平成5497日目
2004/01/26
この日のできごと(何の日)
【石破茂防衛庁長官】陸自本隊にイラク派遣命令
石破防衛庁長官は26日夜、イラクで人道復興支援にあたる陸上自衛隊の本隊と、陸自の車両や装備を輸送する海上自衛隊に派遣命令を出した。陸海空3自衛隊への派遣命令がこれで出そろった。
陸自本隊の第1陣となる施設部隊は来月3日、海自の輸送艦・護衛艦は同20日ごろ、それぞれ出発する。3自衛隊が海外で同時に展開するのは初めて。戦争状態が続く他国で、自衛隊が初めて活動を本格化させる。
小泉首相は26日夜、官邸で記者団に「無事に、立派に任務を果たしてくれると心から祈っています。(陸自の派遣先のサマワは)比較的、他の地域に比べて治安は安定していると報告を受けている。住民の皆さんも自衛隊を歓迎してくれていると。自衛隊なら住民ともいい関係を築き、復興支援に役だってくれると判断した」と語った。 《朝日新聞》
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陸上自衛隊本隊へのイラク派遣命令に対し26日、与党が安全に任務を遂行することに強い期侍を表明する一方、野党各党は「憲法違反だ」と一斉に批判の声を上げた。
民主党の菅直人代表は党本部で記者団に「これから約1年の活動期間に戦闘がない地域となぜ言えるのか。イラク復興支援特別措置法にも反した命令で、非戦闘地域というフィクションが崩れた点からも明らかに憲法に反する」と批判した。
共産党の志位和夫委員長も記者会見で「大義のない侵略戦争、軍事占領支配に対する自衛隊の加担で、世界の平和秩序の流れに逆行する」と非難。社民党の又市征治幹事長は記者団に「米英占領軍と一体的な行動を行うのは明らかに憲法違反だ。政府自らが憲法を踏みにじって軍事行為に加担することは断じて許せない」と述べた。
一方、自民党の安倍晋三幹事長は記者団に「われわれの代表として崇高な任務を完遂してもらえると期待している。派遣に高い支持が得られるよう国民に説明していきたい」と強調した。公明党の冬柴鉄三幹事長は「士気を維持して事故なしに使命をしっかり果たしてほしい。地元の困った人たちからありがたいと思ってもらえるような仕事をしてほしい」と語った。《共同通信》
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【衆院予算委員会】
小泉純一郎首相は26日午後の衆院予算委員会で、日本がイラク戦争を支持した根拠だった大量破壊兵器について前米調査団長が「存在するとは思えない」と言明したことに関連し、「今持っているとも、持っていないとも断定できない。将来見つかる可能性はある」と引き続き、捜索に期待する考えを表明した。
石破茂防衛庁長官は、バグダッド西方で起きた自衛隊用物資運搬車襲撃事件に関連し「起きた場所が派遣しようとしているイラク南東部ではない。(サマワが)比較的安定しているという判断に相違が生じることはない」と述べ、同事件が陸上自衛隊の派遣に影響がないことを強調した。
また石破長官は「海外の(日本関連)権益や日本国内へのテロの脅しがあったから、イラク特措法の枠組みが変わるかというと、必ずしおそんなことはない。そのままイラク特措法に影響するとは考えていない」と延、国内外で日本を標的としてテロ攻撃などが起きた場合も、自衛隊の活動中止などには直結しないとの認識を示した。《共同通信》
【大阪市】泥酔学生がJR鉄橋に侵入、電車止める
26日午前7時10分ごろ、大阪市北区と淀川区の間を流れる淀川にかかるJR東海道線の鉄橋に、若い男性が立ち入っているのを、西明石発高槻行き普通電車の運転士が発見、停止した。男性は約20分後、約1・5キロ離れた新大阪駅から駆け付けた駅員らに保護された。神戸市内の大学生(19)で、かなり酒に酔っていたという。
