平成1538日目

平成5年3月25日(木)

1993/03/25

【水俣病3次訴訟】国、県の責任認める

水俣病未認定患者118人(死亡患者の遺族を含め原告238人)が原因企業のチッソと国、熊本県に総額23億3640万円の損害賠償を求めた「水俣病3次訴訟第2陣」の判決が25日午前、熊本地裁で言い渡された。

足立昭二裁判長は「国、熊本県には食品衛生法や水質二法を適用して、水俣病の発生の拡大を防止すべき義務があったのにこれを怠った」として行政側の法的責任を認め、患者105人について、総額約5億5800万円の賠償の支払いを命じた。うち1割を国・県の連帯責任とする原告側勝訴の判決。行政責任を認める判断は同じ熊本地裁で昭和62年にあった同訴訟第1陣判決に続き2回目。責任を否定した昨年の東京訴訟、新潟二次訴訟判決を覆した上、原告の約9割を事実上水俣病と認めた。

福岡高裁などで進められている水俣病訴訟の和解協議を拒否している国にとって極めて厳しい判決で、今後協議への参加と未認定患者の救済を強く求められることになりそうだ。

国、県の行政責任について判決は「昭和34年までに水俣病の原因は有機水銀とほぼ判明し、チッソ水俣工場の排水が強く疑われることを国、県は認識できた」と指摘。「食品衛生法や水質二法を適用して汚染魚介類の販売・漁獲禁止や工場排水規制をする義務を怠った」と判断した。

原告が水俣病かどうか、(病像)については「感覚障害のみの水俣病も有機水銀を体内に摂取したと推認できれば存在し得る」と原告側の主張をほぼ採用。家庭内に患者がいるなど有機水銀を体内に蓄積したと認められる105人を事実上、水俣病と認定した。

その上で、原告の症状に応じて800万ー400万円の5ランクを設定。和解協議で福岡高裁が示している800万ー200万円の和解案にほぼ沿つ内容を示した。

今回の訴訟で原告側は「住民の生命、健康が侵害される緊急事態では国、県はあらゆる手段で被害を防止する義務があった」と指摘。行政側は「規制を義務付ける法律がなく、行政指導の義務もなかった。魚介類の汚染実態や汚染源が未解明な段階での規制は不可だった」としていた。

原告が水俣病かどうかについては「感覚障害のほか水俣病に特徴的な複数の症状が必要」とする行政側に対し、原告側は「汚染魚を多食した人に感覚障害が出れば水俣病。行政の基準は厳しすぎる」と主張していた。《共同通信》



【大相撲春場所12日目】若花田関がトップ死守

大相撲春場所12日目(25日・大阪府立体育会館)初優勝を目指す小結若花田が新横綱曙を取り直しの末破って1敗を堅持し、単独トップの座を守った。若花田は取り直しの一番で、曙に寄り立てられたが、土俵際右すくい投げを決めた。曙は4敗目を喫し、優勝戦線から大きく後退した。

若花田を1差で追う新大関貴ノ花と新小結若翔洋も快勝。貴ノ花は元気者の剣晃を上手投げに下し、若翔洋も大翔山を退けた。3敗力士がいなくなり、優勝争いは1敗の若花田に2敗の貴ノ花、若翔洋を加えた二子山部屋の3力士にほぼ絞られた。大関小錦は勝ち越し決定。関脇霧島は負け越した。十両は時津洋と星安出寿が9勝3敗で首位。《共同通信》

【宮沢喜一首相】ベトナム・キエト首相と会談

宮沢首相は25日午後、首相官邸でベトナムのボー・バン・キエト首相と約1時間会談した。

1976年のベトナム統一後、初めての日越首脳会談で、両首脳はインドシナ地域の安定と発展のために米越関係正常化が必要との認識で一致、キエト首相は(1)正常化を阻害するものは提起していない(2)行方不明米兵(MIA)問題で米国との協力に何ら条件を付していない、として「米国との関係正常化のため最大限努力することをここで確認したい」と関係正常化への強い意欲を表明した。《共同通信》

【政界談話室】

○…衆院議運委の25日の理事会で、国会議員の文書通信交通滞在費を月額100万円と現行より25万円もアップさせる歳費旅費法改正案が議題に。オブザーバーの共産党の東中光雄氏は、東京での滞在費が新たに盛り込まれた点に「手当を上げること自体は賛成だが、地方と東京の議員の滞在費が一律なのはおかしい。法案には反対だ」とかみ付いた。ところが他党の理事から「じゃあ手当はもらわないのか」と突っ込まれて「法律で決められた以上、受け取る。でないと法律違反になる」と苦しい言い訳。

○…連合の山岸会長は春闘敗北宣言のこの日の記者会見で、所得税減税に触れ「賃上げがうまくいかないから減税をやりたがっていると言われるが、両方まっしぐらにやってきた」と弁明しながらも、「減税では連合も野党に影響力を発揮した。連合も存在感を示したなあ」と妙な強がり。最後には「減税問題は野党も存在が問われる重大な問題。不渡りに終わらせれば野党は一体何じゃいと言われる」。結局、野党の責任問題と予防線を張っていた。《共同通信》

【ロシア最高会議・ハスブラトフ議長】大統領解任を断念

ハスブラトフ・ロシア最高会議議長は25日「私の考えでは人民代議員大会は大統領解任ではなく、大統領と人民代議員の同時選挙を支持することになろう」と述べ、26日に招集される臨時人民代議員大会で、大統領を解任に追い込むことを事実上断念したことを明らかにした。

また、エリツィン大統領は25日夜(日本時間26日未明)に行うテレビ演説のテキストによると、大統領信任投票を行う権利を守り抜くと強調。大統領の特別統治導入を違憲とした憲法裁判所の判断について、大統領令が発表される前の性急な決定と強く批判する。共同通信が入手した演説草稿で明らかになった。

議長表明により、ロシアの政治混乱の最大の要因だった大統領解任問題は、ひとまず先送りされた。今後の焦点は、大統領に対する信任投票実施を主張する大統領側と、大統領と代議員の同時繰り上げ選挙の早期実施を求める議長の間で、妥協が成立するかどうかに移った。

大統領解任の急先ぽうだった議長は「私は弾劾(解任)の支持者ではない」と述べた。議長は「正しい解決を見いだすことは可能だ」とし、「最も正しいのは近いうちに大統領と代議員の選挙を行うことだ」と強調した。《共同通信》

【戸浦六宏さん】死去

ニヒルな持ち味の名わき役として知られた俳優の戸浦六宏さんが25日午前7時、多発性動脈瘤のため東京都文京区の東大病院で死去した。62歳。大阪市出身。

京大文学部時代に、作家の故高橋和巳氏らと劇団を結成。昭和30年に京大を卒業し、大阪市内の私立高校で教師に。35年、大学の同窓生だった大島渚監督に誘われ、映画「太陽の墓場」に出演、映画デビューを果たし、これを機に高校を退職した。

大島監督が36年に設立した創造社に発足と同時に参加。「日本の夜と霧」「飼育」「日昼の通り魔」など、30−40年代の大島作品のほとんどに出演した。《共同通信》



3月25日のできごと