平成807日目

平成3年3月25日(月)

1991/03/25

【自民党・小沢一郎幹事長】ソ連・ゴルバチョフ大統領と会談

自民党の小沢幹事長は25日午前11時(日本時間同日午後5時)すぎから、モスクワのソ連共産党本部で、ゴルバチョフ大統領と会談し、日ソ間の最大の懸案である北方領土問題を中心に約2時間、意見交換した。この中で小沢氏が北方四島の日本の主権を承認するよう強く迫ったのに対し大統領は、領土問題を話し合う用意があることを初めて明らかにした。

会談後の記者会見で小沢氏は「大統領から従来、私が側聞していたことよりも踏み込んだ発言があった」と進展があったことを明らかにした。会見後に小沢氏は「大統領は領土はわきに置かぬと述べたのか」との記者団の質問に「そうだ」と答えた。

小沢氏は具体的な内容は明らかにしなかったが、大統領は歯舞、色丹の二島返還を明記した1956年の日ソ共同宣言の確認を念頭に、これをベースにした領土問題解決に前向きの姿勢を示したものとみられる。29日からのべススメルトヌイフ外相、4月16日からの大統領来日を機に領土交渉が本格化する可能性が強まった。

また、小沢氏は「滞在中、さらに努力する」と大統領との再会談も含め話し合いを続ける考えを示した。

会談は北方領土問題が3分の2近くを占め、小沢氏が「歯舞、色丹、国後、択捉の四島の主権を認めてもらいたい。国民の偽らざる気持ちだ」と力説。大統領は①互いに要求を突き付けていくやり方②両国関係を拡大し相互信頼を強化、新しい水準に引き上げていくやり方ーの二つのアプローチを指摘。「関係を拡大し、信頼関係を強化していく中であらゆる問題を話し合っていく用意がある」と述べ、日ソ関係拡大の中で領土問題の話し合いに応じる用意があることを明らかにした。

この点に関し、小沢氏は会見で「大統領も日本国民の気持ちを十分、受け止めているとの前提でいろいろ話していた。(大統領来日が)実りあるものと期待している。(日ソ首脳会談のために)かなり有益な話だった」と述べ、領土問題解決に前向きな姿勢だったことを示唆した。小沢氏は四島主権承認を前提にした大規模な対ソ経済協力の用意があることも提案したとみられる。

会談の冒頭、小沢氏は「(訪ソが)日ソ関係の質的発展に貢献することを確信している」との内容の海部首相からの親書を手渡した。《共同通信》



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【中国・李鵬首相】統制強化で年6%成長を

今世紀末までの中国の発展ビジョンを決める第7期全国人民代表大会(全人代)第4回会議は25日午前、北京の人民大会堂で16日間の会期の幕を開き、李鵬首相が「国民経済・社会発展10カ年計画と第8次5カ年計画(1991−95年)の綱領に関する報告」をした。

李首相は過去十余年の改革・開放政策の成果を高く評価しつつも、インフレ高進などさまざまな矛盾を生んだことを指摘、今後十年は計画経済に市場調節を加味したマクロ統制を強化し、農業、基礎産業の充実に努め、国民総生産(GNP)の年平均成長率を過去10年の9%から、6%前後に落として、経済基礎の整備を図る安定成長に移行する方針を示した。

李首相は、対外開放の必要を説きながら、外国の敵対勢力(米欧を指す)による中国の平和転覆、分裂破壊活動は続くと述べて、民主化運動再燃を警戒、国民に対する社会主義教育の徹底と警察力の強化を訴えている。さらに今後の十年も国際情勢の激動が続き、不測の事態が生じ得るとして、国防力強化の方針を示している。

報告は全文3万5000華字に近い長大なもの。例年の政府活動報告を兼ねており、未公表の両長期計画綱領草案の説明のほかに対外関係の項目も設けられた。報告、計画綱領草案とも会議で審議され、採択される運びである。《共同通信》

