平成1889日目

平成6年3月11日(金)

1994/03/11

【中村喜四郎前建設相】逮捕

衆院本会議の逮捕許諾の議決を受け東京地検特捜部は11日夕、埼玉土曜会談合事件の刑事告発見送りに絡む「鹿島」(本社東京)からのあっせん収賄容疑で前建設相の衆院議員中村喜四郎容疑者(44)=茨城3区、自民党離党=を逮捕した。会期中の国会議員逮捕は昭和42年の大阪タクシー汚職以来26年2カ月ぶり。

昨年3月の金丸信前自民党副総裁(79)の脱税事件に端を発したゼネコン汚職捜査は、一連の自治体汚職を経て中央政界に到達、最終局面を迎えた。中村容疑者は特捜部の調べに、容疑を全面否認しているもようだ。

平成4年1月の阿部文男元北海道、沖縄開発庁長官(71)に続く現職国会議員逮捕。

中村容疑者はこの日午後4時、東京・霞が関の検察合同庁舎正面玄関前に黒塗りの乗用車で乗り付け、報道陣ら約400人が見守る中、弁護士2人に付き添われて庁舎に入った。同4時34分、逮捕状を執行され、約1時間後、東京・小菅の東京拘置所に身柄を移された。《共同通信》

細川首相は11日、前建設相の逮捕許諾決定後のインタビューで「真相が少しでも早く解明されるよう願っている」と述べただけで「政・官・業」の癒着打破を掲げて発足した政権にもかかわらず、政府としての真相究明への協力と再発防止への具体的言及はなかった。《共同通信》



【政界談話室】

○…細川首相は11日の閣議前、閣僚と一緒にタイ米の粉を入れてつくったパンを試食。羽田外相が輸入米の普及を狙った演出で、首相も笑顔を見せながら食べ、記者団に味のほどを聞かれ「ちょっとだけ、つまみましたが(普通のパンと)あまり変わらないじゃないですか」との反応。一方、試食会の発案者の外相は「粒だけでなく粉を食べることを(考えたらどうかと)関係の人と話して…。玄米でつくるところをタイ米にし、小麦粉に加え焼いた」と、つくり方を詳細に解説してタイ米をPR。

○…自民党の小里国対委員長はこの日の記者会見で、与野党国対委員長会談の復活を宣言。「与党側から政党間交渉の窓口を作ってほしいと要請を受け、応じることにした」と説明した。「国対政治」と称されたように政党同士の秘密折衝の場として悪評高く、細川政権発足と同時に廃止されていた。再開に当たり小里氏は「かつてうわさされたような水面下の交渉はまずい。今後は公明正大に協議する」と、しきりに公明正大を繰り返したが、やっと表舞台で活動できるうれしさを隠し切れない表情も。《共同通信》

【米・クリストファー国務長官】北京入り

米国のクリストファー国務長官は11日夜、四日間の中国公式訪問のため東京から北京に到着した。米国務長官の訪中は1991年11月以来。中国に人権問題での改善を求めることを最大の狙いとしているが、長官訪中直前に中国では少なくとも十数人の民主活動家が身柄を拘束されるなど中国側の強硬姿勢が目立っており、対中最恵国待遇(MFN)延長問題との絡みで協議内容が注目される。

特別機で北京空港に着いた長官は、当初予定されていた到着声明も発表せず、そのまま宿舎の釣魚台迎賓館に向かった。長官は12日には銭其琛外相と会談に臨むほか李鵬首相、江沢民国家主席とも会談。14日に銭外相と二回目の会談を行い、その後ウラジオストクに向かう。

長官訪中が民主化運動再燃の契機になりかねないと警戒する中国当局は、過去一週間に魏京生、王丹氏らの民主活動家を一時拘束。活動家側も自主労組を結成したり、開会中の全国人民代表大会(全人代)に公開書簡を出すなど長官訪中に向け活動を強めていた。しかしその後、活動家の多くは自主的という形で北京から退去させられている。

米クリントン政権は今年1月のベンツェン財務長官訪中以来、中国との経済関係強化を本格化させている。だが、6月の最恵国待遇延長問題では人権面での大幅な改善が必要との条件をつけており、新たな状況で対応に苦慮しそうだ。《共同通信》

【高品格さん】死去

高品格氏(たかしな・かく=俳優)11日午後5時34分、心不全のため東京都大田区の病院で死去、75歳。千葉県出身。

プロボクサーから俳優に転身した異色の経歴の持ち主。デビューば昭和14年の「土と兵隊」。40年代半ばからはテレビの刑事役として活躍。59年の映画「麻雀放浪記」(和田誠監督)の出目徳役では日本アカデミー賞助演男優賞などを受賞、わき役人生に花を咲かせた。《共同通信》



3月11日のできごと