平成3019日目

平成9年4月14日(月)

1997/04/14

【東京埼玉連続幼女誘拐殺人事件】宮崎被告に死刑判決

1988年から89年にかけて、東京都と埼玉県で幼女4人を相次いで連れ去り、殺害したなどとして誘拐、殺人、死体損壊などの罪に問われた元印刷業手伝い宮崎勤被告(34)に対し、東京地裁は14日、求刑通り死刑を言い渡した。

田尾健二郎裁判長は犯行当時の宮崎被告の精神状態について「性格の極端な偏り(人格障害)以外に精神的な障害があったとは思えない」とした保崎秀夫慶応大名誉教授らの鑑定を採用し、完全責任能力を認めた。

その上で「動機は性的欲求などであり、あさましいというほかない。凶悪非道で、人の尊厳を踏みにじる犯行には目を覆うものがあり、極刑を選択するしかない」と判決理由を述べた。弁護側は判決を不服として即日控訴した。

無残な犯行と宮崎被告の奇異な言動が社会に衝撃を与えた幼女連続誘拐殺人事件。2年3月から約7年に及んだ公判では事実関係は争われず、宮崎被告の責任能力が最大の争点となった。

2度にわたる精神鑑定は判決が採用した保崎鑑定のほか、内沼幸雄帝京大教授らの「多重人格を主体とする反応性精神病の状態にあり、是非善悪の識別能力もそれに従って行動する能力も若干減弱していた」とする鑑定と中安信夫東大助教授の「精神分裂病に罹患し、識別能力はあったが行為の制御能力を一部欠いていた」とする鑑定の三通りに分かれた。

判決は内沼鑑定について「公判での供述をそのまま犯行時の体験と理解した基本的姿勢には疑問がある。同様の犯行が四度も繰り返されたことにも照らすと、人格変換をうかがわせる形跡は見当たらない」として、退けた。中安鑑定についても「手の障害に起因する被害感や劣等感を分裂病の症状とみるには疑問がある」などとして、採用できないとした。

犯行の動機については「捜査段階の自白調書は目ら遺体遺棄現場を明らかにするなど、信用性が高い」として、性的欲求に加え、幼女をビデオ撮影して収集したいとの気持ちを指摘した。

これまでの公判で、弁護側は「内沼鑑定」と「中安鑑定」を踏まえ「手の障害と、心が通い合わない『解離性家族』などを背景に精神分裂病を発症し、唯一の支えだった祖父の死で感情欠如が強まった。動機は誘拐のスリル、性倒錯、ビデオ収集」と指摘。

犯行当時、識別能力は相当程度あったが、行動の抑止力は失われていたか、著しく減退していたとして、心神喪失による無罪か、心神耗弱による刑の軽減を求めた。

宮崎被告は誘拐や殺害などの事実を認め「覚めない夢の中でやった」などと陳述。弁護側は「被害者が生きている人間との認識はなかった」と殺意も否認していた。《共同通信》



【ひとつ屋根の下2】フジ系連続ドラマ放送開始

【北陸新幹線】開業は10月1日

JR東日本は14日、長野五輪に向けて建設中の北陸新幹線高崎ー長野間(約117キロ)を10月1日から開業し、列車の愛称を「あさま」と決めたと発表した。これに伴い並行する信越線の一部区間が廃止、別の区間は第三セクターに移管される。

同社によると、あさまは東京ー長野間を一日に24往復し、これとは別に東京ー軽井沢間を4往復する。最高速度は260キロで、最も速い新幹線はノンストップで、東京ー長野間を1時間20分台で結び、現在の信越線特急を使った場合の半分以下になるという。

あさまには、現在秋田新幹線と連結する東北新幹線に使っているE2系車両を使用。8両編成で、定員は630人。高崎−長野間は、両駅を含め安中榛名、軽井沢、佐久平、上田の計6駅で、このうち高崎、上田以外は従来の新幹線とは異なり、高架駅ではなく地上駅。急なこう配やトンネルが多いのも特徴で、最大こう配は従来の新幹線で最もきつい坂となり、同区間の約半分がトンネルという。

