平成3008日目
1997/04/03
この日のできごと(何の日)
【政府】特措法改正案を衆院提出
政府は3日午前の臨時閣議で、5月14日で期限切れを迎える沖縄の米軍用地強制使用問題について、期限切れ後も県収用委員会の裁決手続きが完了するまで暫定使用できるようにする米軍用地特別措置法(特措法)改正案を決定し、直ちに衆院に提出した。
政府、自民党は、同日の衆院本会議での趣旨説明と質疑の後、新設する特別委員会に付託し、24日の橋本龍太郎首相訪米前の成立を目指して来週中に衆院通過を図りたい考え。
しかし社民党は法改正に反対する方向。新進党も3日午前の参院議運委選連委理事会で、橋本龍太郎首相と小沢一郎党首の会談が継続されていることを理由に審議入りに反対し、同日午後に再協議となった。
また自民党執行部内でも、小沢氏が党首会談で主張した抜本的な立法措置に強い抵抗が出ている。与野党の動向によっては政局流」一期動化につながる可能性もある。
法改正は、嘉手納基地など米軍12施設内の契約拒否地主約3000人の所有地について、期限内に県収用委の裁決を経て政府が使用権原(根拠)を取得するのが日程的に難しくなったためで、政府は「不法占拠状態を回避するための必要最小限の改正」としている。
改正案は特措法の本則に15−17条を追加、「使用期限内に表決申請を済ませた上、地主に対する補償の担保(金銭)を法務局に供託する」ことを条件に、期限切れ後も政府が暫定使用できるようにした。このほか昨年3月末に使用期限が切れ、政府による「不法」占拠状態」が続いてい楚辺通信所の一部用地についても暫定使用できる規定を「付則」に盛り込んだ。
梶山静六官房長官は臨時閣議後の記者会見で、特措法改正について「国家の存立にかかわる重大な問題だ。使用権原のない状態はどんなことがあっても避けなければならない」と、理解を求めるコメントを発表した。《共同通信》
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【橋本龍太郎首相】新進党・小沢一郎党首と会談
橋本龍太郎首相は3日夜、新進党の小沢一郎党首と前夜に続き再会談、沖縄の米軍基地使用問題について「国が最終的に責任を負う仕組みを誠意を持って整備する」などで合意した。小沢氏は米軍用地特措法(特措法)改正案に賛成する方針を示した。
特措法改正案は4日の衆院本会議で趣旨説明と質疑、7日から衆院特別委員会で実質的な審議に入る。野党第一党の新進党が賛成に回ることで24日の首相訪米前の成立が確定した。
自民、新進両党の「保保」部分連合が実現したことは、自民、社民、さきがけ3与党体制を揺るがせた。小沢氏は行革や医療改革などでも協力を示唆しており、3党体制重視か、保保連合かの路線対立は自民内で激化、政権の枠組みにも影響を与えそうだ。《共同通信》
【社民党】「保保連合」に警戒感
社民党は3日、米軍用地特別措置法改正問題での自民、新進両党合意について「保保連合」につながりかねないと警戒感を強めている。
伊藤茂幹事長は同日、橋本龍太郎首相と小沢一郎新進党党首の会談について「小沢氏の主張のような日米安保維持のために強力な法律をつくることには絶対反対。そういう方向と手をつなぐ自民党ではないと希望している」と、強くけん制していた。
土井たか子党首も特措法改正案に明確な反対を表明した上で「閣外協力にサインしたことは事実として踏まえるのが党対党の信義だ」と述べ、反対しても与党体制に残留する意向をあらためて示すことで、保保連合の動きに対抗する姿勢を示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は3日、国会内で記者団から日本債券信用銀行が打ち出した再建策の評価について尋ねられると、待ってましたとばかりににんまりし「その質問がいつ出るか、秘書官とかけをしていたんだ」。記者団は得意の金融システム改革に関する持論を展開するのではと身構えたが、首相は「かけの有効期間はもう過ぎたよ」とかわし、さらに食い下がる記者団に「再建策の細かいところまで見ているわけではない」。米軍用地特別措置法改正問題をめぐって政局が波立ってきただけに、ほかの問題で長広舌の余裕はない?
