平成4895日目
2002/06/03
この日のできごと(何の日)
【防衛庁リスト問題】法施行前から幹部了承
防衛庁の情報公開請求者の身元リスト問題で、作成者の海上自衛隊三等海佐(48)が請求者の個人情報の収集を、情報公開法が施行される昨年4月の半年近く前から幹部らと協議、幹部側が了解していたことが3日、複数の関係者の証言で分かった。
関係者の一人は「個人情報を集め、チェックすることが三佐の本来の任務だった」と断言している。
防衛庁は組織ぐるみの情報収集を国会などで否定してきたが、中谷元防衛庁長官は同日、海上幕僚監部だけでなく、内局と陸上、航空各幕僚監部でもリストを作っていたことを明らかにし、組織的だったことを認めた。
これまで同庁は「個人の発意」と説明してきたが、これが覆ったことで、中谷長官の進退問題が浮上する可能性もある。
防衛庁は近くリスト作成に関与した幹部らの処分を決める見込み。
関係者によると、三佐は海幕や横須賀地方総監部で、ロシアなどの対外情報収集や基地の情報保全などを担当。2000年8月から、準備段階の海幕情報公開室担当になった。
同年秋ごろから、海幕調査課や海自中央調査隊幹部らと数回にわたって協議し、請求者の個人データを情報公開業務と関係のない同課などに提供することを確認した。
幹部らは調査部門の活動の参考にしたり、防衛秘密の漏えい防止や隊員らの情報保全に影響がないかを調べるため情報公開請求者の所属団体などを知っておきたかったという。
同庁の資料によると、三佐は情報公開法施行の昨年4月から約2カ月後の6月以降海幕調査課に5回、中央調査隊には2回の身元リストを提出。今年3月に山口県の岩国基地の調査分遣隊に転勤している。
防衛庁は、3月までの約1年間の海幕への全請求者141人分のリストを基に調査を進めてきたが、同庁幹部は「情報収集に関する三佐と調査部門の幹部とのやりとりの記録や関連資料は残されていない」としている。
中谷長官は3日夜の記者会見で、情報公開請求者の個人情報リストが作られていた問題に関し「私の責任は事実関係を徹底的に明らかにすることだ。それ以外になさなければならないことはない」と述べ、当面は進退を考えず、事実解明に取り組む姿勢を強調した。
組織的関与に関しては「組織的というならそういう風に思う」と認め、組織的隠ぺいの可能性についても「(リストの掲載された構内情報通信網である)LANをなぜ止めたのか、首をかしげる。調べる必要がある」と、否定しなかった。中谷氏はさらに、情報公開業務に関係していない宇田川新一人事教育局長を中心とする。新たな内部調査体制を敷く考えも明らかにした。《共同通信》
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【サッカー日本代表】決戦の地へ
サッカーの第17回ワールドカップ(W杯)で4日にベルギーと初戦を行う日本代表が3日、キャンプ地の静岡県から会場地の埼玉県に移動し、宿舎に入った。目標とする「W杯1勝」「決勝トーナメント進出」に向け、いよいよ出番が迫った。日本代表は3日午後、埼玉スタジアムで試合前日の公式練習を行い、トルシエ監督がベルギー戦を控えて会見する。
日本代表は5月21日から静岡県磐田市で最終合宿に入った。主力の小野伸二(フェイエノールト)が虫垂炎を発症し、DFの宮本恒靖(G大阪)が鼻骨骨折するなど、体調に不安を抱える選手が相次いでいる。最終合宿でどこまで調整が進んだか注目される。ベルギーも3日、熊本県のキャンプ地から埼玉県に入り、午後に同スタジアムで最後の練習をする。《共同通信》
【ベルギー・フィリップ皇太子】「両チームが勝つ」
皇太子ご夫妻は3日、東京都千代田区のホテルニューオータニで開かれたベルギー政府主催の「ベルギースタイル晩さん会」に出席された。
夕食会は、サッカーのワールドカップ(W杯)観戦のため同国のフィリップ皇太子夫妻が来日したのを機に、ベルギーのファッションと料理を紹介するために開いた。同国の三ツ星レストランのシェフによる料理が振る舞われたほか、ベルギーのデザイナーによるファッションショーが行われた。
4日のW杯日本対ベルギー戦を日本の皇太子ご夫妻とともに観戦するフィリップ皇太子は「日本と第一戦を戦えることを名誉に思う。両チームが勝つと信じている」とユーモアを交えてあいさつした。《共同通信》
【自民党】田中氏の弁明要求へ
週刊誌が報じた田中真紀子前外相の公設秘書給与流用問題をめぐり、自民党は3日午後、党紀委員会(葉梨信行委員長)を党本部で開き、これまでの田中氏の説明では「疑惑は晴らされておらず、残っている」との認識で一致、党紀委として処分を検討することを正式に決めた。