長野市で会見した原恒雄JR東日本長野支社長は「(客は)北陸へは上越新幹線で行く。(新しい路線名に)北陸新幹線はふさわしくない」として、時刻表や駅の案内板などには「北陸新幹線」との表現は使わない意向を明らかにした。《共同通信》

【ボクシング・辰吉丈一郎選手】復活ならず

世界ボクシング評議会(WBC)ジュニアフェザー級タイトルマッチ12回戦は14日、大阪府立体育会館で行われ、挑戦者で同級3位の辰吉丈一郎(大阪帝拳)はチャンピオン、ダニエル・サラゴサ(メキシコ)に3-0の判定で敗れ、王座奪取に失敗。世界王座復帰はならなかった。

WBCバンタム級に続く2階級制覇を目指し、昨年3月と同じくサラゴサに敗れ、辰吉の戦績は18戦13勝(11KO)4敗1分けとなった。サラゴサは4度目の防衛に成功で、戦績を55勝(27KO)7敗3分けとした。《共同通信》

【天皇陛下】種もみまき

天皇陛下は14日午後、皇居内の生物学御研究所わきの苗代で、稲の種もみをまかれた。

穏やかな春の日差しの下、軽装の陛下は午後2時ごろから約30分間かけて、ニホンマサリ(うるち米)、マンゲツモチ(もち米)の2種類の種もみを丁寧にまいた。育った苗は5月下旬ごろに、陛下自身の手で近くの水田に植えられ、秋には収穫。皇居で行われる新嘗祭などで使われる。《共同通信》

【農水省】諫早湾堤防を閉め切り

長崎県諫早湾の干拓事業で、農水省は14日午前、潮受け堤防で湾奥部を完全に閉め切る工事を実施した。これにより約3000ヘクタール、国内最大級の湾内の干潟は消滅に向かい、ムツゴロウなど干潟の生物が死滅するのは確実になった。

環境保全の重要性などを訴えた干拓反対派の声は、生息生物も原告に加えた工事差し止め訴訟の提訴(昨年7月)以降、徐々に広がりを見せたが、いったん決まった巨大プロジェクトを止めることは、長良川河口堰に続いてできなかった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は14日、秋田県知事選の応援遊説で聴衆からもみくちゃにされ、握手攻めにあったことについて「SP(警護官)さんが(聴衆の中に入るのを)許可してくれたんだよ」と記者団にうれしそうに打ち明けた。最近の世論調査で内閣支持率が低落傾向を強めているだけに、「橋龍人気」が取りあえず健在であることに気を良くしたらしい。もっとも、選挙戦の見通しを聞かれると「一日だけじゃ分からない。選挙というのは、何度も同じ所に行かなきゃ」と一転、厳しい表情に早変わり。

○・・・自民党の加藤紘一幹事長は全国女性議員政策研究会で、米軍用地特別措置法改正案の対応に関連して「党内が揺れていると言うが、テレビのコメンテーターが喜び勇んでいるほど揺れてない」と力説。さらに「連立3党は『水と油』と言われながら3年になる。村山政権から橋本政権へバトンタッチされ、選挙が終わっても混乱が起きないので(外野席が)面白くしている面がある」と解説した。加藤氏が党内の平穏を必要以上に強調しているのは、特措法問題を契機に勢いづいている「保保連合」推進派を強く意識したため?《共同通信》

【池田行彦外相】韓国・柳宗夏外相と会談

池田行彦外相と韓国の柳宗夏外相が14日夜、都内の外務省飯倉公館で会談し、日韓外務省の安保対話を開催することで原則合意した。両外相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への食糧支援問題で日米韓三国の連携の重要性を再確認したが、池田外相は北朝鮮による日本人拉致疑惑があることから、日本が直ちに北朝鮮への食橿支援を実施する考えがないことに理解を求めた。

