平成2193日目

平成7年1月9日(月)

1995/01/09

【近鉄・野茂英雄投手】「大リーグに挑戦することになりました」

野茂、大リーグへ挑戦–。プロ野球、近鉄の野茂英雄投手(26)は9日、大阪市内のホテルで記者会見し、同球団を退団して大リーグ入りを目指すことを明らかにした。

野茂は複数年契約を主張するなどして、昨年末の球団との2度の契約更改交渉は決裂、その去就が注目されていた。この日、前田球団社長に大リーグに挑戦したいという意思を了承され、同日、任意引退選手として公示された。《共同通信》

独特のトルネード投法で日本のプロ野球界を沸かした近鉄の野茂英雄投手が、海の向こうの大リーグに挑戦する。

プロ入り以来、抱き続けていた夢に第一歩を踏み出した球界のエースは9日、大阪市天王寺区内のホテルで会見。普段通り、淡々とした表情こそ崩さなかったが「大リーグに挑戦したい意思を伝え、球団にも行ってこいと言われた。これで良かったと思います」とすっきりした胸中を明かした。

今後は代理人を立て交渉を進めていく予定と言う。ただし、具体的な受け入れ先は決まっておらず、「あこがれのチームは特にない。渡米の予定も今のところない」と緊張感を押し殺すように話した。

一方、野茂投手と交渉した近鉄の前田泰男球団社長は、疲れ切った表情を隠せなかった。「7日の下交渉で(野茂本人から)大リーグ入りの意思を聞いた。(大リーグ入りへ向けての)手続きはしましたが、球団としては残念です」

昨年は夏場以降の巻き返しでペナント争いを演じ、今季も優勝を狙うチームにとってエースとの別離は痛手。野茂本人の夢をかなえるのか、それともチームを優先するかで苦悩した毎日が、真っ赤に充血した目に現れていた。《共同通信》

野茂が大リーグに挑戦することになった裏には球団に対する不信感が見え隠れする。大リーグに対するあこがれはプロ入りする前からあった。今でもロッカーには大リーグ選手たちのカードが所狭しと張られている。しかし、これだけ強く要求を貫徹することを決意させたのは近鉄への愛着の薄れが大きな要因だった。

一昨年11月に、絶大なる信頼を寄せていた立花コンディショニングコーチ(現ロッテコーチ)が退団させられた。野茂は自主トレーニングに呼ぶなどし、個人的にトレーニングの管理を任せようとしたが、これも球団によって却下。昨年、野茂は「今いるみんなと優勝したい。だれがいつ辞めさせられるか分からないので」とよくこぼしていた。

1993年から指揮を執る鈴木監督との関係も決して良好ではなかった。走り込み、投げ込みを重視する監督とは相いれないものがあった。独自の調整方法は認められていたが、二人の間に会話はほとんどなく、新任の米田投手コーチも監督と同じ理論の持ち主。野茂は失望感を強くしていったようだ。

昨年7月に初めて右肩を痛めたことも気持ちを固めるのを手伝った。自分の力が落ちないうちに何とか夢を果たしたい思いも強まった。そこへ近鉄と縁があり、鈴木誠投手(マリナーズ)の代理人も務めるダン野村氏からのアプローチがあり、意を決して乗ったものとみられる。《共同通信》



【大相撲初場所】2日目

大相撲初場所2日目(9日・両国国技館)横綱、大関陣はすべて安泰だった。貴乃花は慎重な取り口で大善を寄り切って、横綱初白星。曙は小結安芸乃島を豪快により倒して2連勝した。3大関はいずれも危なげなく連勝。貴ノ浪はくせ者の智ノ花を左小手投げで下し、武蔵丸は剣晃を出足よく押し出し、若乃花は琴稲妻を引き落とした。関脇魁皇は舞の海を右上手投げで破った。小結武双山は浜ノ島を取り直しでの一番で下して2勝目を挙げた。《共同通信》

【米国産りんご】店頭販売開始

輸入が解禁された米国産リンゴの第一便が9日夕、東京都内の大手スーパー店頭に初登場した。昨年春のニュージーランド産に続くもので、リンゴの本格的輸入時代が幕開けとなった。

米国産は国産リンゴより2〜3割安く、シャキッとした歯触りが特徴。「安くておいしい」と試食した買い物客に好評だった。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】日教組の旗開きに出席

自民党の森幹事長は9日午後、東京・一ツ橋の日本教育会館で開かれた日教組(横山委員長)の「新年旗開き」に出席した。自民党幹事長が旗開きに出るのは初めて。

森氏は「旗開きに招かれ、光栄で感激している。時代が変わったことを痛感している」と感想を披露。過去の自民党と日教組の関係について「文教の仕事は水面下で日教組の幹部と会って意見を聞いて協力を得ないと難しかった。今、それがオープンにできる時代になった」と指摘。「これまでの対立関係というのは外部の人がつくってきたものだ」と強調するなど、日教組との親密ぶりをアピールしていた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は9日、首相官邸で行われた自衛隊のルワンダ難民救援部隊などの帰国報告式に出席する際、執務室からの階段を下りながら問わず語りに「懇切丁寧にな」と独り言。記者団が何のことかと問いかけると「(隊員との)握手のこと。(自衛隊の果たした任務は)やっぱり大変じゃからな」。首相はこの直前、執務室て社会党の久保書記長と会談していたため「党内のごたごたも懇切丁寧にやれば大丈夫か」との質問も飛んだが、苦笑を浮かべ「(党内調整の方は)これからじゃな」と一言で口をつくみ、珍しくだんまりを決め込んだ。

○…自民党の小渕副総裁はこの日、都内で開かれた全逓の旗開きに出席。「生まれて初めて招かれ感慨無量。伊藤基隆・全逓委員長とは同郷で、招待は個人的関係か党副総裁あるいは郵政族のボスとしてかと考えたが、やぼは言わない」とあいさつし笑いを誘った。伊藤氏が「新民連と行動を共にする」とあいさつしたことに触れ「気になるが伊藤さんは私の選挙支援もしてくれる付き合い。社会党と政権を共にする自民党のことも考えてくれる」と強調すると、伊藤氏と小沢新進党幹事長との親密な関係が取りたされるだけに、会場には複雑な空気も流れた。《共同通信》

【民主リベラル新党準備会】初会合

社会党「新民主連合」の山花貞夫会長らは9日午後、「民主リベラル新党準備会」の初会合を開いた。この後、山花氏は党本部で久保書記長と会談し「同準備会には新民連から衆参合わせて30人程度が参加する」との見通しを明らかにした上で、離党を前提に20日召集の通常国会には新会派で臨む考えを示した。久保氏は「固い決意を承った。速やかに党機関で相談したい」とした。10日午後の臨時中央執行委員会で対応を協議する。

しかし党分裂は避けられない状況で、30人規模で離党して新党を旗揚げする事態になれば、村山政権の基盤は大きく揺らぎ、政局含みの展開も予想される。

10日から訪米する村山首相は9日午後、首相官邸で久保氏と会談し、分裂回避のため一層の調整を要請したのに続き、社会党閣僚と対応を協議。さらに党三役と会談し「新党は党全体がまとまれる方向で、党機関で取り組んでほしい」と求めた。

久保氏は「山花氏は非常に意思が固く、方針を変えられる空気ではなかった」と説明。ただ「30人」については「(山花氏の)希望的観測もある」との見方を示した。《共同通信》



1月9日のできごと