会での報告について、「すべてが乏少とした感がある」とし、政府は直接的な証拠説明を米国政府から十分に受けているか、改めて質した。福田官房長官は「テロ発生以来、緊密に連絡をとっている。米国からの説明に基づき、日本政府は総合的に判断した」とした。

また、日本国内におけるビンラディンに関連する組織の存在について伊藤議員が質したのに対しては、村井国家公安委員長は「情報の性質上、公開できない」と明確な答弁を回避。米国で新たな問題となっている炭疽菌への対応については、坂口厚労相に万全の対策をとるよう求めた。また、新たなテロ情報の収集についても、田中外相に要請した。

続けて、パキスタン情勢の認識について、田中外相はこれまで同様「報道されているほどの状態ではなく、国全体としてはコントロール下にある」との見解をくり返した。これに対し、伊藤議員は「とても安心できる状態ではないはず」と指摘し、十分な状況認識の必要性を外務大臣に訴えた。また、「主権国家に対する自衛隊の行動はまさに有害無益だ」と伊藤議員は強調し、「好意的な対日感情が存在するパキスタンではなおさらのこと、アフガニスタンから難民を生み出さないための支援こそが求められている」と提起した。

武器弾薬の輸送問題については、伊藤議員は、実務上の問題で武器弾薬を除外できないとする政府の主張に対し、「梱包上の効率話にすぎない」と批判し、「武器・弾薬・ヘルメットなどの物資はばらばらに存在するものであって、政府の説明のような“まぎれる”といった状態が発生する可能性は皆無だ」と指摘した。福田官房長官は「円滑な物資輸送のために、弾力的な運用が必要だ」と繰り返すだけだった。

さらに、伊藤議員は「捜索救助はどこで行うのか、そもそもこうした条文が必要かどうかも疑問だ」と主張。また、「医療支援の内容も全く見えず、活動地域も特定できず、戦闘行為の定義もうかがいしれない」と、疑問だらけの内容に改めて言及。基本計画の国会の事前承認が必要だと改めて主張し、派遣される自衛隊員にとっての納得にもつながると主張した。

最後に伊藤議員は「小泉内閣の外交姿勢を極めて心配している」とし、靖国神社参拝問題後にぎくしゃくしている中国・韓国との友好関係の修復とアジア諸国との協調体制の必要性を訴えた。

BC兵器、サイバーテロに警鐘鳴らす~島聡議員

15日、衆議院テロ対策特別委員会における質疑で、民主党の島聡議員が質問に立った。

島議員はまず、国民はこのテロに対する戦いがいつ終わるのかに強い関心を持っているとし、法案が対応措置の終了の要件としている「対応措置を実施する必要がないと認められるに至った時」とは具体的にどういう場合かを質した。福田官房長官は「テロによる脅威が除去された時」としたが、それをいかに判断するのかは述べられなかった。島議員は、脅威除去の具体的想定もない中で、活動の終了が一義的に首相の政治判断に任されていることを指摘し、「本当にそこまで総理に託していいんですか」と問題提起した。

次に島議員は、オサマ・ビンラディンを犯人とする根拠について12日に首相が行った説明は伝聞情報だけで不十分だとし、「すべての情報は開示できないとしても、ここまでは自分の責任で国民に明らかにするという、自分自身の言葉による説明があってしかるべきだ」と田中外相に迫った。しかし、外相は相変わらず報道で流れている情報を繰り返し、それだけでビンラディンが犯人であることは自明の理であるかに答弁。島議員は、「では、そういう情勢判断に閣僚として責任を持つのか」と確認したが、外相は明確な回答を避けた。

また島議員は、集団的自衛権の行使をめぐる問題にも言及。首相が言うように集団的自衛権の定義は様々あり議論はむずかしいとしても、今回の日本の対応が集団的自衛権の行使ではないということを対外的に説明しなければならないと指摘し、どのように説明するのかを外相に質した。しかし外相は、集団的自衛権の定義について「実力の行使に関わる概念」としただけで、対外的な説明の方針については語らなかった。島議員は、この法律の成立がテロ行為国から集団的自衛権の行使だと見られた場合、日本が報復を受ける可能性が大きくなるとし、政府の対応の不十分さを批判した。