会談で柳外相は安全保障面での日韓両国の連携の必要性を指摘し「外務省同士で安保対話を始めたい」と提案、池田外相も「対話を深めることは結構だ」と同意。対話のレベルや開催時期などは今後、両外務省間で詰めることになった。

両外相は北朝鮮の経済が悪化しているとの認識で一致。その上で柳外相は、北朝鮮が米韓両国が提唱している四者会談を重視しているとの見方を示し「北朝鮮対話の場に引き出すのが四者会談であり、その中で食糧問題も協議することになる」と述べたが、日本側に同調を求める要請はなかったという。

日韓新漁業協定締結問題について池田外相は早期決着に強い意欲を表明。柳外相は「時間を区切って圧力の下で交渉するのは適切でない」と述べ、すれ違いを見せた。《共同通信》

【高知県】国籍条項を撤廃

高知県は14日の人事委員会で、地方公務員の採用に関する国籍条項について、今年夏に実施する採用試験から一定の条件付きで撤廃することを決めた。都道府県としては初めて。

人事委は「『公権力の行使』や『公の意思形成への参画』にかかわる職務には就くべきではない」としたが、運用面は知事と話し合うとしており、決裁権をもつ課長などへの昇進などに制限を設けた川崎市などと違い、知事に対し、より裁量を認めた形となっている。同様に撤廃を検討中の大阪府など他の都道府県にも強い影響を与えそうだ。

人事委は、公権力の行使について「命令や強制で自由を制限したり、権力的に規制する行為」と規定。それ以外の職務が多数存在し、国籍条項を撤廃しても当面の人事管理上は問題ないと判断した。公の意思形成への参画については、基本的に課長以上の決裁権者の職務がこれに当たるとした。 その上で、外国籍の職員が採用された場合、当面は公権力の行使に当たらない部署に配置。公の意思形成への参画の部分についても「職員の昇任を見極めた上で、その都度協議する」とし、今後の運用次第で広範囲な職務に就ける可能性を残した。

橋本大二郎知事は平成7年の年頭所感で、都道府県・政令指定都市の首長として初めて国籍条項の完全撤廃を表明したが、人事委の同意が得られず、決定は川崎市などが先立っていた。知事は既に「採用された人が(課長以上の)地位につくまで10−20年必要で、その間に議論を進めて完全撤廃に持っていく方式が取れる」との判断を示しており、今回の決定を「大きな前進」としている。

高知県人事委員会が県職員の採用試験の国籍条項について制限付き撤廃を決めたことに対し、自治省は「詳しく承知していないのでコメントしかねる」と慎重な姿勢にとどまった。約1年前、川崎市人事委員会がほぼ同様の決定をした時は「適当でない」と正面から否定する考えを強調したのと比べると、国籍条項問題に対する姿勢は大きく転換、その取り扱いは事実上自治体にまかせる方針を示したと受け止められている。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】大統領、大司教が意見交換

ペルーの日本大使公邸人質事件で、保証人のシプリアニ大司教は14日、大統領府にフジモリ大統領を訪ね、昼食を挟んで約3時間半協議した。大統領が、事件発生後初めて大司教を二人だけの昼食に招待した。二人は、事件に関して幅広く意見交換したとみられる。

保証人委員会は、公邸を占拠するトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループと、政府との調停工作を続けており、大司教は先週も3回、大統領と会談した。交渉はMRTA服役囚の釈放問題を中心に合意に向け前進しつつあり、大司教は双方との非公式折衝や個別協議などを続けて調停に全力を挙げている。

大司教は大統領との会談後、バチカン大使館を訪れ、バルデリ大使と会談した。赤十字国際委員会ペルー事務所のミニグ代表は同日夕、約1時間公邸に入った。《共同通信》



4月14日のできごと