平成976日目

平成3年9月10日(火)

1991/09/10

【東京都世田谷区】校長35人「学研」から接待

東京都世田谷区の区立小学校校長35人が、出版社「学習研究社」(本社・大田区)の関係者らから酒食の接待を受け、その場で同社が新しく作った教科書に対する力添えを要請されていたことがわかり、都教育庁は10日、27人を戒告、8人を文書訓告とする処分を決めた。35人もの校長が同じ理由で一斉に処分を受けるのは全国的にも極めて異例のケース。

都教育庁、世田谷区教委の調べによると、接待があったのは5月末から6月末にかけて。世田谷区内の64の区立小学校のうち35校の校長が、杉並区内のかっぽうに4回に分けて招かれた。校長たちを招いたのは、今春に教職を退き学研の編集顧問に就任した世田谷区の元区立小学校校長。4回のうち3回までは、この元校長とともに学研の東京第二支社長と営業担当者が同席。学研側は校長らに対し、同社が来年度用に新しく作った生活科と保健の教科書について「内容を検討してください」と力添えを要請した。

校長らは「退職した先輩(元校長)に呼はれ、趣旨を知らずに会合に出席した」と説明しているが、全員が酒食の代金(一人5000円)を支払わずに帰った。区立小学校の場合、教科書の選択を最終決定するのは都教委だが、事実上は各区が区内の学校の意見をまとめて決める形。都教育庁では「選択に直接影響した事実はないが、対応に軽率な点があった」と、学研の正社員が同席した会合に出席した27人を戒告、残る8人を文書訓告とした。《読売新聞》

【大相撲秋場所3日目】若花田が3連勝

大相撲秋場所3日目(10日・両国国技館)平幕の若花田が、前日の横綱旭富士に続いて大関小錦を倒した。若花田は小錦の突っ張りをかわしてもろ差しから寄り切り、土つかずの3連勝。小錦は早くも2敗目。

新関脇貴花田は危なげない相撲で起利錦を寄り切って3連勝。大関霧島は、先場所優勝の左張出小結琴富士を豪快につり落として雪辱し、全勝を守った。横綱旭富士は栃乃和歌の寄りに土俵に詰まったが、右突き落としで辛うじて逆転し、連敗を免れた。《共同通信》

【電力総連】民社党支持を決定

電力総連は10日大阪市で開かれた定期大会で、政党支持問題について、これまでの純中立との立場を転換し、「民社党中心の政治勢力の拡大に取り組む」との1991年度政治活動方針を採択、民社党を支持することを正式に決定した。

また電力総連を複合産別組織から簡素で機能的な単一産別組織へと強化・発展させるため、傘下の電力労連はじめ電工、検集、電保の4労連を1993年9月をめどに発展的に解消することも決めた。《共同通信》

【経団連・平岩外四会長】「景気の先行き懸念」

平岩外四経団連会長は10日、連合幹部との懇談会で、日本経済の現状について「経済は悪くなっている、との印象を持っている。日銀の短観(企業短期経済観測調査)は、景気はまだ大丈夫としているが、それは、これまでの話であり、これからは分からない。証券・金融スキャンダルの影響で、景気が急速に悪くなるのではないか、と懸念している」と述べ、今後の景気動向について悲観的な見通しを示した。

財界トップが、景気動向について、こうした見方を打ち出したのは初めてで、今後、公定歩合を含めた我が国金融政策への影響も予想される。

一方、証券補てん問題について、山岸連合会長は、①市場監視機関は、経団連のいう国税庁型ではなく、完全に独立した第三者機関が必要②補てんを受けた企業はその社会還元を検討してほしい—と主張、労働組合の立場からも追及に当たる考えを明らかにした。《読売新聞》

【海部俊樹首相】「政治改革3法案」一括成立に全力

国会は10日午後、衆院本会議で、今国会の最大の焦点である政治改革関連3法案(公職選挙法改正案、政治資金規正法改正案、政党助成法案)の趣旨説明とこれに対する質疑を行い、本格的な政治改革論議に入った。

海部首相は、3法案の撤回で足並みをそろえる野党各党に対し、衆院への小選挙区比例代表並立制導入が「政策本位、政党本位の政治の実現」を目指し、政権交代の可能性を高めると強調、今国会で十分、審議いただき、成立させていただけるよう、最善の努力を尽くす」と法案成立に意欲を表明した。また首相は、あくまで3法案一括処理の方針を貫く考えを示すとともに、衆院の「一票の格差が3倍を超える違憲状態」での解散権については、「解散権が法律的に制約されることはない」と言明した。質疑は11、12両日にも行われる。

吹田愰自治相の趣旨説明に続いて、この日質問に立ったのは羽田孜(自民)、日野市朗(社会)、矢追秀彦(公明)、金子満広(共産)、米沢隆(民社)、菅直人(進民連)の6氏。

首相は、3法案の柱であろ衆院への小選挙区比例代表立制の導入について、「今は個人中心であり、本当の意味での政策論争のできる選挙の仕組み、政党中心の活動ができるような政党政治を打ち出していくことが、新しい時代に即応する日本の政治の活力になると信じて疑わない」と述べ、現行中選挙区制の抜本改革が必要であると強調。

さらに、首相は「今のままでは、政権交代の可能性がないため、政治に緊張感がなくなる」と述べると同時に、与野党逆転となった一昨年の参院選の結果をもとにしたシミュレーションなどに言及し、小選挙区比例代表並立制の導入で政権交代の可能性が高まるとの見方を示した。《読売新聞》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】軍縮に意欲

ソ連のゴルバチョフ大統領は十日、全欧安保協力会議(CSCE)人権会議の大統領主催レセプションで、「現在の情勢は、通常戦力の大幅削減と戦術核全廃交渉の促進を可能にするものである」と述べ、軍縮促進へ強い意欲を表明した。エリツィン・ロシア共和国大統領も、同日のゲンシャー独外相との会談で欧州短距離核の全廃で原則一致している。

ゴルバチョフ大統領は、ソ連、東欧諸国の民主化、脱社会主義化という新たな状況を踏まえ、全欧州での安全保障体制創設のために一条件が整ったことを強調、一昨年11月のCSCE首脳会議で採択したパリ憲章を基礎にすべきであるとの考えを示した。

また、ゴルバチョフ大統領は、これまで東西を隔ててきた軍事・政治的壁に代わって、「富めるものと貧しい者とを隔てる経済のカーテン」を築いてはならないと指摘した。《読売新聞》



9月10日のできごと