さらに生物化学兵器によるテロへの対策をめぐっては、特に炭疽病と天然痘のウィルスへの対応を急ぐべきことを要請。また、コンピュータ・ウィルスなどによるサイバーテロが他の手段によるテロを容易にする突破口として位置付けられつつあることを指摘し、法的整備を含めた対応を行うよう迫った。

日米安保の将来像見据えた対応を~玄葉光一郎議員

15日の衆院テロ対策特別委で、民主党の玄葉光一郎議員が日米安全保障の将来像を提起しながら、質疑を展開した。

玄葉議員は、今回のテロについて「テロの温床となる根本原因の除去が大切だが、残念ながら妥協が通じる相手でないことも冷厳な事実」と述べ、(1)24人の犠牲者を出した日本も当事者(2)国連はじめ国際的協調が生まれている(3)日米安保体制の存在、同盟国として米国は特別な国–の観点から「軍事面での一定のサポートが必要だ」との考えを示して質問に入った。

まず、玄葉議員は「今回の法案策定にあたって、同盟のマネジメントや負担のバランスなど日米安保の将来像に対する展望を政府は持っているのか」と指摘。福田官房長官は「今回の米国の行動に協力するという意味合いの法案であって、必ずしも将来のことを展望してといったようなものではない」は答えたが、玄葉議員は「日米安保は将来、責任・目的・情報・政策決定過程をもっと共有すべき。軍事的に双務的であれということではないが、アメリカが一極主義的な行動や、今回のケースで過剰報復に至る可能性があれば、きちんとやるべきことをやって注文をつける同盟国でありたい」と主張した。

次に自衛隊が活動する際の武器使用基準について、玄葉議員は「仮に危険なところまで自衛隊を派遣するのであれば、国際的なPKOの武器使用基準まで武器使用を緩和すること、十分な訓練、コミュニケーション能力が必要。今回はそこまでできていないのであれば、パキスタンでの活動は極めて限定的にやるか、むしろやらないほうがいいのではないか」と質したが、中谷防衛庁長官は「現時点でパキスタン国内でやるかどうかは決めていない。相手国の同意を得て活動するし、途中で戦闘行為が行われたとしても活動を中断するなど危険を回避する枠組み」だと答弁。玄葉議員は「途中で撤退というのは現実には考えられない。それではお荷物になる可能性がある」と反論した。

また、玄葉議員は、「アフガニスタンのタリバーン後の戦後復興に日本は積極的にかかわるべきだ。日本外交の力量が問われる分野だ」と主張。

さらに、国会の原則事前承認の必要性について、「大統領制のアメリカであっても、民主的統制のために戦争権限法で一定期間内に議会の承認が得られなければ撤退する」「周辺事態法でも対応措置をとるごとに国会承認するよう定めている」と述べ、「今回だけいいというのはおかしい」と指摘したが、政府側は従来の答弁を繰り返すだけだった。

事前承認だめなら法案に固有名詞入れろ~首藤信彦議員

15日の衆院テロ対策特別委員会で質問に立った民主党の首藤信彦議員は、危機管理問題の専門家としての経験と知識に裏打ちされた鋭い質問を連発した。

首藤議員はまず、特措法第2条3に挙げられた「戦闘行為が行われず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」の規定について、中央アジアや東南アジアの諸国の状況に触れながら、「テロや地域紛争でそのような地域があるのだろうか」と疑問を呈した。福田官房長官は「その活動をするときの状況、決定するときの状況に従って冷静に判断をする以外にない」と答えたが、首藤議員は「架空の地域、架空の条件の中で法律をつくれるものなのか。これから基本計画を作ると言っても、どこにもないようなところを対象とするのはおかしな法案ではないか」と反論した。