【自民党・渡辺美智雄元政調会長】首相に協力姿勢

自民党の渡辺元政調会長は25日、都内で行った講演の中で、ポスト海部をめぐる今後の政局について見解を求められたのに対し「「われわれと同じ路線でやる以上、任期を決めて首相を作っているのだから、バックアップする」と述べ、条件を付けながらも海部首相の党総裁の任期切れとなる今年10月までは協力していく姿勢を示した。

渡辺氏と宮沢元蔵相は18日の「福岡会談」で、首相の指導力に疑問を示し、自民党内から、5政変を一念頭に置いた揺さぶりとの見方が出た。これに対し小沢幹事長が海部政権は「10月まで続く」と反論しており、渡辺氏のこの日の発言は、福岡会談が不評だったことに配慮、協力姿勢を示し、事態沈静化を図ったものとみられる。

一方、宮沢元蔵相は25日午前、民放テレビ番組に出演し、都知事選敗北でも「小沢氏の責任は不問」との発言が反発を買ったことについて「選挙に勝とうと思っている時に答えようがない質問が出たので“そう厳しいことを言うべきじゃないよ”、と(言った)。(反発に)困ってしまった」と釈明した。《共同通信》

【政界メモ】釈明しきりのミッチー節

◯…自民党の渡辺元政調会長は25日、都内で講演した中で、「大正世代の復権の動き」と注目を集めた18日の宮沢元蔵相との福岡会談にわざわざ言及し、「密談といわれているが、そんな話ではない。黙って夕食を食べているわけにもいかないし、いろんな話はした」と釈明しきり。

東京都知事選で負けても小沢幹事長の責任は問わないという趣旨の発言をしたことにも触れたが、竹下派の反発が余程こたえたのか「ひと口(ひとこと)多かった」「(マスコミに)大きく取り上げられたのは不徳の致すところで、それ以上解はしない」。日ごろ威勢のいいミッチー節は聞かれずじまい。

◯…「一番欲しいものは正論が通る世の中だ」。民社党の大内委員長はこの日、都内での講演で「間違った政策を持った政党が選挙で勝っている」と社会党批判を展開した上で、「正しい政策を持っているわれわれが負けている。世の中が間違っている」と決め付けた。

さらに「スカーレット・オハラ(“風と共に去りぬ”の主人公)が、“いつかは身も軽く心も軽く、そういう朝も来る”と言ったし、私は“朝の来ない夜はない”という本も書いた。希望を託しながら、責任と役割を果たしたい」と、民社党の宣伝これ努めた。一番の希望が「議席増」であることは言うまでもない。《共同通信》

【ソ連政府】急進派を封じ込め

タス通信によると、ソ連政府は25日、モスクワでの集会、デモなど街頭での政治行動を禁止する決定をした。期間は26日から4月15日までで、今月28日に予定されているエリツィン・ロシア共和国最高会議議長の支持集会などを抑え込むための措置とみられる。

最近、急進改革派への強硬姿勢を強めているゴルバチョフ政権が、実際に集会などの禁止に踏み切ったのは初めて。しかし、モスクワ市は既にこの集会を許可しているため急進改革派勢力が激しく反発するのは間違いなく、政府決定に反して集会が強行されれば、治安部隊と集会参加者との衝突も十分に予想される。

赤の広場に近いモスクワ市中心部で予定されている28日の集会には約50万人の参加が見込まれている。集会は、先のテレビ演説で大統領辞任を要求したエリツィン議長に退陣を追るため、反エリツィン勢力が開催を求めたロシア共和国臨時人民代議員大会の開会日に合わせて組織されており、ゴルバチョフ大統領の退陣を掲げたものになるとみられていた。

不振のソ連経済に深刻な影響を与えつつある各地の炭鉱ストと急進派の連携が公然化していることにも、ゴルバチョフ政権は神経をとがらせており、大統領が日本へ出発する4月15日までは内務省、国家保安委員会による強硬措置も辞さない姿勢を打ち出したとみられる。《共同通信》



3月25日のできごと