JR西日本によると、普通電車は約20分後に運転を再開。東海道線などは午前9時までに、上下計20分が部分運休、計68本が最大29分遅れた。朝の通勤時間と重なり、約7万人に影響した。影響はさらに広がる見込み。淀川署によると、少年は北区側から鉄橋に入って淀川を渡ろうとしていたらしい。同署で詳しく事情を聴いている。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の野田佳彦国対委員長は26日の記者会見で、同党の古賀潤一郎衆院議員の学歴問題への見解を聞かれ「日本に帰って来た本人が岡田克也幹事長に報告するだろう」と控えめのコメント。身内議員の問題とあって「報告」を聞いて適切に判断をする」「明朝には役員会がセットされている。そこで報告が出るだろう」と最後まで歯切れが悪いまま。日ごろは雄弁で鳴らす野田氏も、この問題では大きな体を縮めるようにして、防戦一方。《共同通信》
【民主党・古賀潤一郎衆院議員】帰国
学歴疑惑が浮上している民主党の古賀潤一郎衆院議員(福岡2区)は26日午後、米国での調査を終え、成田着の全日空機で帰国し、直ちに地元福岡に戻った。27日に福岡で記者会見する。
古賀氏は帰国後、成田、福岡両空港で記者団に「大きな混乱を招いたことをおわびしたい」と述べ、陳謝。「明朝、街頭演説で調査結果と今後の政治活動について有権者にきちんと説明し、会見もする」と「説明責任」を果たす意向を強調した。進退問題は「その時にすべて話す」として明言せず、詐称疑惑をめぐり「報道と私の認識には大きな違いがあった」として調査を続ける考えも示した。
責任問題は岡田克也幹事長ら党幹部と相談の上で結論を出す見通し。幹部の一人は「本人は相当覚悟を決めていると思う」と離党や議員辞職を検討しているとの見方を示した。ただ、古賀氏が所属していた旧自由党出身者を中心に「この程度のことで辞める必要はない」などの擁護論も強く、流動的だ。《共同通信》
【鳥インフルエンザ】タイ、感染疑いの5人死亡
タイ保健省は26日、高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いがある5人が同日までに死亡したことを確認したと発表した。タイでは新たな感染者1人も確認され、今後犠牲者が大幅に増える可能性が出てきた。パキスタンでも鶏への感染が確認されるなど、鳥インフルエンザは東アジアから南アジアへも波及、拡大の懸念はさらに強まった。
同省によると、新たに感染が確認されたのは夕イ中部スコタイ県の男児(6つ)で、タイでの感染確認は死亡した別の男児(6つ)を含む3人となった。感染の疑いがあるのは死亡した5人を含む計10人。
一方パキスタンの畜産当局は26日、同国南部のカラチで鶏への鳥インフルエンザ感染が確認されたと明らかにした。ウイルスの型は不明。
AP通信によると、タイの隣国ラオスでも鳥の大量死が発生、鳥インフルエンザの疑いがあるとして検査を行っているという。タイ保健省当局者によると、26日までに同国内の10県で、鳥インフルエンザに感染した鶏が確認された。
同国政府は中部を中心とした24県を、インフルエンザ汚染または汚染警戒地域に指定し、鶏の大規模な処分作業を実施。26日の同国テレビによると、処分された鶏は1000万羽に上った。
タイ国家経済社会発展委員会当局者は26日までに、鶏肉消費量の落ち込みなどで、鳥インフルエンザが同国経済に悪影響を与えていることを認めた。地元報道によると、ホテルの予約が減少するなど、観光業にも打撃が出始めている。《共同通信》
【この日の民主党】
菅代表、鳥インフルエンザで現地調査
民主党の菅直人代表は、25日から2日間の日程で高病原性鳥インフルエンザが発生した山口県阿武郡阿東町などを訪れ、感染の実態や被害状況などの聞き取り調査を行った。
高病原性鳥インフルエンザに感染した鶏は、今月12日、阿東町の一養鶏農家で発見。同農場の全養鶏(およそ2万羽)の殺処分、鶏糞などの埋却処分、出荷鶏卵の回収・焼却処分に加え、発生農場から半径30km以内での鶏、鶏卵、鶏肉等の移動禁止といった対策が、国の「防疫マニュアル」に基づいてすでに実施されている。