また田中氏に弁明の機会を設けることを決定、弁明の方法として(1)本人出席(2)書面提出−のいずれにするか6日夕までに回答するよう求める文書を田中氏側に内容証明郵便で送付した。
会合では、町村信孝幹事長代理が党執行部としての対応の経緯を報告。林義郎党政治倫理審査会会長が、田中氏の口頭説明について紹介した。
中山正暉氏は「むしろ国会に出ていただき、参考人質疑など社民党の辻元清美前衆院議員と同じようにやれば、はっきりする」と主張したが、党の信頼回復のため党紀委で検討することになった。
◇
「田中真紀子前外相のことをまたやるのか。そんなことをしたらやくざを使って殺してやるから覚えていろ」−自民党の葉梨信行党紀委員長は、3日、党本部で記者団に対し、田中氏の元公設秘書給与流用疑惑に関し、同氏の支持者とみられる女性から、自宅に脅迫電話があったことを明らかにした。
また同委の野沢太三副委員長も「わたしの所にも来た」と自らの体験を告白。野沢氏の場合、本人が電話に出たが、「ただではおかない」などと脅しを受けたという。《共同通信》
【自由党】定期大会
自由党は3日、都内のホテルで第5回定期全国大会を開いた。小沢一郎党首はあいさつで、小泉内閣に対し「改革は何一つ実現できていない。むしろ後退している」と厳しく批判。「自民党政権を倒し、政権を代えることが『真の改革』の第一歩だ」と指摘した。
さらに小沢氏は「野党も明確な政策をつくり上げ、自民党政権に代わり得る、政権の受け皿としての姿を国民に示さなければならない」と述べ、民主、社民党との連携を軸に、国会運営だけでなく選挙協力や政策調整をはじめ、政権構想の取りまとめにも着手する考えを強調した。
小沢氏は大会終了後の記者会見で、野党共闘について「現実に政権を取れるとの認識を持つことができれば異論も乗り越えられるし、そういう状況ができつつある」として、政権奪取に向けた3党間の信頼醸成が進みつつあるとの見解を表明した。《共同通信》
【政界談話室】
民主党の羽田孜特別代表は3日の記者会見で、福田康夫官房長官の非核三原則見直し発言に関し「ちょっとひどすぎるなという思いが率直にする」と強く批判した。「相当保守的な人でも今の内閣はお粗末すぎるよと言っている」と政権の緊張感のなさを指摘した羽田氏は、鈴木宗男衆院議員らの疑惑に触れ「自民党政権が長く続き過ぎた中で必然的に生まれてきた事態だ」と政権交代論を展開。さらに小泉内閣の経済政策を批判する中で「失われた10年はまさに失政続きだ」と指摘したが、「その10年には羽田内閣も入っていた」との皮肉も聞こえてきそう。《共同通信》
【小泉純一郎首相】スイス外相と会談
小泉純一郎首相は3日昼、首相官邸でスイスのダイス外相と会談し、秋に予定されているスイスの国連加盟決定後は、両国の協力関係を一層強化していく方針を確認した。
首相は「永世中立国であるスイスを目標にして、多くの人たちが『日本は東洋のスイスになろう』と考えている」と指摘。国連加盟後のスイスの中立政策について、ダイス外相は「中立を維持する形で国連に加盟する」と強調した。《共同通信》
【衆院有事法制特別委員会】
衆院有事法制特別委員会は3日、福田康夫官房長官の非核三原則見直し発言をめぐり野党が小泉純一郎首相も出席して集中審議を行うよう要求したのに対し、与党側が応じず、審議が空転した。
また野党側は同日の特別委理事会で、組織的関与が判明した防衛庁の情報公開請求リスト作成問題でも集中審議を要求。「福田官房長官、中谷元・防衛庁長官が担当を続ける限り、有事関連法案のまともな審議はできない」(鳩山由紀夫民主党代表)として、両長官に対する不信任決議案提出を検討するなど、今後両氏の政治責任を厳しく追及する方針だ。有事関連法案審議の見直しはさらに不透明となった。与党側は事態打開のため10日の集中審議実施を打診している。
ただ野党側は当面、他の法案審議などには波及させない考えで、5、7両日の有事法制特別委の地方公聴会も予定通り行われる。
福田氏発言に対し自由党の小沢一郎党首は「国の大事な問題を政治理念もなく言っていては政治を誤る」と指摘。共産党の市田忠義書記局長も「世界の核廃絶の流れに、被爆国である日本の政府首脳が逆流を持ち込もうとするもので、許し難い暴言だ」と非難した。社民党の土井たか子党首は「小泉内閣のタカ派的体質をあらわにしたものだ」と批判した。
また防衛庁のリスト問題に関しても「組織ぐるみのスパイ活動」(市田氏)「戦前の憲兵隊を思い出す」(土井氏)と行政への不信感を鮮明にした。《共同通信》
【横浜地裁】元保育園長に懲役20年
1999年から2000年にかけ、預かった2歳以下の子どもを虐待、2人を死亡させ、4人に重傷を負わせたとして傷害致死罪などに問われた神奈川県大和市の無認可保育園「スマイルマム大和ルーム」(既に閉鎖)元経営者で元園長のA子被告(31)に横浜地裁は3日、求刑通り懲役20年を言い渡した。