さらに、法案第3条1の3の「被災民救援活動」中の「被災民」の定義について質問。「報復攻撃によって出てくる難民、避難民を、自衛隊がさまざまな活動をして助けるということか」と首藤議員が尋ねたのに対し、福田官房長官は「人道的見地からあの地域にいる人を助ける」と答弁。「自衛隊がアフガニスタンに入ってそこの避難民を人道的に救援することを意味するのか」と確認すると、「アフガニスタンはこの法律では無理」と否定した。首藤議員は「紛争が起こって被害が出ると、人たちを二つのカテゴリーに分けるのが常識。“難民”は国境を越えた人たちでリフュジーという。“避難民”はIDPと略し、国内にとどまって逃げまどっている人たちを対象としている」と説明し、法案上の定義があいまいであることを明らかに。福田長官は「その定義を先に教えていただきたかった」と弁明するだけだった。

法案第11条であげられている「武器使用条件の緩和」について、首藤議員は「新しい国連PKOを目指したブラヒミ・レポートでは、管理下にある者を守るために武器を思い切って使用しようとしている」として、中谷防衛庁長官にこの法案での意味あいを質したが、長官は「自衛官と同じ危険にさらされた場合に指示に従う者を守る程度だ」などと答えたため、首藤議員は強い口調で「現場は紛争が終わっても憎しみ合い、殺し合いの精神が残っている。そんなことで自衛官を現場に行かせられるのか。日本の若者をそんないいかげんな条件で送れるのか。銃を水平に構えて撃つような状況が本当にある。そういう状況がこの法律では可能になる」と政府の認識の浅さを指摘した。

中谷長官は「危険の高い場所では実施しない」とこれまでの答弁を繰り返したが、首藤議員は「基本計画の国会での事前承認が本当に欠くべからざるものだ。そうでないのなら、この法律の中に固有名詞を入れて、歯止めを作るべき」と主張した。

さらに、テロリストの潜んでいるとされる国の名前を列挙して、「地域を特定しない、それは美しい言葉だが、それでは危機管理にはならない。見えないリスクを察知し、それを予防し、起こったときに緊急な行動をとるのが危機管理だ」と迫ったが、政府側は一般論を述べるだけで議論は平行線のままだった。

また、首藤議員は、今回のテロ事件の被害を受けたアメリカが使う個別的自衛権について、国連憲章第51条での表現が、国連公用語のフランス語で「正当防衛」(レジテーム・デファンス)とされていることを指摘。「アメリカがアフガニスタンまで追いかけていって、その行為によってたくさんの人が死んでいく。ここまで国連憲章第51条は是認しているのか」と疑問を呈し、「個別的自衛権や集団的自衛権の内容はもっと精査すべき。日本とNATOでは違う」と主張した。

最後に首藤議員は、アフガン難民のハザラ族の人たちが、タリバンの弾圧から逃れ日本にたどり着いて難民申請したところ、逮捕、収監されている事実を取り上げ、人権面での対応を適切に行うよう政府に求めた。首藤議員は、「これまでは難民は他人がつくったものだった。今回は違う。来るべき大きな難民の波は、原因は我々にもあると考えて、今までとは違ったレベルでの難民対策を日本国内でも行うべきだ」と強調して、質問を終えた。

[テロ対策法]事前承認が最低要求

民主党は15日午後7時から、党本部において両院議員懇談会を開き、テロ対策特別措置法への対応を最終的に協議した。その結果、「国会での事前承認」を法案に盛り込むことで政府与党に修正を求めることを確認し、交渉については、同日夜の小泉自民党総裁との党首会談に臨む鳩山由紀夫代表に一任することを決めた。

懇談会では冒頭、鳩山代表が挨拶に立ち、「筋の悪い法案だが、反対してそのまま通してしまった後で、その破綻については与党だけの責任だという議論が通るのか。国民の生命と財産を守る立場から、筋のいいものに改めていくことが問われている。その交渉の仕事を私にぜひ一任してほしい」と述べた。