25日に山口県に入った菅代表は、まず山口市内で阿東町の養鶏関係者からの聞き取りを実施。参加したおよそ20名の関係者からは、「(移動禁止措置によって)卵の売り上げはゼロなのに、出荷できない卵の蓄積・廃棄のための費用が1日60万円にもなる。これではもたない」「山口県というだけで取引を拒否されるケースも出ている」など、移動禁止による損失や風評被害の拡大への対応を訴える切実な声が相次いだ。菅代表は、国のレベルでも地元の養鶏業を守るための緊急的な措置を働きかける意向を表明した。
翌日、阿東町内の農場を視察した菅代表は、その後、町役場支所で阿東町長および対策本部からヒアリングを受けた。対策本部からは、養鶏業者の協力による迅速な対応で感染拡大の危険はほぼなくなっていることなどが報告されるとともに、感染ルートの早期解明、養鶏農家の経営安定対策などへの国の取り組みに対する要請がなされた。
さらに山口市内に戻った菅代表は、阿東町産の鶏肉・鶏卵を使った料理を試食。「やきとり丼」などを頬ばりながら、「鶏肉や卵を食べて感染することはないから平気。おいしいね」と調理品の安全性をアピールした。
2日間の日程を終えた菅代表は、「鳥インフルエンザもBSE同様、国全体の危機管理の問題だ。養鶏業者が継続していけるよう、移動禁止で出荷できない生産物の買い上げなどの措置も必要だろう。今日からの予算委員会で取り上げるだけでなく、農水省などに直接要請もしたい。超党派できちんとした対応をすべきだ」と語った。
調査には、篠原孝衆院議員、平岡秀夫衆院議員、松岡満寿男参院議員、大泉博子山口県連副代表らも同行した。
「予算委ではイラク・BSE問題を追及する」野田国対委員長
民主党の野田佳彦国会対策委員長は26日午前の会見で、基本的質疑が行われる同日の衆議院予算委員会について「補正予算の中にイラク復興支援への資金協力も組まれており、イラクの問題を中心にきびしく議論していく」と語った。また、BSEをめぐる問題も追及する構えを示し、「(BSEもイラクの問題も)根底に流れる考え方は一緒。総理は一国平和主義か国際協調主義かと声高に叫んでいるが、総理の姿勢はアメリカ一国中心主義に日本が加担している状況だ」と断じ、BSE感染牛が国内で発生した時と米国で発生した場合との政府対応の違いを踏まえて議論していく意向を示した。
また野田委員長は、イラク問題特別委員会の同日の理事会で陸自先遣隊の報告を受けることについて、「この報告者は防衛庁。これでは現場は満足しない。当然、参考人として派遣された隊員からしっかりと報告を受けたいと要求している」と述べた。
筒井議員 、自衛隊派遣の判断基準を質す
民主党の筒井信隆議員は26日の衆議院予算委員会で、イラクへの自衛隊派遣の基準を改めて問い質した。政府側は明確に答えられず、審議はしばしば中断した。
筒井議員はイラク特措法で言う非戦闘地域の定義について質問。石破防衛庁長官は「憲法9条で言う『国際紛争を解決する手段としての武力の行使』と評価されないこと、攻撃が計画性、組織性、継続性、国際性などを有しないこと、そうした戦闘が行われていない地域」と答弁。これに対して筒井議員は「2人の外交官が殺害された事件で、攻撃した相手は分かっているのか。攻撃する相手が分からないのに、どうして12月中旬までサマワが非戦闘地域だと断定できるのか。また、ロケット砲などで攻撃された場合はどうなのか」と畳み掛けた。
石破長官は「相手が誰かは断定できない。(武力攻撃かどうかは)相手が誰であるかにより、攻撃の手段ではない。世の中には絶対にとは、どこの地域でも言えない」と答弁した。筒井議員は「それは、政府の議論、解釈であって、世間の解釈と違う。そもそも非戦闘地域ということ自体がフィクション。実際、憲法違反を避けるための条文だと委員会でも答弁している」と追及。石破長官は議事録を精査するとして、答弁しなかった。