懲役20年は有期懲役刑の加重上限で、傷害致死事件での適用は異例。
矢村宏裁判長は「抵抗できず、暴行を受けたことを訴えることも十分できない乳幼児への犯行で、極めて卑劣。約1年間、継続的に虐待した。反省の情は全くうかがえず、刑事責任は極めて重大」と述べた。《共同通信》
【インド、パキスタン】首脳調停が本格化
インドとパキスタンの緊張が高まる中、両国首脳が出席したアジア相互協力信頼醸成首脳会議の実質的な協議がカザフスタンのアルマトイで3日始まった。ロシアのプーチン大統領は4日、インドのバジパイ首相とパキスタンのムシャラフ大統領と個別に会談、双方に自制と妥協を促し、直接会談を呼び掛けるなど、首脳レベルの本格的な調停外交が展開される。
中国の江沢民主席も同日、バジパイ首相、ムシャラフ大統領と個別に会談する予定で、ロシアと中国による首脳調停が事態打開の契機となる可能性もある。
これより先に、アルマトイでは3日、カザフスタンのナザルバエフ大統領が両首脳に対し緊張緩和を働き掛けた。タス通信によると、ナザルバエフ大統領はバジパイ首相に「紛争をエスカレートさせないよう」求めた。
焦点の直接会談について、ムシャラフ大統領はアルマトイで3日、バジパイ首相との会談を「無条件で」受け入れると表明。一方、首相はこれまで再三にわたり直接会談の意思がないことを表明している。
一方で、あえて今回の会議に同席した両首脳には、プーチン大統領らを通じ、自国の立場をあらためて訴え、国際社会に理解を求めるとともに、相手側の出方を探る狙いがあるものとみられる。
今回の紛争ではアーミーテージ米国務副長官とラムズフェルド米国防長官が今週中にも相次いで両国を訪問する。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は3日、オークランドでのアスレチックス戦で5打数2安打。連続試合安打を「12」に伸ばした。トップの打率は3割7分6厘で、2位とは3分3厘差。佐々木投手が九回を無失点で13セーブ目(2勝1敗)。ジャイアンツの新庄外野手はパドレス戦に「7番・中堅」で先発し、4号ソロ本塁打を含む5打数2安打2打点。打率を2割4分7厘に上げた。《共同通信》
【この日の民主党】
4野党、「非核三原則」見直し発言で官房長官罷免を要求
民主、共産、自由、社民の野党4党は3日、国会対策委員長会談を開き、複数の政府首脳による「非核三原則」見直し発言をめぐって、福田官房長官の罷免、武力攻撃事態特別委員会での首相出席による集中審議、の2点を要求することを確認した。
国対委員長会談での確認事項は、以下の通り。
(1)福田官房長官の責任を問い、罷免を要求する
(2)「福田官房長官」「政府首脳」の発言について総理出席の下で集中審議を行い、小泉内閣の姿勢を糾す。これが行われない限り、有事3法案審議は継続しない。また、同日の武力攻撃事態特別委は、与党側理事が集中審議開催の要求を拒否したため野党側が出席せず、散会となった。
[政府首脳発言の概要]
「非核三原則は今までは憲法に近かったけれども、これからはどうなるのか。憲法改正を言う時代だから、非核三原則だって、国際緊張が高まれば国民が持つべきではないか、となるかもしれない。」(政府首脳)
「理屈から言えば(核兵器は)持てるだろうと思う。しかし政治論としては、それはないだろうと思う。これは私の個人の考え方として申し上げる。専守防衛だから、そういうものを持つ必要がない、むしろ持たないということだ。しかし、そういう手段を憲法上、法理論的に持っちゃいけないというようには書いてないだろうと思う。持ってもいいが、使っちゃいけないと。それをもう少し積極的に政策判断として、持つのをやめようというのが非核三原則だ。」(福田官房長官)
(上記の発言について)「あれはどうってことないよ」(小泉首相)
「現内閣の下での有事法制議論は困難」羽田特別代表
民主党の羽田孜特別代表は3日の定例会見で、政府首脳の「非核三原則」見直し発言問題に触れ、「ひどすぎる。この内閣は何を考えているのか」と厳しく非難した。
羽田特別代表は、「非核三原則だって、国際緊張が高まれば国民が(核兵器を)持つべきだ、となるかもしれない」「理屈から言えば(核兵器は)持てるだろう」といった政府首脳の発言について、「ひどすぎるな、という思いだ」「(非核三原則は)日本の安全保障、外交の基本に関する問題。有事法制を議論しようという時に、また日韓でワールドカップを共催し国際関係を良くしていこうという時に、どういうものの考え方をしているのか」と批判。また、有事関連法案をめぐる審議についても、「現在の内閣の下で有事法制を議論するのはいかがなものか」と不信感を露わにした。《民主党ニュース》