続いて、テロ防止特別委員会の筆頭理事を務める岡田克也政調会長が、与党との交渉の現状について報告。条文そのものをめぐる争点では、武器・弾薬輸送について与党が当該国での陸上輸送は行わないという内容に修正する意向を固めたものの、基本計画の国会承認では事後承認という規定を変えない方針であり、民主党が事前承認を求めているものの厳しい状況にある、などと述べた。

その後、両院の議員が意見を交換。自衛隊を海外に送る法的根拠についてもっと慎重な議論が必要だ、米国との同盟関係を重視して考えるべきだ、など様々な議論が行われたが、国会における基本方針の事前承認を最低限の要求として修正交渉を進めることで一致、鳩山代表に権限を一任した。

最後に鳩山代表が、「皆さんの、この国の行方に対する真摯な思いを確かに受けとめた。私を信じていただきたい。一生懸命頑張る」と党首会談への決意を表明し、全体の拍手で会を締めくくった。

党首会談が決裂~与党が「国会の事前承認」を拒否

民主党の鳩山由紀夫代表は、15日午後9時から首相官邸で小泉首相と約1時間会談し、テロ対策特別措置法案で、自衛隊派遣に際しての基本計画を国会の事前承認とするよう求めた。しかし、与党側は、(1)自衛隊派遣は国会の事後承認とする、(2)武器・弾薬の陸上輸送は行わないことを法案に明記する――との独自の修正案を示し、「事前承認」を拒否したため、交渉は決裂した。

鳩山代表は会談後、国会内で記者会見し、「事前承認は必要条件と考えていた。党として法案には反対する」と述べた。

首相との会談には菅直人幹事長と岡田克也政調会長が同席した。

冒頭、鳩山代表は、(1)テロ対応であるだけに、自衛隊を派遣する法案の前にまずは外交努力が必要だ。今必要なのは貧困問題の解決であり、中東和平への関与だ。主体的外交努力というのであれば、これを協力にやるべきだ(2)この問題は国連の国際的協調関係を重視しながら、アメリカの軍事行動が過剰にならないように、抑制的に行動するよう日本は求めるべきだ(3)国内のテロ対策をしっかりやってほしい――の3点を要望した。

法案については、自民党の山崎幹事長から与党3党でまとまった内容の報告があり、民主党の対応がいかにあろうと、事後承認と陸上輸送を行わないことは法案に盛り込むとの説明があったが、国会の事前承認については最後まで折り合わなかった。

鳩山代表は、「法案への賛成にむけて努力していただいた方々には誠に残念な結果になったが、私たちの生命線であった国会の事前承認が認められなかった以上、法案には賛成できない」と厳しい表情で語った。

同席した岡田政調会長は、「小泉首相は2回しか発言しなかった。ずっと目をつぶって議論を聞いていた」と会談の様子を説明。首相の発言は途中で、「繰り返しの議論だ。民主党も飲めるという案を与党3党で工夫して作ったので、何とかよろしくお願いしたい」と述べたのと、最後にもう一度「よろしくお願いしたい」と述べただけだったという。

国会の事前承認について、与党側は「枠組みだけ国会で決めれば、具体的なことは政府が決めればいい。そもそも承認は必要ない」と主張。民主党は「PKO法でも周辺事態法でも国会の関与のあり方をルールとして確立してきた」と反論したが、折り合いはつかなかった。

また、与党側は「今回の法案は具体的な法案なので、周辺事態法とは違う」と説明したが、「具体的には何も決まっていない。説明としては破たんしている」と岡田政調会長は指摘。

鳩山代表は、「事前承認の必要性をかなり説明したが、与党側が最後まで事後承認にこだわった。最初に自衛隊派遣ありきの発想には賛成しかねる。山崎幹事長は“3党の合意のほうが重い”と述べたが、とんでもない。それならなぜ私たちを呼んだのか。交渉する意味がない。3党合意を首相が乗り超えようという意思はなかった。ただ、頭を下げてよろしくというばかりで、意見交換には全く参加されず、眠っておられるのかと思った。訪韓でお疲れなのはわかるが、我々に対して誠実さは感じられなかった」と残念そうに語った。《民主党ニュース》



10月15日 その日のできごと(何の日)