首藤議員、イラク復興支援費の曖昧さを追及
衆議院予算委員会で26日、平成15年度補正予算に関する一般質疑が行われ、民主党・無所属クラブから首藤信彦議員が関連質問に立った。首藤議員は、政府の補正予算案に計上されたイラク復興支援経済協力費の問題点を指摘。同項目を削除し、16年度本予算の検討項目とすることを求めた。
首藤議員はまず、イラク復興支援経済協力費1188億円のうち、特にイラクへの直接支援分とされる559億円について、その対象細目を質した。谷垣財務相は「電力、水、衛生、治安維持などを検討している」としたが、首藤議員は「補正で急いで執行しようとするものの内容がはっきりしていないのはどういうことだ」と批判した。
また首藤議員は、援助の受け皿についても確認。川口外相は「イラク内務省が対象。暫定行政機構(CPA)は考えていない」などとしたが、首藤議員はCPAの占領統治下で省庁などの機構は確立されていないことを指摘し、併せてCPAへの直接援助や地方政府への資金提供が法的に可能か否かについても質した。これに対して外務省、内閣法制局はまともに回答できず、首藤議員は「誰に対して支出するのかがはっきりしなければ、この予算は執行できない」と厳しく断じた。
鮫島議員、食品安全行政の欠陥を追及
衆議院予算委員会で26日、民主党の3番手として質問に立った鮫島宗明議員は、鳥インフルエンザ、BSE対策をふまえ、食品安全行政の問題点を質した。
鮫島議員はまず、鳥インフルエンザについて、感染した鶏の肉や卵からの人への感染の有無について質問し、坂口厚労相から「鶏肉、卵から伝染しない」との答弁を得た。鮫島議員は重ねて質し、食品衛生法上の観点では輸入禁止措置が必要ないことも坂口厚労相の答弁を通じて明らかにした。にもかかわらず、鳥インフルエンザの発生を理由に、鶏肉の輸入停止措置を行っている国は10カ国に上ることが亀井農水相への質疑から判明。鮫島議員は山口県阿東町で感染鶏が発見されたため山口県産鶏肉が取引されないといった風評被害が拡大する一因には農水省のこうした措置の影響が大きいとする見方を示し、「安全・安心を守ることは大事だが、2つは分けて考えないと、食の世界がパニックに陥りかねない」と指摘した。
また鮫島議員は、米国で発生したBSEの問題をめぐって、国産牛肉に行っている「危険部位の除去、全頭検査」を輸入牛肉すべてに課すよう求めた。小泉首相や亀井農水相は「国民の安全・安心に向け、日本と同等の対応をしたい」などとあいまいな答弁をくり返したが、最終的には前向きな答弁を引き出した。
前原議員、イラク復興へ戦略外交の展望質す
衆議院予算委員会が26日開かれ、民主党は前原誠司議員(『次の内閣』外務大臣)が平成15年度補正予算の基本的質疑に立った。
前原議員はイラクの復興・治安回復に向けて小泉外交は極めて局地的、対症療法的であり、戦術外交・小外交の域を出ていないと批判。イラクを民主主義国家として立ち上げるために、国連の関与と仏独などを含めた国際社会の参加、そのための米国への説得などで日本がイニシアティブをとって積極的な戦略外交・大外交を展開すべきだと説いた。
しかし、小泉首相からは相変わらず「総論で言葉が踊るだけ」の具体性を欠いた答弁が続いた。また前原議員は、25日にイラクで防衛庁関連トレーラーが襲撃されたことに触れ、海外でのわが国の権益侵害や日本国内におけるテロなどの脅しがあった場合、万全の態勢がとれるのか、派遣計画に狂いは生じないのか、と質した。
さらに前原議員は道路公団改革について、「政府与党案では新しい民営化会社は利潤を上げないとされるが、これで新規道路が建設できるのか。株が上場できるのか。民営化と言えるか」と鋭く追及。「委員が多数辞任して民営化推進委員会が空中分解しているのは、答申、意見書が反映されないからだ」と断じた。《民主党ニュース》