○・・・新進党の西岡武夫幹事長はこの日の代議士会で、3時間半に及んだ前夜の小沢一郎党首と橋本首相の会談について報告。「小沢党首は政府の米軍用地特別措置法改正案は沖縄県民の希望である基地の整理・縮小にこたえていない、と主張した」と小沢氏の奮闘ぶりを説明。さらに「首相もいくつかの点で同意をした」とし、新進党ペースでの党首会談を強調したが、会場からは拍手もなく、白けた雰囲気。特措法改正問題で、党内の意見集約もすんでいない中で突然行われたトップ会談だけに、出席者からは「小沢氏の独断専行ぶりは相変わらずだ」との声も。《共同通信》
【独・コール首相】続投表明
ドイツのコール首相は3日、保養先のオーストリアでドイツARDテレビのインタビューに応じ、1998年の総選挙後も首相指名選挙に立候補すると述べた。同首相が次期総選挙後の続投の意向を明言したのは初めて。
戦後最悪の467万人の失業者を抱え、経済政策に批判が高まる中で政権の浮揚を図るとともに、北大西洋条約機構(NATO)の拡大や欧州通貨統合などの政策実現に弾みをつけるのが狙いとみられる。首相は通貨統合については「ドイツは統合参加条件を達成できる」と述べ、予定通り99年からの統合実現に自信を示した。
コール首相は82年10月に旧西ドイツ首相に就任。連立与党キリスト教民主同盟(CDU)を率い、90年には東西ドイツ統一の歴史的な成果を残した。昨年10月、故アデナウアー首相の在任記録を破り、現在15年目の長期政権を維持している。
しかし、2月の失業率が12%を超えるなど深刻な失業問題に加え、通貨統合に備えるための財政赤字、福祉削減の経済改革に国内から強い批判を浴び、支持率が急落。党内からもこのままでは総選挙を戦えないとの不満が高まっていた。《共同通信》
【鹿児島県川内市】震度5強
3日午前4時33分ごろ、鹿児島県北西部を中心に強い地震があり、同県川内で震度5強を記録したのをはじめ、九州の広い範囲で揺れを感じた。気象庁の観測によると、震源地は同県薩摩地方で震源の深さは10キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5.5と推定される。東郷町で県が設置した震度計は震度6弱を記録した。午前4時52分にも同県阿久根で震度2を記録するなど、余震とみられる地震が続いた。
鹿児島県災害対策本部や県警によると、東郷町のAさん(51)がドアに挟まれ右足を有折。川内市のB君(9つ)が倒れてきたたんすで頭を切ったほか、阿久根市のCさん(38)が跳び起きた際に右肩を脱きゅうするなど4人がけがをした。
宮之城町平川の農業Eさん(68)方の裏山が崩れてブロック塀を倒し、窓から土砂が流入するなど建物損壊6棟、道路損壊7カ所、がけ崩れは20カ所以上となった。宮之城町役場は泊野地区の166世帯、約400人に避難勧告を出し、約20人が公民館に避難。出水市なども含め避難したのは約30人となった。溝辺町では約2500世帯が朝から断水した。
鹿児島県では、3月26日にも薩摩地方を中心にM6.3の強い地震があり、川内などで震度5強を記録していた。福岡管区気象台は、震源地がほぼ同一のため、今回の地震はこの時の地震の最大の余震とみている。《共同通信》
【巨人・柏田貴史投手】メッツ入り
巨人の柏田貴史投手(25)の米大リーグ、メッツ入りが3日、事実上決まった。巨人は同日、メッツに金銭で柏田を譲渡することを決定し、ウエーバー公示の手続きを申請した。今後、7日間のウエーバー期間中に他球団からの譲渡の申し入れがない場合、自由契約選手となりメッツへの移籍が正式に決定する。
柏田は2月中旬にメッツのキャンプに参加したが、「当初はキャンプだけで巨人に戻る予定になっていた。しかし、オープン戦での好投がバレンタイン監督に認められ、メッツが正式に譲渡を申し入れていた。巨人の関係者によれば、巨人への譲渡金、柏田の年俸はともに15万ドル(約1800万円)で、メッツがメジャー契約をするかどうかは未定としている。
巨人の深谷尚徳球団代表は「監督とも相談して自由契約選手として金銭譲渡することを決めた」と説明した。柏田は「すっきりとした形で行かせてくれた球団に感謝している。いずれ日本には帰ってくるつもりだけど、2年先か3年先になるか分からない」と話した。《共同通信》